太陽の船 ソルビアンカ
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太陽の船ソルビアンカ(たいようのふね-、英:SOL BIANCA The Legacy)とは、1999年にAIC、パイオニアLDC(現:ジェネオンエンタテインメント)により製作されたOVA。 前作『ソルビアンカ』の世界観を引き継ぎつつ、独立したストーリーを持ったリメイクに近い続編として30分×6話構成で製作された。 日米でフルデジタル製作され、サイバーとアール・ヌーヴォー調の入り混じる独特のビジュアルを持つサイバーパンク的な宇宙海賊物として、一部で評価が高い作品である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
地球人類は恒星間航行技術を手に入れ、地球から脱出し宇宙に進出、植民を行い宇宙開拓時代を迎えた。 それから数百年が経ち、宇宙開拓時代は終わって植民惑星の中には、一般市民レベルでは交通が途絶した星もあった。そして、母なる地球は音信不通のままだった。
開拓時代に造られた宇宙海賊船ソルビアンカで活躍する女宇宙海賊エイプリルは、最強の海賊の証である古のオーパーツ『フリントロック』ピストルを盗まれてしまう。エイプリルはじめソルビアンカクルー一行は、その『フリントロック』が、ある惑星で闇オークションに掛けられることを知り潜入。過去のいきさつから『フリントロック』の入手を狙うギュンター率いる地球軍が踏み込んだどさくさにまぎれて、大立ち回りの末『フリントロック』を取り返した。
この時、ソルビアンカを留守にしていた間に、少女メイヨが密航していた。が、既にお尋ね者となった彼女たちは、その星に戻るわけにも行かず、「オーパーツ」を求め海賊稼業を行いながらメイヨの両親がいると言う「夢の星」地球を目指すこととなる。が、彼女たちを待っていたのは、ソルビアンカ自体を「オーパーツ」として捕獲を狙う地球軍の総攻撃、そしてメイヨの両親の死という、過酷な「現実」だった。
また、自由気ままだが先の見えない海賊暮らしに不安を感じ始めた最年長のフェブが一味を離脱、こともあろうにギュンターの手に落ちてしまう。
ソルビアンカと地球軍、夢と現実、そして夢を追う乙女と夢に破れた大人の対決の結末は…?
本作に於ける「オーパーツ」は、本義である場違いな出土物ではなく、先文明である宇宙開拓時代に由来する失われた技術やその産物をさしており、どちらかと言うと概念的にはロストテクノロジーに近い。
[編集] エピソード
- EL EMBLEMA/紋章
- LA REMINISCENCIA/記憶
- EL ARREGLO/掃除人
- LA MOVREX/恋人たち
- LA TIERRA/地球
- BARCO DEL SOL/太陽の船
[編集] 船の特徴
白色で船首に行くほど扁平で滑らかな、全没型水中翼船に類似した形状の船体であり、後部には水中翼状の構造物がある。後部には艦橋構造物のような構造物があるが境界ははっきりせず、船首部には太陽(この世界では『ソル』と呼ばれている)をモチーフにした図案が描かれている。船体中央部上下に主砲など兵器が設置され、戦闘時は帆のような構造物がせり出してくる。ブリッジはサイバーな雰囲気を持っている一方、居住区の内装はメカメカしさがない。 また船の航行や兵器などは、半透明の女神の姿をした人工知能『G』によって制御され、原理不明であるが自己修復機能もあるようだ。起動メッセージ中に『バイオリアクター』『プロトプラストシステム』などが表示されることから、バイオテクノロジーか生物の仕組みを模した技術の存在が伺われる。船体をワープのためのフィールドで包み光速を越えるスタートレックに類似したスタイルの超光速航行を行うことができる。宇宙開拓時代に建造され、その後宇宙空間に放棄されて数百年漂流していたが、エイプリルの故郷の惑星の近くに漂着し、エイプリルに拾われ、以降は宇宙海賊船として使用されている。
