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ハンマーセッション! |
ジャンル |
少年漫画 |
漫画 |
原作・原案など |
小金丸大和・八津弘幸 |
作画 |
棚橋なもしろ |
出版社 |
講談社 |
掲載誌 |
週刊少年マガジン |
発表期間 |
2006年50号 - 連載中 |
巻数 |
7巻 |
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『ハンマーセッション!』(Hammer Session!)は、2006年50号より『週刊少年マガジン』で連載中の漫画作品。原作は小金丸大和(31話を最後に離脱、そして八津弘幸に交代)、漫画は棚橋なもしろ。また、貴矢高康事務所が原案に協力している。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
主人公(本名・悠)は、医者・弁護士・国会議員などの高額所得者を狙い詐欺を働く第1級詐欺師。警察に逮捕され、長期刑特別刑務所である北関東刑務所へ収容されることになったが、護送車が事故に巻き込まれたことに便乗し、同乗していたクリスチャン(本名不詳)と逃走する。2人は逃亡先の中学校(光学園中等部)で偶然放火魔(蜂須賀悟郎)を取り押さえたが、彼は翌日から同校で教鞭を取る予定の教師であった。校長は、この不祥事を隠蔽する為、主人公を蜂須賀悟郎名義の教師として雇い、荒れた学校の再建を託す。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 蜂須賀 悟郎(はちすか ごろう)(ニセ者)
- 物語の主人公で、その正体は第1級詐欺師。童顔で、初めて見た今村はガキと形容した。現在逃走先の私立光学園中等部にて「蜂須賀悟郎」を名乗り、数学科教師として勤務している。同時に、3年B組の担任も担当中。
- ロク(蜂須賀悟郎(本物))は東大理学部を卒業している為、学園では東大卒として振舞っているものの、自身は中卒で勉強が苦手である。また、他にも「女性」と「お酒」が苦手で、普段はコーラ[1]をよく飲んでいる。特に「お酒」を飲む、または浴びると、抑えていた詐欺師の本性を暴走させてしまう。脱走者であることが明るみにならないよう、ロクの部屋に居候中。外出の際はガリ勉っぽいメガネと7:3分けで変装する。また、上顎犬歯(いわゆる八重歯)は差し歯である。
- 司馬の「ハピスラ」の現場で、彼らによって被害を受けた男性に刺されて大怪我を負った際、今村の部屋で手当てされていたが、その折にロクがヘマをして自らの秘密を水城涼子に明かしてしまった。
- クラスの女子生徒が万引きをしていた際、自分の初めての犯罪がお墓のお供え物のまんじゅうを食べた事と明かした[2]その後、水城に「子供の頃の写真なんてありませんよ」と語っていた事から、彼の生い立ちや幼少時代は悲惨な物であったと思われる[3]。しかし詐欺師となったいきさつは不明。
- 詐欺師だった頃は「アラビアンナイト事件」、「136事件」などの大事件を起こしてきた。それらの事件で得た巨額の資金がスイス銀行に預金してあり、その暗証番号が自身の腿のタトゥーに隠してある(非常に微細に彫られているため、拡大しないと目視できない)。
- 本名は悠。
- 坂本 亨(さかもと とおる)
- 「私立光学園中等部」校長。蜂須賀悟郎(本物)による学校放火事件を隠蔽する為、事件を目撃した主人公を「蜂須賀悟郎」名義の教師、クリスチャンを事務員として採用する。この時、主人公に学校の風紀改善を依頼した。学園教員の中で主人公の正体を知る人物の一人。
- 悟郎たちと出会う以前から重い持病を患っており、病の悪化で倒れてからは校長としての復帰は絶望的であることを悟り、彼に赴任以来の報酬を与え逃亡を勧める。
- 水城 涼子(みずき りょうこ)
- 「私立光学園中等部」教師で、主人公の指導教員。主人公の正体を知る人物の一人で、主人公に対して好意と信頼を寄せている。
- 若手の女性教師(ちなみに教職2年目)で、教師とは思えない露出度の高い服装をしているが、中学から大学までエスカレーター式の女子校に通っていたため、ほとんど男性との接触がなく、性に関することは保守的であり、意外にも処女(彼氏なし)。
- ソフトボール部の顧問をしているが、スポーツはあまり得意ではない様子。
