虹をつかむ男
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虹をつかむ男(にじをつかむおとこ)は、西田敏行主演、山田洋次監督の喜劇映画シリーズ。1996年と1997年に公開された。
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[編集] 本作の制作について
男はつらいよ第49作のタイトルは「男はつらいよ 寅次郎花へんろ」、ロケ地に高知県、ストーリー、キャスト、公開日は1996年12月28日と決まり秋からの撮影を控えていた。しかし、同年8月4日に車寅次郎役の渥美清が死去したことにより男はつらいよシリーズの制作が不可能になったため幻になった。そこで公開するはずだった1996年12月28日に公開された渥美清への追憶映画。
主演はこの年に作られるはずだった新作「寅次郎花遍路」に出演予定だった西田敏行、ヒロイン役も同作でマドンナを演じる予定だった田中裕子。さくら役だった倍賞千恵子、ひろし役だった前田吟、満男役だった吉岡秀隆の三人に至ってはこの映画でも親子役であり、おいちゃん(3代目)役だった下条正巳、おばちゃん役だった三崎千恵子、源公役だった佐藤蛾次郎なども登場しており寅さんファミリーの総出演と言われる事も多い。男はつらいよのサブレギュラーやシリーズに出演した事のある人物も出演している。
当初はタコ社長役だった太宰久雄やポンシュウ役だった関敬六も出演予定だったのだが2人とも当時は入院していたために断念した。
このシリーズは2作で終わったが、寅さんシリーズの代わりとしては、1988年から男はつらいよと同時上映が恒例だった『釣りバカ日誌』が松竹の看板映画となっている。
[編集] シリーズ概要
[編集] 第1作
第1作『虹をつかむ男』(1996年12月28日公開、ロケ地:徳島県美馬郡脇町(現・美馬市))
この映画の舞台となる「オデオン座」(脇町劇場)は1995年に閉館し取り壊しが予定されていたが、この映画で一躍注目を集め、後に町指定文化財として修復され一般公開されることとなった。エンディングでは出演者が亡き渥美清への思いを語っている。また、渥美清演じる寅さんがCGではありながら登場する一場面がある。
[編集] キャスト
- 白銀活男:西田敏行
- 平山亮:吉岡秀隆
- 十成八重子:田中裕子
- 平山春子:倍賞千恵子
- 平山章:前田吟
- 平山咲枝:佐藤仁美
- 十成修次郎:笹野高史
- 十成かおり:宮下順子
- 常さん(映写技師):田中邦衛
- 和尚:すまけい
- 赤羽(郵便局員):柳沢慎吾
- 鏡子(薬屋):松金よね子
- 茂(弁当屋):神戸浩
- 吉井巡査:鶴田忍
- 安徳先生:永瀬正敏
- 斉藤課長:柄本明
- 村長:下條正巳
- 親族代表:三崎千恵子
- お遍路のおばさん:山田スミ子
- オデオン座に雇われる男:上島竜兵
- その他:高原駿雄、佐藤蛾次郎
[編集] スタッフ
[編集] 映画内で使われた映画
[編集] 第2作
第2作『虹をつかむ男 南国奮斗篇』(1997年12月27日公開、ロケ地:奄美群島)
「巡回上映」が舞台となっている。また、『男はつらいよ ハイビスカスの花』を上映予定の看板が置いてある場面がある。当時『ハイビスカスの花』特別編が同時公開だったためである。
[編集] キャスト
- 白銀活男:西田敏行
- 平山亮:吉岡秀隆
- 祝節子:小泉今日子
- 麓松江:松坂慶子
- 祝清治:哀川翔
- 祝幸吉:田中邦衛
- 祝文子:八木昌子
- 平山肇:笹野高史
- 平山綾:角替和枝
- 平山咲枝:星野真理
- 絹代:倍賞千恵子
- サブ:小籔千豊
- 村井主任:田山涼成
[編集] スタッフ
- 監督:山田洋次
- 脚本:山田洋次、朝間義隆
- プロデューサー:中川滋弘、深澤宏、平野隆
- 音楽:山本直純