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アラン・スミシー - Wikipedia

アラン・スミシー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アラン・スミシー (Alan Smithee) は、アメリカ映画1968年から1999年にかけて使われていた架空の映画監督の名前である。

アメリカで、映画制作中に映画監督が何らかの理由で降板してポストが空席になったり、何らかの問題で自らの監督作品として責任を負いたくない場合にクレジットされる偽名である。使用には厳密な規定があり、映画監督からの訴えを受け付けた全米監督協会(Directors Guild of America; DGA)による審査・認定のもとに使用されていた。

目次

[編集] アラン・スミシーの起源

全米監督協会はハリウッドや独立系の映画監督による労働組合であり、映画製作を左右する実力を握る映画会社映画プロデューサーに抗して様々な要求を行い、映画の「作家」としての監督の地位を確立するため尽力してきた。勝ち取ってきた権利の中には「映画には監督の名を必ずクレジットする」というものもあり、映画監督が映画の作品的成功の功労者として認知されるために重要な権利だった。こうした経緯から全米監督協会は、映画の失敗の責任も監督が負うべきであるとして、協会に所属する監督が勝手に映画からクレジットを外すことを許可しない。

唯一監督名を外せるのは、監督の意図しないほどの編集を加えられるなど監督から映画が取り上げられた状態になるときであり、この場合にかぎり協会所属監督からの訴えを審査のうえ、映画会社に対して監督名に代わり「アラン・スミシー」という偽名を使用するよう要請していた。また協会はスミシー名義を使った監督個人に対し、監督名のクレジットを拒んだ理由を決して口外しないよう要請していた。

Alan Smitheeは "The Alias Men" (偽名の人々)のアナグラムであるとされている。最初にその名が監督名としてあらわれた映画は1968年の『夏の日にさよなら』(Iron Cowboy, 別名:Fede-In)であったが、その前年の1967年に撮られ1969年に公開された『ガンファイターの最後』 (Death of a Gunfighter) が最初ともいわれる。『ガンファイターの最後』撮影中、主演のリチャード・ウィドマークは監督のリチャード・トッテンと意見が対立し、監督をドン・シーゲルに代えさせた。しかし映画の完成後、トッテンもシーゲルも監督としてクレジットされ責任を負うのを拒んだ。当初、製作者たちは「アル・スミス」 (Al Smith) という架空の人物をクレジットしようとしたが、全米監督協会はすでにその名の監督がいるとして許可しなかった。全米監督協会はアレン・スミス (Allen Smithe) という偽名を逆提案したが、そのような名の人物が将来映画監督として登場する可能性を考え、最終的に、実在しなさそうな人名であるアラン・スミシーという名に決定した。しかしこの映画は批評家から賞賛され、ニューヨーク・タイムズはスミシーが実在しない人物だと気付かずに『監督のアラン・スミシーは表面をさっと見てその背後の細部を取り出す器用な才能を持っている』という評を書いた[1]

[編集] アラン・スミシーの終焉とその後

当初は無名の人物だったアラン・スミシーは、トラブルのあった様々な映画にクレジットされるようになったが、やがて映画マニアなどの間で「アラン・スミシーは映画にトラブルが起きたときの偽名」ということが次第に知られるようになり、偽名としての意味を失いつつあった。「アラン・スミシー」は映画以外の分野(テレビドラマ、ミュージックビデオ、書籍)などでも責任者の降板などの際に使われるようになった。

1997年、後述する『アラン・スミシー・フィルム』 (An Alan Smithee Film: Burn Hollywood Burn) というコメディ映画の中でアラン・スミシーという名が題材に取り上げられたことで(さらにこの映画にも編集権をめぐる争いが起きて本当にアラン・スミシー名義となり、ラジー賞を獲ったことが面白おかしく報じられたことで)ついに全米監督協会はこの偽名の使用をやめることになった。

スミシーの使用中止に影響を与えた可能性のあるもうひとつの事件は、『アメリカン・ヒストリーX』公開の際、監督のトニー・ケイがスミシー名義の使用を求めて却下された事件である。スミシー名義使用に当たっての規則には、自分の名義を映画から外す理由を、監督が公に向かって語ることを禁じるというものがある。再編集を巡り主演のエドワード・ノートンらとの間で起きた争いについて、監督のケイはすでにマスコミに語ってしまっていたためにスミシー名義の使用は不可能であったが、ケイはスミシー名義の使用を許可しなかった件で全米監督協会や映画会社を訴えてニュースとなってしまった。

