天外魔境III NAMIDA
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
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対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | ハドソン、レッド・エンタテインメント |
発売元 | ハドソン |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM |
発売日 | 2005年4月14日 |
価格 | 通常版:7,140円(税込) 限定版:12,800円(税込) TheBest:2,800円(税込) |
対象年齢 | CERO:12歳以上対象 |
『天外魔境III NAMIDA』(てんがいまきょうスリー なみだ)は、2005年4月14日にハドソンから発売されたプレイステーション2用コンピュータゲームソフト。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。
目次 |
[編集] 概要
天外魔境のナンバリングシリ-ズの3部作完結編。「西洋から観た誤った日本観」をコンセプトとする架空の国「ジパング」の中で、前二作では語られなかった残された九州〜四国・沖縄地方「九洲」(つくす)を舞台に、「火の一族」にまつわる物語が展開する。
天外魔境は、かつてはハドソンの看板タイトルとも言える大作シリーズであったが、長期にわたって沈黙を続けていたため、時代に合わせてポリゴンによってフル3D化され、シリーズの特徴でもあったアニメ手法が使われていないなど、前作までと異なる部分も多い。
[編集] 発売までの経緯
本作は当初、PCエンジン SUPER CD-ROM²用ソフト『天外魔境II 卍MARU』のヒットを受け、同じプラットフォームでの製作が発表された。その後、PCエンジン用の周辺機器『アーケードカード』が発表されたことを受けてアーケードカード専用ソフトへと移行。1995年6月頃には、前作の監督・脚本を担当した桝田省治によるシナリオが完成し[1]、ハドソンへと渡された。だが時代は既にプレイステーションやセガサターンを初めとするいわゆる次世代機の発売を控えた時期であったため、ハドソンとNEC-HEが推進していた次世代機PC-FXのキラーソフトとするべく、PC-FX専用ソフトとして三度目のプラットフォーム変更が決定した。しかしPC-FXの普及が芳しくなかったこともあり製作は中断、結果として自然消滅的に発売中止となった。そして天外魔境シリーズ自体も1997年にセガサターンで発売された『天外魔境 第四の黙示録』を最後に、ハドソンの発売予定のラインナップから姿を消すこととなる。
その後、本作の発売を期待してアーケードカードやPC-FXを購入したファンを中心に、たのみこむ等を利用した発売運動が行われたこともあったが、桝田や原作者である広井王子は「決定権はハドソンにある」と答えるにとどまり、そのハドソンは沈黙を守り続けたため、ファンの中でも諦めの声が多数を占めるようになっていった(のちに広井自身も「もう『〜III』は作れないものと諦めていた」と語っている[2])。
2002年10月頃、桝田が代表取締役を勤めるゲーム制作会社「MARS」の公式サイト掲示板において「今後、天外魔境シリーズとは一切関わらない旨の契約をハドソンとの間で締結した」ことが桝田本人から報告された(天外魔境シリーズが長期間凍結していた間にハドソンは本社の引越し等によって桝田から預かったシナリオを紛失しており、本作の製作再開にあたって桝田への再執筆を依頼したが断られたため、この契約締結へと至ったと言われている[3])。これによってハドソンに天外魔境の権利関係を整理する動きがあることが判明する。翌年6月、プレイステーション2(以下PS2)、およびゲームキューブ(以下GC)用ソフトとして『天外魔境III NAMIDA』の2004年春発売が発表された(同時にPS2とGCで『天外魔境II 卍MARU』のリメイク版が2003年秋に発売されることも発表)。
先述した契約により桝田のシナリオが使用できないため新規にシナリオを作成。主人公の名前を除き、キャラクターデザインや登場人物も変更された(このため、本作は待ち望んでいたものとは別物であると考えるファンも多い)。その後、製作の進行状況やリメイク版『〜II』の両ハードの販売状況の内訳などを受け、GC版の開発を中止してプラットフォームをPS2に一本化、当初の予定を1年ほど過ぎた2005年4月の発売に至る。
[編集] 登場人物
[編集] パーティキャタクター
- ナミダ(声:櫻井孝宏)
- 壱与(声:日高のり子)
- 牛坊主(声:西村知道)
- ツグミ(声:横山智佐)
- トンカラリン(声:金田朋子)
- ミヤ(声:柊瑠美)
- 為朝(声: 置鮎龍太郎)
- 鬼一番(声:高木渉)
