高坂ニュータウン
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高坂ニュータウン(たかさか―)は埼玉県東松山市南部にある、むさし緑園都市の地区の1つである。行政区域の名称は高坂丘陵地区。
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[編集] 概要
高坂ニュータウンは、東京都心から約50km圏に位置し、高坂台地から岩殿丘陵(比企南丘陵)にかけての土地に1976年(昭和51年)から住宅・都市整備公団(現:都市再生機構)が開発した総面積97.2ヘクタールの住宅団地で、むさし緑園都市の1地区として1984年(昭和59年)から分譲開始された人口5,781人、2,009世帯(2008年4月1日現在)の街である。街のほぼ真ん中を南北に関越自動車道が通っており、地域南側に隣接して高坂サービスエリア、西側に隣接してこども動物自然公園が設置されている。
また、高坂ニュータウンは総面積の25%が緑地や公園になっており、たいへん環境に恵まれているのが最大の特徴で、地区計画による緑化、優れた街並みと豊富な緑地が高く評価され、1997年(平成9年)に「都市景観100選」に選定されている。(なお、都市景観100選では高坂丘陵ニュータウンと書かれている)
なお、都市機構による開発は現在は全て終了し、ニュータウン内に残った未開発地は2006年に民間開発業者に売却され住宅分譲されている。
[編集] 区画
全体的に、ほとんどが住宅地区で占められる。住宅地区は、地域のほぼ中央に高層住宅、周辺に戸建て住宅が広がる。商業地区は地域のほぼ中央にあるスーパーマーケットを中心とした限られた数しか無いため、ニュータウンから高坂駅にかけての並木通り沿いに商店や医院などの施設が増えてきている。
なお、当初は高層住宅を中心とした造成計画で計画人口も12,000人とされたが、東松山市の意向もあり戸建て住宅中心に計画変更されたため、最終的な人口は6,000人程度にとどまることになった。
[編集] 歩行者専用道路網
高坂ニュータウンには、「ひきのみち」をはじめとして、地区を結ぶ大小の歩行者専用道路が網の目のように整備されている。これはニュータウン内の高低差を利用し車道と歩道を立体的部分離することで平面交差を無くして交通事故を発生しにくい安全な環境を実現している。この歩行者専用道路のほとんどは植栽を施した緑道となっており歩道ながら道路幅は広い所では18mあり、歩行者専用道沿いに広がる大小の公園とネットワークして、街全体が公園を形成しているような快適なコミュニティ空間を形成している。
このような車道と完全分離された歩行者専用道路によるネットワークは大規模なニュータウンでは比較的整備されているが、埼玉県内のニュータウンでは珍しい。
[編集] 周辺環境との調和
高坂ニュータウンの最寄り駅である「高坂駅」西口から高坂ニュータウンへ延びる道は、両側の歩道が各6mあり歩道には彫刻が並べられるなど文化の香りが高いコミュニティを形成している。なお、高坂駅から地域へは比較的近いため、高坂駅周辺を含めた地域の名称として呼ばれる事もある。
[編集] 商業環境の変化
当初、高坂ニュータウンは団地内を【歩く】コミュニティで設計され、ニュータウンの歩行者道路の中核となる「ひきの道」沿いに商店街やスーパーマーケットを作るように計画されたため、分譲開始当初にオープンしたスーパーマーケットは車では行きにくい場所にあった。しかし、時代の流れから【車】中心のコミュニティ造りの必要性が大きくなってきたため、1989年から虹の橋周辺の商業施設用地の土地利用計画の変更を行い、高坂ニュータウンを貫く幹線道路である「並木通り」沿いに商業施設を集積する形で第一弾として東松山白山台郵便局が開局、その後1998年にはスーパーマーケットが並木通り沿いに移転オープンした。
[編集] 地区一覧
- 埼玉県東松山市桜山台(戸建住宅地区)
- 埼玉県東松山市白山台(戸建住宅地区)
- 埼玉県東松山市旗立台(戸建住宅地区)
- 埼玉県東松山市松風台(商業地区、集合住宅地区、戸建住宅地区)
- 四季の丘
- エステ・スクエア松風台
- エステ・アベニュー松風台
- パークス松風台
[編集] 主な施設
[編集] 公共施設
[編集] 学校
- 東松山市立桜山小学校
- 東松山市立白山中学校
- 大東文化大学東松山第二キャンパス(仮称)
