ピーター・コルベル
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ピーター・コルベル(Petr Korbel、1971年6月6日 - )はチェコ出身の卓球選手。
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[編集] 寸評
チェコ史上最も成功した卓球選手の一人。金銭的サポートの少ない国にありながら、世界のトップクラスで常に活躍し続けている数少ない選手である。 前中陣での安定した両ハンドドライブが武器。サービスや、自身が開発した「チキータ」と呼ばれる独特のバックハンドフリックなどに代表される台上処理の巧さにも定評がある。 ラリー戦に強く、彼の試合は特に好ラリーが見られる。これは前述の通り安定したドライブ技術を持っているからである。また、サービス・レシーブからラリーに入るまでの流れをうまく把握していること、相手に攻撃されてもフィッシュ等で凌いだりカウンターする技術に長けていることも理由に挙げられる。 非常にプロ意識が高く、練習に対しても真摯な態度で臨んでいる。ブンデスリーガなどのプロリーグに積極的に参加していることからもそのことがわかる。「選手にとってのモチベーションとは、成功するという目標を持つことだ」というような発言からも、意識の高さが伺える。
ITTFプロツアーにはチェコ協会の金銭面の影響であまり出場することが出来ず、そのため実力に反して世界ランキングが上がらないようなことが多い。 世界大会では毎回のように上位に顔を出すが、いまだにビッグタイトルに縁がないことから「無冠の帝王」ともいわれる。
[編集] 経歴
1971年、チェコのハビロフ市に生まれる。 7歳から卓球を始めるものの、当時はサッカーやアイスホッケー、体操などもやっていたので練習は週に1回程度だった。12歳頃から本格的に卓球を始め、ほぼ毎日練習するようになった。 18歳のときにフランスリーグで1年間プレーをし、その後ドイツのブンデスリーガでプレーをする。なお、その頃コーチングをしていたのは、現日本男子コーチのマリオ・アミズィッチである。 その同年、チェコのナショナルチームに入りシニアとしての選手デビューを果たす。そして翌年にかけてのヨーロッパリーグでゾラン・プリモラッツやロスコフなどの欧州屈指の選手たちから大金星をあげる。
1996年のアトランタオリンピックでは準決勝まで進むも、王涛(中国)に敗れる。その後の3位決定戦でもロスコフ(ドイツ)に惜しくも敗れ、大舞台でのメダルを逃す。しかしコルベルは五輪で自己最高の4位という成績を残した。 2003年の世界選手権パリ大会では、2回戦で中国の劉国正を破った。