伊豆箱根鉄道大雄山線
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大雄山線(だいゆうざんせん)は、神奈川県小田原市の小田原駅と神奈川県南足柄市の大雄山駅とを結ぶ、伊豆箱根鉄道の鉄道路線である。
全区間にて、ICカード乗車券PASMO・Suica(東日本旅客鉄道)が利用可能である(パスネットは利用できない)。
目次 |
[編集] 路線データ
[編集] 運行形態
早朝と深夜を除き終日12分間隔で列車が運行されている。上り・下り列車の交換は和田河原駅・相模沼田駅・五百羅漢駅で行われる。全列車が小田原駅または大雄山駅が終着となる運行で、途中駅で終着または折り返しとなる列車は設定されていない。
線路容量は12分間隔が限界のため、計画運休する列車を2往復設定しており、車両検査などの際にはそのダイヤを回送列車として運行する(後述)。
車内アナウンスはすべて自動放送により行われるが、運転士と車掌の2人は乗務する。車内精算は定期的に車掌が車内を巡回する際にに申し出て、車内補充券を発行してもらう。また、車掌は無人駅到着時に駅入口の改札付近に移動し改札する(朝夕の通勤時間帯以外)。そのため、車掌は列車走行時に頻繁に車内を移動する。
毎年12月31日深夜から翌年1月1日朝まで、初詣客のため終夜臨時運転が行われる。
[編集] 利用状況
[編集] 輸送実績
大雄山線の近年の輸送実績を下表に記す。沿線に大規模な工場や事業所が存在していること、また、西湘地域の中心都市である小田原への移動需要から、当線の輸送量は中小私鉄としてはかなり多い量であり、優良線区に位置付けされる。しかし、最近では輸送量は減少している。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年 度 | 輸送実績(乗車人員):万人/年度 | 輸送密度 人/km・1日 |
特 記 事 項 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
通勤定期 | 通学定期 | 定 期 外 | 合 計 | |||
1975年(昭和50年) | 371.5 | 140.3 | 316.0 | 827.8 | 12,844 | |
1976年(昭和51年) | 356.5 | 147.8 | 312.0 | 816.3 | 12,618 | |
1977年(昭和52年) | 359.2 | 159.4 | 323.6 | 842.4 | 13,246 | |
1978年(昭和53年) | 345.6 | 154.7 | 317.2 | 817.6 | 13,114 | |
1979年(昭和54年) | 348.2 | 162.2 | 320.2 | 830.8 | 13,474 | |
1980年(昭和55年) | 341.9 | 169.2 | 319.4 | 830.6 | 13,563 | |
1981年(昭和56年) | 336.2 | 171.7 | 322.3 | 830.2 | 13,591 | |
1982年(昭和57年) | 345.8 | 156.3 | 336.0 | 838.2 | 13,877 | |
1983年(昭和58年) | 347.7 | 152.0 | 337.1 | 836.8 | 13,879 | |
1984年(昭和59年) | 348.6 | 145.4 | 341.3 | 835.3 | 13,860 | |
1985年(昭和60年) | 337.3 | 155.0 | 342.3 | 834.6 | 13,751 | |
1986年(昭和61年) | 332.2 | 146.0 | 344.8 | 823.0 | 13,722 | |
1987年(昭和62年) | 328.7 | 140.9 | 347.1 | 816.7 | 13,620 | |
1988年(昭和63年) | 334.8 | 144.6 | 367.2 | 846.6 | 13,790 | |
1989年(平成元年) | 345.4 | 149.2 | 364.0 | 858.6 | 14,200 | |
1990年(平成2年) | 366.8 | 152.1 | 385.7 | 904.6 | 14,914 | |
1991年(平成3年) | 380.5 | 155.1 | 401.5 | 937.1 | 15,305 | |
1992年(平成4年) | 388.4 | 153.1 | 405.2 | 946.7 | 15,566 | |
1993年(平成5年) | 376.6 | 147.5 | 400.6 | 924.7 | 15,094 | |
1994年(平成6年) | 374.2 | 147.4 | 394.6 | 916.2 | 14,934 | |
1995年(平成7年) | 380.8 | 148.9 | 388.2 | 917.9 | 14,886 | |
1996年(平成8年) | 393.6 | 138.9 | 390.4 | 922.9 | 15,118 | |
1997年(平成9年) | 387.5 | 131.0 | 370.4 | 888.9 | 14,460 | |
1998年(平成10年) | 387.2 | 134.5 | 363.4 | 885.1 | 14,434 | |
1999年(平成11年) | 381.1 | 135.6 | 356.2 | 872.9 | 14,189 | |
2000年(平成12年) | 377.3 | 133.3 | 345.5 | 856.1 | 14,017 | |
2001年(平成13年) | 377.8 | 122.6 | 341.8 | 842.2 | 13,818 | |
