ラウフ・オルバイ

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ヒュセイン・ラウフ・オルバイ（Hüseyin Rauf Orbay, 1881年‐1964年 7月16日）は、トルコの海軍軍人、政治家。トルコ革命中の1922年から翌年にかけて、暫定首相を務めた。

[編集] 経歴

アブハジアに起源を持つ元老院議員メフメット・ムザッフェル・パシャの息子としてイスタンブルで生まれる。母はクレタ島の出身。オスマン帝国海軍に入り、1889年に海軍大学を卒業して海軍将校となる。アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ帝国など列強諸国の大使館で駐在武官を務める。

巡洋艦「ハミディエ・カフラマヌ」艦長として伊土戦争やバルカン戦争に従軍、エーゲ海や地中海で作戦行動に従事。第一次世界大戦中はイランやイラクに駐在していたが、オスマン帝国の敗北に際し、アフメト・イゼット・パシャ内閣の海軍大臣として、1918年10月29日に連合国との間でムドロス休戦協定に署名した。

スィヴァス会議でのラウフ（左）とケマル（1919年9月）

連合軍の国土分割に抵抗するトルコ革命が始まると、アンカラに赴いてトルコ大国民議会に参加、指導者のムスタファ・ケマルを助けた。1919年7月23日のエルズルム会議で代表委員に選ばれ、次いで9月4日のスィヴァス会議では副議長に選出された。その後他の高官とともにイギリス軍によりマルタ島に抑留されたが、1921年にトルコに戻る。戦争が大国民議会派の勝利に終わると、ヒュセイン・ラウフは1922年に暫定首相に就任した。

1924年にはトルコ最初の野党である進歩共和党の設立に参加したが、1925年に同党が政府から解散命令を受け、さらに翌年イズミルでケマル暗殺未遂事件が発生すると、ラウフは政府の弾圧を避けてヨーロッパに亡命した。亡命生活は10年に及び、1935年にケマル・アタテュルクの許しを得て帰国した。

アタテュルク死後の1939年、カスタムオヌ選出の大国民議会議員として政界復帰。第二次世界大戦中の1942年から駐英大使を務めたが、1944年に辞任した。イスタンブルで死去した。