どこでもいっしょ
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『どこでもいっしょ』は1999年7月22日にソニー・コンピュータエンタテインメントが発売した、プレイステーション用ゲームソフト。通称「どこいつ」。
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[編集] 概要
プレイステーションを使ったゲーム内のキャラクターとのコミュニケーションソフト。分類的には人工無脳系ゲームの一種といえる。「ポケピ」(ポケットピープルの略)と会話を楽しんだり、言葉を教えたりしてコミュニケーションをはかっていく。
特筆すべき点はポケットステーションとの連動がゲームの基本になっている点である。ポケピはポケットステーションの中に常時おり、プレイステーション未使用時でも、ポケットステーションを持ち運ぶ事によって外出時でもポケピとコミュニケーションをとることが可能である。さらにポケットステーション内蔵の赤外線通信機能を使う事で、友人と名刺交換が出来たり、しりとり遊びが可能になったりする。
ポケットステーションを全面に押し出したコミュニケーション機能とポケピという愛らしいキャラクターに人気が集まり、発売直後にはソフト・ポケットステーション共に売り切れ店が続出した。1999年には通産省マルチメディアグランプリ1999を、2000年には第4回日本ゲーム大賞を受賞。また派生作品を始め、オリジナルグッズやどこでもいっしょキャラバージョンのパッケージのプレイステーションなどが発売され、現在でも各種コラボレーション企画やイベントが展開されるなど、人気は根強い。
ゲーム自体も2000年にPlayStation the Bestとして廉価版で発売された。
[編集] PSP版・どこでもいっしょ
2004年には、プレイステーション・ポータブル版としてリメイクされた(2005年にPSP the BESTとして廉価版が発売)。どこでもいっしょ5周年企画第3弾として発売され、漢字入力が可能になったほか、ポケットステーションでは機能が少なかったグラフィック面を強化、また過去のシリーズ作品の要素がふんだんに盛り込まれており、5人のポケピの以外の派生作品で登場したポケピが (絵日記や背景などで) 総登場したり、辞書機能 (私なえほん) やおウチ以外の場所にお出かけできるようになった (トロと休日)。教えた言葉が背景に反映されたり (トロと流れ星)、言葉に関係付けをさせたりするところ (トロといっぱい) など、これまでのシリーズ作品の集大成が詰まっている(他方、初代版にあった「おくりもの」機能は削除された。また、同じく初代にはあったお部屋の環境音がカットされている)。無線通信機能を使って名刺交換やしりとりなどを可能にするなど、PSPの機能を活用した作品となった。
[編集] 主要キャラクター
- トロ(本名:井上トロ[いのうえ・トロ])
- 5月6日生まれ。A型。好物は中トロ、しゃこ、なっとう巻き。人間になる事を夢見るネコ。言葉をたくさん覚えればいつかは人間になれると信じており、何でも知りたがろうとする。無邪気だが、寂しがり屋で甘えん坊。おませでちょっとエッチな話や恋愛の話に興味がある。また、かなりのコワがりでもある。トロという名前は、ネコが好きな魚に関係があり、また呼びやすいものとして選ばれた。井上という姓は、どこでもいっしょのデバッグを行っていた人が、なぜかこのキャラクターを「井上」と呼んでいたことに由来する。ゲーム内での設定では、井上寿司の主人に拾ってもらったことからという設定。語尾に「ニャ」をつける。資格:ボタンつけ3級。
- ジュン(本名:三原ジュン[みはら・ジュン])
- 8月28日生まれ。O型。好物はカレー、ラーメン。カラオケとテレビが大好きなウサギ。自称・恋愛の達人(,恋愛の旅人)。芸能ネタやうわさ話に敏感。歌う事が大好きで、将来の夢は紅白出場。現代っ子らしく口調も女子高生のような感じ。愛について語りたがる。可愛いだけでなく毒を持ったキャラクターであるため、三原じゅん子にあやかった名前を付けられた。語尾に「ウサ」、「ピョン」をつける。資格:カラオケ2段。
- リッキー(本名公表せず)
- 1月4日生まれ。AB型。好物はハチの子とプロテイン。世界一の格闘家を志すカエル。地方出身のためか、「オラが…」「…ダス!」など言葉に訛りが見られる。全国各地をさすらっており、様々な体験談を語る。歴史に詳しく、毎日のスパーリングをかかさない。ニオイフェチ。リッキーという名前は、往年のプロレスラー力道山に由来している。覆面レスラー風に本名は非公開とされた。語尾には「ダス!」以外にも「ケロ」をつける。資格:教員免許。
