独立行政法人
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独立行政法人(どくりつぎょうせいほうじん)とは、法人のうち、日本の独立行政法人通則法第2条第1項に規定される「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人」をいう。イギリスのエージェンシーを手本として設立された。
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[編集] 特殊法人との違い
当時の橋本龍太郎内閣における行政改革の一環として中央省庁から現業・サービス部門を切り離す目的でこの制度を規定したが、近年の行政改革では主に特殊法人をこの形態に改組する例が多くなってきている。
特殊法人と異なる点は、資金調達に国の保証が得られないこと(民間企業と同じ)、法人所得税や固定資産税など公租公課の納税義務が生じることなどである。
[編集] 2つの分類
独立行政法人は特定独立行政法人と特定独立行政法人以外の独立行政法人(非特定独法)の2つに分類される。
特定独立行政法人は「業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるもの」(法第2条第2項)であり、この役員及び職員は国家公務員の身分が与えられる(法第51条)。
非特定独法については、役員及び職員の身分の扱いが異なる。雇用保険が掛かるなど民間と同じ扱いになり、国家公務員が出向する際には退職扱いとなる。ただし、元の府省への復帰が前提の出向の場合には、国家公務員退職手当法第7条の3に基づき退職手当は支給されないことがある。
現在特定独立行政法人は、国立印刷局、造幣局や国立病院機構など数少ない。非特定法人を含め、そのあり方が見直される予定であり、一部報道によると、予算額に占める国からの運営費交付金割合が低い法人については、国の関与の必要性が低いと判断され、民営化される見通しとなっている。
[編集] 備考
そのまま表記すると6文字となるため、短縮する必要がある場合は独法、独行法人等と表記する。また、各独立行政法人を短縮表記する場合には「独法」「独行法」のように表記することが多い。口語では「独法(どっぽう)」などということがある。銀行の振込先のカナ表記は「ドク)○○○○○○」。