マーヴィン・キング
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マーヴィン・アリスター・キング(Mervyn Allister King, 1948年3月30日 - )はイングランド銀行の総裁。イギリスの経済学者。
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[編集] 来歴
キングはウォルヴァーハンプトン・グラマー・スクールを卒業後、1969年にキングス・カレッジで経済学一等学位を取得。セント・ジョンズ・カレッジ、ハーバード大学に学んだのち、ケンブリッジ大学やバーミンガム大学での教職、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学での客員教授、1984年からロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの経済学教授についていた。
1990年からイングランド銀行のノン・エグゼクティブ・ディレクターをつとめており、1991年にチーフ・エコノミスト兼エクゼクティブ・ディレクターとして入行。1998年に副総裁就任。また同年よりG30に加わっている。2003年6月30日、前任のエドワード・ジョージから引き継いでイングランド銀行総裁就任。現在決定している任期は2013年6月30日まで。2006年にケンブリッジ大学から法定名誉博士号を贈られている。ナフィールド・カレッジの客員研究員でもある。
[編集] 金融政策委員会
1997年から運営が開始された金融政策委員会(Monetary Policy Committee; MPC)の全会合に参加している唯一の人物。キングの投票姿勢は往々にしてタカ派的とみられ、総裁に就任する以前は他の委員と比較しても金融政策をより引き締める方向へと投票していた。その傾向は就任以降、徐々に影を潜めたが2005年8月の利下げ決定や2007年6月の利上げ決定の際は反対票を投じるなど、自ら少数派になることをいとわない姿勢が中央銀行総裁では特異な存在といえる。
[編集] 独特の言い回し
「退屈な金融政策を志す」と繰り返し表明していることが有名。これはイングランド銀行が採用しているインフレターゲットの設定達成に絶えず注視することで、今後の金融政策の方向性をできる限り予見可能にすべきという意味合いが込められている。さらに「インフレ基地外("inflation nutter")」という言葉もキングによってつくられている。
[編集] アストン・ヴィラFC
キングはアストン・ヴィラFCの熱烈なファンで、イングランド銀行職員vs元アストン・ヴィラFCの選手によるチャリティー試合を主催したことがある[1]。
[編集] 参照
[編集] 外部リンク
- イングランド銀行公式サイト(英語)