- ロクのミスが原因で主人公の正体を知ったときは激怒したが、司馬の件が解決した後は彼を認め、秘密を共有することになった(時には悟郎の「ハンマーセッション」を手伝うこともある)。
- 巨乳の持ち主で、教師になったばかりの頃胸の大きさで生徒達にからかわれたりして、一時期自信を失いかけた事がある。
- 今村 昌平(いまむら しょうへい)(偽名)
- 前科10犯の武闘派ヤクザで、主人公と同じく護送車から逃走したクリスチャンの極道者。現在は学園で事務員をしている。
- 見かけは怖そうだが、クリスチャンらしく見知らぬ者にも慈悲深い(悟郎談)性格。女性は50代以降の熟女が好み。悟郎からは「センパイ」と呼ばれている。
- ロク(蜂須賀 悟郎(はちすか ごろう))(本物)
- 東大理学部卒の新任教師。通称・ロク(主人公との区別の為)。
- 教育実習の体験から「教師」という立場に恐怖を覚え、始業式の前夜に学園へ放火するも、主人公たちに取り押さえられる。現在、放火事件を隠蔽する為に主人公と同じ部屋に引きこもり中。
- 眼鏡を掛けたおたくであり、趣味はフィギュア集め。加えてロリコンである。ネットやデジタル機器に強く、主人公の授業のサポートとして教室に7台のワイヤレスカメラと4本の高性能小型マイク(通称『見えルンです』)を設置し、それを使って教室内の監視(覗き)をしている。
- 実家は温泉旅館を開いているが…。
[編集] 3年B組
- 佐野 直樹(さの なおき)
- 男子生徒。
- 3年B組の学級委員であるが、不登校中に勝手に決められたため本人は不満な様子。
- 元は地味な生徒だったが、学校をサボり不登校になり、カネ欲しさにカツアゲをするなど不良になった。悟郎の「ハンマーセッション」により裏の世界の怖さを知り、坊主頭にして再び学校に通い始める。
- 白石 渚(しらいし なぎさ)
- 女子生徒。身長142cm。射手座のB型。
- 眼鏡をしている。泣き虫に加えてドジで、運動オンチ。
- 父親がリストラされた為、母親の実家がある青森へ転校することになる(それを阻止すべく万引きをしていた)が、悟郎の「ハンマーセッション」もあり、転校しなくて済むようになる。
- 真潮・岬と共にアイドルグループになることが夢。
- 北嶋 真潮(きたじま ましお)
- 女子生徒。身長162cm。水瓶座のO型。
- 陸上部に所属していて、走高跳のエース(但し最近サボリぎみらしい)。姉と兄がいる。料理が大得意。
- 友人・渚の転校を防ぐ為岬と共に万引きしていたが、現在は悟郎の「ハンマーセッション」により足を洗う。
- 勝気で少々きつい性格だが面倒見が良い。鍛え抜かれた美脚の持ち主で、通称「カモシカの真潮」。
- 天堂 岬(てんどう みさき)
- 女子生徒。身長155cm。山羊座のA型。
- 成績優秀で、おっとりしている。友人・渚の転校を防ぐ為真潮と共に万引きしていたが、現在は悟郎の「ハンマーセッション」により足を洗う。
- Eカップの巨乳。童顔でもある。通称「卓上の岬」(胸が机の上に乗っている事から)。
- 坂本 桜(さかもと さくら)
- 女子生徒。身長154cm。
- 演劇部に所属している。Cカップ。将来の夢は女優。
- 幼い頃、両親の仕事の関係でひとりで家にいる事が多く、テレビを見て過ごす事が多かった。そのため、女優に憧れるようになったという。「しゃこたん」の最有力候補だったが、父親が厳しく、パソコンを持っていないことから候補から外れた。
- 美人で人望も厚いので、演劇部の部員からも慕われている。東海林にとっても憧れの存在である。
- 関谷のオーディション詐欺にはめられかけるが、悟郎の「ハンマーセッション」によって、ある有名な演出家に才能を見出されその人のもとで修業することになった。
- 東海林 巴菜(しょうじ はな)
- 女子生徒。出席番号12番。Bカップ。
- 「しゃこたんブログ」の「しゃこたん」の正体。自分に自信が持てなかったが、悟郎の「ハンマーセッション」によって、ブログを閉鎖し演劇部に所属。大役を演じる程成長している。クラスでも地味で目立たない存在だったが、本当は端正な顔立ちをしており、化粧をしてメガネを外すと驚く程見違える。
- 坂本と共に(ニセ)オーディションに親の反対を押し切って応募したが、落選してしまった。
