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ポアンカレ予想 - Wikipedia

ポアンカレ予想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

(3次元)ポアンカレ予想(Poincaré conjecture)とは「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3同相である」という予想であり、1904年にフランスの数学者アンリ・ポアンカレによって提出された。以来ほぼ100年に渡り未解決だったが、2002年から2003年に掛けてロシア人数学者グリゴリー・ペレルマンはこれを証明したとする複数の論文をarXivに掲載した。これらの論文について2006年の夏頃まで複数の数学者チームによる検証が行われた結果、現在では彼が実際に証明に成功したと考えられている。ペレルマンはこの業績によって2006年のフィールズ賞を受賞した(ただし本人は受賞を辞退した)。

目次

[編集] 一般化された問題

ポアンカレ予想は一般化(高次元に拡張)できる。それは次のようなものである。

  • n次元ホモトピー球面はn次元球面に同相である

このようにポアンカレ予想をn次元に一般化するとn=2での成立は古典的な事実であり、n≥4の場合は既に証明が得られている。n≥5の時はスティーヴン・スメイルによって(1960年)、n=4の時はマイケル・フリードマンによって(1981年)証明された。両人とも、その業績からフィールズ賞を受賞している。スメイルの証明は微分位相幾何学的なものであったが、フリードマンの証明は純粋に位相幾何学的なものである。実際、フリードマンの結果はその直後にドナルドソンによる異種4次元ユークリッド空間(位相的には通常の4次元空間だが、微分構造が異なるもの)の発見へとつながった。以上よりオリジナルである3次元ポアンカレ予想のみを残し、高次元ポアンカレ予想は先に決着してしまった(もっとも、微分同相については4次元ポアンカレ予想も未解決と言われる)。

数学的に厳密ではないが、たとえて言えば、宇宙の中の任意の一点から長いロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収できた場合、宇宙の形は概ね球体(=ドーナツ型のような穴のある形、ではない)と言えるのか、という問題である。

[編集] 3次元ポアンカレ予想と幾何化予想

3次元ポアンカレ予想についてウィリアム・サーストン幾何化予想(サーストンのプログラム)があり、これは3次元多様体の分類に関するものである。この予想は3次元ポアンカレ予想を含み、大変壮大なものである。

[編集] 幾何化予想とペレルマン

2002年から2003年にかけて当時ステクロフ数学研究所に勤務していたロシア人数学者グリゴリー・ペレルマンはポアンカレ予想を証明したと主張し、論文をプレプリント投稿サイトとして著名なarXivにて公表した。その中で彼はリチャード・ストレイト・ハミルトンが創始したRicci flowの理論に「手術」と呼ぶ新たな手法を付け加えて拡張し、驚くべきことにサーストンの幾何化予想を解決してその系としてポアンカレ予想を解決した(と宣言した)。

非常に単純に言えば、幾何化予想とは、多様体を幾つかのピースに分割し、そのピース毎に幾何的性質を調べるというものである。一方で、Ricci flowを用いたときに、ピースから全体を構成しなおすときに特異点が発生する可能性がある。ペレルマンはこの特異点の発生条件と特異点の性質を調べ、特異点が発生しないような手法を考えた。それが手術といわれる方法である。

それ以来ペレルマン論文に対する検証が複数の数学者チームによって試みられた。原論文が理論的に難解でありかつ細部を省略していたため検証作業は難航したが、2006年5~7月にかけて3つの数学者チームによる報告論文が出揃った。

  • Bruce Kleiner and John Lott, Notes on Perelman's Papers(2006年5月):ペレルマンによる幾何化予想についての証明の細部を解明・補足
  • 朱熹平(広東・中山大学)と曹懐東(米ペンシルベニア州リーハイ大学)、"A Complete Proof of the Poincaré and Geometrization Conjectures - application of the Hamilton-Perelman theory of the Ricci flow"(2006年7月、改訂版2006年12月):ハミルトンとペレルマンによる幾何化予想とポアンカレ予想の証明について
  • John Morgan and Gang Tian Ricci Flow and the Poincaré Conjecture(2006年7月):ペレルマン論文をポアンカレ予想に関わる部分のみに絞って詳細に解明・補足

これらのチームは何れもペレルマン論文は基本的に正しく致命的誤りは無かったこと、また細部のギャップについてもペレルマンの手法によって修正可能であったという結論で一致した。これらのことから、現在では少なくともポアンカレ予想についてはペレルマンにより解決されたと考えられている。

殆どの数学者がトポロジーを使ってポアンカレ予想を解こうとしたのに対し、ペレルマンは微分幾何学物理学の手法を使って解いてみせた。そのため、解の説明を求められてアメリカの壇上に立ったペレルマンの解説を聞いた数学者達は、「まず、ポアンカレ予想を解かれた事に落胆し、それがトポロジーではなく微分幾何学を使って解かれた事に落胆し、そして、その解の解説が全く理解できない事に落胆した」という。[1]

2006年8月22日スペインマドリードで催された国際数学者会議の開会式においてペレルマンに対しフィールズ賞が授与された。ただし本人はこれを辞退。現在は人付き合いを嫌い サンクトペテルブルグに引き篭もっている。

2006年12月22日、アメリカの科学誌「サイエンス」で科学的成果の年間トップ10が発表され、その第1位に「ポアンカレ予想の解決」が選ばれた[2][3]

[編集] 賞金100万ドル

クレイ数学研究所(CMI)はポアンカレ予想をミレニアム懸賞問題の一つに指定し、証明した者に100万ドル(約1億1000万円)の賞金を与えると発表している。ここでペレルマンが本賞を受賞するのかどうかが一部の関心を呼んでいる。ただし、彼は賞金を受け取る条件である「査読つき専門雑誌への掲載」をしておらずまた彼の証明はあくまでも要領を発表したに過ぎないという説もあり、賞金を手にするとは限らない(ペレルマン自身が賞金に興味を示していないとも噂される)。

この件に関し、CMI代表のJames Carlsonは次のように述べている。

CMIの規定では受賞資格者は必ずしも専門誌に掲載された論文の直接的な執筆者に限られる訳ではない。ペレルマンが変則的な発表手段を採り、arXivへの掲載のみに留めて専門誌に投稿していないというそのこと自体は、彼が受賞する上での障害とはならない。CMIは何れにしてもあらゆる素材を吟味して証明の成否を判定し、然る後初めて授賞を検討するようである。

[編集] 参考文献

  • 解決!ポアンカレ予想 (雑誌『数学セミナー』増刊、日本評論社、2007年1月)
  • ドナル・オシア『ポアンカレ予想を解いた数学者』糸川洋訳、日経BP社、2007年6月。ISBN 978-4-8222-8322-3
  • ジョージ・G・スピーロ『ポアンカレ予想』永瀬輝男・志摩亜希子監修、鍛原多恵子・坂井星之・塩原通緒・松井信彦訳、早川書房、2007年12月。ISBN 978-4-15-208885-7

[編集] 脚注

  1. ^ NHKスペシャル 2007年10月22日放送分 『100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~』 より。
  2. ^ 和文紹介
  3. ^ 英文原典

[編集] 外部リンク


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