ベーキングパウダー
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ベーキングパウダーは、パンや焼き菓子に使われる膨張剤の一種で、膨らし粉とも呼ばれる。炭酸ガスを発生する重曹が基剤となり、酒石酸水素カリウム、第一リン酸カルシウム、酒石酸、焼ミョウバン、フマル酸、リン酸ナトリウム等のような酸性剤が重曹の分解を助ける助剤となる。これに両者が保存中に反応しないように隔てておく遮断剤としてデンプンが配合される。
水分が加えられる事で重曹と酸性剤が反応して重曹の分解が開始され、加熱によって分解は加速される。分解によって炭酸ナトリウム、炭酸ガス、水が生成するが、生地を膨らませる元になるのは炭酸ガスである。炭酸ナトリウムはアルカリ性で刺激ある苦味を示すので酒石酸などでさらに中和され無味となる。ほとんどのベーキングパウダーは、常温で反応する酸と高温で反応する酸の2種類を組み合わせており、生地を練っている時と焼き上げる時の2回、膨らます作用を得られる。
ベーキングパウダーはドイツ人の化学者、ユストゥス・フォン・リービッヒ(Justus von Liebig)の弟子の1人であるエーベン・ノートン・ホースフォード(Eben Norton Horsford)の手で1856年に研究が始められた。ドイツ人薬剤師のルドルフ・エトカー(Rudolf Oetker)が1893年に考え出したレシピを売り出し、まったく同じものが現在でもドイツではBackinの名で売られている。エトカーは、1898年にベーキングパウダーの大量生産を始め、1903年に特許を取得している。