国際刑事警察機構
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国際刑事警察機構(こくさいけいじけいさつきこう、ICPO:International Criminal Police Organization)は、国際的な犯罪防止のために世界各国の警察により結成された任意組織である。インターポール(Interpol、テレタイプの宛先略号より)とも呼ばれる。
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[編集] 歴史
1923年国際刑事警察委員会として創設され、1956年に現行名称に改称した。総会、執行委員会、事務総局、加盟各国の国家中央事務局で組織され、加盟国は181カ国(地域)である。事務総局は1946年に再建されてからパリに所在したが、1989年以降はリヨンに設置されている。またハラレ、アビジャン、ナイロビ、ブエノスアイレス、サンサルバドルに準地域事務局、バンコクに連絡事務所を置いている。
主な活動としては、国際犯罪及び国際犯罪者に関する情報の収集と交換、国際会議の開催、逃亡犯罪人の所在発見と国際手配書の発行等がある。
日本は1952年に加盟し、国家中央事務局は警察庁。1975年から事務総局に警察庁職員を派遣している。
映画・テレビ・漫画などではICPOがあたかも「国際警察」のような描かれ方をするが、実体はそのような大規模な組織ではなく各国法執行機関の連絡機関・協議体としての性格が強い[1]。たとえば「ルパン三世」の銭形警部のような、世界を股に掛けて活動する“国際捜査官”も存在しない。
ただ、実際に国際犯罪の実働的捜査活動を行う部門は存在し、インターポールの事務総局の内局である実働部局が担当、緊急時の確保についてはICPO職員自らが行うこともある。但し最終的に犯罪者の身柄拘束を行なうのは国家主権上の問題からあくまで地元警察である。なお総裁や事務総長はフランス政府より外交特権を与えられている。係官など職員は国際活動中、外交特権を受けることがある。
[編集] ICPOが登場するメディア作品
- 『ゴルゴ13』に登場するバニングスとその部下。
- 『ルパン三世』に登場する銭形警部は、埼玉県警から出向していることになっている。
- 『ストリートファイターシリーズ』に登場する春麗は、行方不明の父親の手がかりを求め、組織の一員となった。
- 『DEATH NOTE』に登場するLは、ワタリを通じて指示を出した。
- 『メダリオン』に登場するワトソン。
- 『デッドヒート』に登場するキャノン捜査官他
- 『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には「国際警察機構」という組織が登場する。ただし超常的な力を持つメンバーにより構成され、世界を守るために戦うなど通常の捜査組織ではない。
- はやみねかおる著作の『怪盗クイーンシリーズ』や『名探偵夢水清志郎事件ノート』シリーズには国際刑事警察機構に所属する「探偵卿」が登場する。
- 『ロード・オブ・ウォー』では、武器商人の主人公を追跡する実働部隊の警察官が登場する。
- 『SPY_N』では藤原紀香が素性を隠して犯罪組織に潜入している。
- 『ケータイ刑事 銭形シリーズ』の銭形四姉妹の父はICPO所属の警察官である。
- 『名探偵コナン』では、ICPOに工藤優作の友人がいるということになっている。
- 『仮面ライダーBLACK』には、ICPO捜査官・滝竜介が登場する。
- 『レスキューポリスシリーズ』では、度々ICPOの名前が登場する。このうち『特警ウインスペクター』のメンバーである香川竜馬、ウォルター、バイクルの三人が、物語ラストにてICPOへと出向している。
- 『バタリアン5』に登場する2人組の男。バタリアン(ゾンビ)の壊滅を目指す間抜けな二人組み。
- 『デイジー』(2006年・韓国)では、ヒロインの恋人であるジョンウ(イ・ソンジェ)がインターポールに属している設定であり、財布の中の身分証が登場する場面もある。
- 『ゴジラ対メカゴジラ』では、南原・柳川の2人の捜査官がブラックホール第三惑星人基地の破壊工作に活躍している。尚、続編の『メカゴジラの逆襲』には正式名称が「国際警察」という組織が登場する(上述のように「国際警察」はICPOの正式名称ではない、但し劇中ではこの組織の捜査官も「インターポール」を名乗っている)。
- 『タンタンの冒険旅行』ではデュポンとデュボンが登場する。
- 『ツーリング・エクスプレス』では、主人公シャルル・オージェと養父エドアール・ティリエが所属していた。
- 『GS美神 極楽大作戦!!』に登場する西条輝彦はICPOのオカルトGメンに所属する。
[編集] 脚注
- ^ 2004年度大学入試センター試験の英語第3問B1において、この旨の英文が出題された。