機神兵団 (漫画)
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『機神兵団』(きしんへいだん)は、原作・山田正紀、作画・岡昌平による漫画作品である。「少年キャプテン(徳間書店)」にて連載されていた。全三巻。本項では続編の『機神兵団APOCALYPSE NOW』についても解説する。
目次 |
[編集] 概要
基本的な設定は山田正紀の原作小説『機神兵団』(全10巻)を踏襲しており、機神のメカデザインはアニメ版をベースにしている。だが、随所に作者のオリジナル設定が入っている。故に岡版機神兵団とも言われる。大きな違いは部隊に明確な指揮官が居ること、小説版での関東軍との小競り合いなどを大幅に省いた事。その為、小説版と比べて、「地球人として異種知的体を倒す」との目的が鮮明になっており、漫画として解りやすくなっている。
そして、話の展開もルッチェランド攻防戦初期までは小説版とほぼ同じである。だがその後の展開が独自の展開を広げており、後述の通り技術及びパワーインフレが非常に激しくなり、少年漫画的な展開となっている。 なお、作者の趣味が多く含まれており、特にSF技術や兵器が多く登場し、そちらのファンも楽しめる。しかし、白蘭花の目ェつぶれそな(略)のモンペ女学生姿には賛否両論があるようだ。
なお、続編として同作者による同人誌で「機神兵団APOCALYPSE NOW」によって第2部3~5(最終)話が出ており、機神兵団(漫画)は完結した。第二部では原作である小説版機神兵団とは異なる展開になっている。派手な表現やハイパーインフレパワーバトルといった少年誌的な部分は勿論として、細部まで良くできた漫画である。例えば原作では良く解らなかった、モジュールや異種知的体の正体と、異種知的体と人類との関わり、異種知的体が攻めてきた理由、そして機神兵団が作られた裏の理由まで描かれている。岡版機神兵団が残した伏線の大部分を見事に回収している。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
[編集] 第1部
舞台は1937年、突如異種知的体(エイリアン)に襲撃され、大日本帝国陸軍上海駐屯第十三歩兵連隊は壊滅した。この事件は上海モニュメントロード事件と呼ばれ、各国は表面上は無かったことにしたが驚愕する。同事件に巻き込まれ、只一人生き残った土岐一馬中佐は異種知的体と戦う、独立専門部隊「機神兵団」を設立。渤海にある姑娘(くーにゃん)島異種知的体基地を制圧する。しかし、外敵を迎えても人類の敵は人類だった。第二次世界大戦が開始し、本来の目的を離れ戦争の為に接収されそうになるが、無事日本領から脱出、異種知的体と盟約を結んだナチス・ドイツのパンツァーオルデン(装甲騎士団)とルッチェランドで戦うことになる。性能差で危機に瀕した機神兵団だったが、パンツァーオルデン・フェンリルの暴走によって新たな展開を迎える。
[編集] 第2部
第二次世界大戦後期、これまでドイツの裏に隠れ、人間達の戦争に関与して人間達の戦力の消耗を待っていた異種知的体が、突如攻勢に出てきた。異種知的体は、北米にて対異種知的体部隊PTO(ペトロヴィッチ条約機構)軍を追いつめる。だが、予想外の要因で、異種知的体は兵力を失い、結果PTO軍の大反攻作戦により地球上の拠点全てを失うほどの敗北を喫する事になる。 しかし、PTO軍も反攻作戦により消耗していた。敵母艦「機動帝国」はまだ地球の大気圏外に待機している。次の攻撃が来たら、凌げるかも解らない状況であった。