奥崎謙三
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
| 奥崎謙三 | |
|---|---|
| 1920年2月1日 – 2005年6月16日 | |
| 生誕地 | 兵庫県明石市大蔵町6丁目 |
| 死没地 | 神戸市 |
| 所属組織 | 大日本帝国陸軍 *戦後、自称「神軍平等兵」 |
| 最終階級 | 上等兵 |
| 部隊 | 独立工兵第36連隊 |
| 戦闘 | 太平洋戦争 |
| 除隊後 | バッテリー商 |
奥崎 謙三（おくざき けんぞう、1920年2月1日 - 2005年6月16日）は、元日本軍兵士（独立工兵第36連隊所属、階級は上等兵）、バッテリー商、著述家、自称・神軍平等兵、自称・非国民、反天皇活動家、アナーキスト。天皇パチンコ事件、天皇ポルノビラ事件といった過激な反天皇活動や、奥崎を追ったドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』で知られる。
目次 |
[編集] 生い立ち
奥崎謙三は1920年、兵庫県明石市大蔵町6丁目に奥崎俊三郎の三男として生まれた。小学校を卒業後木綿問屋に丁稚奉公し、また見習水夫を経験する。
[編集] 軍隊での経験
1940年、徴兵検査で甲種合格。1941年3月に岡山連隊に入営（陸軍二等兵）し、同年中に九江の工兵隊へ転属。1943年1月に独立工兵第36連隊に配属、4月に激戦地であるイギリス領東ニューギニアに派遣される。最終階級は上等兵。同部隊は敗走をかさね、飢えとマラリアに苦しみ、生き残ったのは同部隊千数百名のうちわずか30数名であった。奥崎は部隊が敗走する前からたびたび上官に暴行を働いて上官から食料を奪ったが、殴られたことが知れると上官の恥であるため暴行は露見しなかったと自著で語っている。 1944年7月、「米兵よ、自分を撃て」の意で、"GI, Come gun!"と叫び、投降。豪州軍の捕虜となる。1946年3月に復員。奥崎は復員船中で、復員者の食料を横領しようとした船長の腹部を刺した。
[編集] 戦後
1947年3月、三木市の共和製作所に就職、5月に製作所の寮母であった石地シズミと結婚。1948年4月に母・和賀死去。1951年に神戸市兵庫区にてバッテリー商（サン電池工業所）を開業する。しかし、1956年に不動産業者（延原一男）を金のトラブルから殺害し、傷害致死罪で懲役10年。1966年に満期出所する。
[編集] 活動
1969年、奥崎は皇居の一般参賀で、激しい嫌悪を持っていた昭和天皇にパチンコ玉を4発撃った（天皇パチンコ事件）。このとき「ヤマザキ、天皇を撃て!」と叫んだことはよく知られる。この事件で暴行罪で懲役1年6ヶ月となり、1970年に満期出所。1974年に残留日本兵救出の目的でグアムを訪問。
1976年、サン出版より『宇宙人の聖書!?』を自費出版、その宣伝のため銀座でポルノ写真に天皇一家の顔写真をコラージュしたビラ約4000枚を撒く（天皇ポルノビラ事件）。全国指名手配され、直後に独立工兵36連隊の生き残りである元軍曹宅を訪問したところをパトカーに発見され逮捕。猥褻図画頒布罪で懲役1年2ヶ月の刑を受ける。1977年に参院選全国区に獄中より立候補するが落選。また、獄中より神軍新聞を発行した。1978年に満期出所。
1980年、再び参院選全国区に立候補するが落選。1981年、田中角栄に対する殺人予備罪で書類送検されるが不起訴となっている。奥崎は普段から「田中角栄を殺す」と公言していた。不起訴となった後も業務用の自動車には「田中角栄を殺すことを記す」と大書された看板を掲げつづけていた。
[編集] ゆきゆきて、神軍
詳細はゆきゆきて、神軍を参照
1982年から原一男監督による奥崎のドキュメンタリー映画、『ゆきゆきて、神軍』の撮影が始まる。1983年8月に映画の約2週間の西ニューギニアロケを敢行、また個人でパプアニューギニアにも慰霊に行った。映画の撮影の中で奥崎は、戦中に起こった銃殺事件の真相を追うが、その行動は段々とエスカレートして行き、広島県大竹市の軍隊時代の上官宅を訪れた際、応対に出た長男に拳銃を発砲し負傷させる（1983年）。兵庫署に出頭し、広島拘置所に収監。殺人未遂罪等で懲役12年となる。
なお、この事件は衆院選の選挙期間中であり、奥崎は兵庫1区より立候補していたが落選している。
[編集] その後
1997年、満期出所。2005年に死去。入院していた神戸市内の病院で、死去寸前まで「馬鹿野郎」と周りに喚き散らしていたと報道されていた。
[編集] 著書
- 『ヤマザキ、天皇を撃て!』三一書房 1972年9月30日 新泉社 1987年8月 ISBN 4787787187
- 『宇宙人の聖書!? 天皇ヒロヒトにパチンコを撃った犯人の思想・行動・予言』サン書店 1976年3月
- 『ゆきゆきて神軍の思想』新泉社 1987年8月 ISBN 4787787179
- 『非国民奥崎謙三は訴える ゆきゆきて神軍の凱歌』新泉社 1988年8月 ISBN 4787788140
- 『奥崎謙三服役囚考 あいまいでない、宇宙の私』新泉社 1995年7月 ISBN 4787795147
[編集] 主演作品
- 『ゆきゆきて、神軍』- 原一男監督 1987年 疾走プロダクション 製作：小林佐智子 企画：今村昌平 出演：奥崎謙三 DVD 2000年11月24日
- 『神様の愛い奴』- 出獄後の奥崎謙三を追った1998年制作のドキュメンタリー。監督：根本敬、撮影、藤原章。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
 |
この「奥崎謙三」は、人物に関する書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています（ウィキプロジェクト 人物伝）。 |
