国立学校
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[編集] 日本における国立学校
日本に於いて国立学校とは、「国の設置する学校」(学校教育法第二条第二項)である。但し、同法同条前項の規定により「国」には国立大学法人及び、独立行政法人国立高等専門学校機構が含まれる。
現在は国が直接設置する学校は存在しない為、国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構が設置する学校が国立学校であると謂える。
[編集] 国立大学に附属する中学校、高等学校及び中等教育学校
国立大学に附属する中学校、高等学校及び中等教育学校は、教育学部の学生を実習させたり、新しい教育の試みを実施したりするために存在する、付属病院と同様の研究機関である。市区町村立の学校と違い、志願しなければ入学することにならないため、入学する生徒の家庭は教育熱心であることが多く、一部の私立学校と同じようにエリート教育的な雰囲気がある。入学者の選抜に当たっては、抽選と学科試験の片方もしくは両方が行なわれる。
また、文部科学省がよく行う斬新な教育プランは、国立校のように生徒の基礎学力が高く、家庭も教育熱心であるという恵まれた環境での実験結果を基にしているので、必ずしも全ての学校に適切であるとはいえない。古い話だが、大正自由教育も最初はこういった恵まれている学校で実験され、その成功体験を元に他の学校にも適用しようとしたが、弊害も現れた。
なお、昭和20、30年代には、国立大学に附属しない国立の電波高等学校や商船高等学校が存在したが、これらは、昭和40年代に高等専門学校に改組された。
東北6県の国立大学(弘前大学、岩手大学、秋田大学、宮城教育大学、福島大学、山形大学)には、附属高校が存在しない。教育(受験)機会の均等という名目のもと、附属高校を設置しないという方針。
[編集] 代表的な国立大学に附属する中学校、高等学校及び中等教育学校
- お茶の水女子大学附属中学校・高等学校
中学校は男女共学であるが、高校に進学できるのは女子のみである。 - 筑波大学附属駒場中学校・高等学校
東京大学への進学率が高い男子校。現状では実験校なのか受験エリート校なのか漠然としており批判も根強い。 - 筑波大学附属中学校・高等学校
難関校の1つで男女共学。筑波大学の教育実習や教育研究に協力する使命を持っている。中学校も併設しているが、外部生と同様に入学試験が必要である。 - 東京学芸大学附属高等学校
- 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校
全国から生徒が集まり、日本では非常にレヴェルの高い音楽高校の一つである。男女共学で、国立の高等学校では唯一の音楽専門高校である。卒業生の多くは東京藝術大学音楽学部に進学する。 - 東京工業大学附属科学技術高等学校
国立では唯一の工業系高校。国立高校としては珍しく、10人前後が東京工業大学に推薦で進学出来る制度がある。 - 東京大学教育学部附属中等教育学校
双子に対して実験的な教育を行っている。受験エリート校にならないように、学科試験を行なわないなどの対策を講じている。
- 大阪教育大学附属高等学校池田校舎・大阪教育大学附属池田中学校
大阪教育大学の付属施設で、教育実習・教育研究の場となっている。「国際交流」「総合学習」「教科等の学習」「学級・学年活動」「学校行事」を学習の5本柱に立てて実践・研究している。難関国公立大学への進学率が高い共学校。 - 広島大学附属中学校・高等学校、広島大学附属福山中学校・高等学校
両校とも広島大学の実習希望学生の教育実習や教育研究に協力する使命を持っている。広島県下では難関校化している。 - 金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校
金沢大学人間社会学域学校教育学類の付属施設で、教育実習の場となっている。東京大学、京都大学及び国立大医学部への進学者が多く難関進学校である。
[編集] 国立大学に附属する小学校
国立大学に附属する小学校は、教育学部の学生を実習させたり、新しい教育の試みを実施したりするために存在する、付属病院と同様の研究機関である。市区町村立の学校と違い、志願しなければ入学することにならないため、入学する児童の家庭は教育熱心であることが多く、一部の私立学校と同じようにエリート教育的な雰囲気がある。入学者の選抜に当たっては、抽選と学科試験の片方もしくは両方が行なわれる。
また、文部科学省がよく行う斬新な教育プランは、国立校のように児童の基礎学力が高く、家庭も教育熱心であるという恵まれた環境での実験結果を基にしているので、必ずしも全ての学校に適切であるとはいえない(例:週休二日制)。古い話だが、大正自由教育も最初はこういった恵まれている学校で実験され、その成功体験を元に他の学校にも適用しようとしたが、弊害も現れた。
[編集] 代表的な国立大学に附属する小学校
- 筑波大学附属小学校
東京都文京区にある国立小学校。入学するには、第一回抽選→試験(筆記・実技)→第二回抽選という難関をくぐり抜けなければならず、合格者に対する志願者の倍率は毎年30倍近くになる。 - 大阪教育大学附属池田小学校
大阪教育大学の付属施設で、教育実習の場となっている。附属池田小事件の悲しい現場となった。そのため、事件が起こった6月8日には、慰霊祭が行われる。
[編集] 国立大学に附属する幼稚園
国立大学に附属する幼稚園は、教育学部の学生を実習させたり、新しい教育の試みを実施したりするために存在する、付属病院と同様の研究機関である。市区町村立の学校と違い、志願しなければ入園することにならないため、入園する園児の家庭は教育熱心であることが多く、一部の私立学校と同じようにエリート教育的な雰囲気がある。入園者の選抜に当たっては、抽選と学科試験の片方もしくは両方が行なわれる。
また、文部科学省がよく行う斬新な教育プランは、国立校のように園児の基礎学力が高く、家庭も教育熱心であるという恵まれた環境での実験結果を基にしているので、必ずしも全ての学校に適切であるとはいえない。古い話だが、大正自由教育も最初はこういった恵まれている学校で実験され、その成功体験を元に他の学校にも適用しようとしたが、弊害も現れた。
[編集] 代表的な国立大学に附属する幼稚園
[編集] 国立大学
国立大学は学費が安いため人気がある。特に医学部は、私立大学だと学費が高いが国立大学は他学部と同じであるため、人気が高く難関となる。しかし、近年、国立大学の授業料は大幅に値上げされており、文科系の学部については、以前ほど私立大学との間の学費の差はなくなってきている。国立大学は、戦前の旧帝国大学等の学問の蓄積を受け継ぎ、また、国による直接的・間接的な支援もあり、今なお、日本の学術・科学技術に関する中核的な研究機関としての役割を担っている。国立大学の入学試験では、一部の試験を除き大学入試センター試験が利用される。2004年4月1日から国立大学法人法が施行され、国立大学は国立大学法人により設置、組織及び運営される大学となった。(関連:国公立大学)
[編集] 国立大学に附属する特別支援学校
国が直接設置する唯一の養護学校であった国立久里浜養護学校は、国立大学法人法附則第十五条第二項の規定により、2004年4月1日付で筑波大学に附属して設置される養護学校となった。
[編集] 代表的な国立大学に附属する特別支援学校
- 筑波大学附属大塚特別支援学校
知的障害児を対象に、教育研究に取り組む。 - 筑波大学附属久里浜特別支援学校
知的障害を伴う自閉症児を対象に、教育研究に取り組む。 - 筑波大学附属桐が丘特別支援学校
肢体不自由児を対象に教育研究に取り組む。 - 筑波大学附属視覚特別支援学校
視覚障害児や弱視児を対象に、教育研究に取り組む。 - 筑波大学附属聴覚特別支援学校
聴覚障害児や聾児、難聴児を対象に、教育研究に取り組む。