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琉球の信仰 - Wikipedia

琉球の信仰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

琉球の信仰(りゅうきゅうのしんこう)は、琉球(現在の沖縄県および奄美諸島大東諸島尖閣諸島を除く)において土着の民俗信仰、自然信仰として発生した信仰体系を指す。琉球王国時代には事実上の国教として祭政一致体制に編入され、現在も民間信仰として定着する、琉球固有の多神教宗教である。 なお、沖縄(琉球)に自分たちの信仰を意表する単語はないが、ニライカナイ信仰御嶽信仰琉球神道とも称される。

目次

[編集] 全体の概要

琉球の信仰は、祖霊信仰を核として来訪神信仰東方(太陽)信仰おなり神信仰が混成して形成されたものであり、琉球王国時代に体系化された。 原理としては、太陽神をあがめ、守護神や来訪神のいる異界に豊穣を祈るもので、しばしば祭祀のときに集落を訪れる(と考えられる)来訪神と人間の関係は極めて近しい。また死生観として、魂は神のいる異界ニライカナイ(後述)より来て、死んでまたそこへ帰り、守護神となって集落へ還ってくると考える。このため祖霊を非常に敬い、死後の世界を後生(ぐそー)と称して、これも非常に現世や生者と近しいものとしてとらえている。

具体的な宗教活動としては、集落ごとに祖霊神や来訪神が訪れる自然の聖域である「御嶽」(うたき)を拝所として設け、神の来訪を祝う神事としての祭りを行い、安全や豊作を祈願したり感謝するものである。また旧暦8月には祖霊が集落、家族のもとへ帰ってくるという、本土の「お盆」と共通した概念を持ち、同様の祭事を行う。なお、祭事の日取りは旧暦を用いる。

祭祀において、行事の一切を取り仕切り、来訪神の依代となるのが集落の神官であるノロである。琉球では女性を神聖視して、霊力(セジ)を持つ女性をノロやユタとした。一般に女性は血族の男性の霊的な守護神であると概念しており、これをおなり神(妹神)信仰という。この考え方は、現在も残っており、各集落のノロ職は、もともとその集落の宗家やあるいは有力豪族の血縁の女性(妹や姉や母)に由来すると考えられ、代々世襲とされているほか、民間のシャーマンであるユタも多くが女性とされている。

琉球の信仰では、神がいる他界概念としてニライカナイとオボツカグラを想定する。ニライカナイは海の彼方、あるいは地底にあると概念され、そこは豊穣と命の根源となる異界である。一方、オボツカグラは天空にあると概念される異界である。もともとは国頭地方の信仰と考えられ、琉球王国時代に喧伝されて、王権神授論的な権威付けに用いられた。まとめると、ニライカナイは水平線上の庶民的な、オボツカグラは垂直にある権威的な他界といえる。琉球王国が滅ぼされた現在では、ニライカナイへの信仰が一般的である。

琉球の神は主に「来訪神」と「守護神」に分類できる。来訪神は異界の神であり、平時には人々の集落に存在しないか、御嶽にのみいると考えられる。しかし祭りの時になると異界から集落や集落の御嶽に訪れると考えられている。特に著名な神は、琉球の創造神であるアマミキヨ(アマミク)とシネリキヨや、ニライカナイの最高神である東方大主(あがりかたうふぬし)、国王就任の際に現れるという君手摩(きみてずり)などであるが、この他にも多数の神がいると考えられている。来訪する神は世界的に島嶼民族に共通して見られ、一般に海を神聖視するが、これは琉球においても同様である。これに関連して、民俗学者の折口信夫は「まれびと論」を展開した。 一方、守護神はもともと地域集落の死者の魂=祖霊であり、ニライカナイで神となって集落に戻ってくるとされ、この神は平時に拝所や御嶽にいると考えられている。また、過去の偉大な功績を残したノロが神とされ、墓地が御嶽となる例が確認される。