また、姑娘島には異種知的体が残したと思われる、未だに動かない謎の大型動力炉「アンゴルモア」があり、異種知的体は動くそれを擁している可能性があったからだ。 今後の対策について会議しているさなか、異種知的体は「ツングース砲」で攻撃してきた。 次の瞬間には地球上からルッチェランドは消されてしまった。原子爆弾さえ玩具にか見えない、その攻撃の前に恐れをなしたアメリカ・ソビエト・イギリス等は、PTOを脱退し独自に異種知的体と和平の道を求めるようになる。そして日本との戦争を終わらせる為に、原子爆弾を日本に投下する道を選ぶ。ここに来てさえ、人類の敵は人類であった。 原子爆弾投下地点に姉が居る事を知った大作は、土岐隊長の制止を振りきって止めに行ってしまう。その行動に心を動かされ、土岐も異種知的体との最終決戦「トライスター作戦」を行うことに決めた。トライスター作戦の為の原子爆弾を入手しようと試み、機神兵団の働きもあって成功する。また、第四世代機(竜神皇・風神皇・ケーニヒスフリュム)も全て完成し、後は姑娘島動力炉「アンゴルモア」=「創世機雷神皇」が動くだけであった。
遂に「トライスター作戦」は開始され、異種知的体は攻撃を仕掛けてくる。しかし、異種知的体の長は、異種知的体との同盟任務を遂行中、行方不明になった旧日本軍将校・工藤精作であった!工藤の狙いは、姑娘島動力炉を回収することだった。 大作の駆る竜神皇は、多数の強襲揚陸要塞と重局地要塞の前に苦戦するがマイヤーの駆るケーニヒスフリュムが増援として現れ、さらに「創世機雷神皇」は目覚める。創世機のエネルギーをもらった第四世代機は格段にパワーアップし、創世機を中心に反撃を開始。機神兵団の猛攻を受けた異種知的体母艦は地上に敗走する。 「トライスター作戦」の第1段階「スターキャッチャー作戦」は成功を見た。
第2段階に移行する前、無限機関の理論設計論文を完成させたビルは真澄公彦に、死に瀕した紫火は白蘭花、モジュールと異種知的体の正体に関して語る。それでも彼らは戦うことに決め、マリアンヌの「機神兵団発進せよ」の号令とともに遂に決戦が開始される。その一方で、異種知的体は勝ちを願う工藤と、妥協し地球人と和睦しようとし始めた元老院メンバーとの対立で、内部分裂が始まっていた。 周到な策、仲間の犠牲、さらには内部分裂に助けられ、遂に異種知的体母艦を撃破する。しかし、その直後三機の第四世代機が火を噴きながら墜落していった。そんなことができるのは…因果律を超えた存在である創世機しかいなかった。工藤は機神兵団による母艦撃破を好機として利用、母艦内の創世機「ゼウス」を起動したのだった。
その瞬間から地球を簡単に打ち砕き、宇宙を作るほどの機械の神同士の激突が始まった。 地球や宇宙、そして機神兵団の命運は如何に…。
[編集] 登場兵器
[編集] 第1部登場兵器
[編集] 機神兵団の兵器
機神とは、異種知的体を撃破した際に得た「モジュール」と呼ばれる機械心臓を使って作られた兵器及びそのシステムの事である。モジュールは何故か人型が最も制御しやすい為、人型にされた。さらにモジュールは人格と呼べるほどの個性を持ち、己と極めて近い個性・波長の持ち主でなければ制御できない。その為、搭乗者の人選が大変である。相手がモジュールだと、自動照準が可能である。
[編集] 機神の種類
大きく分けて、初期型・改良型・次世代型(第2世代機)に分けられる。
[編集] 初期型
- 雷神1号機(陸戦格闘型機神)
- 約二万馬力の出力を持つ、陸上格闘型機神。格闘だけでなくライフル、火炎放射器、ロケット弾といった武器を使える。最も強力な武装は両肩に付けられた超伝導電撃砲で、充電した電気を一斉に放射する。
