四冠馬
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四冠馬(よんかんば、Quadruple Crown)とは、競馬において一定の条件を満たす4つの競走に優勝した競走馬のこと。定義は国により様々ではあるが、三冠馬がクラシック競走に加え古馬が相手になる大レースを制した馬を指して呼ぶことが多い。その他牝馬がクラシック競走を4勝した場合にも四冠馬と呼ばれることがある。
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[編集] 日本
[編集] 中央競馬
八大競走#完全制覇を参照。
中央競馬クラシック三冠の他に、グレード制導入以前は八大競走、導入後はGI級競走を勝利。
この定義での厳密な四冠馬はミスターシービー(1983年三冠 + 天皇賞(秋))ただ1頭。ただしナリタブライアン(1994年三冠 + 朝日杯3歳ステークス、有馬記念)について朝日杯3歳ステークスを冠に含めず、四冠馬とすることもある。
戦前のセントライトを除くクラシック三冠馬は他の八大競走もしくはGI級競走を少なくとも1つは勝っている(さらにミスターシービーを除けば2つ以上)。
なお、3歳牝馬に関しては中央競馬の規定にはないが事実上四冠体制であり(中央競馬牝馬三冠 + 古馬混合のエリザベス女王杯)、2003年には牝馬三冠を達成したスティルインラブが四冠目に挑んだが、同期のアドマイヤグルーヴに惜敗し、四冠達成はならなかった。また三冠牝馬が古馬になってからヴィクトリアマイルやエリザベス女王杯を優勝した場合、牡馬の例に倣って四冠馬と呼ばれる可能性もある。
[編集] 南関東公営競馬
南関東公営競馬ではサラブレッド系では南関東三冠の他に東京大賞典を制した馬、アラブ系では南関東アラブ三冠の他に全日本アラブ大賞典を制した馬とされる。ただし現在はアラブ系競走は廃止されている。
サラブレッド系では三冠馬7頭のうちハツシバオー、サンオーイ、ロジータの3頭が達成、アラブ系では三冠馬8頭のうちホクトライデン、トチノミネフジの2頭が達成している。この5頭はいずれも3歳時(旧4歳時)での達成である。牝馬のロジータはこのほか桜花賞 (浦和競馬)も制しているため「五冠馬」ともいわれる。
このほか、1999年から2001年には南関東三冠 + ジャパンダートダービーという事実上の四冠体系だったこともあり、2001年にトーシンブリザードがこの四冠を達成している。
[編集] 岩手競馬
2007年に体系化された岩手三冠を制したセイントセーリングが馬インフルエンザの影響で地元馬限定競走となったダービーグランプリに四冠をかけて挑戦したが、同厩舎のハルサンヒコの2着に敗れ四冠達成とはならなかった。
[編集] アルゼンチン
三冠 + 古馬が相手となるカルロスペルグリニ大賞
- Pippermint(1902年アルゼンチン三冠 + カルロスペルグリニ大賞)
- Old Man(同1893年)
- Botafogo(同1917年)
- Rico(同1922年)
- Mineral(同1931年)
- La Mission(1940年アルゼンチン牝馬三冠 + カルロスペルグリニ大賞)
- Yatasto(1951年アルゼンチン三冠 + カルロスペルグリニ大賞)
- Manantial(同1958年)
- Forli(同1966年)
- Telescopico(同1978年)
[編集] ウルグアイ
三冠 + 古馬が相手となるホセ・ペドロ・ラミレス大賞
- Sisley(1923年ウルグアイ三冠 + ホセ・ペドロ・ラミレス大賞)
- Romantico(同1938年)
- Bizancio(同1951年)
- Amodeo(同1988年)
[編集] 牝馬によるクラシック4勝
クラシック競走、又はそれに相当する5競走の内、4つを制した牝馬。
- フォルモサ(1868年イギリス牝馬三冠 + 2000ギニー)
- セプター(1902年イギリス牝馬三冠 + 2000ギニー)ダービーは4着
- ロスアード(1983年デンマーク牝馬三冠 + デンマークダービー)ただしスウェーデンダービーとスウェーデンオークスも制している
- ダンススマートリー(1991年カナダ三冠 + カナディアンオークス)