琉球の信仰には教義、教典の類は存在しない。すべての指針はノロを介して神より与えられる。人々はただ、定められた時期に必要な祭りを行い、訪れる神と交流するのである。

[編集] 琉球の祖霊信仰

琉球では祖先の霊は一族の守護神として敬われ、墓は「後生の家」すなわち死後の家であるとして、立派なものを作る傾向がある。葬制風葬が一般的だった。これは明治期に禁止されたが、実際は1970年代まで行われていたことが確認されている。遺体はまず崖(パンタ)や洞窟(ガマ)に置かれて自然の腐敗を待ち、3年後に親族の女性が洗骨して納骨する。崖や洞窟は古来、現世と後生の境界の世界とされ、聖域であると同時に忌むものとされてきた。祖霊を崇める一方で、「死」はあくまで「穢れ」と捉えられているのである。 また、琉球には古来、「七世生神」(しちせいしょうしん/出典:中山世鑑)という概念があり、死後七代祭られた祖霊は神になると信じられていた。神となる死者の遺骨は、それまでの墓から「神墓(くりばか)」という専用の墓に移され、集落の守護神として祭られる。神墓は集落の拝所なのである。

[編集] ノロ(祝女)の扱い

琉球では、神と人間を介在する存在として集落の神官であるノロと、民間の在野のシャーマンであるユタがいるが、これらは典型的なシャマニズムに分類できる。 前者のノロは、神との交信ができるのみでなく、神をその身に憑依させると考えられている。祭祀において、成り子君と呼ばれる神の憑依したノロは、神と人間の介在者ではなく、まさしく神そのものとして扱われる。これは古代日本神道のいうところの「神がかり」であり、他の宗教の神官とは性格を異にする神官といえる。(詳しくはノロ参照)

[編集] 琉球王国における体系化と東方信仰

琉球王国は、祭政一致の政策をしき、琉球各地の類似信仰も吸収、整理統制化した。各地に様々な呼び方をされていた聖域を「御嶽」という呼称に統一し、ノロは階級化され、集落のノロが各集落の御嶽を管理し、地方の豪族領主である按司の血縁の女性をその地域全体のノロを統括する大阿母(神職名)とし、さらに国王の血縁の女性をノロ々々の頂点である聞得大君とした。

また、琉球王国は太陽神(てぃだ)を最高神とする東方信仰を根幹においた。そして琉球国王は太陽に重ねて称えられ、ニライカナイの君手摩神の祝福を受け、オボツカグラの神の認証を持つとされて、王権神授論を構成した。ちなみに、琉球王国の船旗は白地の中央に赤い日の丸の日章旗であり、これは日本国の使用よりも古い。 東方には太陽が昇る穴(太陽が穴:てぃだがあな)があると考えられ、その先は神域と考えられた。すなわち東方は太陽のある聖域であり、反対に西方は死の領域と考えられ、忌避された。王国時代の風葬は西方の崖や洞窟で行われた。首里からみて、太陽が登ってくる地平線の真下にある玉城村など四間切は聖地と考えられ、多くの御嶽が集中している。またさらに東方の海に浮かぶ久高島は琉球王国最高の聖地と考えられ、久高島の中央にあるクボー御嶽は太陽が穴そのものとされていた。以来、久高島は現在に至るまで沖縄最高の聖地として知られている。

また、琉球王国時代には、琉球開闢神話が史書として残された。「中山世鑑」「琉球神道記」などに、日本(大和)の開闢神話と酷似した神話が記録されている。開闢神話において、琉球は天帝(日の大神、太陽神)によってアマミキヨ、シネリキヨの二柱の神によって土地を造成され、島となり、それから琉球開闢七御嶽(御嶽 (沖縄)の項目参照)をつくり、島に人間を放ったとされている。

また、琉球王国は先島を勢力下に収めるたびに、この信仰をその地に広め、現地にノロや司(つかさ:八重山のノロ職名)を置いている。しかし基本的に間接統治であったため、現地の信仰の多くもそのままに残され、御嶽のような形式がその地域の信仰に取り込まれていくこととなった。ただし、王国と敵対したオヤケアカハチが信仰していた八重山地方のイリキヤアマリ神信仰のように、滅ぼされた信仰も存在する。

