パッチギ!
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パッチギ! | |
監督 | 井筒和幸 |
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製作総指揮 | 李鳳宇 |
製作 | シネカノン ハピネット・ピクチャーズ 衛星劇場 メモリーテック S・D・P(スターダストプロモーション) |
脚本 | 井筒和幸 羽原大介 |
出演者 | 塩谷瞬 沢尻エリカ 高岡蒼佑 小出恵介 波岡一喜 尾上寛之 オダギリジョー ケンドーコバヤシ |
音楽 | 加藤和彦 |
撮影 | 山本英夫 |
編集 | 冨田伸子 |
配給 | シネカノン |
公開 | 2005年1月22日 |
上映時間 | 119分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 韓国語 |
allcinema | |
パッチギ!(박치기)は2004年製作、2005年1月22日公開の日本映画。2006年には韓国ソウルの明洞CQNでも公開された。監督は井筒和幸。タイトルの「パッチギ」は朝鮮語(韓国語)で「突き破る、乗り越える」ならびに「頭突き」の意。
目次 |
[編集] あらすじ
1968年。京都にある東高校2年生松山康介は常日頃から争い事の絶えない朝鮮高校にサッカーの練習試合を申し込むことになった。しぶしぶ朝鮮高校を訪れた康介は音楽室で一人フルートを奏でる少女・キョンジャに一目惚れする。しかしあろうことかキョンジャの兄アンソンは同校の番長であった。どうしてもキョンジャと仲良くなりたい松山は朝鮮語を必死で習得すると同時に楽器店でギターを購入。キョンジャが演奏していた『イムジン河』(임진강/림진강)を覚え彼女の前で演奏することを決意するのだが・・・。
[編集] 概要
京都における日本人の少年と在日コリアンの少女との間に芽生える恋を中心とした青春映画。ただし、日本人と朝鮮人にまつわる民族問題が主軸であり、特に朝鮮側の歴史認識・被害者意識への異論を唱える人からは視点が偏っているとの批判、また逆に「現代のロミオとジュリエット」との謳い文句に反して、主人公カップルの交際に双方の家族友人からの抵抗がほとんどないなど、差別や反目の描き方が甘いという批判もあった。しかし、主人公が恋をバネに朝鮮人への理解を深めるという作劇、全編に「イムジン河」を流し、「あの素晴しい愛をもう一度」をオリジナル形で映画主題歌に提供するなど音楽監督加藤和彦が力を入れた音楽面の充実もヒットに貢献した。毛沢東主義に傾倒している教師や学生運動の盛り上がり、GSブームなど当時の世相も戯画的に盛り込まれている。他にも性・快楽・暴力をすべて取り入れた映画である。
キネマ旬報ベストテン1位、毎日映画コンクール最優秀作品賞、ブルーリボン賞作品賞を受賞した。
[編集] スタッフ
- 監督:井筒和幸
- 製作者:李鳳宇、川島晴男、石川富康、川崎代治、細野義朗
- エグゼクティブプロデューサー:李鳳宇(イ・ボンウ)
- プロデューサー:石原仁美
- 原案:松山猛『少年Mのイムジン河』
- 音楽:加藤和彦
- 脚本:羽原大介・井筒和幸
- 撮影:山本英夫
- 録音:白取貢
- 助監督:武正晴・佐和田恵・小林聖太郎・吉田康弘・滝本憲吾
- 脚本協力:木田紀生
- メイク協力:フォンテーヌ
- 技斗:秋永政之(ワイルドスタントチーム)
- ガンエフェクト:ブロンコ
- カースタント:アクティブ21
- スタジオ:日活撮影所
- 現像:東京現像所
- 企画・製作・配給:シネカノン
[編集] キャスト
- 松山康介:塩谷瞬
- 李安成(リ・アンソン、리안성):高岡蒼佑
- 李慶子(リ・キョンジャ、리경자):沢尻エリカ
- 坂崎:オダギリジョー
- 桃子:楊原京子(改名して現在は松永京子)
- チョン・ガンジャ(정강자):真木よう子
- チェドキ:尾上寛之
- モトキ・バンホー:波岡一喜
- 吉田紀男:小出恵介
- 大西:ケンドーコバヤシ
- 大阪ホープ会のリーダー:坂口拓
- 布川先生:光石研
- オックス・ヒデト:加瀬亮
- 金太郎:趙珉和
- 余貴美子
- 大友康平
- 前田吟
- ぼんちおさむ
- キムラ緑子
- 桐谷健太
- 出口哲也
- 江口のりこ
- ちすん
- 平松豊
- 木下ほうか
- 長原成樹
- 徳井優
- 小市慢太郎
[編集] 受賞
※特に順位を記していないものは、すべて1位
- 第79回キネマ旬報ベスト・テン
- 第60回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞
- 音楽賞:加藤和彦
- 第48回ブルーリボン賞
- 作品賞
- 第48回朝日ベストテン映画祭
- 日本映画1位
- 第30回報知映画賞
- 最優秀新人賞:沢尻エリカ
- 第27回ヨコハマ映画祭
- 第20回高崎映画祭
- 第18回日刊スポーツ映画大賞
- 作品賞
- 新人賞:沢尻エリカ
- 第15回東京スポーツ映画大賞
- 新人賞:沢尻エリカ