DERBY OWNERS CLUB
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ジャンル | 対戦型競走馬育成 シミュレーションゲーム |
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対応機種 | アーケードゲーム |
開発元 | ヒットメーカー |
発売元 | セガ |
人数 | 1~8人 |
メディア | GD-ROM |
稼働時期 | 1999年 |
利用料金 | 100円 +100円(カード発行時) |
デバイス | タッチパネル、ボタン リライタブルカード、ICカード |
使用基板 | NAOMI(~2) LINDBERGH BLUE(2008) |
ジャンル | 対戦型競走馬育成 シミュレーションゲーム |
---|---|
対応機種 | アーケードゲーム |
開発元 | ヒットメーカー |
発売元 | セガ |
人数 | 1~8人 |
稼働時期 | 2008年 |
利用料金 | 初回プレイ500円(カード発行料込み) 1プレイ200円 ICカード 500円 |
デバイス | 上下左右ボタン スタートボタン ムチ、追い、押さえボタン、STARTボタン |
DERBY OWNERS CLUB(ダービーオーナーズクラブ)は、1999年にヒットメーカー(現在はセガの一組織)の小口久雄が主に開発し、株式会社セガより発売され稼働した、対戦型競走馬育成シミュレーションアーケードゲーム。略称はDOC。NAOMI基板で製作された。
2000年には、バージョンアップ版である『DERBY OWNERS CLUB 2000』が稼働した。
2001年には、改良版の『DERBY OWNERS CLUB 2』が稼働した。
2008年には、新筐体・LINDBERGH BLUE基板を使った『DERBY OWNERS CLUB 2008 feel the rush』(~フィールザラッシュ。以下『2008』と表記)が稼働した。
継続的なプレイの為に、リライタブルカードを利用した情報保存システムを採用したが、『2008』では、ICカードも併用するようになった。
目次 |
[編集] 概要
業界及びセガで初めてカードによる情報保存システムを採用したアーケードゲームである。他の競走馬のアーケードゲーム同様に、馬の調教とレースのシステムがあるが、他と異なり、このゲームはメダルゲームではない為、馬の育成・調教・レースでの馬の操作に重点が置かれている。
磁気カード方式を用いた『DERBY OWNERS CLUB』が1999年から稼動した。自分専用の馬をデータカード化できてゲームセンターを梯子できることや、賞金ランキング表示システムや実況のテンポの良さは大受けし、その改良版『DERBY OWNERS CLUB 2000』は「ファミ通」のアーケード用のランキングでは1年半以上にわたり圧倒的な差でトップをキープし続けるほどの大人気となった。インターネットオークションや専用のサイトなどでは強力な種馬、牝馬、子馬、賞金額の膨大な現役馬などの入ったカードや、カードコピーといった裏技情報が多数高価で取引されたり、セガ系列のゲームセンターでは地区レベルで各地で大会も開催されたことがある。店舗にもよるが、ピーク時には休日1時間待ちやプレイヤーの強制入替制の処置をとるなどの状況まで見られた。
しかし、このブームに水を差す事態が発生してしまう。『2000』の馬のスタミナ消耗の制御プログラムに、ゲームバランスを崩壊させる程の致命的なバグが存在している事が発覚したのである。これがインターネットなどを通じて広まると、このバグを利用した先行馬による俗に「ハメ逃げ」などと呼ばれる必勝法が確立され、また磁気データを改竄された異常に強力な馬も横行してしまい、ついには通常のプレイではほぼ勝てない状態が発生し、これが原因でたちどころにプレイヤーが離れていった。
当然、セガはバグ修正版をリリースしたものの、一度離れてしまったプレイヤーはほとんど戻る事なく、この為テコ入れ策として新たに調教やステータスのシステムを一新し、プレイ料金も引き下げ、実況で馬名を発音させることができ、カードもコレクション性のあるものにした『DERBY OWNERS CLUB 2』を2001年末に稼動させたが、既に『STARHORSE』の人気が上がっていたこともあり、かつての人気はついに取り戻せず、姿を消す事になった。
2007年9月、セガは第4作『DERBY OWNERS CLUB 2008 feel the rush』を2008年に稼働すると発表した。筐体・基板が新しいものになり、今までの「馬カード」の他に「オーナーカード」(ICカード)も使用するシステムになった。以前のシリーズからのデータ引継ぎは行っていない。
[編集] ゲーム内容
筐体には、タッチパネルと「抑え」「ムチ」ボタンがある。『2008』では、「追い」ボタンが追加された。馬1頭のデータがリライタブル磁気カード1枚に保存される。
まず愛馬を誕生させ、育成により能力とオーナー(プレイヤー)との絆を高めて、GIレースに出走させる。
[編集] ダービーオーナーズクラブオンライン
ジャンル | 競走馬育成 シミュレーションMMORPG |
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対応機種 | Windows |
運営元 | セガ |
人数 | マルチプレイヤー |
メディア | Win:CD-ROM |
運営開始日 | 2004年12月 終了日:2006年9月30日 |
Windows用競走馬育成オンラインシミュレーションゲーム版の『ダービーオーナーズクラブオンライン』が、株式会社セガより、2004年12月に発売された。略称はDOCO。
『ダービーオーナーズクラブ』がアーケードゲームで大人気を博したので、PC向けに改良したものである。分類はMMO。諸般の事情により2006年9月30日をもってサービス終了。
単に馬を育成させるだけではなく、「ジョブ」という概念を取り入れた本作は、プレイヤーにその世界で土地や家を買うなどの生活をさせながら競馬を楽しむというのを目的としていた。レース画面は非常に流麗でカメラワークも秀逸、また実況には自分の馬の名前が呼ばれるなどライブ感も高かった。操作性もマウスのボタンだけではあったが、十分に馬を操ることが出来、アーケードで培ったレース演出の完成度は、これ以上ない完璧な仕上がりであったといっても過言ではない。
しかしその反面、ジョブの仕様に不公平感が存在し、その為プレイヤーの間に少なからぬ格差(ジョブで得た利益やアイテムの差)が発生し、この差が馬の育成にも直接に大きく影響することから最終的にレース部分を同条件で楽しむことが難しくなるなど問題が生じた。運営側も改善を図ろうと細かな変更を試みたが、対応が著しく拙速でかつ根本的な仕様変更には至らず、その為プレイヤー離れが進んだ原因ともなった。加えてジョブは、操作性も単純で面白みに欠け、この作業がプレイヤーのゲーム離れに一層の拍車をかけた。
また、この種のゲームに多く採用されてある対戦モード(『ダービースタリオン』で言うブリーダーズカップ)が本作には存在せず、せっかく育成した自分の馬が他者の馬と対戦できないまま引退・処分を余儀なくされるということからコアなファンより支持を得ることが出来なかった。
こういったレース以外での不具合・バランスの悪さが長期的にユーザー離れを招いてしまい、最終的には不採算となってサービス終了に至ったのではないかと推測されている。先述したがレース画面と演出は大変完成度の高かったものだけに、レース以外の完成度の低さが改善されなかった事が惜しまれた。だが、厳しい言い方をすれば、問題が発生しても適宜な対策を素早く施さなかった運営側が招いた必然的な結果といえなくもない。蛇足になるがゲームの進行とは別に、プレイヤーの外観衣装(アバター)や、家に飾る細かなアイテムの出来は秀逸で、最後まで孤軍奮闘したデザイナー陣の苦労が伺える。優れた演奏者も優れた指揮者がいなければ、全体として評価を得ることが出来ずにサービス停止を余儀なくされるという教訓を示したオンラインゲームである。