池田輝政

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池田輝政

凡例

時代

安土桃山時代から江戸時代前期

生誕

永禄7年12月29日（1565年 1月31日）

死没

慶長18年1月25日（1613年 3月16日）

改名

照政（初名）、輝政

別名

三左衛門、吉新（通称）、羽柴吉田侍従、
西国将軍（仇名）

戒名

国清院殿泰叟玄高大居士
国清院殿泰叟高広大居士

官位

武蔵守、従四位下、侍従、
従四位上、少将、正四位下、参議

主君

豊臣秀吉→徳川家康

藩

播磨国姫路藩主（52万石）

氏族

池田氏

父母

父：池田恒興、母：荒尾善次の娘

兄弟

元助、輝政、長吉、
長政

妻

正室：中川清秀の娘・糸姫
継室：徳川家康の次女・督姫
側室：満願院、安藤氏

子

11男3女（利隆、忠継、忠雄、
輝興、政府綱、輝澄
政虎、輝高、利政、
娘（京極高広室）、振姫（伊達忠宗室））

池田輝政（いけだてるまさ）は戦国時代末期から江戸初期にかけての武将・大名。姫路城を現在残る姿に大規模に修築したことで知られる。

[編集] 経歴

永禄7年（1564年）12月29日、池田恒興の次男として尾張国（愛知県西部）に生まれた。織田信長に仕え、天正7年（1579年）の花隈城攻略の時（花熊城の戦い）には、軍功により信長から感状を授けられた。本能寺の変後は、父兄と共に羽柴秀吉（のちの豊臣秀吉）に仕える。

天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いで、父恒興と兄元助が戦死したため家督を相続し、美濃国大垣城13万石、ついで岐阜城13万石を領する。その後も秀吉の主要な合戦の大半に従軍した。小田原征伐後の天正18年（1590年）には、三河国吉田15万2,000石に加増される。

豊臣時代、輝政は豊臣一族に準じて遇され、従四位下侍従、および豊臣姓を許される。また、豊臣秀次の失脚時、秀次の妻妾の多くが殺害されたものの、輝政の妹・若御前（秀次の正室）は特に助命されるなど、特別丁重に扱われている。文禄3年（1594年）、秀吉の仲介によって、徳川家康の娘・督姫を娶る。

秀吉没後は家康に接近。関ヶ原の戦いでは徳川方に与し、本戦のみならず、前哨戦となった岐阜城攻略にも参加し、福島正則とともに功を挙げた。

戦後、播磨国姫路城52万石に加増され、名を輝政と改めた。姫路城を大規模に改修する。慶長17年（1612年）、正四位上参議、および松平姓を許され「播磨宰相」「姫路宰相」などと称された（宰相は参議の唐名）。また、二男忠継の備前国岡山城28万石、三男忠雄の淡路国洲本城6万石、弟長吉の因幡国鳥取城6万石を合せ、一族で計92万石もの大領を有して、世に「西国将軍」等と称された。徳川家との縁組は家格を大いに引き上げ、明治維新に至るまで池田家が繁栄する基盤となった。

慶長18年（1613年）1月25日に姫路で急死する。享年50。輝政の死は秀吉の呪いとも噂された。

墓所：正法山妙心寺護国院（京都市右京区）。萬歳山国清寺（岡山市小橋町）。和意谷池田家墓所（岡山県備前市吉永町和意谷）。泰叟山国清寺（宮津市金屋谷）。

[編集] 人物・逸話

一貫して輝政であったとされるが、吉田城主時代は照政である。
口数の少ない寡黙な人物だったといわれる。
妻の侍女が「当家が繁栄したのも姫君の甲斐があってこそ」と発言したのを、妻の前では叱責しておき、後になって、その侍女を呼び寄せ「自分の出世には多分に妻の七光りによるところなのは理解しているが、それを聞いて彼女が付け上がり、夫婦仲が悪くなっても困るから妻の前では、それを言うのは止めて欲しい」と言った。
身長が低いのがコンプレックスであったが、それを酒の席でからかわれた際に、即興の歌と舞で軽くいなした。
家康から命じられた、岐阜城攻めで、福島正則と激しい功名争いを演じたが、実際には一番乗りの手柄を上げたにも関わらず、あっさりと功を譲って、同時に城を落としたことにした。
家康の娘・督姫を娶った際、伏見の徳川屋敷を訪れた輝政は「長久手の戦いでわが父を討った永井伝八郎なる者はこの席におりますや否や?」と聞いた。家康が「末座に控えています」と答え永井を輝政の前に進ませると、輝政は「父の最期を聞かせてほしい」と頼んだ。永井が物語りした後、輝政は「この者の身上はいかほどにござりまするや?」と聞き、「五千石にござる」と答えると、輝政はみるみる不機嫌な顔つきになった。一同は輝政が仇討ちするのではと肝を冷やしたが、輝政は「父の首はたったの五千石ですか…」と嘆息したという。この件が直接の原因かは定かではないが、永井はその後七万二千石を拝する事になった。