- 籐兵衛(声:小山力也)
[編集] アミ(大将)
- イチモツ(声:龍田直樹)
- シャンネ(声:鶴ひろみ)
- イダテン(声:山中たかシ)
- ニギ(声:池田秀一)
- タオリ(声:深見梨加)
- タオジリオス(声:玄田哲章)
- マダラ法師(声:藤本譲)
- ゼクウ(声:関俊彦)
[編集] アミ(その他)
- クロモツ(声:龍谷修武)
- シロモツ(声:吉水孝宏)
- 右のクロヒョウ(声:山田義晴)
- 左のハヤブサ(声:山根剛)
- 風雲の式部(声:米本千珠)
- 青の火花(声:進藤尚美)
- 百倍のドクロ将軍(声:三宅健太)
- 絶対の菩薩(声:滝下毅)
- 烈火の明王(声:稲田徹)
- 必殺の観音(声:山口隆行)
[編集] 火の一族
[編集] 竜人族
[編集] 獣人族
[編集] 鬼族
[編集] その他
- ホテイ丸(声:青野武)
- マントー3(声:千葉繁)
- 市村儀右衛門(声:大塚明夫)
- 市村出雲(声:市川春猿)
- 金持皇子(声:三ツ矢雄二)
- 江戸家又八(声:茅野イサム)
- 天草四郎(声:森田成一)
- 熊本城城主(声:佐藤正治)
- 白縫姫(声:中原麻衣)
- 太刀坊主(声:奥田啓人)
- 十六夜幻心(声:川津泰彦)
[編集] スタッフ
- 原作:P.H.チャダ
- 企画・監修:広井王子
- 絵師:辻野寅次郎
- 音楽監督・作編曲:加藤和彦
- オーケストラ指揮:佐渡裕
- 演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
- 主題歌:『NAMIDA (When Firebird Cry)』(サラ・ブライトマン)
[編集] 幻のPC-FX版
前述したとおりPS2で発売された本作は、PCエンジン及びPC-FX用に準備されていたものとは異なる作品だが、当時のPCエンジン専門誌などでPC-FX用の情報が一部公開されていた。
[編集] メインキャラクター
- ナミダ(南弥陀)
- ヒミコ
- マユ
- セツナ
[編集] シナリオ
桝田省治が執筆した本作用のシナリオを基にして桝田自身によって小説化されている。
- 『ハルカ 天空の邪馬台国』(著:桝田省治、2007年3月17日発売、発売元:エンターブレイン)
[編集] 関連作品
本作に直接関係する作品のみ。続編やシリーズ作品とそれらの関連作品は「天外魔境」および各ゲームタイトルの記事を参照のこと。
[編集] 限定版
- 『天外魔境III NAMIDA〜宝箱(デラックスパック)〜』
- 同梱内容
- PS2ソフト『天外魔境III NAMIDA』
- 天外魔境オリジナル開運厄除け絵馬
- DVD『天外魔境 自来也おぼろ変』
- 広井王子デザイン護符ステッカー
- トンカラリンフィギュア付き携帯ストラップ
- イラスト集『天外魔境III NAMIDA 設定資料集』
[編集] 攻略本
- 『天外魔境III NAMIDA 公式ガイドブック』(2005年4月14日発売、発売元:エンターブレイン)
- 『天外魔境III NAMIDA 公式完全攻略絵巻』(2005年6月4日発売、発売元:エンターブレイン)
[編集] CD
- 『天外魔境III NAMIDA オリジナル・サウンドトラック』(2005年4月13日発売、発売元:東芝EMI)
- 本作のサウンドトラック(2枚組)。
- 『ハレム アルティメイト・エディション』(サラ・ブライトマン、2004年6月9日発売、発売元:東芝EMI)
- 本作の主題歌『NAMIDA』も収録されているアルバム(CCCD)。
- 『ドラマCD 天外飯店』
- 本作の予約特典。脚本は広井王子。
- キャスト
[編集] DVD
- 『天外魔境III メイキングDVD』
- PS2・GC版『天外魔境II MANJIMARU』の予約特典。主要スタッフのインタビューの他、「天外魔境ヒストリー」として『天外魔境 ZIRIA』や『天外魔境II 卍MARU』の映像も収録されている。
[編集] 脚注
- ^ PCエンジン版『リンダキューブ』の取扱説明書より。
- ^ 本作の限定版に付属している設定資料集に収録された座談会より。
- ^ ゲーム専門誌の広井へのインタビューで『天外魔境 ZIRIA』の移植の可能性を聞かれた際に、同様の理由により『〜ZIRIA』の当時の制作データが現存しないため難しいという趣旨の回答をしている。ただし『〜ZIRIA』はのちに携帯電話用アプリとして移植され、また内容を再構成したリメイク版がXbox 360用ソフトとして発売されている。
[編集] 外部リンク
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本編 | I ZIRIA - II 卍MARU - ZERO - 第四の黙示録 - III NAMIDA |
外伝 | 風雲カブキ伝 - カブキ一刀涼談 - 真伝 - 電脳絡繰格闘伝 - オリエンタルブルー 青の天外 |
関連項目 | ハドソン - 広井王子 |