ムシウタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ムシウタ | |
---|---|
ジャンル | 超能力 |
小説 | |
著者 | 岩井恭平 |
イラスト | るろお |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | ザ・スニーカー |
レーベル | 角川スニーカー文庫 |
発表期間 | 2003年5月1日 - 以下続刊 |
巻数 | 本編9巻、短編7巻、中編1巻 |
漫画 | |
原作・原案など | 岩井恭平 |
作画 | 水清十朗 |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | 月刊少年エース |
発表期間 | 2007年5月号 - 2007年12月号 |
テレビアニメ | |
原作 | 岩井恭平、るろお |
監督 | 酒井和男 |
企画 | 安田猛 |
シリーズ構成 | 吉田玲子 |
脚本 | 吉田玲子 國澤真理子 金﨑貴臣 |
キャラクターデザイン | 神本兼利 |
アニメーション制作 | ビートフロッグ |
製作 | ムシウタ製作委員会 |
放送局 | WOWOW |
放送期間 | 2007年7月5日 - 10月4日 |
話数 | 全12話 |
コピーライト表記 | ©2007 岩井恭平・るろお/ 角川書店/ ムシウタ製作委員会 |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
『ムシウタ』は、角川スニーカー文庫から刊行されている岩井恭平のライトノベル作品である。イラストはるろお。また、2007年7月からは、WOWOWノンスクランブル帯にてアニメが放映された。短編シリーズ『ムシウタbug』がザ・スニーカーで連載されている。また、月刊少年エースでコミックが連載され、完結している。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ストーリー
―――“虫”。
希望や願望や欲望が飽和しやすく、時に彼らが生きる目的そのものともなる、さまざまな≪夢≫を抱いて生きる少年少女達。
その夢が自らの器から漏れ出すほど大きく、抑えきれなくなった時、いずこからか現れて夢を食らい様々な物を奪っていく代わりに、望みもしない強大な力を与える昆虫に似た超常の存在、“虫”。
“虫”に寄生された者たちは「虫憑き」と呼ばれ、公には存在しないとされているにも拘らず、もはやその単語を知らない者はいない。目撃証言や虫憑きのものと思われる異常現象は年々増加し、噂の範疇から抜け出ていないにもかかわらず人々の間で差別と恐怖の対象になっていた。
ここに一人の虫憑きがいた。
名を“かっこう”。虫憑きを発見・捕獲し、政府の公式見解同様に「存在しないもの」として処理する政府機関「特別環境保全事務局」、略称「特環」に所属する虫憑きであり、冠する称号は「火種一号」…つまり特環中最強の虫憑きである。
彼は虫憑きの中でも最も強く、最も多くの同族を倒してきた戦士である。取り付かれた虫を殺された者は欠落者…外界からの刺激以外に対して全くの無反応な抜け殻になってしまい、彼らにとっては≪死≫も同義である。しかし、それすらも彼の闘争への道の障害たりえない。同じ苦悩を持つはずの虫憑き達を次々と打ち倒し、蹂躙し、欠落者の山を作り出し、時には文字通り「存在しないもの」としてしまう。
彼は走る事をやめない、速度を緩めない、止まらない。なぜなら虫憑きであるという事は、彼にも夢があるからだ。自ら戦いの道へ進むのも、多くの虫憑きから恐れ・憎まれる存在となったのも、全てはその夢の為であった。故に、彼は戦う事を止めない。まだ自分の夢は叶っていないから、まだ自分の中で決して消えない少女との約束が、果たされていないから。
緑色の虫が弾け、“かっこう”の体に突き刺さる。虫と同化し、破滅的な威力を秘めた銃口を、眼前の巨大な虫へと向ける。
号砲が轟いた…。
どこかはわからない場所、いつかはわからない時。
抜け殻であるはずの一人の欠落者の瞳に、光が戻った。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公
- 薬屋 大助(くすりや だいすけ)/“かっこう”
- 声:浅沼晋太郎
- 特別環境保全事務局(以下、特環)東中央支部に所属している監視班火種一号指定の同化型虫憑き。憑いている“虫”は緑色のかっこう虫。虫を自分や銃に同化させ、身体能力や銃の威力を大幅に上げる。
- 全特環局員中最強の実力を誇り、数少ない同化型の虫憑きでもある。また戦闘だけでなく情報収集や追跡等の能力も非常に優秀。
- 四年前に初任務で“虫”に夢を食い尽くされようとしていた“ふゆほたる”と出会い、「自らの夢を決して諦めない」と約束をし命を救うために欠落者にする。
- その高い戦闘能力と、虫憑きには容赦のない非情な性格により『むしばね』や味方であるはずの特環局員からも恐れられ『悪魔』と呼ばれている。しかし虫憑きを殺したことは一度もなく、“ふゆほたる”との約束や“虫”のみを標的とする自分のスタンスをひたすらに守っているだけであり、本来は他人を気にかける優しい少年。他人に理解される事はほとんどないが、土師圭吾とだけは『友』と言える関係を築いており信頼している。
- 利菜とは「詩歌の居場所になってあげてよ」という約束をしており、離れ離れになっている詩歌とはクリスマスの再会を約束している。
- 戦歴だけを見るのならばまぎれもなく最強の虫憑きで、茶深曰く「虫憑きをめぐる戦いの、まさにド真ん中を突っ走ってきたよーなヤツ」。
- 夢は自分を必要としてくれる居場所を見つけること。
- 杏本 詩歌(あんもと しいか)/“ふゆほたる”/“スノウ・フライ”
- 声:花澤香菜
- 本編のヒロイン。本編開始時は異種一号だったが、欠落者から唯一復活したため秘種一号に認定された分離型虫憑き。憑いている“虫”は純白の蛍。触れたものすべてを崩壊させる雪を降らせ、能力が及ぶ範囲内ならばほぼ無敵の強さを持つことから、その力は“かっこう”と並び最強と称されることもあるほどである。しかし自分の“虫”を完全にコントロールできておらず、“虫”は詩歌の身に危険が迫ると詩歌の制止も聞かずに破壊の雪を降らせ続ける。
- 四年前に特環に発見されたとき、捕獲しようと追跡してきた当時の特環上級局員を一人で数百人も欠落者にし、その意思に反して特環を壊滅状態にまで追いやってしまったこともある。その際に“かっこう”と出会い自分の“虫”を殺され捕獲されたが、その後欠落者から元に戻ることのできた唯一の人物である。欠落者から復活した後、特環から脱走し桜架市を訪れ、その際に大助と出会い、強く惹かれていく。
- 優しくおとなしい性格で他人に対して奥手になってしまうところがあるが、時折驚くような意志の強さを垣間見せることもある。
- “かっこう”により再び特環に連れ戻されたが、“からす”の手助けによって特環から脱走し、“レイディー・バード”亡き後の虫憑きのレジスタンス勢力『むしばね』のリーダー、“スノウ・フライ”となっている。大助とも“かっこう”とも面識があるが、同一人物だとは気づいていない。
- 夢は自分がいてもいい居場所を見つけること。
[編集] 特別環境保全事務局
[編集] 東中央支部
- 土師 圭吾(はじ けいご)
- 声:平川大輔
- 特環東中央支部長。虫憑きではないが策謀に長けており、中央本部も彼を警戒している。