- 悟郎が用意した本物のオーディションでも不合格だったが、目に力があると評価され、それ以降メガネをやめてコンタクトにした。
- 野島 健太(のじま けんた)
- 男子生徒。出席番号19番。
- 3年B組ではパシリ役で、学習発表会の責任者になる。祖父の影響で、歴史に詳しく、読書量の多さから博覧強記。
- 学習発表会で、悟郎の「ハンマーセッション」による服部とのクイズ対決に勝ち、クラスのヒーローになる。その後、パシリから解放された。甲斐保と背丈が似ていた為、西部中学にリンチされた。
- ニックネームは「のじ」または「のじー」。
- 早乙女 耀子(さおとめ ようこ)
- 女子生徒。
- 夜遊びが好きで、通称「女王蜂のヨーコ」。中学生離れした美貌とフェロモンで、ほとんどのクラスの男子を従わせている。学習発表会の副責任者となる。
- 英語科教諭・服部に一方的に憧れを寄せていた。悟郎の「ハンマーセッション」によって更正するが、その際悟郎に惚れてしまい、彼に対し積極的になった。一度悟郎の部屋(つまりロクの部屋)を見てしまったことがあり、悟郎の趣味を勘違いして、それ以来フィギュアが着ていたような短いスカートをはいたり、元気な妹のように甘えてすぐに腕を組んだりするようになる。服部に好意を抱いたり、悟郎の英語を聞いて惚れてしまったりと、英語の話せる人に弱い模様。
- 司馬 祐生(しば ゆうせい)
- 男子生徒。出席番号11番。
- クラスではあまり目立たず、授業中はいつも外を見ている。今村をコケにするくらい度胸がある。
- 男子生徒2人(彼らからは祐ちゃんと呼ばれる。)を率いてハピスラ(ハッピー・スラッピング)をしていたが、悟郎の「ハンマーセッション」により暴力の恐怖を知り足を洗う。「ムキんなんなよ…」が口癖。イケメンで女子からの人気もそこそこある。
- 桑田 ますみ(くわた ますみ)
- 女子生徒。自意識過剰な性格。
- 太った体型など、お世辞にも女らしいとは言い難いにも関わらず、彼女の将来の夢は、スターになる事。悟郎に「何星になるっていうんだ」と(本人にではないが)ひそかにツッコミを入れられていた。
- 「つねに私らしく」がモットー。名前の由来は桑田真澄だと思われる。
- 新田 銀二(にった ぎんじ)
- 男子生徒。母子家庭。頭はきれるが、協調性がない。いつもヘアバンドをしている。
- 雪美と幼馴染。修学旅行中、雪美の父親探しに必死になり、悟郎の助けもあり、見つけることができた。父親との再会が悲惨なものであった場合を危惧し、雪美を守るためにミリタリーナイフを持っていた。
- 上野 雪美(うえの ゆきみ)
- 女子生徒。新田の幼馴染で同じく母子家庭。
- 修学旅行中、新田の父親探しを手伝うが、実はそれは見つからなかった場合に雪美がショックを受けないようにとの新田の計らいで自分の父親であった。初めは怖くて逃げ出したが、悟郎の助けで父親の愛情を確認する。
- 石垣(いしがき)
- 男子生徒。柔道部に所属している。練習熱心だが、成績は悪い。
- 顧問である服部の陰謀で赤点を取ったら大会を辞退することになってしまい、最後の大会の出場が危ぶまれていたが、悟郎の助けで無事出場することができた。
- 咲山 エリカ(さきやま えりか)
- 女子生徒。
- かつては才色兼備でヴァイオリンの腕もなかなかの優等生だったが、自分が養子であることを知り、そのショックで不良になる。以来転校を繰り返し、光学園に転校してきた。悟郎の「『禁じ手』ハンマーセッション」と母の愛により、改正。再びヴァイオリンを始める。かなりの度胸の持ち主。
- 甲斐 保(かい たもつ)
- 男子生徒。出席番号11番。
- 開栄中学に落ちて、すべり止めで光学園に入学してきた生徒。家では病院を経営している。
- 勉強ばかりしていて、クラスから浮いている。
- 「マンモス校」の西中(セイチュー)の総長佐久間のゲーム機DSPを壊してしまい(実際には最初から壊れていた)、西中の復讐に全校を巻き込んだ張本人。
- ニックネームは博士。
- 望月 雄一郎(もちづき ゆういちろう)
- 男子生徒。写真部に所属。
- 家では温泉旅館を経営している。
- 小鳥遊 雅(たかなし みやび)
- 女子生徒。
- 神社の娘で、霊感が強い。
- 大島 紳助(おおしま しんすけ)
- 男子生徒。お笑い研究会所属。
- 実家は建設会社。
- 松島 珠美(まつしま たまみ)
- 女子生徒。帰宅部(以前は美術部所属)。