2002年(平成14年) | 364.0 | 111.6 | 331.6 | 807.2 | 13,196 | |
2003年(平成15年) | 367.0 | 109.0 | 337.4 | 813.4 | 13,245 | |
2004年(平成16年) | 366.4 | 106.4 | 330.6 | 803.4 | 13,126 | |
2005年(平成17年) | 370.3 | 102.0 | 335.4 | 807.7 | 13,261 | |
2006年(平成18年) | ||||||
2007年(平成19年) |
[編集] 収入実績
大雄山線の近年の収入実績を下表に記す。最近は収入総合計額が減少しているが、他中小私鉄路線と比較して格段に多い収入額となっている。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年 度 | 旅客運賃収入:千円/年度 | 運輸雑収 千円/年度 |
総合計 千円/年度 |
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通勤定期 | 通学定期 | 定 期 外 | 手小荷物 | 合 計 | |||
1975年(昭和50年) | 210,784 | ←←←← | 262,119 | 767 | 473,670 | 15,059 | 488,729 |
1976年(昭和51年) | ←←←← | ||||||
1977年(昭和52年) | ←←←← | ||||||
1978年(昭和53年) | ←←←← | ||||||
1979年(昭和54年) | ←←←← | ||||||
1980年(昭和55年) | ←←←← | ||||||
1981年(昭和56年) | ←←←← | ||||||
1982年(昭和57年) | ←←←← | ||||||
1983年(昭和58年) | ←←←← | ||||||
1974年(昭和59年) | ←←←← | ||||||
1985年(昭和60年) | ←←←← | ||||||
1986年(昭和61年) | 390,050 | ←←←← | 545,155 | 0 | 935,205 | 11,103 | 946,308 |
1987年(昭和62年) | 293,161 | 91,283 | 552,861 | 0 | 937,305 | 10,940 | 948,245 |
1988年(昭和63年) | 295,026 | 93,400 | 559,756 | 0 | 948,182 | 11,737 | 959,919 |
1989年(平成元年) | 303,283 | 96,229 | 573,985 | 0 | 973,497 | 12,530 | 986,027 |
1990年(平成2年) | 320,889 | 98,772 | 609,999 | 0 | 1,029,660 | 13,628 | 1,043,288 |
1991年(平成3年) | 332,256 | 98,173 | 634,164 | 0 | 1,064,593 | 13,671 | 1,078,264 |
1992年(平成4年) | 338,513 | 97,047 | 642,591 | 0 | 1,078,151 | 14,380 | 1,092,531 |
1993年(平成5年) | 326,139 | 92,866 | 632,752 | 0 | 1,051,757 | 14,201 | 1,065,958 |
1994年(平成6年) | 325,402 | 92,434 | 624,010 | 0 | 1,041,846 | 13,499 | 1,055,345 |
1995年(平成7年) | 340,601 | 95,552 | 639,735 | 0 | 1,075,888 | 15,820 | 1,091,708 |
1996年(平成8年) | 376,352 | 94,706 | 677,507 | 0 | 1,148,565 | 14,232 | 1,162,797 |
1997年(平成9年) | 373,197 | 88,190 | 643,317 | 0 | 1,104,704 | 14,551 | 1,119,255 |
1998年(平成10年) | 373,821 | 90,912 | 631,737 | 0 | 1,096,470 | 11,288 | 1,107,758 |
1999年(平成11年) | 365,559 | 90,977 | 619,809 | 0 | 1,076,345 | 11,602 | 1,087,947 |
2000年(平成12年) | 363,784 | 89,663 | 601,909 | 0 | 1,055,356 | 17,257 | 1,072,613 |
2001年(平成13年) | 364,971 | 82,945 | 595,961 | 0 | 1,043,877 | 13,507 | 1,057,384 |
2002年(平成14年) | 350,172 | 75,365 | 577,809 | 0 | 1,003,346 | 8,804 | 1,012,150 |
2003年(平成15年) | 353,692 | 73,393 | 586,647 | 0 | 1,013,732 | 13,304 | 1,042,190 |
2004年(平成16年) | 352,946 | 71,295 | 574,698 | 0 | 998,939 | 15,052 | 1,013,991 |