- “かっこう”に銃を教え、自身も高い射撃技術をもち虫憑き相手に互角以上の戦いをするなど戦闘能力も高い。“かっこう”と“レイディー・バード”の戦闘の際に瓦礫の下敷きになり、現在は昏睡状態に陥っている。
- 妹が一人おり溺愛しているが、妹が虫憑きであるということを特環にも妹本人にも秘密にしていた。虫を激しく憎み、中央本部とは違って“始まりの三匹”を滅ぼそうとしているが、“かっこう”と同じように敵味方問わず殆どの虫憑きから嫌われている。虫憑きを恐れていないため“かっこう”とは共に信頼し合っている。
- 土師 千莉(はじ せんり)/“火巫女(ひみこ)”
- 特環東中央支部局員、異種三号の特殊型虫憑きで憑いている“虫”は火蛾で陽炎を媒体とする。能力は索敵・戦闘など多岐に渡り、暫定的に異種三号となっている。無意識に他人の夢を食べる特徴があり監視対象になっていたが、虫憑きであることを自覚した頃からその特徴は消えうせている。東中央支部に所属してからはメキメキと力をつける。
- 獅子堂戌子に訓練をしてもらったこともあり、そのときは優秀という評価だった。土師圭吾の妹であり、大助を兄のように慕っている。生来盲目で、よく友人に助けられている。
- 夢は大切な人たちに「大丈夫だ」と言うこと。
- 緒方 有夏月(おがた あかつき)/“エフェメラ”/“月姫(かぐや)”
- 特環東中央支部局員、火種二号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は黄金色のヒメカゲロウの“陽炎(ひえん)”。腹部の空洞から熱球を発射する。また亜成虫化することができ、亜成虫化後の能力は二本の尾で周囲のエネルギーをかき集め、純粋な熱へと変換しレーザーとして射出する。その破壊力は“霞王”の霞を貫通するほどに高い。
- むしばねのサウスリーダーであり、スパイとして特環に所属していたが千莉を守る為にむしばねを裏切った。元は特環西南西支部局員だったが、千莉を守りつつ“かっこう”を殺して利菜の仇を討つために東中央支部に移った。
- 利菜を救えなかった自分に後悔し、利菜を殺した“かっこう”を憎んでいたが、利菜の死の真相を知り過去へ決着をつけ未来へ進む覚悟をした後は“かっこう”への憎しみもだいぶ和らいだ。
- 五郎丸 柊子(ごろうまる とうこ)
- 声:高木礼子
- 意識不明の土師に代わって特環東中央支部長代理を務める女性。土師曰く「今はまだ無能な人間」。最初は本部の言いなりになっていたが、次第にリーダーシップを掴んだ行動をしている。愛車はビートル、ローンがまだ残っているらしい。身なりもスーツのボタンを掛け違えたり、髪に寝癖がついていたりなど、社会人としても女性としても少々問題がある。
- 土師には高校時代に家庭教師をしてもらっていたこともあり、それが縁で同じ大学へ進学し、特環に就職することになった。
- 堀崎 梓(ほりざき あずさ)/“みんみん”
- 声:田村ゆかり
- 特環東中央支部局員、戦闘班に所属する火種五号の分離型虫憑き。憑いている“虫”はセミ。鳴き声による超音波攻撃と、力をためた上での体当たりで攻撃する。鳴き声の攻撃は特殊型などに有効。土師に恋愛感情をいだいていたが裏切られ、むしばねのスパイになり、その後土師に利用され二重スパイになる。“かっこう”に欠落者にされたかのように振る舞い特環に戻り“ふゆほたる”捕獲に参加するも返り討ちにあい欠落者となる。
- その後の特環での研究の際に一時的に“浸父”の分身となり欠落者から復活するも再び欠落者に戻る。
- 大蔵 倭(おおくら やまと)/“兜(かぶと)”
- 声:浜田賢二
- 特環東中央支部局員、戦闘班に所属する火種六号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は巨大なゴホンツノカブト。巨体を活かした攻撃や、角を射出したり空を飛んだりする。また、アニメ第一話では超音波のような攻撃も使用していた。任務の成功率に関しては定評があり、多くの戦いで生き残ってきたことから優秀な局員である。
- 本名は作中に登場しておらず雑誌の特集で明らかになった。
- 高鍬 雷(たかくわ あずま)
- 土師の前任者である特環東中央支部長。“ふゆほたる”事件の際、東中央支部を率いてクーデターを企てたが土師と“かっこう”によって阻まれ失脚した。
- 高鍬家は代々が国の重鎮であり、“虫”によって国が疲弊することを嫌いクーデターを起こすことで外威を受け入れ“虫”を殲滅しようとした。
- “八角(ほずみ)”
- 特環東中央支部局員、異種六号の虫憑き。憑いている“虫”は甲殻の甲羅と八本の足をもつ異形の虫。地面を潜ることができる。“かっこう”により欠落者にされる。
[編集] 中央本部
- 魅車 八重子(みぐるま やえこ)
- 特環中央本部副本部長。見た目は穏やかで安心感さえ覚えさせる。しかし何を考えているのか全くわからず、滅多に顔を出さない本部長に代わって実質的に指揮を執っており、裏では“浸父”を使い欠落者の蘇生実験を行っている。虫憑きたちに「愛している」と微笑みかけるが、その笑みは心を縛り付けるため“鎖の笑み”と呼ばれている。過去に“虫”の存在を予期していた節がある。
- 御嶽 アンネリーゼ(みたけ アンネリーゼ)/“霞王(かすおう)”
- 声:井上麻里奈
- 特環中央本部局員、戦闘班に所属する火種三号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は死番虫(デス・ウォッチ)で黒い霞を媒体とする。かなりの攻撃力と防御力を併せ持ち、霞の固まった巨大な爪で敵を攻撃する。
- 外見は金髪の少女だが言葉遣いが荒く、男のようなしゃべり方をする。
- 死番虫には「クスリヤナカセ」という別名がある。
- 堀内 愛理衣(ほりうち えりい)/“C(シー)”
- 声:野中藍
- 特環中央本部局員、情報・特殊・実験班に所属する秘種二号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は薄青色のシーアゲハで電気を媒体とする。“ディオレストイの欠片”に関する実験に関わっており、その際に異種から秘種となった。
- “かっこう”が虫憑きを救ってくれると信じているが、一人でも生きていけるよう願った本人に拒絶された。
- 夜森 寧子(よもり ねいこ)/“ねね”
- 声:藤田咲
- 特環中央本部局員、異種三号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”はキリギリス。特環の中でも稀な復元能力を持つ。
- 見た目は普通なのだが、性格がかなり変わっている。
- 「クロール・ライヴ」というバンドのボーカル。ゲリラライヴを行って警察に捕まったこともある。メンバーは全員虫憑き。大助の携帯電話の着信音は、「クロール・ライヴ」の人気曲である。
- 獅子堂 戌子(ししどう いぬこ)/“あさぎ”
- 特環中央本部局員、特殊班に所属する異種三号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は紫電のアサギマダラで磁力を媒体とする。探知能力を持ち、スティール製のホッケースティックを武器として使う。また磁力の性質によって高速移動も可能。
- 昔は二号指定で“かっこう”と組む程の「戦士」だったが、現在は前線から離れ才能ある虫憑きを育てるコーチや、スカウトマンをしながら全国を回っている。愛車はベスパ。格闘訓練では“かっこう”に一度も負けたことがない実力の持ち主。また、戦闘に我を忘れて“かっこう”と戦ったこともあり、その際自分の武器を折られたが相手のアバラを折るという相討ちに近い状態になり、決着はつかなかった。