- いつの時期でもマフラーをしている。そのマフラーは好きだった男の子の形見。気管が少し弱い様子。
- 時計塔の幽霊騒ぎの犯人だったが、悟郎の「ハンマーセッション」により改正。
- 海老原 健(えびはら けん)
- 男子生徒。出席番号5番。アルバム委員。
- あだ名は「エビっち」。A組の水野繭の事が好きだったが、その気持ちを伝えられずにいた。悟郎の力を借りて告白することに成功する。
- 黒澤 正宗(くろさわ まさむね)
- 男子生徒。出席番号12番。
- 母親が重度のモンスターペアレントであった為、教師から特別扱いされたり仲間はずれにされていたが、悟郎の「ハンマーセッション」により母親と共に改正する。実家はかなりの金持ち。
- 日比野(ひびの)
- 男子生徒。
- 初期の頃から出ていたが名前が出ていなく、最初に名前が判明したのは7巻からである。ツンツン頭が特徴。
- 藤井 美樹(ふじい みき)
- 女子生徒。
- 実家は美容院。母子家庭で、弟達の面倒をみている。また、友達想いでもある。
[編集] 他クラス生徒
- 波羅 多伊良(はら たいら)
- 3年E組。B組の学習発表会の「人間辞書 野島に挑戦」の最初の挑戦者だった。
- 水野 繭(みずの まゆ)
- 3年A組。写真委員。B組の「光学園女子人気ランキング・彼女にしたい部門」の1位になった。
- 長沢(ながさわ)
- 3年D組。修学旅行の自由行動の時間のときに、真潮と一緒に行動していた男子生徒。
- 篠原 美嘉(しのはら みか)
- 黒沢と付き合っていた女子生徒。黒沢の後輩。
[編集] 私立光学園中等部 教諭
- 服部(はっとり)
- 若手の男性教師。教職3年目。
- サンタモニカ(アメリカ)の大学を卒業した帰国子女で、学園では英語を教えている。
- 容姿端麗かつ気さくで爽やかな性格から生徒の間で人気が高いが、反面ハンパでないプライドの持ち主。蜂須賀悟郎に対しては敵愾心を燃やしており、悟郎の失職を狙って妨害工作を仕掛けてくることもある。生徒と関係を持ったり、合コンしたさに柔道部の顧問を嫌がったりする等、あまり評判通りの人物とはいえない。また、大学時代も相当遊んでいたらしい。
- 大学時代の友人に、本庁の刑事がいる。
- 肥後山 健一(ひごやま けんいち)
- 3年の学年主任及び野球部の顧問を務める男性教師。36歳。担当教科は体育で、常にジャージを着用。特技は千本ノック。ものすごいフケ症。そのため生徒や同僚の女性教員(水城以外)からは、陰で「フケヒゴ」と呼ばれている。
- 水城に惚れており、彼女と親密な主人公に対して姑息な嫌がらせをする。修学旅行では、主人公のクラスの写真部に覗きをさせようと企んだ。が、失敗。
- 南 玲奈(みなみ れな)
- 潜入してさまざまなスクープをものにする敏腕記者。東 玲奈という偽名で光学園に保健医として潜入し悟郎の素性を探り、彼の正体を突き止めたが、彼にスクープを差し止められたことですっかり惚れてしまい、そのまま学園に残ることになった。
- 教頭
- 眼鏡をした男性。東大経済学部出身。東大卒なのをすぐ自慢するという悪い癖がある。
- 鈴木(すずき)
- 光学園理事長。肥後山と仲が良い。
[編集] その他
- 関谷 昌幸(せきや まさゆき)(仮名)
- 詐欺師。悟郎の兄弟子。
- 詐欺の仕事に取り掛かる前にグロキシニアの苗を植えて、花が咲いた時、本番に取り掛かる。
- 光学園の生徒を対象とした「オーディション詐欺」というものを決行しようとしたが、悟郎の妨害により失敗。
- 「夢を見なければ夢は叶わない」が決まり文句。
- 足立 くみ(あだち-)
- 関谷のオーディション詐欺に協力していた元子役。モデルは女優の安達祐実だと思われる。
- 碓氷総一郎
[編集] 単行本
[編集] 脚注
- ^ 缶やペットボトルではなく、ガラス瓶入り。ペットボトルの普及であまり流通しなくなった瓶を愛飲している理由は不明。
- ^ ただし、お供え物を食べることは法律上窃盗罪にはならない。
- ^ その他にもタダでパンがもらえるという理由から教会に通っていたり、出されたスナック菓子等のつまみや駄菓子は必ず食べ、他人の残した物を貰ったり、登校中や演劇鑑賞中もパンやスナックを食べていたりすることから、食べられる時に食べる癖(太平洋戦争終戦後に見られた欠食児童に近い)がついたのではないかと推測される。
[編集] 外部リンク