アレルギー
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アレルギー(独 Allergie)とは、免疫反応が、特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能である。
アレルギーが起こる原因は不明であるが、抗原に対する過剰な曝露、遺伝などが原因として考えられている。
アレルギーを引き起こす環境由来抗原を特にアレルゲンと呼ぶ。
最近では先進国で患者が急増している。
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[編集] アレルギー疾患と自己免疫疾患
自己免疫疾患はアレルギーと異なり、自己の持つ抗原に対して免疫反応が起こる疾患である。内因性のアレルゲンによるアレルギー反応が病態となっている点が異なるが、その機序は同一である。
- アレルギー疾患
- 外部からの抗原に対し、免疫反応が起こる疾患。ただしその抗原は通常生活で曝露される量では無害であることが多く(たとえば春先の花粉そのものが毒性を持っているわけではない)、不必要に不快な結果をもたらす免疫応答が起こっているといえる。 アレルギー性疾患とも言う。
- 自己免疫疾患
- 自己の体を構成する物質を抗原として、免疫反応が起こる疾患。特定の臓器や部位の障害、炎症をもたらしたり、全身性の症状を呈する場合がある。
- アレルギー疾患の例
- 自己免疫疾患の例
[編集] 分類
アレルギーは、その発生機序により大きく I から V 型に分類される。
[編集] I型アレルギー
IgEというタイプの免疫グロブリンが肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球という白血球に結合し、そこに抗原が結合するとこれらの細胞がヒスタミン、セロトニンなどの生理活性物質を放出する。それにより、血管の拡張・透過性亢進などが起こり、浮腫、掻痒などの症状があらわれる。この反応は抗原が体内に入るとすぐに生じ、即時型過敏と呼ばれる。アレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹等。反応が激しく、全身に起こる場合には急速に血圧が低下するショックを来すこともある。これを、アナフィラキシーショックという。また、この種のアレルギー症状は、10分前後で現れてくる。
[編集] II型アレルギー
IgGというタイプの免疫グロブリンが、抗原を有する自己の細胞に結合し、それを認識した白血球が細胞を破壊する反応である。代表的にはB型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎が挙げられる。ウイルスを体内から除去しようとする結果、肝細胞が破壊されるため症状を来している。ペニシリンアレルギーも、II型アレルギーの一種である。この種のアレルギーの有無は、Coombs試験などの検査によって調べる。
[編集] III型アレルギー
免疫反応により、抗原・抗体・補体などが互いに結合した免疫複合体が形成される。この免疫複合体が血流に乗って流れた先で、周囲の組織を傷害する反応である。免疫複合体の障害する部位が限局的な部位にとどまる反応をアルサス型反応といい、全身にわたるものを血清病と呼ぶ。過敏性肺臓炎はアルサス型反応の、全身性エリテマトーデスや溶血性連鎖球菌感染後糸球体腎炎は血清病の代表例である。 この種のアレルギーは、2~8時間で、発赤や浮腫となって現れる。
[編集] IV型アレルギー
抗原と特異的に反応する感作T細胞によって起こる。抗原と反応した感作T細胞から、マクロファージを活性化する因子などの様々な生理活性物質が遊離し、周囲の組織傷害を起こす。薬物アレルギー、金属アレルギーなどがある。他のアレルギー反応がすべて液性免疫であるのに対し、IV型アレルギーだけは細胞性免疫がかかわり、リンパ球の集簇(しゅうそう、むらがってあつまること)・増殖・活性化などに時間が掛かるため、遅延型過敏症と呼ばれる。ツベルクリン反応、接触性皮膚炎などがある。 この種のアレルギーの皮内反応は、24~48時間後、発赤、硬結となって現れる。
[編集] V型アレルギー
受容体に対する自己抗体が産生され、その自己抗体がリガンドと同様に受容体を刺激することで、細胞から物質が分泌され続けるために起こるアレルギー。基本的な機序はII型アレルギーと同じであり、刺激性という点だけが異なる。バセドウ病が代表例である。
[編集] 各種アレルギーの代表的疾患
[編集] I型アレルギー
[編集] II型アレルギー
- 自己免疫性溶血性貧血(AIHA)
- 不適合輸血
- 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
- 悪性貧血
- リウマチ熱
- グッドパスチャー症候群
- 重症筋無力症
- 橋本病
- 円形脱毛症
[編集] III型アレルギー
[編集] IV型アレルギー
[編集] V型アレルギー
[編集] 派生
転じて、特定の事柄を強く忌み嫌う状態を、その事柄の名前を前につけて、「○○アレルギー」という言葉として用いる場合もある。
例)「え~、私は部長アレルギーだから美香ちゃんハンコもらってきてよ~」
もちろん部長アレルギーなどは存在しない。ただ、本当に近づきたくないという卑近な例と言える。
また、特定の言葉などに過剰に反応し、反論をしたり、批判することをアレルギーと表現することがある。