- 自身の能力のせいで体内の鉄分が足りなくなるため、いつも特環西中央支部・開発班特製のキャンディーをなめており持久力に難がある。また自然発生してしまう静電気から身を守るようカッパを着ている。一定時間だけだが一号指定並みの力を発揮でき、彼女曰く「当時の“かっこう”と自分は最強のタッグであり自分のほうが戦闘能力は上だったはずだが、それでも“かっこう”の方が間違いなく自分よりも強い」とのこと、またその強さに憧れていた。浸父との戦闘で死亡。ホッケースティックは現在鯱人が使用している。
- 強盗に家族を殺されたときに、こんな酷いことをする人間は一人残らず消えてしまえ、と願ったため“浸父”に虫憑きにされた。
[編集] 殲滅班
- 耶麻本 ラウ(やまもと ラウ)/“しぇら”
- 特環中央本部局員、殲滅班班長で特殊型虫憑き。憑いている“虫”はラックカイガラムシでプラスチックやビニルなどの樹脂を媒体とする。樹脂で作ったスーツを外骨格として操り、同化型の虫憑きとも互角以上に渡り合う身体能力を発揮することができる。さらに小型の信管と爆薬を能力と組み合わせ擬似プラスチック爆弾を作り出したりするなど多彩な攻撃方法を操る。“マーカー使い”に欠落者にされる。
- とある小国の皇女だったが、“虫”の秘密を探り、その力を手に入れようと特環に潜り込む。また、その力で国を復興させることが夢。
- ダイスケ/“墓守”
- 特環中央本部局員、殲滅班に所属する分離型虫憑き。憑いている“虫”は白色のスカラベ。“虫”の体は空洞で、破壊されても再生するという特性を持っている。“ディオレストイの欠片”を取り込んだため“教会”に酷似した“墓地”という領域を操ることもできた。
- “虫”を探るために送られた、とある国のスパイで特環にわざと捕まった。
“びりびり”
- 特環中央本部局員、殲滅班に所属する特殊型虫憑き。憑いている“虫”はカミナリハムシで電気と磁力を媒体とする。雷を模した髪飾りと毛先がギザギザに折れ曲がった長い髪をした少女。“ディオレストイの欠片”の影響を受けた虫憑きの一人で「びりびり」としか喋らない。茶深の能力を受け暴走し“しぇら”に攻撃を仕掛けたが、返り討ちにされた。
- “あしまき”
- 特環中央本部局員、殲滅班に所属する分離型虫憑き。憑いている“虫”は赤と青に点滅するボール状の体と無数の触手を持つ異形の生物。長身で鋭い目つきをした少年。“虫”を口の中に貼り付けて、触手を使って敵を攻撃する。感知能力も持っている。数人の殲滅班と共に“マーカー使い”と戦い欠落者にされた。
- “かなた”
- 特環中央本部局員、殲滅班に所属する火種三号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は赤と青の体色をした双頭のゲジ。むしばねの“アイジスパ”と茶深と戦闘。欠落者となる。
- 幼いころから喧嘩にあけくれ地元のギャングの用心棒にまでなったが、組織の壊滅によって戦いの場をなくし「戦う場所が欲しい」という夢を抱いた。
- “鱗(りん)”
- 特環中央本部局員、殲滅班に所属する特殊型虫憑き。憑いている“虫”はワラジムシ。“むしばね”に潜伏していた。“かっこう”との戦闘により気絶。その後茶深の能力の影響を受け中央本部で暴走したところを“ハルキヨ”によって欠落者にされる。
[編集] その他
- “おりおん”
- 特環北中央支部局員、監視班。語尾に「にゃー」や「にょろん」を付ける癖がある。“魔王”に利用された挙句、欠落者となる。憑いている“虫”は不気味な穴があいていて、細長い装備タイプで吸収した液体を衝撃波として放つことができる。
- “帽子屋”
- ムシウタ00.で登場した西中央支部局員、火種六号の虫憑き。憑いている“虫”は黒い線上の異形の虫。物質を軟化させることが出来る能力を持ち、更に擬態能力もある。
- 完全なる“自由”を手に入れようとして協力した利菜すら殺そうとしたが、虫憑きになったばかりの利菜に欠落者にされる。
- “疫神”
- 暴走した“かっこう”を止めるために戦った虫憑き。錆びたゴーグルをつけている。灰色の影のようなもので作った鎖や鎌で攻撃し触れた物を錆びつかせる能力を持つ。『“あさぎ”の教え子達』の一人。
- “四つ葉”
- 暴走した“かっこう”を止めるために戦った虫憑き。背中に赤十字の模様がある。語尾に「~パンチ」や「~キック」と付けた体術に回復や毒の効果を装備する能力を持つ。『“あさぎ”の教え子達』の一人。
- “さくら”
- 特環西中央支部局員、開発班所属の虫憑き。暴走した“かっこう”を止めるために戦った。『“あさぎ”の教え子達』の一人。
[編集] むしばね
- 立花 利菜(たちばな りな)/“レイディー・バード”
- 声:生天目仁美
- むしばねのリーダーで、“かっこう”と何度も争っていた火種一号の分離型虫憑き。憑いている“虫”はナナホシテントウの“七星(ななほし)”。羽から衝撃波を放つことができる。カリスマ的リーダーで、むしばねの仲間たち以外に、敵である特環の局員の中にも利菜の考えに賛同しているものがいる。
- 人が困っているかどうかを直感で感じ取ることができ、幼い頃からカリスマ性を発揮していた。困っている人たちを助ける度に父親に縛られている自分を重ね、ある夢を願ったために“大喰い”によって虫憑きにされた。父はとても乱暴で、毎日理由も無く母に暴力を振るっていた。そのため物心のついたときから父親を殺すことばかり考えていたらしい。そのため、虫憑きになりたての暴走状態のときに父親を重傷にしている。
- 絵を描くことが趣味で、利菜が住んでいるマンションには多くの絵が置いてあり床には使いかけの絵の具や筆が散乱している。また、大助に恋心をもつようになったのも自分が幼い頃の記憶を思い出して描いた絵を見て彼が羨ましそうに笑んだのを見たからである。
- 特環から助けてくれた詩歌と初めての親友となり、彼女に今まで誰にも話したことのない自分の過去を語ったが、当初は詩歌が自分たちが探していた特環への切り札である秘種一号の虫憑き“ふゆほたる”だとは気付いていなかった。詩歌が“ふゆほたる”だったと知った後も彼女のことをとても気にかけていたが、詩歌が止めるのも聞かずに最後の戦いへと向かう。“かっこう”との死闘の中で限界が来てしまい“虫”が成虫化してしまう。
- 自分の夢は虫憑きたちの居場所を創ることだと信じていたが、本当の夢が、「自分がシアワセになれる居場所がほしかった」ということを思い出し大助の腕の中で死亡する。
- 城谷 怜司(しろたに れいじ)/“アイジスパ”
- 詩歌に協力している特殊型虫憑き。憑いている“虫”はオオクワガタで水蒸気を媒体にする。水蒸気爆発や水蒸気を加圧した壁など攻守が揃っていて威力も高く二号~三号指定の力を持っているとされる。利菜の幼馴染で、利菜の最後の頼みを果たすために詩歌のそばにいるだけだったが、詩歌の『弱さ』に惹かれて詩歌に協力するようになる。利菜を救えなかった自分を無意識に後悔していた。詩歌から利菜と似ていると指摘されている。頭の回転はかなり速い。
- 詩歌がリーダーとなった後のむしばねの幹部の一人。
- 高鍬 みのり(たかくわ みのり)/“なみえ”
- 特環東中央支部局員だったが、重傷を負っていたところを利菜に助けられたことでむしばねに寝返った分離型虫憑き。憑いている“虫”は波江白蝶。現在は火種五号だが、かつては火種三号にも指定されたことがある。蝶の羽が白色の火となり敵を攻撃する。