- ピエール(本名:山本ピエール[やまもと・ピエール])
- 11月14日生まれ。自立するために実家をでてきたイヌ。A型。好物はハーブティーとホッケ。おネェ口調が特徴。占いや心理テストをよくやる。花言葉や外国語に詳しい。温厚な性格ではあるがまれに逆上することもあり。パリで一人暮らしをすることが夢。5人のポケピ中、唯一両親が健在 (なのが判明している)。名前の由来はママンがフランス留学中に恋に落ちた相手の名前だと言っている。初代・どこでもいっしょの開発当初は、このピエールをメインキャラクターにする予定だった。資格:タロット占い4級。
- スズキ(本名:R・スズキ[アール・スズキ])
- 9月13日生まれ。血液型は「TYPE B5W-40」。大好物は今川焼きで作るのも得意。真面目で堅物、理論派で理屈っぽい性格の四面ロボット。経済や哲学についての知恵を披露してくる。ぐるぐる回る四面フェイスは右回りに「ノーマル」、「笑い」、「放心」、「狂乱」。知識が豊富で格言・名言も語るが間違った解釈をしている事も。発明するために日々研究に励んでおり、ノーベル賞受賞が将来の目標。過去のSF作品に出てくるロボットが頭文字に「R」がつくことから、名前に「R」が付けられた。「スズキ」の名前の由来は不明である。資格:英検3級、4級船舶、ボイラー技師免許。
- クロ
- 誕生日不詳。黒猫。プレイヤーと会話できる「ポケピ」には含まれない。初代『どこでもいっしょ』には登場していないが、『-どこでもいっしょ- トロといっぱい』で「ノラネコのクロ」として初お披露目。以後、『レッツ学校!』や『まいにちいっしょ』などの作品に登場し、「6人目のキャラクター」としての立ち位置を確立している。『トロといっぱい』では大勢の名無しの「クロ」が登場するが、当初は人間を嫌っており、人間と仲良くするトロを疎ましく思っていた。『レッツ学校!』では校長先生として登場、『まいにちいっしょ』の『トロ・ステーション』ではトロと共にメインキャスターに起用され(これは今までの「クロ」とは別個体、蝶ネクタイで区別する[1])、雑学からオタクネタまで巧みに操る酒好きなオヤジキャラを発揮している。
[編集] 派生作品
[編集] こねこもいっしょ
2000年に発売されたどこでもいっしょの追加ディスク。こねこ時代のトロと遊べる。基本システムはそのままに、ストーリーが追加されている他、この作品で遊んだデータをそのままどこでもいっしょに引き継げるなどの追加要素が盛り込まれている。
こねこトロは最初は捨て猫であった。
[編集] iモードもいっしょ
2001年に発売された追加ディスクの第2弾。NTTドコモのiモード対応携帯電話とプレイステーションを繋ぐ事で、遠く離れた友人と名刺交換やしりとりが出来たり、スケジュール帳機能が使えたりする。※サービスは現在終了している。
[編集] トロと休日
2001年に発売された、プレイステーション2用ゲーム。実写で再現された港町をトロと一緒に散策、様々な人に出会ったりしながら、トロと会話して想い出作りを行なっていく。モデルとなった街が三浦半島近辺であり、主要路線である京浜急行電鉄とコラボレーション企画を行っている(後述)。 エンディング(※グッドエンディング時)「心ノ種」
[編集] トロとタイピング
2002年に発売されたwindows用タイピングソフト。発売元:メディアクエスト
[編集] -どこでもいっしょ- 私なえほん
2003年に発売された、プレイステーション2用ゲーム。話を読み進めながら、プレイヤーが挿し絵や言葉を入力していく事で、自分だけの絵本を作り上げていく。
[編集] 温泉もいっしょ
2004年に発売されたwindows用タイピングソフト
[編集] -どこでもいっしょ- トロと流れ星
2004年に発売された、プレイステーション2用ゲームで、どこでもいっしょ5周年企画第1弾。トロと一緒に流れ星のかけらを探しにいくアドベンチャーゲーム。
なお、「トロと休日」からこの「流れ星」までは、原作ゲームの製作元である株式会社Bexide(旧ボンバーエクスプレス)の製作ではないため、「どこいつ」シリーズに数えないというファンも多い。
[編集] -どこでもいっしょ- トロといっぱい
2004年に発売された、プレイステーション2用ゲームで、どこでもいっしょ5周年企画第2弾。空き地に住むようになったトロに言葉を教えていくが、言葉がノラネコの「クロ」達に伝わり、やがて空き地がプレイヤーの言葉で一杯になっていく。同作以降5人のポケピと共にシリーズ作品に登場する「クロ」のデビュー作。
[編集] -どこでもいっしょ- レッツ学校!