1999年以降は全米監督協会は個々の案件について毎回異なった偽名を選ぶようになっている。その最初の例は、2000年のSF映画『スーパーノヴァ』である。これはウォルター・ヒルはじめフランシス・フォード・コッポラ、ジャック・ショルダーらが監督を手がけ断念したいわくつきの映画であり、もはや監督が特定できないため「トーマス・リー」 (Thomas Lee) という架空の人物が監督としてクレジットされた。しかしカナダなど合衆国国外で製作されたいくつかの映画やドラマなどでは、まだアラン・スミシーという偽名を使っている場合もある。

[編集] 主なアラン・スミシー名義の作品

夏の日にさよなら (1968)
アラン・スミシーの名が初めて使われた作品。実際の監督はジャド・テイラー。
ガンファイターの最後 (1969)
ハリー奪還 (1986)
クライシス2050 (1990)
日本出資・ハリウッド製作のSF映画。日本での興行成績は惨憺たる結果に終わり、再編集版がアメリカで公開された際、リチャード・C・サラフィアン監督の意向でスミシー名義となった。
ハートに火をつけて (1991)
デニス・ホッパー監督作品だが、最終編集権を持っていた映画会社とホッパーが衝突、ホッパーが降りてスミシー名義となった。数年後に「バックトラック」という題名でホッパー版も公開された。
ヘルレイザー4 (1996)
エルム街の悪夢』や『チャイルド・プレイ』で特殊メイクを担当したケヴィン・イェーガーの初監督作であった。
アラン・スミシー・フィルム (1998)
氷の微笑』の脚本で大ヒットを飛ばしたものの、『ショーガール』ではそのズレぶりが批判されてラジー賞に輝いてしまったジョー・エスターハスが脚本・製作を務めた作品。監督はアーサー・ヒラー。「アラン・スミシー」という名の人物が超大作映画を監督することになるが、映画会社による再編集に怒って監督の名義を伏せてもらおうとする。しかし全米映画監督協会の規定により使える偽名が「アラン・スミシー」しかなく、どうあってもアラン・スミシー名義にならざるを得ないと知った監督がフィルムを奪い、編集権を取り戻すため映画会社を脅迫しようとする。ハリウッドの裏側を描こうとした作品だが、当の作品もエスターハスによる編集をヒラーが嫌った争いの結果、皮肉にもアラン・スミシー名義となってしまった。5部門でラジー賞を受賞。

[編集] 日本におけるアラン・スミシー

1999年から、日本でもいくつかのアニメ作品でアラン・スミシーが見られるようになった。『銀盤カレイドスコープ』の最終回で登場した際には「日本のTVアニメでは異例中の異例」とされたが、以降もちらほらとアラン・スミシーが現れてしまっている。作画の品質が著しく低下し、ネット上で制作現場の混乱が漏れ伝わる状態となった作品に登場する傾向がある。

但しこの場合の日本の作品は全米監督協会とは何の関連もないため、直接的に「Alan Smithee」と表記されずに、弄られた名前が使われている。

イケてる2人 (1999)
第7話の作画監督表記に「すみし・あれん」。
エイケン エイケンヴより愛をこめて (2004)
後編の監督表記がアラン・スミシーであったが、表記不明。
銀盤カレイドスコープ (2005)
最終話、監督名がクレジットされず、演出表記が「Alan Smi Thee」となった。
夜明け前より瑠璃色な -Crescent Love- (2006)
第8話の演出表記に「亜乱 炭椎」(あらん すみしい)。
爆球Hit! クラッシュビーダマン (2006)
第46話のコンテ協力表記に「阿乱 済志」(あらん すみし)。
sola (2007)
第13話(最終話)の作画監督表記に「阿乱 須未椎」(あらん すみしい)。
BLUE DROP 〜天使達の戯曲〜 (2007)
第12話・第13話の作画監督表記に「亜蘭 純子」(あらん すみし)。
逮捕しちゃうぞフルスロットル (2007)
第1話の絵コンテ表記に「住吉 亜蘭」(すみよし あらん)。

なお、制作現場のトラブルとは関係なく、会社間の関係や契約の都合などにより表立って名前が出せない場合に、一種の代用ペンネームとして用いられたケースも存在している(参考:阿藍隅史)。

[編集] アラン・スミシー以外の偽名

1999年以降に全米監督協会が個々の案件について毎回異なった偽名を選ぶようになっているのと同様に、アラン・スミシー以外の偽名を使用するケースがある。これはアラン・スミシーが使われる以前からあったことであり、本名のアナグラムであったり、アニメ・漫画のキャラクター名を拝借して弄ったり捩ったりした名義などが存在する。しかし、上記にあるように制作現場のトラブルとは関係なく、会社間の関係や契約の都合などにより表立って名前が出せない場合に使用したり、元からペンネームで活動していたりと、使用する理由は様々である。