- 四年前に“ふゆほたる”を守ると約束したが結局助けられなかったことを悔い、欠落者収容所で詩歌を監視していた。“ふゆほたる”がむしばねのリーダーになった時にもう一度守ると約束し、むしばねに入る。前東中央支部長である高鍬雷の娘。詩歌がリーダーとなった後のむしばねの幹部の一人。
- 夢は「国を、助けを求めている人を守る立派な人間になること」で、四年前は戦いだけの日常にその夢を忘れていた。
- 日々野 一房(ひびの かずふさ)/“センティピード”
- 声:羽多野渉
- むしばねの親衛隊長で火種九号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は巨大ムカデ。利菜を崇拝しており、利菜のためなら死ねるといった気概の持ち主。戦いの中“虫”が成虫化しかけたが命を助けるために利菜によって欠落者にされた。特環に収容されていたが“ディオレストイ”の欠片の実験で一時的に欠落者から蘇生。実験が記録されたディスクを持ち脱走したが、再び欠落者になってしまった。
- 夢は外国に行き人々を助けること。
- 利菜が虫憑きになった間接的な原因ともなった少年。特環から逃げていた際に一般人の利菜に助けられたことで、同じように特環に追われる虫憑きを助けようと決意した。利菜が虫憑きとなってからはずっと付き従っている。
- 梶取 洋壱(かんどり よういち)/“シニカ”
- むしばねのイースト・リーダーで分離型虫憑き。憑いている“虫”は褐色の細長い体躯のカミキリムシ。他のむしばねのメンバーと同じく利菜に依存していた。
- “かっこう”との戦闘中に利菜に自分たちの夢を押し付けていたことに気づき、自分の夢を守るために戦おうとするが“鱗”によって欠落者にされた。
- “ビィ・ホークモス”
- むしばねのウエスト・リーダーで分離型虫憑き。憑いている“虫”は三角形の触覚を持った巨大なホウジャク。利菜の死後、独断でサウスとウエストのメンバーを率いて、土師千利を誘拐しようとしたが、有夏月によってメンバーもろとも欠落者にされた。
- 杉都 纏(すぎつ まつり)/“ハレンシス”
- むしばねの幹部で分離型虫憑き。憑いている“虫”は巨大なゴミムシ。“虫”が一度取り込んだ固形物を必要に応じて元に戻す能力がある。綾の姉で容姿は似ている。
- 詩歌がリーダーのなった後も残っている幹部の一人。
- 丁屋 弐兵衛(ちょうや にへえ)
- 愛恋が発信した虫憑きの記録を手に入れてしまったが為に特環に追われる身となった少年。「便利屋きらり☆」の紹介でむしばねに保護され、その後はむしばねの資金運用を担当している。父親が以前質屋を経営していたためお金のやりくりに関してよく知っており、パトロンがいなくなったむしばねを少ない資金で立て直した。
- 商人としてのモットーは「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」だが、そのせいで七那とはよく衝突しており仲はあまりよくない。
- 宗方 槐路(むなかた かいじ)
- むしばねのパトロンを務めていた経営者。自分を「仲間」と呼んでくれた少女、利菜に愛情を抱きその夢を手助けしようと自らの経済力でむしばねを支援していた。
- しかし利菜の死で態度は一転、むしばねや傘下の企業を巻き込みつつ利菜を追い詰めた“虫”の正体を探っていた。赤瀬川七那やサザビィとの接触、巧みな懐柔策により手にした権力を利用しαまであと一歩のところまで迫る。しかし、最後の最後に自分の足元にも及ばない商人の少年による逆転劇を受け“虫”や経済界から身を引くことになる。
- 病に侵されており、現在は療養に専念している。
[編集] ハルキヨ一味
- “ハルキヨ”
- 異種一号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”はオオエンマハンミョウで炎を媒体とする。強力な攻撃力を誇る炎は“虫”の一部であるためハルキヨの意思一つで操ることができ、燃え移らず消える事もない。殲滅班に参加するなど魅車とは協力関係的な間柄だが独自の行動をとっている。自身が同化型の虫憑きと渡り合えるほどの身体能力と格闘能力を秘めている。
- 久瀬崎 梅(くせざき うめ)/“ウメ”
- ハルキヨの仲間の分離型虫憑き。憑いている“虫”は鏡虫。相手の攻撃を反射させることが出来る。春祈代の配下として行動している。男か女かよくわからない容姿をしている。
- 榊 遥香(さかき はるか)
- ハルキヨの仲間の虫憑き。“虫”の能力により、他人に化けることができる。
- 金成 洋一(かなり よういち)
- ハルキヨの仲間の分離型虫憑き。憑いている“虫”は蜘蛛。小さい蜘蛛で他人の“虫”を操ることもできる。虫を操られている虫憑きはその間、欠落者のような状態となる。千莉、緒里、純のクラスメート。穏和な性格を装っていたが、本性はかなり冷徹。緒里と純を殺したが“かっこう”に欠落者にされた。
[編集] 茶深一味
- 菰之村 茶深(このむら ちゃみ)/“おぅる”/“紅い蜂”使い
- 特環西南支部局員、異種十号の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は深紅の女王蜂。相手の感情の一つを増幅することができ、また対象の人間とその“虫”の能力を上げる副作用もある。特環を裏切ろうと思っており、利用できる人材を集めていた。口癖は「くそったれ」。
- かつてのアリア・ヴァレィである薬屋千晴を手に入れたことを機に特環から行方をくらまし、虫憑きの頂点に立つために動き出した。
- 鮎川 千晴(あゆかわ ちはる)
- 声:能登麻美子
- 旧姓・薬屋。大助の実姉。母が再婚したため鮎川姓になった。過去に“三匹目”の宿主となったことがあり、その時に大助を虫憑きにした。その際アリア・ヴァレイと大助に関する記憶が消えたが、虫憑きの戦いに巻き込まれたことがキッカケで記憶を取り戻した。極度のブラコンで、大助をとても気にかけて可愛がっていた。
- 大助を冷酷無比な悪魔“かっこう”にしてしまったことを悔いており、大助に断罪されるのを願い“大喰い”に狙われかけたが、大助に許されたことにより“大喰い”を退けた。
- アリア・ヴァレィの安住の地になろうと匂いを辿っており無事発見した。
- 杉都 綾(すぎつ あや)/“ジェンシス”
- むしばねに所属する分離型虫憑き。憑いている“虫”は瑠璃色のゴミムシ。取り込んだ金属やガスを、合成して吐き出すことが出来る。日本人形のような容姿を持つ少女。物静かで人の話を聞かず、その行動は奇行が目立つ。元は火種八号程度の実力だったが茶深の能力の副作用で火種二、三号程度の力になった。むしばねのことを仲間だと思った事は一度もなく、茶深の計画に協力している。千晴を逃がすために、特環の殲滅班と戦闘し死亡。むしばねでは行方不明扱いとなっている。
- 茶深から刺激を受けていた感情は「寂しい」。
- 白樫 初季(しらかし うぶき)/“からす”
- 特環中央本部局員、無指定の同化型虫憑き。憑いている“虫”はカラスヤンマ。“虫”を自分とコートに同化させ、飛行能力を付け身体能力を上げている。加速力、旋回能力に関しては右に出るものは居ない。ただし戦闘能力は低い。特環の研究施設から詩歌を逃げさせ、その後は東中央支部に保護され居候していたが千晴とともに茶深の仲間となり特環を脱走した。
- 自分の故郷の島(青播磨島)を特環に焼き払われ、当時命令を下していた八重子を憎んでいると同時に、島を救うことが出来なかった自分の無力さを悔いている。詩歌や夕との出会いで新たな“島を元通りにする”という夢を見出した。
