ビブレ
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ビブレ(VIVRE)は、マイカルが運営しているファッション専門店。ビブレとは、生きる・暮らすという意味を持つフランス語の単語vivre(日本語の発音ではビブルのほうが近い)を語源としている。
ファミリー層向けの店舗であるサティと比較して、若者向けの店舗構成になっているのが特徴である。2006年春から、「ワタシっぽく。」というキーワードを導入している。
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[編集] 沿革
1982年、福岡市天神に1号店を開店した。もともとはスーパー「ニチイ」として営業していたが、競合店の増加や、ニチイの小売業者としての個性のなさを打開するため、のちにマイカルという社名の語源ともなった「ヤングマインド」を旗印に大幅に改装。若者に照準を絞った店舗とした。
その後のバブル景気やDCブランドブームに乗り、駅前の繁華街を中心に次々と出店。岡山市や神戸市三宮、京都市、奈良市などに展開。さらに大阪市の心斎橋や東京都の表参道(原宿)にも店舗を構えた。当初はVIVREとVIVRE21とがあり、VIVRE21はニチイから転換した店舗が多かった[1]。VIVRE21は、のちにVIVREに一本化されていく。
マイカルが展開したもののほか、東北の地場百貨店数社が自社の店舗をビブレへと転換している。これらの百貨店はのちに合併し、社名をダックビブレとした。
ピーク時は1号店であった天神ビブレのほか、横浜ビブレ、河原町ビブレ等は多くの黒字を輩出する優良店舗であったが、政令都市の都心部以外に立地する店舗が増えるころには赤字店舗も多かった。同じビブレ店でも品揃えや客層の様相に違いが出始め、もともと店舗主導型の品揃えであったこともあり、セントラルバイイング方式への転換による仕入れ、配送コストの効率化などをうまく反映させることができなかった。
ビブレ事業部の方向性が転換されつつあったとはいえ、これは本来サティ店舗での展開が望ましいと思われる地域でも、差別化のこだわりからビブレ店舗においてのみ出店を同意するブランド(主にテナント)の導入目的でビブレ店を展開した点も一因であり、システム的にサティ事業部から遅れていたビブレ事業部が展開するそのような店舗での不振がビブレ事業部を低迷させることとなった。食品の取り扱いのあるなしでそのような店舗を見分けることができた。
さらにバブル景気の終焉やDCブランドブームが一巡していたこともあって、優良店舗での業績も低迷。マイカルの経営の足を引っ張るようになった。
マイカルが展開した大型ショッピングセンター、マイカルタウン内に積極的に出店したが、併存するサティとの違いを打ち出せなかった。特に、マイカルタウン内にサティとビブレが併置され、その両方ともに巨大スーパーマーケット級の食品売場を設置したケースもあった(マイカル明石内における明石サティと明石ビブレなど)。
食品は衣料品とは異なり年齢層ごとに好みが明確に分かれるものではないゆえに、隣接し合うサティ・ビブレ双方で同じ商品を重複して取り扱うケースも多く、結果的にマイカル社内で客を共食いする状態になった感は否めない。
2001年9月のマイカル経営破綻に前後して、表参道・心斎橋の旗艦店(ファッションの中心地という意味での旗艦店)など一部のビブレが閉鎖された。宇多津ビブレに併設されていたホテル・温泉施設「ホテルリゾナーレ宇多津」も2002年に売却された[2]。食品を扱っている店舗の大半はサティに転換しているが、ワールドポーターズビブレ・北大路ビブレ・明石ビブレ・宇多津ビブレは、現在も食品売場を持つ。
またダックビブレは2002年にマイカルグループから独立、さくら野百貨店に社名、店名を変更し、高島屋の支援のもと再建を果たした。
一方、2006年9月にはマイカル経営破綻後初の新規出店として福岡東ビブレをオープンした。
[編集] 店舗
- 新百合ヶ丘サティ・ビブレ(神奈川県川崎市)新百合ヶ丘サティの2F部分
- 横浜ビブレ(神奈川県横浜市)元ニチイ横浜店→現在に至る。
- ワールドポーターズビブレ(神奈川県横浜市)
- 高崎ビブレ(群馬県高崎市)元ニチイ高崎店→高崎サティ(旧)→現在に至る。
- 越谷レイクタウンビブレ(仮称・埼玉県越谷市イオン越谷レイクタウンショッピングセンター内)※2008年秋開店予定
- 桑名ビブレ(三重県桑名市)
- 奈良ビブレ(奈良県奈良市)元ニチイ奈良店→スクラップ&ビルドで奈良ビブレに。
- 河原町ビブレ(京都府京都市)※ニチイ発祥店舗の1つ「ヤマト小林商店」跡地元ニチイ河原町店→現在に至る。
- 北大路ビブレ(京都府京都市)
- 茨木ビブレ(大阪府茨木市)※2008年3月16日食品売り場廃止
- 三宮ビブレ(兵庫県神戸市)
- 明石ビブレ(兵庫県明石市)
- 岡山ビブレ(岡山県岡山市)
- 宇多津ビブレ(香川県綾歌郡宇多津町)
- 天神ビブレ(福岡県福岡市中央区天神)ビブレ1号店。元ニチイ天神店
- 福岡東ビブレ(福岡県糟屋郡粕屋町イオンモール福岡ルクル内)
[編集] かつて存在していた店舗
[編集] 北海道
- 小樽ビブレ(現SE-B)
- マイカル小樽(現ウイングベイ小樽)1番街に、ダックビブレ(現さくら野百貨店)が出店。しかし、業績不振でマイカル本体に営業譲渡された。マイカル本体に営業譲渡された当初は、北海道唯一のマイカル本体が運営する店舗であった。その後、マイカルの経営再建の一環で閉鎖された。現在はSE-B(シーヴ)として営業中。
