みちのく大賞典
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
| みちのく大賞典 | |
|---|---|
| 開催地 | 盛岡競馬場 |
| 1着賞金 | 600万円 |
| 距離 | ダート2000m |
| 出走条件 | サラブレッド系4歳以上オープン |
| 負担重量 | 4歳以上57kg（牝馬2kg減） |
| 第1回 施行日 |
1973年7月22日 |
| 特記 | 上位2着までにマーキュリーカップへの優先出走権 |
みちのく大賞典（-だいしょうてん）は、岩手県競馬組合が主催する競馬の地方全国交流競走。施行条件は盛岡競馬場ダート2000メートル。正式名称は一條記念みちのく大賞典。副称は東北の馬産発展に貢献し、旧盛岡競馬場を設計した一條友吉を記念したものである。
目次 |
[編集] 概要
岩手の古馬ナンバーワン決定戦として1973年に創設された。創設以来、開催時期については多少ばらつきがある（「歴代優勝馬」の項を参照）ものの、盛岡競馬場の移転に伴い水沢競馬場で代替開催された1996年の第24回を除き、全て盛岡で施行されている。長らく岩手所属馬のみを対象に施行されてきたが、2001年に東日本地区所属馬に解放され、翌年にはさらに九州地区が加わり、2005年からはJRA所属馬を除く、全国の地方所属馬に解放された。また、2004年には同じく盛岡で行われる統一重賞マーキュリーカップへのトライアル競走に指定され、2着までに同競走への優先出走権が与えられるようになっている。このように、全国的な位置付けとしては岩手のローカル重賞となっているが、歴代の優勝馬には岩手競馬を代表する名馬が名を連ね、現在でも岩手競馬が主催する競走の内で最も権威あるもののひとつである。また、本競走の勝ち馬は岩手競馬所有の馬運車にその名前が転用されることが慣習となっている。
当初はファン投票レースとして創設され、現在は桐花賞に継承されている。また、岩手競馬では1972年以前の重賞レースは農林大臣賞典や岩手県知事賞典等と呼ばれていた。この頃から競走番組の商品化・ソフト化を推進し始めたが、主導した中心人物が「岩手競馬中興の祖」と称される藤原正紀氏である。
当時は重賞レースと特別レースの位置付けが曖昧で、文献によってみちのく大賞典が岩手競馬初の重賞レースという説と、レース名称がついた最初の重賞レースという２つの説がある。1971年と1972年で一部不明な記録があったりするため、正確にはわからないようである。
2001年からは、岩手のみならず日本の馬産界に多大な功績を残した岩手出身の一条牧夫、一条友吉親子の名前を後世に残すため、レース名称を一条記念みちのく大賞典と変更された。しかし、一般的にはみちのく大賞典と呼ばれ親しまれており特に問題はない。
[編集] 歴史
- 1973年-盛岡競馬場ダート2000メートルの重賞競走として創設。
- 1980年-スリーパレードが史上初の連覇。
- 1991年-グレートホープ、スイフトセイダイが同着優勝。
- スイフトセイダイが史上2頭目の連覇。
- 1992年-グレートホープが史上3頭目の連覇。
- 1995年-モリユウプリンスが史上4頭目の連覇。
- 1996年-盛岡競馬場の移転新設に伴い、水沢競馬場で施行。
- 1997年-新設の盛岡競馬場で初開催。
- 2000年-メイセイオペラが史上初の3連覇。
- 2001年-東日本地区交流競走となり、正式名称が「一條記念みちのく大賞典」となる。
- 2002年-東日本・九州地区交流競走となる。
- 2003年-船橋のマキバスナイパーが他地区所属馬として初制覇。
- 2004年-マーキュリーカップへのトライアル競走となる。
- 2005年-地方全国交流競走となる。
- トニージェントが史上5頭目の連覇。
[編集] 歴代優勝馬
| 回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 所属 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 1973年7月22日 | ヤマトハナ | 騸8 | 水沢 | 2:05.9 | 千葉次男 | 千葉忠一 |
| 第2回 | 1974年6月30日 | スリービート | 牡7 | 水沢 | 2:07.8 | 佐々木恒 | 佐々木豊 |
| 第3回 | 1975年11月2日 | カネヒエイ | 牡4 | 盛岡 | 2:07.1 | 平岡芳三 | 小西善一郎 |
| 第4回 | 1976年6月27日 | メジロスイセイ | 牡8 | 水沢 | 2:06.8 | 千葉次男 | 千葉忠一 |