- “コノハ”
- 特環中央本部局員、戦闘班に所属する火種四号の分離型虫憑き。憑いている“虫”は重ねた二枚の葉っぱのような体に大きな眼をつけたハムシ。“虫”から伸ばした触手をゴーグルに繋ぐことで望遠能力を持つ。当初は視覚情報での広範囲の索敵能力と周囲の風景に溶け込む能力だけだったが、茶深の“虫”によって能力が向上し広域索敵能力を手に入れた。彼女自身が読唇術を身に着けているため、盗聴も可能。戦闘能力は無指定並み。“5人目の一号指定”によって恋人を失った。
- 茶深から刺激を受けていた感情は「怒り」。
- “ルシフェラ”(“ルーシィー”)
- 旧むしばねのノース・リーダーで特殊型虫憑き。他人の記憶の中から必要な情報をメールにして携帯電話に受信させる能力を持つ。現むしばねでも参謀、特に戦闘面での作戦などで高い頭脳を発揮している。捻じ曲がった性格の持ち主で嫌味好き。茶深と共に行動しているときもあるが、現在はむしばねに戻って前述の通り参謀役として活動している。
- “オゥル”
- 綺麗な毛並みをした白猫。子猫のときに茶深に拾われた。茶深の能力を初めて受けた存在で、能力の影響で猫らしからぬ知性を身につけていた。千晴の監視任務を茶深の代わりに五年間こなしていたが、“かなた”と戦い死亡。
[編集] 始まりの三匹
- “大喰い(おおぐい)”/エルビオレーネ
- 声:斎賀みつき
- “始まりの三匹”の一匹。特環から原虫指定を受けており、夢を食べられた人間は分離型の虫憑きとなる。本体は上空に飛んでいる巨大な紫色の蝶。“始まりの三匹”の中でも一番よく人の前に姿を現し、貪欲に夢を食らい続け多くの虫憑きを生み出している。いつも真紅のロングコートを纏いサングラスをかけていて、その瞳は不思議な虹色をしている。
- 自分が夢を食べた分離型虫憑きの“虫”の能力を自在に使うことが出来るため突出した戦闘能力を持つ。死亡した虫憑きや欠落者の能力は使えない。かつては“槍使い”と“かっこう”ら少数しかその能力を知らなかったが、本編後半の戦いで多くの特環局員が知ることになる。“かっこう”が能力を明かさなかったのは分離型の虫憑きの掃討が行われることを防ぐためで、現在は最強の虫憑きである“スノウ・フライ”の存在が歯止めになっている。
- 欲望に忠実で、人工的に夢を浮かび上がらせる陽子とは一時協力のような関係にあった。しかし、人工的な味よりは天然の味が好きということらしく、あくまで一時的なものに終わった。
- 過去に何度も大助と会っており、一度は大助の夢をアリア・ヴァレィと取り合ったこともあった。
- 愛称は「エル」。通り名通りの大食い。
- “浸父(しんぷ)”/ディオレストイ
- “始まりの三匹”の一匹。特環から原虫指定を受けており、夢を食べられた人間は特殊型の虫憑きとなる。本体は無数の芋虫が集まって出来たマント。その芋虫を分散させることにより、無数の「欠片」として行動することができる。「欠片」の一部は特環の実験に使用されている。
- 本体は特環に捕らえられているが、「欠片」が何体か外に出ているらしい。「欠片」は夢に破れて死んだ死体に憑くが、相性が良いものでないと長い間活動できない。逆に相性が良ければ能力が上がる。力が弱まると次の肉体の候補を探し、揺さぶりつつ自分好みの肉体を作り上げる。
- 年に一、二回ほど“浸父”の領域である『教会』が特環にも目撃されている。また、『教会』の内部は外との電波などが通じないことや、1度でも『教会』に入ったことがある人間の記憶を引き出せることなどが確認されている。
- 夢を食べる時に先に夢を歪めてから食べる特徴があり、そのため特殊型の虫憑きは自身の夢を忘れてしまっている者や精神に異常のある者が多い。他の“始まりの三匹”と違い、一度に何人もの夢を食べることが出来る。
- 愛称は「ディオ」。いわく珍味好き。
- “三匹目(さんびきめ)”/アリア・ヴァレィ
- “始まりの三匹”の一匹。特環から原虫指定を受けており、夢を食べられた人間は同化型の虫憑きとなる。本体は碧い蛹で、夢を持つ人間と親しい人物と同化することで夢を食べる。それ故にハッキリとした目撃例が存在しておらず、未だ謎に満ちた部分が多い。
- 同化された相手は自身の意識の中に三匹目の意識ができるが、自身の意識も残っている。なお、その際の性格は宿主の性格が反映される。宿主は同化能力を使えるようになるが、夢を食べたくなる衝動に駆られその餓えと戦うことになる。目的の相手の夢を食べると離れるが、宿主は夢を食べた相手とアリア・ヴァレィになっていた時期の記憶を失ってしまう。
- 一時は青播磨島の殲滅作戦によって消滅したと考えられていたが、その後生存が確認された。今は目覚めのときを待っている。
- 愛称は「アリア」。いわく美食家。
[編集] その他の虫憑き
- 津村 蜜樹(つむら みつき)
- 紫央小学校5年生の少年。虐められていた所を大助に助けられ大助と友達になる。しかし“大喰い”によって虫憑きになり大助と仲違いになり、学校を壊そうと暴走していた所を千晴に欠落者にされる。
- 圓藤 緒里(えんどう いおり)
- モイラ学修院大学付属高等学校に通う千莉の親友。無所属の分離型虫憑き。憑いている“虫”は兵隊アリの“碧兵(へきへい)”。自分の体格の何倍もの“虫”を投げ飛ばす程の怪力と他の虫の攻撃を寄せ付けない硬い甲殻を持つ。
- 千莉に心を救われたことで、千莉を守ろうと思ったことで虫憑きになった。学習旅行で桜架市へ向かう道中、新幹線の中で千莉を狙っていた金成洋一と戦い死亡。だが最後に何匹もの兵隊アリを出し純や有夏月を助けようとした。彼の虫憑きとしての能力は多数のアリを操ることだったらしい。
- 塩原 鯱人(しおはら しゃちと)
- 在野の特殊型虫憑き。憑いている“虫”は橙色のアキアカネで質量を媒体とする。何匹でも“虫”を飛ばすことができ、“虫”が憑いた物体の質量を移動させたり、ある程度までなら増幅・減衰させることも出来る。
- 他の虫憑きに襲われていたところを戌子に見つかり、戌子の訓練を受けることになった。その潜在能力はとても高く戌子は訓練次第で火種一~三号レベルにもなると予想していた。“ディオレストイの欠片”すらも倒してしまう程の「戦士」である。
- 現在は、広範囲に散らばった他の“ディオレストイの欠片”を殲滅するために旅を続けている。一時はポチらと七那の身辺警護をしていたが途中で浸父の気配を感じて姿を消す。その際“かっこう”と初めて出会う。七那からはイルカさんと呼ばれていた。
- 南風森 愛恋(はえもり あこ)/“記録者”
- “虫憑きが消える町”に住んでいる自称“真のジャーナリスト”、また“元魔王”でもある少女。分離型虫憑きで憑いている“虫”はフタホシコオロギ。周囲のアンテナ等を利用して、広範囲に電波を飛ばす能力を持つ。
- 報道部の部長で、特環の任務で転校してきた有夏月を半ば強制的に入部させる。過去のある出来事のせいで周囲から冷たい扱いを受けており、“魔王”の陰謀論を声高に唱え始めてからはさらに周りから避けられるようになった。しかし有夏月と共に調査を続けるうちに、実際に“魔王”は存在し、彼女がずっと一人で“魔王”と戦い続けていたことが明らかとなった。
- “魔王”を直接おびき出すために自ら“大喰い”を呼び虫憑きになったが、“虫”の能力で虫憑きのデータを世間に発信したために“しぇら”によって欠落者となった。過去に鬼道ツカサにもインタビューをしたことがある。
- 夢は「真実」とは何かを知ること。