琉球王国では、その王統が伊平屋・伊是名島に由来することから、伊平屋・伊是名の神を王国の守護神として王府首里に勧請した形跡が伺える。一例として、国王巡礼の守護神となっていた有名な園比屋武御嶽の神が、元々は伊平屋の神であったことがあげられる。また、聞得大君の神名である「しませんこ あけしの」は、もともと国頭地方勢理客の御嶽の神名であることがわかっている。

[編集] 信仰の由来

琉球の信仰は琉球で自然発生的に生まれたと考えられている。いつ頃発生したかは史料が皆無であるため明確ではないが、7世紀にはすでに原型はあったと考えられている。 ノロ、ユタが原始的な世襲型、召命型のシャマニズムであること。御嶽は古代集落が原型と考えられ、御嶽信仰は祖霊崇拝が変化したものと考えられること。また、おなり神信仰は、古代の母系社会や女性上位社会の変化と考えられること。これらのことから、専門家の間では、琉球の信仰は古代信仰の形式をとどめていると考えられている。

[編集] 日本神道との類似性

琉球の信仰には、全体的に古代の日本神道と多くの共通点が見られる。 その核となる祖霊崇拝、来訪神といった琉球の信仰の特性は「古事記」「日本書紀」といった史料と照らしても、日本神道と非常に似通っている。一例として、柳田國男がニライカナイを根の国と同一のものであると指摘し、共に常世信仰であるとしていることが挙げられる。 しかし、琉球の信仰と日本神道とでは、その共通部分において日本神道側に形骸化しているものが多い。一例として、古代日本では卑弥呼に象徴されるようにシャーマンは女性であったが、現在では神職は男性が主流であり、巫女はその補佐役となっている。一方、琉球の信仰では現在もノロやユタといった神職は原則として女性である。また別の例として、古い御嶽のように拝所を自然の場所自体として社やご神体を設けない形式は、古代日本においてもそうであったことが判明しているが、現在の日本神道ではこうした自然拝所はほぼ消失している。(現在の御嶽には鳥居や社の設置も一般的に見られる。御嶽 (沖縄)の項目参照) こうしたことから、琉球には日本(大和、本土)の古代信仰の形態が今も残っているというのが多くの民俗学、宗教学の識者の一致した見解であり、旧琉球領の各地で行われる祭事は、本土の学者からも調査の対象となっている。琉球の信仰と日本神道が、祖を同じくする信仰である可能性も否定できない。

[編集] 音楽文化への影響

琉球の祭祀でノロたちによって読み上げられるウムイ、クェーナ、ミセセル、ティルルといったいわゆる祝詞は、琉歌の原型と考えられている。琉歌の特徴である八・八・八・六(サンパチロク)の節が、これら祝詞の文節と共通するためである。琉歌はその後、琉球民謡へと変化し、現在の沖縄音楽の基礎となっている。

[編集] 先島の来訪神信仰

以上の信仰は沖縄本島を中心に発達したと考えられるが、本島とは別の生活圏として発達した先島では、それぞれ独自の宗教も存在した。そのいくつかは、地域が琉球王国に併合された後も排斥されることなく現在も残っており、地域の御嶽を中心に祭りを行っている。 主なものとしては宮古島大神島の大神御嶽を中心に行われる「祖神祭」(ウヤガン)、同じく島尻で行われる「パーントゥ・プナハ」、八重山全域でみられる「アカマタ・クロマタ」、石垣島群星御嶽で行われる「マユンガナシ」などがあげられる。いずれも秘祭として部外者禁制を敷いているものが多い。 特にウヤガンをのぞく祭りは、いずれも異形の来訪神を迎える祭りであり、祭事には来訪神に扮した(あるいは来訪神そのものとして)仮装で集落を徘徊するというような儀式がみられる。また、これら異形の神々もニライカナイと同じ概念の異界から訪れるものと考えられている。 また、琉球王府の統治時代よりノロ制度が導入された奄美諸島では、現在も残るわずかなノロを中心に、やはりニライカナイからの来訪神を迎える豊穣祈願などが行われている。有名なものとしては龍郷町秋名の「平瀬マンカイ」がある。また、祖霊を迎える三八月(ミハチガツ)と呼ばれる旧暦8月中旬の三日間のお盆祭りでも、ノロが祭祀を取り仕切る地域がいくつもみられる。

[編集] 関連項目

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