2005年(平成17年) | 358,183 | 68,374 | 586,157 | 0 | 1,012,714 | 14,806 | 1,027,520 |
2006年(平成18年) | ←←←← | ||||||
2007年(平成19年) | ←←←← |
[編集] 使用車両
[編集] 現在の車両
大雄山線で使用されている車両の形式は以下の通りである。
- すべて18m車3両編成。車両間にドアはなく、貫通式である。
- コデ165形(電気機関車代用)
大雄山線内には車両の大規模な整備工場がないため、大規模な定期検査を行う場合は、東海道本線の小田原~三島間を回送(甲種輸送)され、駿豆線大場駅にある自社の大場工場に入場する。
[編集] 過去の車両
- コデ66形(電気機関車代用)
[編集] 歴史
大雄山線は、大雄山鉄道によって開業した路線である。道了尊で有名な最乗寺への参詣鉄道として計画された。後に路線延伸として、御殿場線山北駅まで計画されていた。
- 1922年(大正11年)6月2日 大雄山鉄道設立。
- 1925年(大正14年)10月15日 仮小田原~大雄山間(5M48C≒9.01km[1])が開業[2]。開業当時の駅は順に、仮小田原、五百羅漢、相模沼田、岩原、塚原、和田河原、大雄山の7駅である。穴部駅は10月15日には施設が工事中であったため、この日の運輸営業から除外されている[3]。
- 1926年(大正15年)5月(日付は不詳) 飯田岡駅開業[4]。
- 1926年(大正15年)11月24日 井細田駅開業[4]。
- 1927年(昭和2年)4月10日 新小田原~仮小田原間 (0.38km[1]) 延長開業。仮小田原駅を相模広小路駅と改称[5][6]。
- 1933年(昭和8年) 大雄山鉄道が箱根土地(現・プリンスホテル)の経営傘下に入る。
- 1935年(昭和10年)6月14日 新小田原~相模広小路間に緑町駅開業。
- 1935年(昭和10年)6月16日 小田原~緑町間 (0.36km[1]) 延長開業[2]。新小田原~緑町間 (0.15km)、相模広小路駅廃止。
- 1941年(昭和16年)8月23日 大雄山鉄道は駿豆鉄道に吸収合併され、1957年(昭和32年)6月に伊豆箱根鉄道に改称した。
- 1956年(昭和31年)8月13日 富士フイルム前駅開業。
- 1976年(昭和51年)11月25日 架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。
- 1984年(昭和59年)3月18日 5000形電車運転開始。
- 1992年(平成4年)3月25日 和田河原新駅舎竣工。
- 1996年(平成8年)10月10日 165形電車(赤電)のお別れ会及びお別れ運転を実施。
- 1997年(平成9年)4月1日 運賃改定及び値上げ。大雄山線小田原~大雄山間は250円が270円に。
- 2003年(平成15年)3月30日 小田原駅が新駅舎へ切り替え。自動改札機供用開始。
- 2003年(平成15年) 大雄山駅自動改札機供用開始。
- 2005年(平成17年)11月12日 開通80周年を記念し、大雄山駅構内でイベントを実施。
- 2006年(平成18年) 新久野川橋梁架け替え。
- 2006年(平成18年)8月16日 ダイヤ改正により、終電時刻繰り下げ及び12分間隔運転時間帯拡大。
- 2006年(平成18年)12月18日 緊急地震速報警報システム運用開始。
- 2007年(平成19年)3月18日 ICカード乗車券「PASMO」と「Suica」が大雄山線全駅で利用可能に。
[編集] 駅一覧
#印の駅は交換可能駅
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
小田原駅# | 0.0 | 東日本旅客鉄道:東海道新幹線・東海道本線 小田急電鉄:小田原線 箱根登山鉄道:鉄道線 |
神奈川県 | 小田原市 |
緑町駅 | 0.4 | |||
井細田駅 | 1.4 | |||
五百羅漢駅# | 2.3 | |||
穴部駅 | 3.1 | |||
飯田岡駅 | 4.3 | |||
相模沼田駅# | 5.0 | 南足柄市 | ||
岩原駅 | 6.0 | |||
塚原駅 | 6.3 | |||
和田河原駅# | 8.2 | |||
富士フイルム前駅 | 9.1 | |||
大雄山駅# | 9.6 |
[編集] 廃駅
[編集] 特記事項
JR東日本の指定券券売機で、JR線からの連絡乗車券を購入することが出来る。
[編集] 脚注
- ^ a b c 和久田康雄 『私鉄史ハンドブック』電気車研究会、1993年 p.78 ISBN 4-88548-065-5
同書には小田原~緑町間は小田原駅連絡線として記載 - ^ a b 平成18年度版『鉄道要覧』によれば新小田原駅=緑町駅、仮小田原駅=井細田駅とされ、以下のように開業している。
- 小田原~緑町間 0.4km 1935年6月14日開業
- 緑町~井細田間 1.0km 1927年4月10日開業
- 井細田~大雄山間 8.2km 1925年10月15日開業
- ^ 「南足柄市史7 通史編II 近代・現代」南足柄市編集(1998年3月31日発行)p.481
- ^ a b 「小田原市史 別編 年表」小田原市編集(2003年3月20日発行)p.296
- ^ 「鉄道省監督局調 地方鉄道軌道一覧」社団法人鉄道同志会発行 昭和七年 (復刻鉄道名著集成所収) 大雄山鉄道の項に「假小田原ハ相模廣小路ト改称」とあり。運輸開始認可昭和2年4月9日
- ^ a b 「南足柄市史7 通史編II 近代・現代」南足柄市編集(1998年3月31日発行)p.484 によれば、改称は1927年7月であるとされている。