- 田央 萌々(たなか もも)/“変電所跡の虫憑き”/“マーカー使い”
- 高校のヴィジュアルデザイン科に通いつつ、「便利屋きらり☆」でアルバイトをする少女。落ち着きが無く絵を描くことが大好きで常にマーカーを持ち歩いている。語尾に「ゼッ」というアクセントを置いた独特のしゃべり方をする。
- 同化型虫憑きで、憑いている“虫”は虹色に輝くナナイロタマムシ。同化するマーカーは色彩によってさまざまな能力を持ち、宿主の血液をエネルギー源とすることで爆発的な威力を発揮する。当初は陽子の催眠暗示によって自分の“虫”と記憶を封印されていたが、アリア・ヴァレィとして同じく記憶を失った親友のセピアに拒絶されたことでその催眠が解けてしまう。
- 多彩な能力に柔軟な思考と発想力を併せ持ち、戦闘能力は暴走した“かっこう”にも匹敵する。しかし、血液からなる爆発的なエネルギーに対して萌々の心身は余りに弱く、それは暴走することが避けられない決して生まれてはいけない虫憑きであった。最後は“かっこう”と戦い痛み分けとなることで正気を取り戻した後、ダイスケ(墓守)の願いを叶えて共に死亡。
- 夢は自分の芸術で世界中を埋め尽くして世界征服すること。
- “ポチ”
- 七那の用心棒として雇われていた特殊型虫憑きで鉱物繊維を媒体とし、それにより織り込まれた布を操り戦う。毛先がはねた髪をした少年。暴力団の子飼の虫憑きだったが組織の壊滅で居場所をなくし、ダンボールのなかで暮らしていたところを七那に拾われた。配下の虫憑きがいて、彼らは“ポチ”を信頼している。“クリスティ”から七那を守るために戦い死亡。
- 鬼道ツカサ/“優しい魔法使い”
- 七那やきらりの過去に大きく関わる分離型虫憑きの女性で、憑いている“虫”はユウレイグモ。相手と自分を“虫”の糸でつなぐことにより、感覚や記憶を交換することができる。その能力を巧みに操り特環すらも翻弄していた。
- かつて自分を「魔法使い」と呼び、自分に礼を言ってくれた七那を大切に思い、彼女が困っているときはいつでも助けに現れていた。しかし、七那の祖父の死とともに忽然と姿を消し、それ以降七那の前には現れていない。“記録者”のインタビューに対し「決して購えない罪を犯した」ので「彼女に会うことはできない」し「罪を隠して死ぬ」必要があると答えている。彼女の顛末はbugで描かれている。
- その死の間際、「エンクロージャー」「バブル」「パラダイムシフト」という“虫”の起源に迫る秘密を掴みかけていた。
- α(アルファ)/“始原の虫憑き”
- αの名が示すとおり、最初に虫憑きになった人物。
- 虫憑きのルーツを知る人物と目されており、多くの人間が自分の手中に収めようとしたことによって十数年前の日本経済の大異変、「エンクロージャ」「バブル」「パラダイムシフト」の引き金となった。その後は現在に至るまで、日本経済界の選ばれたトップたちが集まる「円卓会」という集団によって隔離され、その存在を隠蔽されていた。そのため特環ですらその存在を把握できていない程の謎に包まれた人物。
- 「円卓会」のメンバーになった七那の前に、オークションの商品としてその名前が現れる。彼の“虫”は“眼”のような外見をしており、それを使って情報収集をしている。“眼”は過去にかっこうとの戦闘経験もある。
- “サザビィ”
- 朽ち果てた衣服で身を包み、「円卓会」のオークショニアを勤める虫憑き。特殊型虫憑きで黄金を媒体とする。
- 没落した「円卓会」の元メンバーで、十数年前に起こった経済界の世代交代、「パラダイムシフト」を乗り切れなかった一人。その後は“見張り番”としてαを監視していた。
- 本来オークションには「円卓会」のメンバーのみを招待していたにもかかわらず、高額で落札してくれる人物なら「円卓会」メンバーではなくても誰でも入札権を売るなど異常なまでに金に執着している。“クリスティ”に再び綺麗なドレスを着せると誓っている。
- “クリスティ”
- ドレスに身を包んだ美女。美しいソプラノの声を持つ。特殊型虫憑きで、憑いている“虫”はドクガの幼虫。闇を媒体とする。
- サザビィが取り仕切っているオークションで、もしビッダーが落札金額を支払えない場合、彼女が死をもって制裁を加える。
- 彼女も“サザビィ”と同様「パラダイムシフト」に巻き込まれた一人で、その後はαの“見張り番”として生きていたが、彼女自身は“サザビィ”と共に居られるならそれでいいと思っていた。しかし“サザビィ”の思うままに在り続けたいと願っていたため、“サザビィ”の望むようにオークションに協力する。
- 詩歌との戦闘の際、欠落者となる。
- “ロッコ”
- ムシウタ00.に登場し、過去に利菜に救われた分離型虫憑きの少女。憑いている“虫”はトゲナナフシ。透明な糸で吊りおろした人間の身体能力を強化しあやつることが出来る。人形のような容姿と動きをする。たくさんの笑顔を生む大道芸人として利菜の笑顔に救われた。
[編集] その他の人物
- 砂小坂 純(すなこざか あづ)
- モイラ学修院大学付属高等学校に通う一般人の少女で緒里の幼馴染。緒里を想っていたため、彼の心を救った千莉の事を嫌っていたが、その温かい心に触れ一番の親友になる。緒里が殺される瞬間を見てしまい、その心の隙を“浸父”に狙われ虫憑きになりかけたが、千莉の事を思いだし踏み止まった。金成洋一に殺される。
- 長谷川 美樹(はせがわ みき)
- 鴇沢町で千莉と同居していた女性。スリムな体つきをした長身の美人。土師圭吾の友人で在宅のファッション・デザイナー。けっこう腹黒い。
- 海老名 夕(えびな ゆう)
- 赤牧市に住むごく普通の少女。偶然から“浸父”の実験により蘇生した“センティピード”から“ディスク”を託される。特環から逃走中に同じく逃亡中の初季と詩歌に拾われ“ディスク”を“かっこう”に届けるために共に旅をすることになる。喧嘩してばかりだったが、3人での困難を乗り越えるうちに成長していく。
- 心を許しあった初季によってメガネを贈られているが、初季はそのために“先生”から貰った大切なネックレスを手放していた。ネックレスを見つけ出し、それを手に初季に会いにいきたいと願い「便利屋きらり☆」を頼ったことで思わぬ再会を果たすことになる。
- なおこのネックレスは、ムシウタbugにおいて花城摩理が“先生”に宿っていたアリア・ヴァレィにプレゼントしたものである。
- 佐藤 陽子(さとう ようこ)/“魔王”
- 自分の住む町で、箱庭を使ってカウンセリングを行うという特技、そして“ゲニウス”と“ロキ”を使い、更には“大食い”を共に利用しあって数々の虫憑きを生み出していた“魔王”。
- 特環中央本部の副本部長である魅車八重子のカウンセリング記録を所持しており、彼女を“魔王”、また特環所属の虫憑きをその手先と考えて恐れていた。そして“勇者”として彼女や虫憑きと戦うために“ゲニウス”を成長させようと“大喰い”を利用して生み出したばかりの“虫”を直接“ゲニウス”の餌にしていた。
- 愛恋に自分のことを“魔王”と呼ばれ、以後“魔王”と自称するようになるが、結局特環と愛恋によって“ゲニウス”の覚醒を阻止された上、自身も茶深の“虫”で「恐怖」を刺激され町を去ることになる。
- 別の町で、田央萌々の虫と記憶を封印した張本人。封印の方法は強烈な催眠作用による暗示。
- 五十里野 きらり(いかりの きらり)
- 寂れた雑居ビルにオフィスを構えて「便利屋きらり☆」を営む少女。いつも他人を気にかける優しい性格だが、便利屋がぎりぎりの経営状態にあるにもかかわらず依頼主の無理を聞いたり、依頼に含まれない事までこなした挙句に報酬を減らされてしまうなど、優しすぎて損をしてしまうことも多々ある。しかし本人はさほど気にしていない。また特別な“虫”に関する依頼も引き受けており、土師やむしばねなどの様々なコミュニティとの人脈も持っている。