- 竜神(潜水型機神)
- 53cm魚雷を両肩に装備し、水中戦を得意とする機神。潜水艇に変形可能。しかし、陸上で戦うことも出来、ロケット弾やクラスター弾も備える。
- 風神(飛行型機神)
- 空中戦を得意とする機神。機種に機銃、両翼にロケット弾を備える。この機の任務は空中戦だけでなく指揮管制も司るようである。
[編集] 改良型
異種知的体から奪取した姑娘島で開発された強化パーツを既存の機神に付けた物。 しかしそれでもパンツァーカバリエとの性能差は歴然としている。
- 雷神重装改
- 風神+
- 竜神FX
[編集] 次世代型(第2世代機)
機神兵団の機神は機体や運用思想が、異種知的体の技術協力を受けて作られたパンツァーオルデン所属のパンツァーカバリエ達に比べ、極めて劣っていた。その為、強化パーツで小改良された程度の機神達は劣勢に立たされる事になる。 そこで機神兵団は姑娘島の異種知的体基地を落とした際に入手した異種知的体の技術を使い、機神を強化することになる。その特徴は第一に常温核融合内燃機関であり、出力はこれまでの50倍、すなわち100万馬力以上になる。第二に右回転反重力システムを搭載している事である。この二つとその他の技術が合わさり、異種知的体の円盤機と同様の機動力を持つまでに至る。
- 雷神2号機
- 1号機がフェンリルに破壊された為、突如駆り出された機体。姿形は同じだが、中身は全くの別物である。前記核融合機関・右回転反重力システムのみならず機体が新フレーム、すなわち多目的超伝導構造になり、発生する反電磁フィールドによって強度が圧倒的に強化された。また、超伝導フレームを超伝導コンデンサとすることで、3.5PJのエネルギーを蓄え、超伝導電撃砲で放出することが出来る。
- 竜神
- 竜神の機体は変わらない(つまり厳密には第1世代機だが)が、前述の核融合エンジン・右回転反重力システムを付加した為、戦闘能力は大幅に上昇した。故に第2世代機に位置づけることにする。
- 風神
- 作中に詳細が出ていないので不明だが、竜神とほぼ同じ状況のようだ。
[編集] その他の兵器
- 機神号(装甲列車)
- 輸送列車。突撃用の戦闘車両を先頭に付けることにより、それ自体かなりの戦闘能力を持つ。
- 富嶽
- 元は長距離爆撃機として、異種知的体の技術を流用してつくられるが、機神兵団では複数の任務を受け持つ、超巨大飛行機。陸上攻撃、長距離輸送、風神の母機、指揮まで何でもこなす。
- 愚乱怒素羅武(グランドスラム)
- 富嶽に装備された20t爆弾。恐るべき威力を誇り、空中から機神兵団を支援する。
- 800mm砲「轟神」
- 人類史上最大の火砲。その正体は枢軸国の盟友であるドイツから運ばれた巨大列車砲ドーラの三番砲である。据え付けて直射出来るほか、三体の機神を砲座とすることで、機動力や速射能力を上げることが出来る。円盤機搭載バリヤーを貫くが、多砲塔戦車のバリヤーは貫けない。フェンリルに奪われた後、雷神二型を撃った際に破壊される。
- 航空機
[編集] ナチス・ドイツの兵器
[編集] パンツァーカバリエ
ナチス・ドイツの製造した機神。
- ウーイ・イデーク(新時代)
- 異種知的体の協力を得る前に作られた試作型パンツァーカバリエ。その馬力は雷神を凌駕するが、それだけだった。低性能の為、属国であるルッチェランドに払い下げられる。そして、ルッチェランドで機神兵団と剣を交える。
[編集] パンツァーオルデン(装甲騎士団)
- 新型パンツァーカバリエ。その能力・戦術的な力はウーイ・イデークや機神兵団の機神とは一線を画している。
