世界史 (科目)
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世界史(せかいし)は、高等学校に設置されている科目である。世界の歴史について学ぶ。現在は地理歴史科の中に設置され、必履修とされている。
目次 |
[編集] 設置科目
- 世界史A(標準単位数2単位)
- 世界史B(標準単位数4単位)
世界史A・世界史Bから1科目が必履修。履修学年は指定されていない。なお「世界史A」は近現代史を中心とし、「世界史B」は通史を学ぶ。
[編集] 高等学校科目「世界史」の変遷
[編集] 社会科・世界史
第二次世界大戦終戦後の学制改革に伴い、新制高等学校が発足した。新制高校での世界史に関する科目は、社会科のもとに、当初は東洋史と西洋史の2科目が設けられた。しかしこの2科目は1949年に統合されて「世界史」となった。
1960年に告示された学習指導要領(1963年度第1学年から適用)では、基本的な内容を扱う「世界史A」・発展的な内容を扱う「世界史B」の2科目に分けられた。1970年告示の学習指導要領(1973年度第1学年から適用)で、再び世界史は1科目に統一。
[編集] 地理歴史科・世界史
1989年告示の学習指導要領(1994年度第1学年から適用)で、高等学校社会科が再編され、従来の社会科は地理歴史科と公民科の2科目に分割された。それに伴い、従来は社会科に属していた世界史は、地理歴史科の科目として学習するようになった。
また1989年告示の学習指導要領から、世界史科目は近現代史を中心とする「世界史A」と、通史を学ぶ「世界史B」の2科目体制になり、この2科目のうちから1科目を選択して必ず履修することとなった。
世界史の必履修、および世界史の科目構成は、1998年告示・2003年度第1学年から適用された、現行の学習指導要領にも受け継がれている。
[編集] 世界史未履修問題
ところが、実際には必履修とされている世界史を履修させていなかった高校が全国的に存在していたことが、2006年10月、報道機関や文部科学省の調査により明らかにされた[1]。大学受験において世界史がそれほど重要な教科ではないことが原因とみられている。多くの高校では世界史の時間に英語や数学等、大学受験において重視される科目を重点的に教えていた。
[編集] 中学校での世界史学習
中学校では世界史に関する科目は独立して設置されていないが、社会科の歴史的分野の中で世界史に関する内容についても触れる。
学習指導要領の目標では「我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ[2]」るとしている。学習指導要領では世界史にかかわる内容として、世界の古代文明、東アジアとのかかわり、市民革命や産業革命を経た欧米諸国のアジアへの進出、近代日本の国際的地位の向上と大陸との関係、近現代の国際情勢などの内容を、日本史と関連させる形で学習することをねらっている。また、日本史と関連性のない特殊なものとして絶対王政や宗教改革なども学習する。
[編集] 脚注
- ^ この問題の詳細については、高等学校必履修科目未履修問題も参照されたい。
- ^ 1998年告示『中学校学習指導要領 第2章:各教科 第2節:社会 第2:各分野の目標及び内容 [歴史的分野]』より