アルマ・ロゼ

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アルマ・マリーア・ロゼ（Alma Rosé, 1906年11月3日 - 1944年4月4日 アウシュヴィッツ）はオーストリアのヴァイオリニスト。父親はルーマニア出身のユダヤ人、アルノルト・ロゼーで母親はグスタフ・マーラーの妹ユスティーネ。したがって両親ともにユダヤ系であったため、ナチス政権によってアウシュヴィッツ＝ビルケナウ強制収容所に送致されたが、そこで囚人オーケストラを編成して指揮をし、囚われの音楽家が少しでも生き延びられるように図った。

目次 1 生涯 1.1 若年 1.2 結婚 1.3 避難と逮捕 1.4 アウシュヴィッツ 2 参考文献 3 外部リンク

[編集] 生涯

[編集] 若年

アルマ・マリーアの名は、伯父の妻であるアルマ・マーラーに由来する。音楽的な家庭環境にあったことから、職業音楽家になるべく専門的な音楽教育を受け、オーストリアでも有数のヴァイオリニストへと成長した。アルマ・ロゼ-はきわめて評価の高い演奏家であり、1932年には女性楽団員のみのオーケストラも結成している。このオーケストラはきわめて演奏水準が高く、ヨーロッパ各地で演奏旅行も行なった。

[編集] 結婚

20世紀前半の最も偉大な弦楽器奏者のひとりである、チェコ人ヴァイオリニストのヴァーシャ・プシーホダ（1900年～1960年）と1930年に結婚するが、1935年に破局を迎える。離婚の理由についてはしばしば、プシーホダが国家社会主義政権について楽観的な見通しを持っていたためアルマと意見が合わなかったのだと説明されるが、そのような根拠は見当たらない。いずれにせよプシーホダは再婚相手もユダヤ人であった。

[編集] 避難と逮捕

1938年の第三帝国によるオーストリア併合の後にアルマは父アルノルトと共に、どうにかロンドンに逃げおおせるも、自分はひとりヨーロッパ大陸に戻ってオランダで演奏活動を行なった。第三帝国がオランダを支配すると、アルマ・ロゼーは窮地に立たされる。ドイツ人技師と結婚したが、それも助命にはつながらなかった。フランスに逃げ込んだが、1942年にその地でゲシュタポに逮捕される。ドランシー捕虜収容所で数ヵ月を過ごした後、ついに1943年7月に、アウシュヴィッツ強制収容所に送られたのである。

[編集] アウシュヴィッツ

アウシュビッツへの到着で、ロゼは隔離されひどい病気になったが。最後には回復した。アウシュビッツの女性オーケストラ(the Mädchenorchester von Auschwitz Girls’ Orchestra of Auschwitz)のリーダーの仕事を担った。ロゼの到着前、オーケストラはSS-Oberaufseherin(収容所の女性警備隊)のマリア・マンデルのお気に入りのプロジェクトであった。ロゼが来る前、ポーランド人教師であるZofia Czajkowskaによって指揮がなされていた。アンサンブルは主にアマチュアの音楽家と余ったアマルガム製の楽器で構成され、弦セクションだけでなくアコーディオンやマンドリンも含まれていた。オーケストラの主要な職務は朝と夕方にメインゲートで演奏をして囚人の送り迎えをすることであった。オーケストラは囚人とSSのために週末コンサートを開き、SSの職務をもてなした。ガス室の選別の間にオーケストラが演奏をしたかは複数の資料の間では一致していない。オーケストラの指揮者として、平均的な収容者を遙かに超える特権ともてなしを受け、より多くの食事とプライベートルームも与えられた。オーケストラをすぐれたアンサンブルに変えた。彼女はオーケストラを指揮し、時にヴァイオリンのソロも演奏した。彼女の音楽的な能力に対してマリア・マンデル・ヨーゼフ・クラマーとヨーゼフ・マンゲレなどによって尊敬され、ユダヤ人の囚人としては異例であった。

チェリストのアニタ・ラスカー=ウォルフィッシュと声楽家兼ピアニストのファニア・フェネロンがいて、それぞれが英語でオーケストラの体験記録を書いた。フェネロンの記録であるPlayin for Timeは同名の映画フィルムとして作成された。フェネロンの記録はロゼの扱いに対して議論を呼んでいる。フェネロンはロゼを冷たい心を持った独裁者として記述した。保身のためにドイツ人にひれ伏し、とりわけ音楽家に対して、罵倒をしていた。 他のオーケストラのメンバーは強くこの記録に異議を唱えた。ロゼの最終的な関心はオーケストラのよく知る女性達の福祉を守ることにあった。ロゼは高い音楽的な標準を維持しただけでなく、ナチスの逮捕者を慰めることもあった。 彼女の成功の証拠として、ロゼのサポーターは書き記している。彼女の在職中はオーケストラのメンバーの一人も殺されていないと。 メンバーが病気になったときは病院で見てもらった。アウシュビッツのユダヤ人の囚人に対して、聞いたことがない待遇であった。 アルマ・ロゼは1944年にアウシュビッツで亡くなった。死因はおそらくは食中毒とされている。

[編集] 参考文献

• Richard Newman, Karen Kirtley: Alma Rosé: Vienna to Auschwitz. Amadeus Press ISBN 978-1574670516

[編集] 外部リンク

• http://website.lineone.net/~matthew.brailsford/helen_crayford/alma-rose.htm
• http://www.jmw.at/en/alma_rose.html