悪魔の手毬唄
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『悪魔の手毬唄』(あくまのてまりうた)は、推理作家横溝正史が著した長編推理小説および、それを原作とした映画・テレビドラマ作品である。2005年9月までに映画2本、テレビドラマ4作品が制作されている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ストーリー
昭和30年7月下旬、金田一耕助は一ヶ月ばかり静養できる辺鄙な田舎を探して、岡山県警に磯川常次郎警部を訪ねた。磯川警部からもらった紹介状は、「鬼首(オニコベ)村 青池リカ殿」宛てとなっており、一緒に、23年前の迷宮入り事件と、鬼首村出身で、いまや舞台や映画で人気のアイドル、大空ゆかりの帰郷を聞かされた。
金田一耕助が、鬼首村の村はずれにある「亀の湯」で、旅装を解いてから二週間ほどあまり経った8月10日、仙人峠を越えたところにある総社にちょっとした用事で向かう途中、仙人峠のてっぺんあたりで、多々羅放庵の五番目の妻、おりんと名のる老婆とすれ違う。ところが、翌日旅籠「井筒」の女将によると、おりんさんは既に亡くなっているらしい。そこで、金田一耕助と井筒の女将がおりんの元夫である多々羅放庵の草庵を尋ねたのだが……。
[編集] 登場人物
- 金田一耕助(きんだいちこうすけ)…私立探偵
- 磯川常次郎(いそかわつねじろう)…岡山県警警部
- 立花(たちばな)…岡山県警警部補、捜査主任
- 乾(いぬい)…岡山県警刑事、立花の部下
- 山本(やまもと)…岡山県警刑事、立花の部下
- 木村(きむら)…鬼首村駐在巡査
- 青池源治郎(あおちげんじろう)…活弁士、二十三年前何者かに殺害される
- 青池リカ(あおちりか)…源治郎の妻、亀の湯女将
- 青池歌名雄(あおちかなお)…源治郎の息子、鬼首村青年団副団長
- 青池里子(あおちさとこ)…源治郎の娘
- お幹(おみき)…亀の湯女中
- 仁礼嘉平(にれかへい)…仁礼家当主
- 仁礼咲枝(にれさきえ)…嘉平の妹
- 仁礼直平(にれなおへい)…嘉平の息子
- 仁礼路子(にれみちこ)…直平の妻
- 仁礼勝平(にれかつへい)…嘉平の息子、鬼首村青年団団長
- 仁礼文子(にれふみこ)…嘉平の娘
- 由良卯太郎(ゆらうたろう)…由良家先代当主、故人
- 由良五百子(ゆらいおこ)…卯太郎の母
- 由良敦子(ゆらあつこ)…卯太郎の妻
- 由良敏郎(ゆらとしろう)…卯太郎の息子、由良家当主
- 由良栄子(ゆらえいこ)…敏郎の妻
- 由良泰子(ゆらやすこ)…卯太郎の娘、歌名雄の恋人
- 別所辰蔵(べっしょたつぞう)…仁礼家の葡萄酒酒造工場工場長
- 別所蓼太(べっしょりょうた)…辰蔵の父、千恵子の戸籍上の父
- 別所松子(べっしょまつこ)…辰蔵の母、千恵子の戸籍上の母
- 別所五郎(べっしょごろう)…辰蔵の息子、鬼首村青年団団員
- 別所春江(べっしょはるえ)…辰蔵の妹
- 別所千恵子(べっしょちえこ)…春江の娘、女優、芸名は大空ゆかり
- 日下部是哉(くさかべこれや)…千恵子のマネージャー
- 本多(大先生)(ほんだだいせんせい)…医者だが現在は引退している
- 本多(先生)(ほんだせんせい)…大先生の息子、医者
- 本多一子(ほんだかずこ)…本多(先生)の妻
- 多田羅放庵(たたらほうあん)…庄屋の末裔だが現在は没落している、本名は多田羅一義
- おいと…井筒の女将
- おりん…多田羅放庵の五番目の妻
- 恩田幾三(おんだいくぞう)…春江の夫、二十三年前の青池源治郎殺害事件の容疑者
[編集] 映像化リスト
[編集] 映画
- 悪魔の手毬唄 (1961年11月15日・東映、渡辺邦男監督、金田一:高倉健)
- 悪魔の手毬唄 (1977年4月2日・東宝、市川崑監督、金田一:石坂浩二)
- 出演:岸惠子(青池リカ)、北公次(青池歌名雄)、永島暎子(青池里子)、仁科明子(別所千恵)、渡辺美佐子(別所春江)、小林昭二(日下部是哉)、常田富士男(別所辰蔵)、大和田獏(別所五郎)、高橋洋子(由良泰子)、草笛光子(由良敦子)、頭師孝雄(由良敏郎)、原ひさ子(由良五百子)、川口節子(由良栄子)、永野裕紀子(仁礼文子)、辰巳柳太郎(仁礼嘉平)、大羽五朗(仁礼直太)、潮哲也(仁礼流次)、富田恵子(仁礼路子)、白石加代子(司咲枝)、中村伸郎(多々羅放庵)、林美智子(お幹)、加藤武(立花捜査主任)、大滝秀治(権堂医師)、三木のり平(野呂十兵衛)、山岡久乃(井筒いと)、岡本信人(中村巡査)、辻萬長(野津刑事)、若山富三郎(磯川警部)、他
[編集] テレビドラマ
- 火曜日の女シリーズ おんな友だち 全5回(1971年6月22日~7月20日、金田一は登場しない)
- 横溝正史シリーズ 『悪魔の手毬唄』 全6回 (1977年8月27日~10月1日、毎日放送・大映京都・映像京都) 金田一:古谷一行
- 悪魔の手毬唄 (1990年10月5日、金田一:古谷一行)
- 悪魔の手毬唄 (1993年9月24日、金田一:片岡鶴太郎)
[編集] 関連項目
- わらべ唄(手毬歌)
- 人間椅子 (バンド) - 江戸川乱歩に傾倒するバンド、人間椅子には題をこの作品から取ったと思われる『悪魔の手毬唄』という曲がある。また『あやかしの鼓』(夢野久作の小説から取った題だと思われる)という曲では、この作品の章題である「生きているのか 死んでいるのか」というフレーズが使われている。