- 数年前に大企業赤瀬川グループの現会長といざこざがあり、そのせいで高校にも進学できなくなり「便利屋きらり☆」を開業した。赤瀬川七那とはαを巡る戦いの中で和解する。
- セピア
- 田央萌々と同じ高校のヴィジュアルデザイン科に通う少女。かつては萌々の親友だったが、それゆえに萌々の夢に惹かれたアリア・ヴァレィの宿主となってしまう。萌々を自分から守るために「便利屋きらり☆」に依頼をするが、耐え切れず萌々の夢を食らう。三匹目の宿主の宿命として記憶を失った後は、もはや他人でしかない萌々のそれまでと変わらぬ態度に煩わしさを感じ、ついには萌々の封印を破る決定的な一言を放つ。
- また、「便利屋きらり☆」への報酬はとある質屋で買った金色のネックレスであり、繭となって眠りについたアリア・ヴァレィを宿したまま海老名夕の手に渡ることになる。
- 三ヶ島 万(みかじま よろず)
- ムシウタ00に登場する。利菜の元家庭教師。彼女に依存しており崇拝の域にまで達している。彼女に頼まれて人助けの手伝いをしていた。彼女が虫憑きとなって旅立つときにぬいぐるみの熊をもらい、今でも大切にしている。現在は七那の秘書をしている。
- 赤瀬川 七那(あかせがわ ななな)
- 赤瀬川グループ会長。「J」を逆さにしたようなステッキを愛用し、ワインを好んでいる。「やはっ」という独特の笑い方をする。数年前、当時の会長で唯一の肉親だった祖父の怪死により、わずか15歳にして会長職を受け継いだ過去を持つ。
- 幼い頃に助けてくれた虫憑き“優しい魔法使い”を慕っていたが、彼女は祖父の死と時を同じくして失踪。その後“優しい魔法使い”の手がかりを探るため、また自分も“優しい魔法使い”に近づくために特環や“始まりの三匹”に近づくが遂に見つけることは出来なかった。そのときの経験から虫憑きや特環を強く憎んでいる。“優しい魔法使い”について知っているというきらりに執拗にあたっている。
- 過去の経験から何よりもお金を優先する歪んだ性格。その一方でビジネス面には高い力を発揮している。
- 虫憑きを利用した新しいビジネスを目論んでいる。丁屋弐兵衛から買い取った虫憑きのデータの中に鬼道ツカサのインタビューを見て丁屋弐兵衛に記録者の捜索を頼む。余談だが、虫憑きや特環の関係者ではないにもかかわらず、全ての一号指定の虫憑きと会ったことがあるらしい。
[編集] キーワード
- “虫”(むし)
- 思春期の夢を持つ少年少女に寄生し、宿主の夢を喰らう代わりに超常的な力を与える異形の怪物。見た目が実在する昆虫類に似ていることから“虫”と称されている。“虫”には分離型・特殊型・同化型の三つのタイプが存在する。
- また、虫は成長することもあり、無指定から号指定になったものもいる。
- 虫憑き(むしつき)
- “虫”に寄生され、超常の力を扱うことができる人間。一度虫憑きになったら二度と元に戻る事が出来ず、“虫”に夢を喰い尽くされた虫憑きは死に至る。“虫”や虫憑きは十年ほど前から現れたとされている。政府の公式見解では“虫”は存在しないとされているが、十年間の人々の目撃報告は膨大な数になっており、ここ数年で政府はすっかり弱腰になっている。世間ではもっぱらの噂となっており、虫憑きは恐怖と差別の対象として忌み嫌われている。
- 欠落者(けつらくしゃ)
- 感情、意思、記憶といった“心”や、虫憑きにとって一番大切な夢すらも失ってしまった生ける屍。虫憑きが“虫”を殺されるとこの状態になり、外部の命令しか受け付けなくなってしまう。一度欠落者になったら二度と元に戻る事はないとされてきたが、杏本詩歌“ふゆほたる”ただ一人だけが蘇生した。
- 成虫化(せいちゅうか)
- 宿主の夢を喰い尽くし、宿主の支配から解き放たれた“虫”が成長し凶暴化する現象。自分の“虫”が成虫化して夢を食い尽くされた虫憑きは、夢と共に自らの命をも失ってしまう。しかし“虫”が成虫化するのはごく稀である。成虫化した“虫”の力は強大で、無指定の“虫”でも倒すのに3人以上の号指定虫憑きを要するほど。成虫化した一号指定の利菜の“虫”と、同じく一号指定の薬屋大助(かっこう)が戦った時はひとつの街が壊滅した。
- 亜成虫化(あせいちゅうか)
- 宿主の意思によって一時的に“虫”を成虫化の状態に近づける能力。成虫化する寸前、ギリギリの状態にまで“虫”をオーバーロードさせることで急激に能力を高めることができる。パワーを一定以下の出力に抑えられない。消耗が著しく激しいために制御できる時間が短いといったリスクがある。現在確認されている虫憑きの中でこの能力を使える虫憑きは“月姫”だけである。
- 始まりの三匹(はじまりのさんびき)
- 少年少女の夢を食らい、人間を虫憑きにしてしまう特異な存在。エルビオレーネ、ディオレストイ、アリア・ヴァレィの三匹がいる。特環からは虫憑きを生む“原虫”に指定されており、エルビオレーネは“大喰い”、ディオレストイは“浸父”、アリア・ヴァレィは“三匹目”と呼んでいる。
- 特別環境保全事務局(とくべつかんきょうほぜんじむきょく)
- 政府が増え続ける虫憑きに対処すべく設立した秘密機関。“特環”と略称されている。虫憑きを秘密裏に捕獲、一般社会から隔離し、また“虫”の存在、虫憑きによる事件を隠蔽して、政府の「“虫”は存在しない」という公式見解をその通りにしている。赤牧市を拠点とする中央本部の他、全国に多数の支部を置いて虫憑きの動向を監視している。当初は自衛隊や警察と合同で、既存の兵器を使い虫憑きと戦っていたが、“虫”の能力は多岐に渡るためすぐに対応できなくなった。そこで、捕らえた虫憑きに訓練と教育を施して兵士として管理し、在野の虫憑きを捕獲させるという方法がとられた。結果として成功しているが、ほとんどの虫憑きがこの方法に反発している。
- むしばね
- 特環に反発している虫憑きや、その考え方に賛同する一般人らによって作られたレジスタンス組織。特環を倒し、虫憑きが自由に生きられる居場所を作るという目的のもと、リーダーの“レイディー・バード”を中心に、特環との戦闘、在野の虫憑きの保護などの活動を行っていたが、利菜が命を落としてからは分裂状態となり弱体化の一途をたどっていた。しかしその後、詩歌が“スノウ・フライ”としてむしばねの新リーダーの座に就き、強力な虫憑きがサブリーダーとなり、「虫憑きの仲間を増やし、全ての元凶である“始まりの三匹”を倒す」という新たな目的を持ったため、かつての勢いを取り戻しつつある。
- ハルキヨ
- 特環、むしばねに次ぐ第三勢力といえる存在。正確にはハルキヨを中心としたネットワーク。強力な虫憑きによる少数精鋭のグループらしいが、メンバー構成など詳細は不明。突然現れては場を掻き乱して去っていくという謎の行動が目立つ。主要メンバーが特環の殲滅班に加わっている。中央本部が隠す“アレ”と呼ぶ物が目的。
- 号指定(ごうしてい)
- 虫憑きを“虫”の能力の種類や強さによって区別する制度。純粋に戦闘能力に秀でた虫憑きを火種、きわめて特殊な能力をもつものを異種、その他の理由で重要性や秘匿性を持つものを秘種と認定し、その危険度に応じて一号から十号までランク付けしている。特環でも表向きには火種で号指定されている局員は十数人しかいないとされる。更に最強とされる一号指定の虫憑きは虫憑き全体でも五人しか確認されていない。
- ムシウタ00.
