ロックウェル・インターナショナル
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ロックウェル・インターナショナル(Rockwell International)は、ウィラード・ロックウェルが設立した企業。ウィラードは1919年、トラックの車軸のための新しいベアリングシステムの発明を元に会社を興して財産を形成し、最終的にロックウェル・インターナショナルに育て上げた。
[編集] 歴史
その元となった最初の会社はロックウェル・スプリング・アンド・アクセル・カンパニー(Rockwell Spring and Axle Company)である。その会社自身もいくつかの自動車部品業者の合併によって設立された。その後、ロックウェル・スタンダード社となり、航空機メーカーのノースアメリカンと合併して、 1967年にノースアメリカン・ロックウェル社となった。さらに、印刷機の最大手 Miehle-Goss-Dexter を吸収(または合併)、大手アビオニクス企業コリンズラジオとも合併した。最後にウィラード・ロックウェルJr.のロックウェル・マニファクチャリングと合併し、1973年にロックウェル・インターナショナルとなった。
当時、傘下の様々な会社が多くの市場でトップとなっていた。ノースアメリカンはかつて、第二次世界大戦当時はP-51 マスタング、朝鮮戦争当時はF-86 セイバーといった戦闘機を製造、アポロ宇宙船にも関わった。ロックウェル傘下に入ってからも爆撃機B-1 ランサー、スペースシャトル(ノースアメリカン時代から開発は始まっていた)、GPS衛星の大部分などを製造し続けた。1955年にノースアメリカンからスピンオフしたロケットダイン社も、1984年には再度合併し、その時点ではアメリカでのロケットエンジンの大部分を製造していた。ロックウェルはまた、従来エアロ・コマンダーとして知られている業務用小型航空機の製造を引き継ぎ、新設計のロックウェル・コマンダー112/114 をリリースした。
オイルショックの影響により、航空機販売事業を行うロックウェル・コマーシャル社の経営が悪化したため、ロックウェルは1980年に航空機部門をガルフストリーム社に売却した。
ノースアメリカンは自社の技術部門で使用するためにMOSFETチップを使った電卓を開発した。1967年、それを製造する工場を設立しており、これが後にロックウェル・セミコンダクタとなる。翌1968年にはシャープと契約を結び、同社の電卓「QT-8D」ではロックウェル製のLSIが大量に使われた。この部門の成功例としては1990年代初期にリリースした14.4Kビット/秒のモデム用チップセットが挙げられ、これは膨大な数のモデムで使われた。
コリンズラジオは西側の旅客機の80%に採用された。アポロ月着陸船と通信するための無線機を設計製造し、アメリカ空軍の航空機とも通信できる世界的な高周波無線ネットワークも構築した。ロックウェルは第三世代のミニットマン大陸間弾道ミサイル(ICBM)やそれを誘導する慣性誘導装置(INS)を設計製造した。また、弾道ミサイル潜水艦用の慣性誘導装置も製造している。
ロックウェルは同様に米国内のヘビーデューティ・トラックの車軸のほとんどを製造した。
1978年のウィラード・ロックウェルの死と、1979年のウィラード・ロックウェルJr.の引退によって、会社は徐々に解体を始めた。1996年12月、ロケットダインを含めた宇宙部門全体と防衛部門の大部分をボーイング統合防衛システム部門に売却した。また、半導体部門は徐々にスピンオフして後にコネクサント社となった。自動車およびトラック部門もスピンオフして Meritor 社となり、後に Arvin Industories と合併して Arvin Meritor となった。残った部門は二つの会社に完全に分裂した。それが、ロックウェル・コリンズ(アビオニクス系通信システム開発)とロックウェル・オートメーション(産業システム開発)である。これにより、ロックウェル・インターナショナルは消滅した。