[編集] 登場人物
[編集] ソルビアンカ
- エイプリル(松本梨香)
- 直情径行形で姉御肌。フェブがリーダーらしいことをしないので、リーダーをしている。金髪蒼眼であり白人が祖先と思われる。
- フェブ(榊原良子)
- エイプリルより年上で最年長だが、リーダーらしいことは何一つしない。物腰が柔らかいためか短気なエイプリルに代わり外交・交渉が主な役目。よくタロット占いをしている。武器の扱いは苦手である。
- ジュン(宮島依里)
- ジャアニ(サエキトモ)
- メイヨ(小西寛子)
- 携帯電話を使っていたジュンの後に、どさくさに紛れてついていって洞窟に入り迷い込んだ末、そこに隠されていたソルビアンカに密航した少女。普段は船内のホログラムルームからバーチャルリアリティの小学校に通学している。無口で内気だが、ジュンにだけはなついている。
- 本作は彼女の成長物語でもある。
[編集] 地球軍
- ギュンター(壌晴彦)
- ラミー(小杉十郎太)
- ギュンターの腹心の部下。チームブルーコメットの隊長
- セゴビア(堀勝之祐)
- 地球軍提督。オーパーツとしてソルビアンカの捕獲を狙い、ソルビアンカのシステムの乗っ取りに成功するも、事を焦りすぎてギュンターに裏切られる。
[編集] その他
- サンチョ(山寺宏一)
- 人工知能。普段はジュンの指輪の中におり、ハクション大魔王のようなホログラムで表示される。惑星コンスエグラの要塞メガシード攻略・脱出に活躍。
- ボイド(置鮎龍太郎)
- フロール(岩男潤子)
- ボイドと共にコンスエグラにやってきた。死後、コンピューターの中に人格と記憶を移されソフトウェア(というよりボイド同様の亡霊)として存在している。ボイドの殺人行為を悲しみ何とか止めようとする。
- ブースター(三木眞一郎)
- グェン(大塚明夫)
- ブースターを追い続ける刑事(?)。ブースター同様脳改造を受けていると思われる描写がある。スキンヘッドが仏を連想させる。実はブースターとは実の兄弟。
- パーシー(上田祐司 現:うえだゆうじ)
- 途中立ち寄った海賊衛星ガリアンズを根城にする宇宙海賊。第4話以降エイプリルと行動を共にする。
[編集] スタッフ
[編集] 寄港地
- フリントロックがオークションに出されていた惑星
- 惑星コンスエグラ
- 古代遺跡「メガシード」があり、何らかの研究が行われていたようであるが、今では廃墟となり、オーパーツの噂が絶えない。内部にはインディ・ジョーンズ/最後の聖戦の最後の砦のトラップに類似したトラップがあり、数々の冒険者が死んでいる。HEAVENと呼ばれる中心部にはボイドとフロールの遺体を納めた棺がある。これらのトラップはダンテの神曲をそのままなぞっている。また、メガシードの周囲には宇宙開拓時代の街並みがあるが、同様に廃墟となっている。
- 惑星トップアイランド
- 海賊衛星ガリアンズ
- 地球
- 本作に登場する地球(遙か未来と思われる)はダイソン球に似た「シェル」と呼ばれる構造物に覆われており、地球本体は荒涼とした不毛の大地が広がっており、地上に生物はいない。いわゆる「地球人」は、「シェル」上の都市「ロータス」で暮らしている。
- しかしその真の姿は文字通りシェルで「覆い隠され」、一般には地球は今なお緑の星、夢の星と思われている(ラミーら地球の一般人でさえ、記憶操作を施されてそう信じさせられている)。真の姿を知るのはギュンターやセゴビアら上層部のごく一部だけである。
[編集] その他
サブタイトルやシステム起動時のメッセージ(¡Hola!,英語のHello!に相当)、登場人物の名前などに、スペイン語に由来するものが見受けられる。