- 始まりの物語。詩歌が夢を抱いて“かっこう”に欠落者にされるまでが描かれており、“かっこう”や詩歌の強さを垣間見ることができる。更に書き下ろしとして、利菜が虫憑きとなった物語もあり、時間軸としては1巻でのお互いの過去を回想という形を取っている。
- ムシウタbug(バグ)
- 『ムシウタ』の短編。本編の数年前の物語が一之黒亜梨子の視点で描かれており、ムシウタ00.と本編をつなげている。
[編集] 虫憑き
[編集] 虫憑きの種類
名称 | 説明 |
---|---|
分離型 | 常に虫憑きと虫が離れている。実体があり、虫本体が攻撃する種類が多く、中には複数の虫を操るものもいる。 憑かれた虫憑きにはお人好しな性格の人間が多い。 “大喰い”ことエルビオレーネによって生み出される。虫憑きの中では最も数が多い。 |
特殊型 | 実体がなく、基本的には媒体そのものが虫の体を構成し、それを操る。自然・精神系の力を操るものが多い。一定の領域内で凄まじい力を発揮することができる。 特に力の強いものは領域を拡大化することで隔離空間を生み出すことができる。 憑かれた虫憑きはゆがんだ性格の人間や精神の偏った人間が多い。 “浸父”ことディオレストイによって生み出される。 |
同化型 | 道具や虫憑き自身と同化して力を発揮する。同化した虫憑きは身体能力が飛躍的に上昇し、道具には何らかの能力が追加されたり強化される。 憑かれた虫憑きは裏表のある人間が多い。 “三匹目”ことアリア・ヴァレィによって生み出される。 ほかの種類と比べて発見例が少なく、4人しか確認されていない。別格扱いされることが多い。 |
[編集] 号指定
号指定は特別環境保全事務局の定めた十号~一号までの10段階の号指定の虫憑きと無指定の虫憑きで構成される。
- 無指定、または号指定が不明ながらも相応の実力があるものはそれに見合う号に細字で含めてある。
- 階級が変化したものは最高時の号に含める。
号 | 人物 |
---|---|
一号 | かっこう(薬屋大助) ふゆほたる/スノウ・フライ(杏本詩歌) レイディー・バード(立花利菜) ハルキヨ(世果埜春祈代) 槍使い(一之黒亜梨子)[1] ハンター(花城摩理)[1] マーカー使い(田央萌々) |
二号 | 月姫(緒方有夏月) C(堀内愛理衣) あさぎ(獅子堂戌子) しぇら(耶麻本 ラウ) 塩原鯱人 |
三号 | 火巫女(土師千莉) 霞王(御嶽・アンネリーゼ) ねね(夜森寧子) なみえ(高鍬みのり) かなた アイジスパ(城谷怜司) |
四号 | コノハ ころろ(狗狸坂香魚遊) |
五号 | みんみん(堀崎梓) アキ 圓藤緒里 |
六号 | 兜(大蔵倭) おりおん 八角 帽子屋 |
七号 | |
八号 | ジェンシス(杉都綾) |
九号 | センティピード(日々野一房) |
十号 | おぅる(菰之村茶深) |
無指定 | からす(白樫初季) |
※ ムシウタbugに登場する虫憑きも含む。
[編集] 既刊一覧
本編
タイトル | ISBN-10 | ISBN-13 | 初版発行 |
---|---|---|---|
ムシウタ 01.夢みる蛍 | ISBN 404428802X | ISBN 978-4044288020 | 2003年5月1日 |
ムシウタ 02.夢叫ぶ火蛾 | ISBN 4044288046 | ISBN 978-4044288044 | 2003年11月1日 |
ムシウタ 03.夢はばたく翼 | ISBN 4044288054 | ISBN 978-4044288051 | 2004年5月1日 |
ムシウタ 04.夢燃える楽園 | ISBN 4044288070 | ISBN 978-4044288075 | 2004年10月1日 |
ムシウタ 05.夢さまよう蛹 | ISBN 4044288100 | ISBN 978-4044288105 | 2005年7月1日 |
ムシウタ 06.夢導く旅人 | ISBN 4044288127 | ISBN 978-4044288129 | 2005年12月28日 |
ムシウタ 07.夢遊ぶ魔王 | ISBN 4044288135 | ISBN 978-4044288136 | 2006年6月1日 |
ムシウタ 08.夢時めく刻印 | ISBN 4044288151 | ISBN 978-4044288150 | 2007年3月1日 |
ムシウタ 09.夢贖う魔法使い | ISBN 4044288178 | ISBN 978-4044288174 | 2007年7月1日 |
短編 ムシウタbugの項を参照のこと。
その他(中編)
タイトル | ISBN-10 | ISBN-13 | 初版発行 |
---|---|---|---|
ムシウタ 00.夢の始まり | ISBN 4044288186 | ISBN 978-4044288181 | 2007年9月1日 |
[編集] コミック
月刊少年エース(角川書店)で水清十朗により2007年5月号から漫画連載されている。二巻完結。 以前に短編コミックが、読みきりで少年エース桃組に掲載されたという情報有り。
[編集] 既刊一覧
ムシウタ MUSHI-UTA 1.夢見る蛍
ムシウタ MUSHI-UTA 2.夢の始まり
[編集] アニメ
2007年7月5日から、WOWOWノンスクランブル枠にて放送された。全12話。
ストーリーは基本的に小説第1巻を踏襲しつつ進んでいくが、「大助=かっこう」であることが当初から明かされていたり、柊子ら原作2巻以降のキャラクターも登場したり、ストーリー・登場キャラクター共にオリジナル要素を多分に取り込んだ内容となっている。原作の展開を無視した内容から、原作読者の評判は芳しくない。またむしばねの仮面が動物をかたどったものだったのに対して顔の上半分を覆う白い仮面になっており、これがうたわれるもののハクオロの仮面に酷似していたためファンの間でネタにされた。
[編集] スタッフ
- 監督:酒井和男
- 原作:岩井恭平(角川スニーカー文庫刊)
- キャラクター原案:るろお
- 企画:安田猛
- 製作:安田猛、井上泰一、内野秀紀、伊豆倉公一、阿佐美弘恭、夏野剛
- シリーズ構成:吉田玲子
- キャラクターデザイン:神本兼利
- ビジュアルデザイン:岩永悦宜
- 総作画監督:新田靖成、柴又十哉
- 美術監督:東厚治(スタジオちゅーりっぷ)
- 撮影監督:関谷能弘
- 色彩設計:但野佑希
- 特殊効果:安部貴俊
- 編集:田熊純
- 音楽:藤田淳平(Elements Garden)
- 音楽プロデューサー:紺野さやか
- 音楽制作:ブロッコリー
- 音響監督:菊田浩巳
- 音響効果:森川永子(ちゅらサウンド)
- 録音スタジオ:スタジオごんぐ
- 音響制作:楽音舎
- プロデューサー:千葉誠、鈴木智子、平光良介、小湊義文、山口善輝、川﨑とも子
- 制作プロデューサー:小澤一由
- アニメーション協力:A-Line(第2・3・9話)、トランス・アーツ(第5話)、DREAM MOVE(第7話)、ぴぎー(第10話)
- アニメーション制作:BEAT FROG
- 制作:ZEXCS
- 制作協力:WOWOW
- 製作:ムシウタ製作委員会
[編集] 主題歌
[編集] サブタイトル
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 次回予告ナレーター |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 夢ノ始マリ | 吉田玲子 | 酒井和男 | 茂木信二郎 | 浅沼晋太郎 | |
2 | 夢ノ絆 | 須藤隆 | 徳本善信 | 烏宏明 | 高木礼子 | |
3 | 夢ノ虜タチ | 國澤真理子 | 酒井和男 | 小林哲也 | 中本尚子・さのえり | 羽多野渉 |
4 | 砕ケ散ル夢 | 金崎貴臣 | えんどうてつや | 嘉手苅睦・神本兼利 新田靖成・空流辺広子 |
田村ゆかり | |
5 | 巡リ会ウ夢 | 吉田玲子 | 川崎逸朗 | 高島大輔 | 服部憲知 | 井上麻里奈 |
6 | 狙ワレタ夢 | 國澤真理子 | 阿蒜晃士 | 浅利藤彰 | 空流辺広子 | 野中藍 |
7 | 夢ノ迷路 | 吉田玲子 | 下田正美 | 新田義方 | 雨宮英雄 | 志村由美 |
8 | 見果テヌ夢 | 國澤真理子 | 酒井和男 | えんどうてつや | 神本兼利・空流辺広子 | 平川大輔 |
9 | 夢ノ欠片 | 吉田玲子 | まついひとゆき | 小林哲也 | 中本尚・さのえり | 生天目仁美 |
10 | スレ違ウ夢 | 國澤真理子 | 熨斗谷充孝 | 梁光鍋・秋田学 | 斎賀みつき | |
11 | 終ワラナイ夢 | 金崎貴臣 | 細越裕治 ワタナベシンイチ |
徳本善信 浅利藤彰 |
空流辺広子 | 花澤香菜 |
12 | 夢ミル蛍 | 吉田玲子 | 酒井和男 | 神本兼利・岩永悦宜 | - |
※スタッフリストはTV放送時のエンドロールに記載されていたものに準じている。
※一部スタッフがTV版、公式サイト、公式サイト(WOWOW)でそれぞれ違った人物名が記載されていることがある。
※次回予告の内容は声優本人の将来の夢や身の回りの出来事などを話すというもので、本編及び次回とは一切関係ない。
[編集] 放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 |
---|---|---|---|
衛星放送 | WOWOW | 2007年7月5日 - 10月4日 | 木曜 24時00分 - 24時30分 |
WOWOWノンスクランブル 木曜24:00~24:30 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
ロケットガール
(約1ヶ月間の空きあり) |
ムシウタ
|
(枠消滅)
|
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 公式サイト
- テレビアニメ公式サイト (WOWOW)