最上 (重巡洋艦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
艦歴 | |
---|---|
発注 | (マル1計画) |
起工 | 1931年10月27日 |
進水 | 1934年3月14日 |
就役 | 1935年7月28日 |
その後 | 1944年10月25日沈没 |
除籍 | 1944年12月20日 |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:11,200トン(新造時) 基準:12,200トン(1943年) |
全長 | 200.6 m |
全幅 | 20.6m |
吃水 | 6.9 m(新造時) |
機関 | ロ号艦本缶大型8基、同小型2基 艦本式タービン4基4軸 154,226馬力(新造時公試成績) |
速力 | 35.96 ノット (新造時公試成績) 34.735ノット(1937年公試成績) |
航続距離 | 14ノットで8,000海里 |
燃料 | 重油:2,280t |
兵員 | 894名(1940年 計画定員) |
兵装 (竣工時) |
15.5センチ3連装砲塔5基15門 (1939年に20.3センチ連装砲塔5基10門と交換) 12.7センチ連装高角砲4基8門 61センチ3連装魚雷発射管4基12門 25mm連装機銃4基 13mm連装機銃2基 |
兵装 (1943年) |
20.3センチ連装砲塔3基6門 12.7センチ連装高角砲4基8門 61センチ3連装魚雷発射管4基12門 25mm3連装機銃10基 |
装甲 | 舷側:140mm 甲板:60mm |
航空機: | 竣工時:3機(カタパルト2基) 1943年:11機(同2基) |
最上 (もがみ)は、日本海軍の最上型重巡洋艦1番艦。呉海軍工廠にて建造。艦名は山形県を流れる最上川にちなみ命名された。最上の名を持つ艦としては二隻目であり、初代最上は通報艦であった。
目次 |
[編集] 艦歴
最上は竣工直後に発生した第四艦隊事件により、大改修が行われることとなる。1937年12月に第7戦隊に編入、1939年には主砲換装工事に着手。事実上の重巡洋艦となる(対外的には軽巡洋艦のままであった)。
太平洋戦争開戦時は第2艦隊第7戦隊に属し、マレー、クチン、パレンバンなどの上陸作戦を支援。
バタビヤ攻略作戦中に生起した1942年3月1日のバタビア沖海戦では僚艦三隈とともに米重巡ヒューストン(USS Houston, CL-30/CA-30)と豪軽巡パース(HMAS Perth)を撃沈する。この際に目標を外れた魚雷が陸軍輸送艦の佐倉丸に命中し同船を沈めたとされる。その後6月5日のミッドウェー海戦時、三隈の左舷に衝突、艦首を失いトラック島で応急修理を行う。
帰国後12月から佐世保工廠にて後部砲塔を撤去し水上偵察機繋止用航空甲板を設置する改修工事に入る。翌1943年5月に工事は完了し航空巡洋艦として水上機11機を搭載可能となる(発艦は従来から設置されている射出機で行われた)。そのため艦体後部は平坦で、近代の駆逐艦、巡洋艦のヘリ甲板を彷彿させる外観になった。ただし実際に搭載した機数は1944年中頃までは零式水偵4機、零式水観3機の計7機、それ以降は計5機(機種不明)で定数の11機を搭載したことはなかったようである[1]。
1943年11月のラバウル空襲では敵機二機を撃墜するものの、被弾損傷し18名が戦死、呉工廠にて修復工事を行う。その後1944年10月25日のスリガオ海峡海戦にて米艦隊と交戦、操舵不能となりながら退避中重巡那智と衝突。戦場離脱後の空襲により航行不能となり、バナオン島ビニト岬南東約38海里の地点で、駆逐艦曙により雷撃処分となる。
[編集] 歴代艦長
[編集] 艤装員長
- 鮫島具重 大佐:1934年3月14日~
[編集] 艦長
- 鮫島具重 大佐:1935年7月28日~
- 伊藤整一 大佐:1935年11月15日~
- 小林徹理 大佐:1936年4月15日~
- 高塚省吾 大佐:1936年12月1日~
- 千葉慶蔵 大佐:1938年4月20日~
- 伊崎俊二 大佐:1939年11月15日~
- 有賀武夫 大佐:1941年1月8日~
- 曽爾章 大佐:1941年9月15日~
- 佐々木静吾 大佐:1942年11月10日~
- 相徳一郎 大佐:1943年4月14日~
- 藤間良 大佐:1944年4月10日~1944年10月25日(艦橋への直撃弾により戦死。同日、最上沈没)
[編集] 参考文献
- 雑誌「丸」編集部『丸スペシャルNo122 重巡最上型/利根型』(潮書房、1987年)
- 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第7巻 重巡Ⅲ』(光人社、1990年) ISBN 4-7698-0457-1
- 「丸」編集部編『軍艦メカ3 日本の重巡』(光人社、1991年)ISBN 4-7698-0563-2
- 「歴史群像」編集部『歴史群像太平洋戦史シリーズVol.38 最上型重巡』(学習研究社、2002年) ISBN 4-05-602880-X
[編集] 脚注
- ^ 『軍艦メカ3 日本の重巡』p133の記述による。
[編集] 同型艦
[編集] 関連項目
- 最上型重巡洋艦
- 大日本帝国海軍艦艇一覧
- 最上 [I] (通報艦)
大日本帝国海軍の重巡洋艦 |
古鷹型:古鷹 | 加古 青葉型:青葉 | 衣笠 |
妙高型:妙高 | 那智 | 足柄 | 羽黒 |
高雄型:高雄 | 愛宕 | 摩耶 | 鳥海 |
最上型:最上 | 三隈 | 鈴谷 | 熊野 |
利根型:利根 | 筑摩 |
そのほかの巡洋艦一覧 |
日本の防護巡洋艦・日本の装甲巡洋艦・日本の軽巡洋艦 |