| 第5回 | 1977年6月12日 | シンコダイオー | 牡6 | 水沢 | 2:07.6 | 村上実 | 千葉博次 |
| 第6回 | 1978年6月25日 | ジムパーナ | 牡8 | 水沢 | 2:08.3 | 村上正幸 | 村上初男 |
| 第7回 | 1979年6月24日 | スリーパレード | 牡7 | 水沢 | 2:09.1 | 村上正幸 | 村上初男 |
| 第8回 | 1980年6月22日 | スリーパレード | 牡8 | 水沢 | 2:09.0 | 伊藤和 | 村上初男 |
| 第9回 | 1981年6月21日 | イチコンコルドオウ | 牡7 | 水沢 | 2:07.4 | 伊藤和 | 佐々木豊 |
| 第10回 | 1982年6月20日 | ダイドウスター | 牡6 | 水沢 | 2:09.1 | 小竹清一 | 佐々木豊 |
| 第11回 | 1983年6月19日 | テルノエイト | 牡7 | 水沢 | 2:07.0 | 佐藤浩一 | 志村文雄 |
| 第12回 | 1984年6月17日 | ハシクランツ | 牡8 | 盛岡 | 2:10.3 | 村上正幸 | 大和正四郎 |
| 第13回 | 1985年6月23日 | サクラハイデン | 牡7 | 水沢 | 2:09.5 | 佐藤浩一 | 志村文雄 |
| 第14回 | 1986年6月22日 | ボールドマックス | 牡6 | 水沢 | 2:09.1 | 小竹清一 | 千葉忠一 |
| 第15回 | 1987年6月21日 | マグマカザン | 牡6 | 水沢 | 2:06.3 | 村上正幸 | 村上初男 |
| 第16回 | 1988年6月19日 | トウケイフリート | 牡5 | 水沢 | 2:07.2 | 菅原勲 | 村上実 |
| 第17回 | 1989年6月18日 | エンゼルトーン | 牡5 | 水沢 | 2:07.2 | 織笠光幸 | 酒井清 |
| 第18回 | 1990年6月17日 | スイフトセイダイ | 牡4 | 盛岡 | 2:08.9 | 小竹清一 | 城地藤男 |
| 第19回 | 1991年5月12日 | スイフトセイダイ | 牡5 | 盛岡 | 2:10.6 | 小竹清一 | 城地藤男 |
| グレートホープ | 牡5 | 盛岡 | 菅原勲 | 小西重征 | |||
| 第20回 | 1992年6月21日 | グレートホープ | 牡6 | 盛岡 | 2:09.1 | 菅原勲 | 小西重征 |
| 第21回 | 1993年8月1日 | トウケイニセイ | 牡6 | 盛岡 | 2:03.9 | 菅原勲 | 小西重征 |
| 第22回 | 1994年7月31日 | モリユウプリンス | 牡5 | 水沢 | 2:06.2 | 小林俊彦 | 千葉四美 |
| 第23回 | 1995年7月30日 | モリユウプリンス | 牡6 | 水沢 | 2:07.7 | 小林俊彦 | 千葉四美 |
| 第24回 | 1996年6月9日 | ヘイセイシルバー | 牡8 | 水沢 | 2:12.6 | 三野宮通 | 村上実 |
| 第25回 | 1997年8月31日 | シャマードシンボリ | 牡9 | 盛岡 | 2:08.5 | 佐藤雅彦 | 櫻田浩三 |
| 第26回 | 1998年8月30日 | メイセイオペラ | 牡4 | 水沢 | 2:03.5 | 菅原勲 | 佐々木修一 |
| 第27回 | 1999年8月29日 | メイセイオペラ | 牡5 | 水沢 | 2:05.1 | 菅原勲 | 佐々木修一 |
| 第28回 | 2000年8月27日 | メイセイオペラ | 牡6 | 水沢 | 2:06.7 | 菅原勲 | 佐々木修一 |
| 第29回 | 2001年8月19日 | グローバルゴッド | 牡7 | 盛岡 | 2:10.0 | 小林俊彦 | 櫻田浩三 |
| 第30回 | 2002年8月18日 | シネマパラダイス | 牡8 | 盛岡 | 2:07.2 | 西康志 | 晴山厚司 |
| 第31回 | 2003年8月17日 | マキバスナイパー | 牡8 | 船橋 | 2:07.5 | 左海誠二 | 岡林光浩 |
| 第32回 | 2004年6月13日 | トニージェント | 牡7 | 水沢 | 2:06.8 | 村上忍 | 村上実 |
| 第33回 | 2005年6月5日 | トニージェント | 牡8 | 水沢 | 2:05.9 | 村上忍 | 村上実 |
| 第34回 | 2006年6月4日 | コアレスハンター | 牡9 | 大井 | 2:08.2 | 御神本訓史 | 高橋三郎 |
| 第35回 | 2007年6月17日 | テンショウボス | 牡4 | 水沢 | 2:07.6 | 小林俊彦 | 佐々木修一 |
