数学上の未解決問題
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数学上の未解決問題(すうがくじょうのみかいけつもんだい)とは未だ解決されていない数学上の問題のことである。「まだ証明が得られていない命題はすべて未解決問題である」という立場を取るならば、そうした問題というのは数学界には果てしなく存在する。しかしここではその中でも、その証明結果が数学全域と関わりを持ってくるような重要性の高い問題(例えばP≠NP予想)や、問いかけが非常にシンプルな形をしているため、今まで多くの数学者や数学愛好家たちが様々な方法で証明を試みてきたような有名な問題(例えばゴールドバッハ予想など)、この二つを中心に問題を列挙していく。
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[編集] ミレニアム懸賞問題
以下の7つの問題はミレニアム懸賞問題と呼ばれ、クレイ数学研究所によってそれぞれ100万ドルの懸賞金がかけられている。何をもって解決と見なすかなどの詳しい条件はミレニアム懸賞問題を参照のこと。
- P≠NP予想
- ホッジ予想
- ポアンカレ予想(解決済み)
- リーマン予想
- ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題
- ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ
- バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想(BSD予想とも)
[編集] その他の未解決問題
[編集] 「~~は無限に存在するか」系
- 双子素数の予想=双子素数は無限に存在するか。
- メルセンヌ素数は無限に存在するか。(Lenstra-Pomerance-Wagstaff conjecture)
- 調和数は無限に存在するか。
- 友愛数は無限に存在するか。
- 婚約数は無限に存在するか。
- 社交数は無限に存在するか。
- regular primeは無限に存在するか。
- Cullen primeは無限に存在するか。
- 10進数において、回文素数は無限に存在するか。
- 10進数において、レピュニット素数は無限に存在するか。
- ルース=アーロン・ペアは無限に存在するか。
- 素数(合成数)であるフェルマー数は無限個(有限個)存在するか。
[編集] 「~~は存在するか」系
- 奇数の完全数は存在するか。
- 準完全数は存在するか。
- 2kの形をした数(1, 2, 4, 8, 16・・・・・・)以外に概完全数は存在するか。
- 偶数と奇数の組の友愛数は存在するか。
- 偶数同士、奇数同士の婚約数は存在するか。
- 3つ組の社交数は存在するか。
[編集] 「~~は全て~~」系
- ゴールドバッハの予想=6以上の任意の偶数は、二つの奇素数の和で表すことができるか。
- コラッツの予想
- 全ての n>4 であるフェルマー数は合成数か。
- e−½ である素数は全てregular。
- 無理数かつ代数的数である数は正規数であるかどうか。
[編集] 「~~はいくつか」系
- 魔方陣の数はいくつあるか。
- 最小のシェルピンスキー数は78557、最小のリーゼル数(en:Riesel number)は509203、最小のブリエ数は878503122374924101526292469かどうか。
- 接吻数問題
- グラハム数#背景
[編集] その他
- ギルブレース予想(Gilbreath's conjecture)
- ゴールドバッハの弱い予想(Goldbach's weak conjecture)
- 完全キュボイド(Perfect cuboid)
- ヒルベルトの23の問題の16番目。
- Generalized star height problem
- シャヌエル予想(Schanuel's conjecture)
- ABC予想(abc conjecture)
- 二つのブラックホールが融合する、という現象のモデル化
- オイラーの定数 γ は無理数か。
- 合同数の問題
- P=Lかどうか。
- NL=Lかどうか。
- ブニャコフスキー予想
- 素数に関連する未解決の問題
[編集] 近年解かれた問題
- ポアンカレ予想 2002年
- カタラン予想 2002年
- 加藤予想(Kato's conjecture) 2001年
- 谷山・志村の定理 1999年
- ケプラー予想 1998年
- フェルマーの最終定理 1994年
- ビーベルバッハ予想(Bieberbach conjecture) 1985年
- 四色定理 1977年
[編集] 関連項目
未解決問題の一覧 | |
分野別 | 数学上の未解決問題 - 物理学の未解決問題 - 生物学上の未解決問題 - 計算機科学の未解決問題 |
その他 | 懸賞金問題 |