[編集] 商業施設
[編集] 医院
- つかさクリニック
- 長嶺歯科医院
[編集] 周辺
- 大東文化大学 東松山キャンパス
- 東京電機大学 鳩山キャンパス
- こども動物自然公園
- 埼玉県平和資料館
- 関越自動車道 高坂サービスエリア
- ファミリーマート 高坂ニュータウン店
- 小僧寿司 高坂ニュータウン店
- いとう小児科
- サンクリニック
- ガスト 東松山高坂店
- 高坂市民活動センター
- 南地区体育館
- 東松山消防署高坂分署
[編集] 公園
[編集] 大規模公園
[編集] 小規模公園
- なつめ公園
- かきの木公園
- やまもも公園
- あんず公園
- ゆすらうめ公園
- はにわの丘(桜山古墳群)
- くりの実公園
- 中丸緑地
- かりん緑地
- ちごさわの森
[編集] 道路愛称
- 並木通り
- 高坂駅西口からニュータウンの中央を縦貫し、Uの字に国道407号南活センター南交差点に至る2車線の市道。歩道幅が6mもあり2車線の割に全道路幅が24mもある。東松山インターチェンジから関越自動車道沿いの道を経由し、坂戸市方面に抜ける近道として交通量が多く、ニュータウン内には3箇所の交差点に信号が設置されている。高坂駅側では彫刻通りと呼ばれている。
- 電大通り
- 並木通りの千年谷公園交差点から東京電機大学を通り、鳩山町石坂に至る2車線の市道。東京電機大学への表通りであるほか、鳩山方面に抜ける道として使われる事が多い。別称富士見通り。
- 旗立通り
- 並木通りからニュータウンの西側を経由し、電大通りに至る北西を2車線の市道。バス通りである。
- 桜山通り
- 並木通りからニュータウン東側を経由し、並木通りに至る2車線の市道。バス通りであるが、生活道路の感が強い。
- ひきのみち(遊歩道)
- ニュータウンの真ん中にある地域を結ぶ歩行者専用道路である。高坂ニュータウンには歩行者専用道路が多いが、この道は歩道の割に道路幅が10mもあり、桜並木が続いており、道路と言うよりは公園である。
[編集] 交通機関
「高坂ニュータウン入口」バス停付近までの所要時間
[編集] 鉄道
- 東武東上線 高坂駅から徒歩20分程度。
- 高坂駅西口から川越観光バスで5分(1時間あたり3~7本程度運行)
- 高02系統:高坂駅(西口)-高坂ニュータウン・桜山台経由-東京電機大学本館前
- 高02系統:高坂駅(西口)-高坂ニュータウン・松風台経由-東京電機大学本館前
- 高02系統:高坂駅(西口)-高坂ニュータウン循環-高坂駅(西口)
[編集] 道路
- 関越自動車道
- 鶴ヶ島インターチェンジから坂戸方面→国道407号約15分
- 東松山インターチェンジから川島方面約15分
[編集] 歴史
- 1976年(昭和51年) - 東松山都市計画事業 高坂丘陵土地区画整理事業許可
- 1984年(昭和59年)4月 - 分譲開始
- 1984年(昭和59年)4月 - 桜山小学校開校
- 1985年(昭和60年)4月 - 白山中学校開校
- 1985年(昭和60年)9月 - 千年谷公園野球場完成
- 1986年(昭和61年)4月 - バスルート変更。なつめ公園折返場新設。
- 1989年(平成元年) - 千年谷公園野外ステージ完成
- 1990年(平成2年) - 四季の丘分譲開始
- 1990年(平成2年) - 区画整理事業事業完了
- 1991年(平成3年)4月 - 緑山小学校開校
- 1992年(平成4年)4月 - 高坂丘陵地区センター完成
- 1992年(平成4年)11月 - 高坂丘陵地区センターが第6回さいたま景観賞受賞
- 1997年(平成9年) - 都市景観百選受賞
- 1998年(平成10年) - バスが東京電機大学へ延長(なつめ公園バス停廃止)
- 1998年(平成10年) - マミーマート松風台店移転オープン
- 1999年(平成11年)4月 - 高坂西交番完成
- 2006年(平成18年)3月 - 緑山小学校閉校(大東文化大学に譲渡される)
- 2006年(平成18年) - 未使用公共用地の住宅分譲開始
[編集] その他
- 高坂ニュータウンではテレビ番組のロケによく選定されており、近年でも仮面ライダー剣や燃えろ!!ロボコンなどに出てきている。
- 周辺には、高坂駅東口第二地区や鳩山ニュータウン(比企郡鳩山町)、坂戸ニューシティにっさい(坂戸市)があり、一大ニュータウン地帯となっている。