以下に、関連項目に記載しない例を示す。

つるピカハゲ丸くん (1988 - 1989)
各話コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
美味しんぼ (1988 - 1992)
各話コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
ガタピシ (1990)
第85話のコンテ・演出・作画監督表記に「ミトコンドリア」。
ふしぎの海のナディア (1990)
第7話絵コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
楽しいムーミン一家 冒険日記 (1991)
第2話の絵コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
逮捕しちゃうぞ (1997)
第24話の演出表記、第33話の絵コンテ・演出表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
少女革命ウテナ (1997)
第12話の絵コンテ表記に「垂 永志」(たれ ながし)。
メダロット魂 (2001)
1話脚本の「呉 行湖」。同作品は前作からスタッフ総入れ替えであり、前作シリーズ構成が今作品用のプロットを制作している
星のカービィ (2001 - 2003)
各話脚本表記に「あんの うん」。これは「unknown」(未知の人物)を表すものと思われる。
格闘料理伝説ビストロレシピ (2001 - 2002)
上記と同じく各話脚本に「あんの うん」。同時期のため恐らく同一人物と思われる。
ぴたテン (2002)
20話の絵コンテ表記に「プリンちゃん」。
ギャラリーフェイク (2006)
15、21、25各話脚本に「愛 植男」(あい うえお)。
プリンセス・プリンセス (2006)
第3話の演出表記に「摸財 久太郎」(もざい くたろう)。
いぬかみっ! (2006)
第8話・第19話の絵コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
第18話のED絵コンテ表記に「赤道 く斎」(せきどう くさい)。これは同作品の登場人物・赤道斎の捩りである。これに関してはすーぱーぞうさんず&Rice5も参照のこと。
魔法少女リリカルなのはStrikerS (2007)
第4話の原画スタッフに「東京 かげろう」(とうきょう かげろう)。
第7話・第18話の原画スタッフに「竜宮 カナ」(りゅうぐう カナ)。これは『ひぐらしのなく頃に』の登場人物・竜宮レナの捩りである。
ひとひら (2007)
第6話の絵コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
NARUTO -ナルト- 疾風伝 (2007 - )
各話演出表記に「おおくまネコ。」。木下ゆうきが絵コンテを務める回にクレジットされることが多い。
銀魂 (2007)
第75話の構成・演出表記に「未 定」(いまだ さだむ)。
また、第82話では担当した脚本家の名前がクレジットされなかった。
Yes! プリキュア5 (2007)
第40話の演出表記に「垂 永士」(たれ ながし)。
スケッチブック 〜full color's〜 (2007)
第11話原画スタッフに「星野 夢見」(ほしの ゆめみ)。これは『ルナティック雑技団』の登場人物・星野夢実から来ている。
灼眼のシャナII (2008)
第16話以降のOP原画スタッフに「愛咲 るい」(あいさき るい)。これは『ルナティック雑技団』の登場人物・愛咲ルイからきている。
GUNSLINGER GIRL (2008)
第7話の原画スタッフに「高町 七の八」(たかまち なのは)。これは『魔法少女リリカルなのは』の主人公・高町なのはの捩りである。
素敵探偵ラビリンス (2008)
第14話の演出表記に「牧野 次郎」(まきの じろう)。これは『大都会 PARTIII』の登場人物、牧野次郎(演:寺尾聰) からきている。
しおんの王 (2008)
第22話(最終話)の原画スタッフに「高町 フェイト」(たかまち フェイト)。これは『魔法少女リリカルなのは』の主人公・高町なのは及び同作品の登場人物であるフェイト・テスタロッサの捩りである。
ヴァンパイア騎士 (2008)
第4話の演出表記に「関屋警部補」(せきやけいぶほ)、第8話の演出表記に「小田切警視」(おだぎりけいし)。これは『Gメン'75』の登場人物、関屋警部補(演:原田大二郎)と小田切警視(演:夏木陽介)からきている。
二十面相の娘 (2008)
第4話の原画スタッフに「才井藤 るいず」(さいと るいず)。これは『ゼロの使い魔』の登場人物、平賀 才人(ひらが さいと)とルイズからきている。
狂乱家族日記 (2008)
第9話絵コンテ表記に「垂 永士」(たれ ながし)。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ Thompson, Howard (May 10 1969). "Screen: Tough Western: 'Death of a Gunfighter' Stars Widmark" New York Times

[編集] 外部リンク


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