W★INGプロモーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
W★INGプロモーション(ういんぐ・ぷろもーしょん)は、かつて存在した日本のプロレス団体。FMWのスタッフだった茨城清志と大宝拓治により設立された。
目次 |
[編集] 概要
FMW設立当初の社長だった大迫和義、外国人レスラーのブッキングを担当していた茨城清志、広報スタッフ兼リングアナウンサーだった大宝拓治、メインレフェリーを務めていた川並政嗣、茨城と共に外国人レスラーのブッキング担当兼「プエルトリコ軍団」マネージャーのビクター・キニョネス、ヒールの中心として大仁田厚と抗争を繰り広げていたミスター・ポーゴらが、大仁田との確執からFMWを離脱し、設立する。
当初は「世界格闘技連合W★ING」と称し1991年8月に旗揚げ。徳田光輝・斎藤彰俊・木村浩一郎の若手3名を「格闘三兄弟」と命名。この3人を中核として、そこにビクター・キニョネスのブッキングによるデスマッチ主体の外国人が絡む構図としたが、観客動員は伸び悩んだ。そこへ、格闘技主体の団体を目指す大迫と、茨城・大宝との間に溝が出来て12月に団体は崩壊。大迫は「WMA」を、茨城・大宝は「W★INGプロモーション」をそれぞれ設立するが、大多数の選手はW★INGプロモーションに流れ、WMAは1戦も行わず崩壊する(大迫はWMA崩壊を機にプロレス界から身を引いた)。
その後は格闘技路線をほぼ放棄、FMWを超える過激なデスマッチ路線へ進み、マニア層の支持を受けるようになった。
大会の開始時間が予定より30分以上遅れるのがおなじみになるほど、いい加減な運営をしていた。特に経営者だった茨城のギャラの未払いや借金の踏み倒しは有名で、興行終了後に駐車場で選手たちに詰め寄られている姿が専門誌に掲載されたほどである。
そのせいもあってか、FMWの引き抜き策に主力選手が次々と抜けていき(一説には、契約書すら満足に交わしていない状態だったらしい)、1994年3月13日のアメニティトライアル多摩興行直後に経営者の茨城が失踪し消滅。残った選手は、ビクター・キニョネスがIWA・JAPANを設立して救済した。
W★ING自体は、その後も幾度か復活と休止を繰り返しており、団体の活動時期を語る場合は第一次、第二次などと分類される(下記参照)。
[編集] 名称及び分類
- 世界格闘技連合W★ING
- 第1次W★ING。ファンの間では『旧W★ING』と呼ばれている。
- W★INGプロモーション
- 第2次W★ING。団体が一番充実していた時期で、通常『W★ING』と言えばこの時期の事を指す。
- 新生W★ING
- 第3次W★ING。W★INGプロモーションが活動休止後復活。日本人の所属選手はいなかったが、ECW所属の選手(サンドマンやパブリック・エネミー等)を招聘し、興行を行う。しかし、ECWのレスラーに対抗出来る日本人選手がいなかった事や、ルーズな経営からすぐに活動休止となる。当時、未知の団体だったがマニア人気のあったECWの選手を招聘した事から、この時の興行を見ずに「見ておけば良かった」と後悔しているファンも多い。
- 真正W★ING
- 第4次W★ING。第3次が活動休止後、もう復活は無いだろうと思われていた所に突如復活し、色々な意味でファンを驚かせる。この頃にはアメリカ国内のレスラーからは、この団体の悪評が響き渡っていたらしく、アメリカのレスラーは招聘できず、かつての所属選手だったジェイソン・ザ・テリブルやジ・ウインガーをエース格にし、メキシコのAAAと提携、所属のルチャドール達を中心とした興行を行う。だが、ルチャがメインの興行になった事で、それまで目玉であったデスマッチ等の試合も組めず、今まで同様ルーズな経営からすぐに資金難となり活動休止となる。
- W★ING同盟(ユニット)
- W★INGプロモーション崩壊時、最後まで残っていた金村ゆきひろ(現:金村キンタロー)が、IWA・JAPANを離脱後FMWに登場した事がきっかけで、それ以前にFMWへ出戻り参戦していたミスター・ポーゴや松永光弘らと組んだユニット。FMW参戦時に、W★INGの主催という形で興行を行うが、FMWの選手が出場したり、元所属選手の何人かは参戦しなかったりと、微妙な興行で、上記のW★INGとは別と考えた方が良い。その後、ポーゴや松永がFMWを離脱した後、残った金村がW★ING金村と改名、W★INGの名前を賭けて、大仁田厚と対戦し敗れてしまった為、ユニットとしてのW★ING同盟は消滅する。
その後はOB達によるメモリアル興行を行ったり、経営者であった茨城を引っ張り出し、W★INGを再興させようとした動きもあったが、資金面で問題が発生し頓挫。又、当時所属していた選手達も、引退したり様々な団体で活躍したりしている事を考慮すると、よほどのスポンサーでも付かない限り5度目の復活の可能性は非常に低い。
[編集] 主な所属、参戦したレスラー
- ミスター・ポーゴ
- 松永光弘
- 金村ゆきひろ
- 徳田光輝
- 斎藤彰俊
- 木村浩一郎
- 中牧昭二
- 茂木正淑
- 三宅稜
- 戸井マサル
- 島田宏
- 三浦博文
- ジ・ウインガー
- キム・ドク(タイガー戸口)
- 邪道
- 外道
- 非道
- 荒谷望誉(当時は荒谷信孝)
- 小野浩志
- レザー・フェイス
- フレディ・クルーガー
- クリプト・キーパー
- ジェイソン・ザ・テリブル
- ブギーマン
- ルーシファー
- ザ・ヘッドハンターズ
- コンドル(当時はミステル・ハーベスト)
- ディック・マードック
- ミル・マスカラス
- エル・カネック
- ジプシー・ジョー
- ジミー・バックランド
- ケビン・サリバン
[編集] 主なタイトル
- W★ING認定世界ヘビー級王座
- W★ING認定世界Jrヘビー級王座
- W★ING認定世界タッグ王座
(この場合のW★INGとは『レスリング・インターナショナル・ニュー・ジェネレーション』の略。本項で述べている団体とは別(という建前)の、ビクター・キニョネスらが中心となって設立した世界規模のインディーズ統括団体である)
団体内でタイトルマッチを行った主な王座
- WWC認定カリビアン・ヘビー級王座
- WWC認定Jrヘビー級王座
- PNWヘビー級王座