戦略爆撃機
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戦略爆撃機(せんりゃくばくげきき)とは、戦術目標(敵の軍事拠点・軍そのもの)ではなく戦略上重要な目標(主に都市・一般民衆など)に対して使用されることを目的とした爆撃機である。だが、実際の運用の境界は曖昧であり、単純に大型で航続距離の長い爆撃機と理解しても差し支えない。
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[編集] 概要
戦略爆撃機にはその攻撃目標の性質上次のような性能が求められる。
- 敵地深くに侵入するための航続力
- 爆弾を多く搭載する能力
- 護衛戦闘機がつかない場合の防御力
これらの性能を満たすために、大型の発動機を四またはそれ以上有している。
その歴史は古く、第一次世界大戦時には既に投入されている。 世界で最初に実用化に成功した戦略爆撃機(厳密には大型爆撃機)の祖は、イタリア軍のカプロニCa.36型といわれている
第二次世界大戦においては、このような性能をもった戦略爆撃機を枢軸国もソビエトも量産することができなかった。欧州では昼間爆撃にアメリカのB-17及びB-24が、夜間爆撃にイギリスのアブロ ランカスター、ハンドレページ ハリファックス、ショート スターリングが利用された。日本に対しては航続力の問題で主にB-29が使われた。
第二次大戦後は、核爆弾による攻撃を主軸に置きはじめ、冷戦の影響もあって開発が進んだが、核兵器の小型化によりミサイルへの搭載が可能となりミサイル技術の発達とともに、フェードアウトしていった。
近年では、爆弾の搭載量の多さから、ベトナム戦争から、米国主導の対テロ戦争まで、拠点制圧などにおける有効性が再評価されてきている。
[編集] 主な戦略爆撃機
[編集] 第一次世界大戦期
[編集] 第二次世界大戦期
ドイツ 「Fw200」「Ju288」(試作のみ)