パリメトロ3号線
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パリメトロ3号線(- 3ごうせん、Ligne 3 du métro de Paris)はパリ交通公団(RATP)の運営するフランス・パリのメトロ(地下鉄)路線の一つ。パリ北西部郊外のポン・ド・ルヴァロワ=ベコン駅から、パリ中心部の北よりを東西に横断し、サン・ラザール駅、オペラ、レピュブリック広場などを経由して東部郊外のガリエニ駅に至る。
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[編集] 概要
3号線は1904年に開業し、その後東西ともパリ市外まで延長された。番号は3号線だが、開業順では1号線、6号線(開業時は2号南線)、2号線(2号北線)に次ぎ4番目である。3bis線は元は3号線の一部だったが、3号線が東へ延長された際に本線と分離され独立した路線となった。
3号線北西端のポン・ド・ルヴァロワ=ベコン駅はパリの北西に隣接するオー=ド=セーヌ県ルヴァロワ-ペール市のセーヌ川近くにある。ここから南東に進み、ポルト・ド・シャンペレでパリ市に入る。サン・ラザール駅からレピュブリック広場までは1号線のほぼ1km北を平行して走っている。ペール・ラシューズからガンベッタにかけては約40パーミルの登り坂となる。ポルト・ド・バニョレでパリ市から出、次のセーヌ=サン=ドニ県バニョレ市のガリエニ駅が終点となる。
全線が地下線であり、地上区間はない。
[編集] 路線データ
[編集] 歴史
1898年のメトロ整備計画では、3号線(C線)はパリ西部のポルト・マイヨーから東部のメニルモンタンに至る路線とされ、エトワール〜ヴィリエ間は2号線と線路を共有することになっていた。その後ポルト・マイヨー〜エトワール間が1号線に変更されたことに伴い、3号線はヴィリエ以東と改められた。
こうして1904年にヴィリエ-ペール・ラシューズ間が開業し、翌年には東のガンベッタまで延長された。さらに1910年代から20年代には東西へ延長され、それぞれ市境のポルト・デ・リラ、ポルト・ド・シャンペレにまで達した。西側では1937年に郊外のポン・ド・ルヴァロワまで延長された。東側では、1971年にガンベッタ-ガリエニ間が開業し、それまで3号線の一部だったガンベッタ-ポルト・デ・リラ間が3bis線として分離された。
[編集] 年表
- 1904年10月10日 -ヴィリエ〜ペール・ラシューズ間開業。
- 1905年1月25日 - ペール・ラシューズ〜ガンベッタ間延伸開業。
- 1910年5月23日 - ペレール〜ヴィリエ間延伸開業。
- 1911年2月15日 - ポルト・ド・シャンペレ〜ペレール間延伸開業。
- 1921年11月27日 - ガンベッタ〜ポルト・デ・リラ間延伸開業(現3bis線)。
- 1937年9月24日 - ポン・ド・ルヴァロワ=ベコン〜ポルト・ド・シャンペレ間延伸開業。
- 1971年3月23日 - ガンベッタ〜ポルト・デ・リラ間を3bis線として分離。
- 1971年4月1日 - ガンベッタ〜ガリエニ間開業。
[編集] 車両
1967年以降はMF 67が使われている。同形式が投入された最初の路線である。5両編成で1、3、5両目が電動車である。ただし9編成のみは編成が異なり、中間3両が電動車のものや1、2、5両目が電動車のものがある。
全長は約90m。各車両ごとに片側4つのドアがある。非常時を除き車両間の往来はできない。
車両基地はガンベッタ駅の東のサン・ファルゴー(Saint Fargeau)にある。大規模な検査や改修作業は7号線のショワシー(Choisy)車両基地で行われる。
[編集] 駅
- ポン・ド・ルヴァロワ=ベコン駅(Pont de Levallois-Bécon)
- 駅名はセーヌ川のルヴァロワ-ベコン橋に由来する。到着用ホーム1面1線と出発用ホーム1面2線がある。駅の北西側には3本の留置線がある。
- アナトール・フランス駅(Anatole France)
- ルイーズ・ミシェル駅(Louise Michel)
- 開業時の駅名はヴァレール(Vallier)で、1946年に現駅名に改名した。
- ポルト・ド・シャンペレ駅(Porte de Champerret)
- ホームは2面4線。駅の北西側に折り返しに使われていたラケット状のループ線が残っており、留置線として使われている。
- ペレール駅(Pereire)
- 接続路線 : RER C線
- ワグラム駅(Wagram)
- マルゼルブ駅(Malsherbes)
- ヴィリエ駅(Villiers)
- 接続路線 : メトロ2号線
- ユーロップ駅(Europe)
- サン・ラザール駅(Saint-Lazare)
- アーヴル=コーマルタン駅(Havre - Caumartin)
- オペラ駅(Opéra)
- カトル=セプタンブル駅(Quatre-Septembre)
- ブルス駅(Bourse)
- 旧パリ証券取引所(Bourse de Paris)最寄り駅。
- サンティエ駅(Sentier)
- レオミュール=セバストポル駅(Réaumur - Sébastopol)
- 接続路線 : メトロ4号線
- 開業時の駅名はリュ・サン=ドニ(Rue Saint-Denis)で、1907年に現駅名に改名した。
- アール・エ・メティエ駅(Arts et Métiers)
- タンプル駅(Temple)
- タンプル塔に由来する道路名が駅名となった。
- レピュブリック駅(République)
- パルマンティエ駅(Parmentier)
- リュ・サン=モール駅(Rue Saint-Maur)
- ペール・ラシェーズ駅(Père Lachaise)
- 接続路線 : メトロ2号線
- ガンベッタ駅(Gambetta)
- 接続路線 : メトロ3bis線
- 駅東側に留置線と3bis線、車両基地への連絡線がある。3bis線分離に先立ち、1969年に駅の改造が行われ、西寄りに移転した。
- ポルト・ド・バニョレ駅(Porte de Bagnolet)
- ガリエニ駅(Gallieni)
- 出発用ホーム1面2線と到着用ホーム1面2線がある。
[編集] 廃駅
ペール・ラシェーズ駅とガンベッタ駅の間にはマルタン・ナドー駅(Martin Nadaud)があったが、ガンベッタ駅の改造でホームが西よりに移されることにともない、1969年8月23日に廃止された。旧マルタン・ナドー駅ホームの東端は現ガンベッタ駅ホームの西端にあたり、旧マルタン・ナドー駅入口からはホーム跡に設けられた通路でガンベッタ駅ホームまでつながっている。
[編集] 関連項
[編集] 参考文献
- Jean Tricoire, Un Siècle de Métro en 14 Lignes: De Bienvenüe à Météor, 第3版, La Vie du Rail, 2004年, ISBN 2-915034-32-X.
[編集] 外部リンク
- RATP (フランス語他)