- 3機1小隊による運用を想定しており、12小隊が計画されていた。
- (ミッドガルド)シュランゲ
- ジェット戦闘機型パンツァーカバリエ。比類無き高速性能と通常の飛行機では考えられない火力を持つ。なお、飛行時以外は人型に変形する。
- フリュム
- 地面効果を利用し、高速移動を可能とした可潜エクラノプラン型パンツァーカバリエ。その重武装は強力で、砲陣地を瞬殺し、竜神を攻撃に回らせないほどの攻撃力を持つ。
- 特筆すべきは、地上・水上を高速で移動し、水中に潜行し敵から隠れる事が出来るのみならず短時間なら空中飛行さえ出来る点である。すなわち、他のあらゆる機神に比べ、汎用性が高い為、あらゆる作戦に使える。
- フェンリル
- 最強の火力と守備力を持つ恐るべき戦車型パンツァーカバリエ。その装甲は、世界最強である800mm砲の0距離射撃を物ともしない。パンチだけで雷神1型を撃破してしまう。
- しかし真の恐ろしさは、そんなものではなかった。本機のモジュールはあらゆる負の感情に満たされたモジュールで、これまで度重なる暴走を繰り返し、自陣営師団を壊滅させてきた。もっとも、ハンク・シュミットに出会ってからは制御できるようになっていた。このシュミットも負の感情の持ち主で、極めて近い個性の持ち主だったからだ。
- だが、あることがきっかけで最悪の暴走を引き起こす。モジュールとシュミットの感情の共鳴現象で、敵味方構わず周囲の人々に負の感情を植え付け、互いに殺し合わせるのだった。
- また、あらゆる物理現象を操るモジュールの意識によって驚異的な復元能力を見せつける。
- 本来の運用思想は敵陣最深部に突入し、体内に内蔵された原子爆弾で自爆。モジュールの自己再生機能により何度でも再生するという歩く核ミサイルと言うべき最終殲滅決戦兵器である。フリュムとシュランゲはフェンリルの進路を確保するのが任務である。
[編集] 異種知的体の兵器
- 円盤機
- バリヤーを張ることが出来るのみならず、反重力を使い、通常では考えられない機動力を見せる。
- 人型機
- 四足機
- 超巨大多砲塔戦車
- 白玉山の兵器陳列場などから奪った砲を多数付けた多砲塔戦車。通常は役に立たないが、異種知的体の技術によって攻守共に優れた陸上戦艦と化す。その火力は機神兵団を凌駕し、防御力はバリアーによって無敵に近い能力を持つ。また島から出られるようにする為、水中又は水上行動もできるようである。
[編集] 第2部登場兵器
[編集] PTO所属兵器
第三世代機であり、機神兵団の三機と、雷神量産型サンダーボルトによって構成される。第二世代までとの大きな違いは、馬力と第二世代までの武装は、超伝導電撃砲以外の武装は実弾兵器なのに対し、核融合炉を生かしたエネルギー兵器「荷電粒子砲又はレーザー砲」を装備していることである。その他に関しては不明である。
- 雷神三号機
- 多目的超伝導装甲・反重力システム・核融合炉4基搭載した雷神。駆動出力500万馬力で、二号機の5倍近くの出力。アラモゴード砂漠戦で敵強襲揚陸要塞を撃破する際、核爆発に巻き込まれて戦闘不能になる。
- 竜神
- 初期から同一機体のまま何度も改修を繰り返した唯一の機神。その為、厳密には第1世代機である。
- 武装は大型の荷電粒子砲(だと思われるが詳細は不明)。海に潜ると、海水中の重水素等を利用できるので、ほぼ無限の航続距離を誇る。また、電磁誘導現象を利用して、速度もマッハ1を誇る。しかし、北米から広島へ全力で疾走した為、核融合炉が壊れて使用不能になった。
- 風神(二号?)
