中牧昭二
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中牧 昭二(なかまき しょうじ、1956年3月6日 - )は日本の元参議院議員秘書で元プロレスラーで元ベストセラー作家である。長野県上田市出身。
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[編集] 経歴
拓殖大学ではアメフトで活躍し卒業後、スポーツ用品会社(カドヤスポーツ)の営業マンを勤め、読売ジャイアンツの桑田真澄と関わる。それに伴い下記の暴露本を出版。
プロレスラーに転向するためSWSの入団テストを受けたが不合格となり、大仁田厚率いるFMWに入団。暴露本の一件で、悪いイメージがついていた為、中々入団を認めず、ハードな入団テストを行い、周囲が好意的になった所で入団を認めている。1992年5月31日に、ターザン後藤戦でデビュー。その後はW★ING→IWAジャパン→大日本プロレスとインディー団体を転々する。1997年1月4日には、新日本プロレスの東京ドーム大会に参戦。蝶野正洋と対戦するも、僅か1分強で敗退(試合後、持参してきた有刺鉄線ボードに飛び込み、観客へアピールしていた)。その後、参議院議員になった大仁田の秘書となり、2003年12月22日にレスラーを引退した。
2006年にレスリング会場でセコンドをした際、試合後に同僚レスラーに対する暴行で告訴され敗訴した。
[編集] 暴露本の出版
カドヤスポーツを解雇された翌年の1990年、「さらば桑田真澄、さらばプロ野球」(リム出版)を出版。桑田と暴力団との関わりや再三ソープランドの接待を要求されたこと、金をタカられたことや裏金の存在を暴露した。桑田は高校時代よりソープ接待を要求し、プロに入ると、年上の中牧に対し、「おい中牧、ソープへ連れて行け」等と横柄な口調で命令していたことも書かれている。
当初桑田は金品の授受や登板日漏洩の事実は無いと球団に対して申告したが、その後メンバーズクラブ社長から高級時計1個、金銭100万円程度を受領していたことがあり、虚偽の報告をしたと申告した。これに対し球団に虚偽の報告をしたとして桑田は謹慎1ヶ月・罰金1000万の処分を下された。関連して、巨人の湯浅代表も減俸3か月の処分。川島廣守セ・リーグ会長は巨人の選手管理不備に対して史上最高の制裁金2000万円、吉國一郎コミッショナーが正力亨オーナーに戒告処分、川島会長を戒ちょく処分とした。 これが世に言う桑田裏金事件である。桑田が裏金をもらう時によく言っていたとされる「No Tax?」は流行語となった。ちなみにこの件で桑田サイドは著書に書かれていることは事実と反することが多く名誉を深く傷つけられたとして、中牧及びリム出版社長を名誉毀損で告訴。以下の内容で和解した。
- 1、乙山(上記書籍著者)は原告が野球賭博に関与し、あるいはそのために登板日を第三者に漏洩したことはないことを確認する
- 2、乙山はその著書及び週刊誌等における発言により、原告が野球賭博に関与し、あるいはそのために登板日を第三者に漏洩したと誤解され、原告等の名誉が傷つけられるに至ったことにつき、心から遺憾の意を表する[1]
桑田は5年後に出版した著書の中でも中牧が書いていることは全くの事実無根だと強く否定しており、自分の名前を悪用して会社の金を使い込んでいたのは中牧本人だと主張している。[2]。
[編集] 著書
- 『さらば桑田真澄、さらばプロ野球』 リム出版 1990年2月 ISBN 4-87120-092-2
- 『さらば桑田真澄、さらばプロ野球』(Lucky books)(新書) 発行・リム出版、発売・エーブイエス、リム・ユナイト 1992年3月 ISBN 4-87120-275-5
[編集] 注
- ^ 日本ユニ著作センター
- ^ 桑田真澄『試練が人を磨く―桑田真澄という生き方』扶桑社、1995年4月