2006年6月に発売された、プレイステーションポータブル用ゲーム。学校が舞台で、プレイヤーは学校の先生となり、生徒である5人のポケピと入学から卒業までの1年間を過ごす。5人のポケピが一堂に揃って絡み合うのはこのタイトルが初となる。どこでもいっしょPSP版のセーブデータとの連動が可能となっている。サルゲッチュのピポサルも特別出演。
[編集] どこでもいっしょ 〜トロのおさかにゃ釣り〜
2006年6月にアミューズメント施設で稼動を開始したメダルゲーム、カプコン製。トロが釣りをするとシチュエーションのもと、プレイヤーがうまくメダルを投入してたくさん魚を釣り上げていくというもの。
[編集] トロのお話しアプリ ムネきゅんなのニャ
2006年11月6日にiアプリで配信。月額315円で、FOMA901i / 703iシリーズ以降に対応している。待ち受けアプリとして動作する他、登録したスケジュールと連動する機能もある。上記レッツ学校!ともパスワードで連動する。 EZアプリ (BREW)版もあり。
[編集] こねこトロのお話しアプリ
2007年12月28日よりEZアプリ (BREW)で配信。上述の「トロのお話アプリ」と共通で月額315円。
「こねこもいっしょ」の携帯版。
[編集] まいにちいっしょ
プレイステーション3専用ネットワークサービス「PLAYSTATION Network」のコンテンツ配信サービス「PLAYSTATION Store」で、2006年11月11日から無料配信されているコンテンツ。トロなどどこでもいっしょのキャラクターが毎日さまざまな情報を提供するとともに、出題されたクイズに答えるなどのコミュニケーションをとることが可能。詳しくは「まいにちいっしょ」「トロ・ステーション」を参照。
[編集] トロフォトスタジオ
携帯電話のフォト機能と連動した画像処理アプリ。
2007年8月9日にiアプリで、2008年1月10日にEZアプリ (BREW)にてどこでもいっしょモバイル内で配信 (どこいつモバイルの会員専用、ポイント消費でダウンロード可能)。
[編集] コラボレーション企画
- 2000年から2001年にかけて、「カルピスウォーター」のイメージキャラとして起用され、CMでは酒井彩名、平山あやと共演した。カルピスウォーターとはそれ以降も定期的にグッズや期間限定ラベルなどのコラボレーションを行っている。
- 2001年9月から10月にかけて、京浜急行電鉄のキャンペーンキャラクターとなり、記念1日フリー切符の発売やキャンペーン電車トロ号の運行を行った。このキャンペーンが大成功だった事を受けて、同年12月には品川駅にトロの銅像が建てられ、記念パスネットも発売された。
- 2001年10月2日から2007年9月28日まで、フジテレビ系「めざましテレビ」にて「トロと旅する」というトロ達が全国各地を巡るコーナーが放映された。現在はBSフジにてPM7:45~PM7:55まで過去の放送分をダイジェストで再放送されている。2004年には占いコーナー「トロ占い」も始まる (2007年3月30日に終了)。またフジテレビの各種イベントにもトロやどこでもいっしょ関連のブースが設置された。
- 2001年11月から12月にかけて、代官山プラースで「トロと休日」発売記念のコラボレーションカフェを開店、12月には記念のトロをかたどったクリスマスツリーが設置された。
[編集] 外部リンク
- どこでもいっしょ.com - 作品公式サイト
- 株式会社ビサイド - 開発会社公式サイト
- フジテレビ「トロと旅する」 - コラボレーション企画「トロと旅する」公式サイト
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プレイステーション(PS) | どこでもいっしょ - こねこもいっしょ - iモードもいっしょ |
プレイステーション2(PS2) | トロと休日 - 私なえほん - トロと流れ星 - トロといっぱい |
プレイステーション3(PS3) | まいにちいっしょ/トロ・ステーション |
プレイステーションポータブル(PSP) | どこでもいっしょ (PSP) - レッツ学校! - レッツ学校!トレーニング編 |
キャラクター | (井上)トロ - (三原)ジュン - (山本)ピエール - リッキー - (R・)スズキ - クロ |
コラボレーション | トロと旅する(めざましテレビ) - カルピスウォーター - 京浜急行電鉄 |
関連項目 | SCEI - 京浜急行電鉄 - 藤村俊二 - つじあやの |