- PTOの隊長機として、指揮管制から様々な任務をこなす機体。主翼から荷電粒子砲を放つ。
- サンダーボルト
- 雷神三号機の量産型。ライフルタイプの武装を搭載。
- トリニティ
- 対要塞用の試作原子爆弾。鉄塔が付いたままであり、直接目標にぶつけて使用するため完全な特攻用である。
- トラペジウム1・2・3
- 爆撃機。それぞれファットマン、リトルボーイ改、シンマン改を搭載する。
[編集] 機神兵団所属兵器
[編集] 第四世代機(決戦機)
それまでの時間稼ぎの為の機体と違い、それだけで異種知的体の要塞群と同等乃至は上回る性能を持つ機体。ジェネシス・シンクロナイザー・ハーモナイズによって、創世機からエネルギーを受け取り、起動前の100京倍の出力を発揮できる。創世機の子機として活動し、それ自体かなりの攻撃力を持つが、専ら創世機の活動を円滑にする為、支援戦闘などを行う。
また、創世機の無限のエネルギーによって装甲は、素粒子レベルで制御された正物質・反物質の合金である時空浸食性対消滅反応装甲(リアクティブアーマー)と化しており、攻撃が装甲に当たった瞬間に指向性対消滅反応のエネルギーによって時空間ごと消されてしまうため、この世の因果律内の攻撃では装甲を貫通することが出来ない。
- 風神皇
- フィラデルフィアにて建造されていた二番決戦機。指揮管制の為に常に最新の技術を使われてきた風神であったが、現在では重力操作や全域ステルスすら可能となった。全域ステルス作動時は、肉眼での目視はおろか異種知的体のセンサーですら探知不能となる。なお、円盤型に変形可能。
- 竜神皇
- 姑娘島にて建造されていた機体。水中型である以前の竜神とは異なり飛行可能。創世機起動前ですらマッハ30以上出せる。
- ケーニヒスフリュム
- ルッチェランドにて建造されていた四番決戦機。竜神皇の同型機のため形状・性能とも同じ。
- 雷神F4C
- 身長18M、出力1100万馬力、1700tを誇る雷神の最終型。
- 第四世代機だが装甲は超伝導装甲のままである。
- 白蘭花が創世機から、機神システムを逆転してゼウスのコクピットに転移した際に、操縦者となった。
[編集] 創世機(ジェネシスリアクター)
- 雷神皇(アンゴルモア)
- 異種知的体が回収しに来た、宇宙最強の存在。全長999m(アンテナ込みで1111m)、出力・質量(エネルギーを質量に転換できるから)は無限。その無限のエネルギーはビッグバンを起こし、宇宙を作れるほどである。主砲の攻撃も侮れないが、アンテナから放つツングース砲は、大地を引き裂き、マグマの海に変えるほどの威力を持つ。
- また、両肩に搭載しているバゴファントキャノンから放つMBH(マイクロブラックホール)貫通弾は、時空浸食性対消滅リアクティブアーマーさえ貫き、しかも連射できる。前述の通り、時空浸食性対消滅リアクティブアーマーは、素粒子レベルで制御されたものである。だが、ブラックホールの性質として、あらゆる物体がシュヴァルツシルト面に到達する前に、素粒子レベルでの破壊が出来る。その為、対消滅反応による指向性の時空浸食が起きる前に素粒子レベルでの破壊が出来るMBH貫通弾によって貫通・破壊されてしまうのである。
- その装甲は、創世機固有の次元に存在し、MBH弾をもってしても貫通できない。
- 操縦者は白蘭花。中枢部に設置された雷神F4Cの操縦室内で操縦する。白蘭花の特技であるモジュールとのシンクロにより、雷神を操縦者として遠隔操作による操縦が可能。また余剰スペース内に作戦居住区を持ち、機神兵団隊員が管制作業を行っている。
[編集] 異種知的体所属
- 機動帝国
- 異種知的体の母艦。その大きさはとてつもなく、異種知的体市民が居住可能で、多数の要塞を擁している。
- バリアーは強力で、ある程度なら創世機の主砲さえ防げる。また、1908年にツングースカ大爆発の原因とされる主砲「ツングース砲」は原子爆弾とは比較にならないほどのエネルギーを誇り、ツングースカやルッチェランドを消滅させた。本来は創世機の機体として作られたようである。
