自主規制音
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自主規制音(じしゅきせいおん)は、テレビやラジオなどの音声を放送したり広く販売されたりするメディアで、自主規制などのために特定の語句を伏せるために用いられる、「ピー」などのかぶせ音のこと。
代表的な音が「ピー」と聞こえることから「ピー音(ピーおん)」とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 概要
[編集] バラエティ番組
バラエティ番組では主にいわゆる放送禁止用語や、知られると都合の悪い大物の芸能人の名前などに対し用いられる。一方で、視聴者の興味を誘うための演出として使われることもある。例えばその芸能人を簡単に特定できるように編集されていたり、語句の一部しかかぶせていなかったり、CMあけや次回の放送で伏せられた内容が明らかになることをにおわせていたりなどである。
クイズ番組ではクイズの正解を最後に発表する場合に多く使われる。制限時間内に解答者が正解を答えた場合、まだ正解を考えている視聴者に分からないように伏せる目的となっている。
バラエティ番組とその形式を踏むメディアでは、自主規制音はもはや記号として働いているといってよい。本当に言ってはいけない言葉は編集で必ず切られるので、そういう場合にピー音がかぶせられることはほとんどない。
[編集] 報道番組・生放送
報道番組でも放送禁止用語を伏せるために用いられる。しかしニュース番組には後述する生放送の部分が多く、さらに事前に編集した映像では自主規制音を入れるとかえって違和感がある場合もある。そのためそのような素材をそもそも使わないか、自主規制音を使っても控えめなことが多いようである。しかし、その映像の暴力性自体にテーマがある場合などその素材の利用が不可避な場合は、必要な箇所で「ピー音」などをかぶせてその素材を十分活かすこともある。
生放送では、自主規制が必要な発言などにあわせて臨機応変に自主規制音をかぶせるのは困難である。このためアメリカのテレビ局などでは生放送の際に映像を短期間半導体メモリなどに記憶し、時差を付けて放送することがある。万一自主規制が必要な発言などがなされた場合は、即座にその部分に遡って自主規制をかけられるようにするためである。同様のシステムは日本でも一部で導入されているようである。
[編集] アニメ・ドラマ・映画
古い映画や落語・アニメなどの作品を放送する際に、作品中の語句が問題となる場合は無音にしたりその部分をカットしてしまったりすることが多い。また、その芸術性を尊重する場合には断りをいれたうえでそのまま放送することもある。詳しくは放送禁止用語を参照。
また一部のアニメでは、ギャグやネタの一貫として自主規制音を用いる場合があるが、これは前述したバラエティ番組と同様の用い方である。
[編集] アダルト関連
アダルトビデオやアダルトゲームなどでは、スラングや性に関する隠語の一部に自主規制音がかけられている。アダルトゲームメーカーの多くが加入するコンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)では、自主規制という名目ながら強い審査を行っている。
[編集] 自主規制音のバリエーション
この自主規制音のバリエーションとして、以下のような例がある。
- ピー (正弦波1kHz)
- 最も多用されるであろう音で、ニュース番組においても用いられることがある。放送用のミキサーなどにはテストトーンとして正弦波1kHzの音響信号を生成する機能がある。このテストトーンを自主規制音に用いたのが「ピー音」の始まりと考えられる。
- 無音にする
- 自主規制が必要だがなるべく違和感をなくしたい場合などに使われることがある。音声が外国語で、多くの視聴者が日本語字幕に注目しているような場合、音声の1単語程度を無音にした程度ではあまり気づかれないことも多い。素材がマルチトラックの場合など、BGMや効果音はそのままで、台詞だけを無音化できるようなときには特にその傾向が強い。
- ズキューン (拳銃の発射音)、ドカーン(爆発音)
- バラエティ番組で放送禁止用語(主に性に関する隠語)を伏せるのに用いられる。
- 電子音
- クイズ番組で正答を伏せる際に使われることがある。
これ以外にはコンピュータゲームのサウンドトラックなどから取った効果音も用いられる。例えば『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』のルーレット回転中の効果音や『スーパーマリオブラザーズ3』のパワーメーターフル状態の効果音がよく使われる。