[編集] 青森県
[編集] 岩手県
- 北上ビブレ(2000年3月、北上ツインモールに開店、現・さくら野北上店)
- 当初は盛岡市の百貨店川徳が出店を表明していたが、川徳側の諸事情で北上出店を断念、その後ダックビブレが出店を表明、北上ツインモールの核店舗となった。
[編集] 山形県
- 山形ビブレ(2000年1月閉店、建物は解体済み)
- 百貨店連合(ダックシティ)を前身とする百貨店からビブレに転換した店舗が多いダックビブレの店舗の中で、ニチイからダックビブレに営業譲渡された珍しいケース。
[編集] 宮城県
- 仙台ビブレ(旧・丸光、現・さくら野仙台店)
- 石巻ビブレ(旧・丸光、現・さくら野石巻店→2008年4月閉店)
- 気仙沼ビブレ(旧・丸光)
- 1995年ダックシティ丸光気仙沼店から気仙沼ビブレに転換→2002年1月閉店、その後気仙沼ビブレの元従業員たちを中心として「イコーレ気仙沼」として2002年5月再オープンするも、業績不振から2007年5月閉店。
[編集] 福島県
- 福島ビブレ(旧・山田百貨店、後のさくら野福島店→閉店)
[編集] 東京都
- 表参道ビブレ
[編集] 神奈川県
[編集] 京都府
- 宝ヶ池ビブレ
[編集] 大阪府
- 心斎橋ビブレ(大阪市中央区心斎橋。ビルはそのままで、現在はビームスの大阪旗艦店が入居)
- 北千里ビブレ(現在の北千里サティ)
- 枚方ビブレ(2008年2月27日、枚方サティとして再オープン)
- 布施ビブレ(大阪府東大阪市、2008年3月18日に完全閉店し、その跡に、同年3月20日に閉店した「布施サティ」の後継店舗の位置付けとなる「布施駅前サティ」として同年3月28日に再オープン)
[編集] 兵庫県
- 尼崎ビブレ(元々ニチイ尼崎店→尼崎サティ→尼崎ビブレ→NAC尼崎→閉店)
[編集] 和歌山県
- 和歌山ビブレ(何度かテナントが入ったが、現在は解体中である)
[編集] 広島県
- 福山ビブレ(元ニチイ福山店→福山ビブレ→閉店)
[編集] 鳥取県
- 米子ビブレ(元米子サティ、現在の米子駅前サティ)
[編集] 香川県
- 高松ビブレ(元高松ニチイ)
[編集] 徳島県
- 徳島ビブレ(元つぼみや)
[編集] 福岡県
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ ちなみに、「21」は、当時は未来であった21世紀を暗示していたものと思われるが、「ニ、イチ」の並べ替えで「ニチイ」も暗示させる。
- ^ 宇多津ビブレにテナントとして入っていた岐阜県の外食業、ゼンエーフーズが購入したが、同社は1年もしないうちに倒産(事業停止)。結局地元の結婚式場運営会社の株式会社三貴商事が引き取り、現在は「ホテルセントカテリーナ」として運営されている。
[編集] 外部リンク
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総合スーパー(GMS) | ジャスコ(イオン・イオン北海道・イオン九州・琉球ジャスコ) - サティ(マイカル・イオン九州) - ポスフール(イオン北海道) - カルフール(イオンマルシェ) - ダイエー - トポス(ダイエー) |
スーパーマーケット(SM) | マックスバリュ(運営会社 : 北海道 - 東北 - 東海 - 中部 - 西日本 - 九州) - ウエルマート(MV東北・MV西日本) - カスミ - ベルク - マルエツ - いなげや - ヤオハン(MV東海) - 光洋 - グルメシティ(ダイエー系 運営会社 : 北海道・関東・近畿・九州) - フーディアム(ダイエー) |
ショッピングセンター | イオンショッピングセンター - イオンモール - マイカルタウン - ロックタウン・ロックシティ(ロック開発) |
百貨店・専門店 | ボンベルタ百貨店 - ビブレ(マイカル) - フォーラス(イオン) - やまや - オリジン東秀 - ニューステップ - ツルヤ靴店 - タカキュー - コックス - ブルーグラス - 未来屋書店 - ペットシティ - OPA - アシーネ - ドムドムハンバーガー(オレンジフードコート) |
ドラッグストア | イオン・ウエルシア・ストアーズ : ツルハホールディングス - 寺島薬局 - ウエルシア関東 - クラフト - ウェルパーク - クスリのアオキ - メディカル一光 - タキヤ |
ホームセンター | ホームワイド(イオン九州) - サンデー - ジョイホームセンター |
その他 | イオンスーパーセンター(イオン・イオンスーパーセンター・イオン北海道・イオン九州) - メガマート(イオン) - ミニストップ - イオンファンタジー - ファンフィールド - イオンシネマ - ワーナー・マイカル・シネマズ - ツヴァイ - イオン銀行 - イオンクレジットサービス - WAON(イオン) - イオントップバリュ - アイク - チェルト - イオンディライト - ロジワン |
※イオングループの主な企業・ブランドを掲載。運営企業とブランドの名称が異なる場合は「ブランド名(企業名)」というように記した。 イオン株式会社の持分法適用関連会社である株式会社ダイエーの、子会社のうち完全子会社についても列挙した。 |