- なお、地球に攻めてきた機動帝国は、元老院と呼ばれる集団であって、評議会と呼ばれる機動帝国群とは異なる権限を持つ集団のようである。また、評議会の機動帝国の名はパンゲア・レムリア・ローラシア・ゴンドワナ等、かつて存在したとされる超大陸の名前である。
- 強襲揚陸要塞
- 棒状の要塞で、円盤機等多数の戦力を搭載している。要塞自体かなりの攻撃力を持ち、アラモゴード砂漠戦では恐るべき力を誇った。
- しかし姑娘島戦では、インフレを起こしている第四世代機の前に歯が立たなかった。
- 重局地要塞
- 球状の要塞。作中では目立った戦闘描写が無い為詳細は不明だが、強襲揚陸要塞以上の戦力を秘めていると思われる。その重量などによってか、創世機起動前の第四世代機と互角のパワーを誇るようで、竜神皇と拮抗していた。しかし、起動後にハイパーインフレを起こした第四世代機の前には全くの無力であった。
- ゼウス
- アンゴルモアの同型機。故に性能は同じ。
- 工藤精作
- 元々人間であったが、モジュール(スターシード)を脳に移植することにより、創世機適合者・人間機神と化した。しかもそのモジュールは、恐らく白蘭花を幾度と無く倒したホイ小手の前身だと思われる為、格闘能力そのものは白蘭花よりも高い。また、肉体も強化され、銃撃なども効かない。さらに、二つの脳を持つことで宇宙の粒子の動きさえ見通すことができるようになった。それにより人体の分子の隙間を利用したすり抜けや、刃先の原子核を相手の身体の原子核にぶつけて核融合反応を起こしつつ斬撃を加えるなど、人知を超えた戦闘能力を発揮した。
- 正体は過去に飛ばされた風神のモジュールが人間化した存在。
[編集] その他の事柄・兵器
- Zファイル
- 創世機や異種知的体に関しての様々な情報が記されたファイル。創世機の起動コードまで書かれている。著者は異種知的体であって、ドイツ語でZのつく人。最後の1頁には、モジュールと異種知的体の正体が明記され、異種知的体と人類は争ってはならないと記されている。
- モジュール(スターシード)
- 異種知的体が宇宙空間を彷徨う為の状態。つまり異種知的体そのものである。クマムシの仮死状態みたいなものである。これまでは機械心臓だと思われていたが、生き物である。そして地球人は、スターシードが宇宙空間を耐え凌ぎ、大気の摩擦熱に堪え、地球に降りて、地上に適合した姿である。
- 異種知的体の技術は、スターシード状態の者も機械により動けるようにしたのである。
- 機神システム
- 機神システムとは、全く同じかほぼ同じ性質・精神を持つ操縦者とモジュール(スターシード)の、意識の共鳴現象が物理空間を支配することを利用して、鋼鉄の機体を自由に動かすシステムである。そして性質が合えば逢うほど巨大な機体を動かせるようだ。
[編集] 主要登場人物
[編集] 第1部
- 土岐一馬(とき かずま)中佐
- 上海モニュメントロード事件を生き残ったことからエイリアンの存在を知り、彼らに対抗すべく機神兵団を組織した。
- どんな苦境に陥っても信念を曲げずに目的を遂行する人物。
- 白蘭花(バーレーホー)
- 雷神の操縦士。死んだと噂されていた美貌のひとり馬賊。機械に精通し、これまでに沢山の車両を盗む。それだけでなく天才的な射手でもある。雷神強奪も、その一環であったが、雷神に出会い運命の扉を開く。
- 榊大作(さかき だいさく)
- 竜神の操縦士。アマ相撲の横綱で元水兵。仲間思いの超熱血漢であるが、姉(真貴子)には頭が上がらない。
- 真澄公彦(ますみ きみひこ)
- 風神の操縦士。天才飛行士で白蘭花並に射撃の名手。真澄家の御曹司である。
- ビル(本名は勝呂・ウィリアム・義光)
- アメリカ人と日本人のハーフで天才科学者。機神の設計等を担当。
- マリアンヌ・ブルム
- 東欧の小国で永世中立国であるルッチェランド国王カーロス二世の婚約者だったが、ナチスと手を組むことに反対しているので暗殺者に終われるところを公彦に助けられる。後にレジスタンスのリーダーになる。
- カーロス二世
- ルッチェランドの独裁者で小心者。その為、ナチスに自国を売る。ナチスはこの国を対ソビエト戦の前線基地としての使用、及び異種知的体の拠点として提供しようとしていた。
- 真澄石光(ますみ いしみつ)
- 真澄家当主で公彦の父親。伯爵の位を持ち、軍にもつながりがある。放蕩息子の公彦が真面目に頭を下げに来たので、機神兵団を独立させ、資金や国外脱出の為の情報などを提供する。
- 榊真貴子(さかき まきこ)
- 大作の姉。
- 紫火(ツァイホウ)
- 謎の男で、前に白蘭花が死にかけているところを助けた。胸を病んでいる。満州国皇帝とも顔見知りのようである。
- ホイ小手(ホイノショウ)
- 青幇の殺し屋。圧倒的な格闘力を持ち、白蘭花を追いつめる。しかし、ライバルと認識してしまい、自分以外の者には殺させまいとし、逃がした為、片腕を取られる。
- 工藤精作(くどう せいさく)大佐
- 関東軍の将校で、土岐のライバルだった男。
- 開戦に際し、強力な戦力である機神兵団を接収しようと試みる。
- フーベルト・フォン・マイヤー少尉(後に昇格して中尉)
- ミッドガルドシュランゲの操縦士。ドイツ人だがマリアンヌの遠い親戚であり、実はマリアンヌとルッチェランドを守りたくてナチスに入った。しかし、その為にマリアンヌと敵対することになってしまう。
- ハンク・シュミット曹長
- フェンリルの操縦士。大量殺人者だが、他に適合者が居ないのでやむなく使われることになった。虐待を受けて育ったため世の中を憎んでいて、世界を構成する自分以外の人間に殺意を持つ。他人、特に自分の認めた者に内面を知られるのを極度に嫌う。
- ロンメル博士
- ナチスの博士で、パンツァーオルデンの技術部所属。フェンリルの四号モジュール危険性を早くから言っていた。また、モジュールの正体について知っていたと思われる。
- アンナ・レリーバ・ストシャウコフスカヤ
- ルッチェランドの通信員。ナチスから追われていた公彦とマリアンヌの逃亡を手助けする。また大連にてモジュールを持って国際連盟の査察船にてアメリカに脱出する。
[編集] 第2部
- 土岐一馬(とき かずま)隊長
- 工藤の行動を尽く先読みし、何処で学んだか相撲の荒技を操る等、数々の謎を持っていたが、その正体は過去に跳ばされた竜神のモジュールが人間化した存在であった。
- 白蘭花(バーレーホー)
- 最終局面で、彼女が過去に跳ばされた雷神のモジュールから誕生した存在だった事が判明する。
- 榊大作(さかき だいさく)
- 真澄公彦(ますみ きみひこ)
- ビル(本名は勝呂・ウィリアム・義光)
- 工藤精作(くどう せいさく)
- 異種知的体と交渉に行き、そのまま行方不明だった日本軍の元准将。しかし、交渉が成功するどころか、創世機適合者だった為に異種知的体の長である「銀河帝国初代皇帝」として機神兵団の前に現れる。
- マリアンヌ・ブルム
- 元ルッチェランド女王だが、内戦による国外での活動や国土消滅の為に「ホームレスクィーン」の異名をとる機神兵団の長。今は無きルッチェランドに戻る為に機神兵団に戦いを命じる。
- カーロス二世
- マリアンヌに王位を剥奪されたことを根に持ち、マリアンヌに対しての復讐と自分が栄誉を得る機会をうかがう。
- 紫火(ツァイホウ)
- パナマ風邪にかかり肺の病が進行し、余命幾ばくもない。実は白蘭花とは幼少の頃からの知り合いで、ある目的の為に白蘭花に格闘・銃・機械等を教え込んでいた。
- その正体は異種知的体の試験移民団の生き残りである。
- フーベルト・フォン・マイヤー
- ルッチェランド攻防戦で、重傷を負い、光・音・行動の自由を奪われてしまったが、戦う術を与えられ、マリアンヌの為に戦う。
- ハリー・S・トルーマン、ヨシフ・スターリン、ウィンストン・チャーチル
- 第二次世界大戦戦勝国の元首達。異種知的体に敵わないと思っており、和睦したがっている。
- その為、勝手に戦うマリアンヌや機神兵団の行動を不快に思っている。
- タキ
- 真澄家の使用人。第2次世界大戦中は榊真貴子とともに広島に疎開していたが、戦後は鎌倉の真澄家別邸にもどっている。