トランジスタラジオ
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- トランジスタラジオは、受信機の種類の 1 つ。下記で詳述する。
- トランジスタラジオは、1980年のRCサクセションによる楽曲。同項を参照。
- トランジスタラジオは、1993年の子門'zによる楽曲。2のカバー。トランジスタラジオ (子門'z)を参照。
トランジスタラジオとは、当初真空管などを使用していたラジオ放送の受信機を、半導体素子であるトランジスタを使用して小型・軽量・低消費電力化した製品の呼称である。今日では集積回路の採用でさらなる小型・軽量化が可能であり、真空管を一球ずつ、あるいはトランジスタを一石ずつはんだ付けしたようなラジオ製品を見かけることはまれである。
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[編集] 概要
真空管を増幅回路として使用するラジオは電源電圧が比較的高く(45-90V)消費電力も大きく、また真空管自体の外形の大きさから筐体が大ぶりで、卓上などに設置して使用するのが普通であった。小型化されたトランジスタラジオは電源電圧が低く(9V)消費電力も小さいため電池で動作して片手で持ち運べる機器となり、野外でラジオを手軽に聞くことができるようになった。
車載用ラジオでは、米国で1927年頃から真空管式のものが発売されていたが、省部品・省電力の観点からトランジスタ化が進んだ。1950年代後半の真空管からトランジスタへの移行期にかけて、日本ではカーラジオ(オートラジオ)市場に参入する企業が相次いだ(東芝、TEN(神戸工業、現:富士通テン)、クラリオン、三菱電機、松下電器産業など)。
ビーチやキャンプ場でラジオが聞けるようになることでラジオ放送自体にも野外聴取を前提とする番組構成が取られるようになる。
[編集] 歴史
トランジスタラジオのプロトタイプは、テキサス・インスツルメンツがトランジスタのデモ用として作成した。AVメーカー・ソニーの前身である東京通信工業(東通工)の井深大は、1952年アメリカ合衆国での技術研修に出かけた際、ベル研究所の3人のスタッフがトランジスタを開発・特許をとっており、親会社のウエスタン・エレクトリック社(WE社)が2万5000ドル(約900万円)で公開していることを知る。日本の通産省は「ちょっとやそっとのことで、トランジスタなんかできないよ」と否定的であったが、1953年盛田昭夫がアメリカに渡りウェスタン・エレクトリック社とライセンス契約をおこなう。その際、WE社は盛田に対して何に使うのかを問うと「ラジオに使いたい」と応じたが、この時WE社はやめるようにと勧告を行った。
初期のトランジスタは温度特性が悪く、またラジオの放送周波数帯で増幅器に用いるには特性が不安定であったため、真空管を代替することはできないと見られていた。商業用の製品としては補聴器が実用化されていた程度であった。
しかし、同行した東通工技術スタッフの岩間和夫はトランジスタの技術開発を取材、「岩間レポートメモ」としてまとめ、それを基にトランジスタラジオの試作品を製作した。だが、この試作品について井深は「とても商品として使えるものではない」と回顧している。
その間、1954年にアメリカのライバル社・リージェンシー(IDEA)がテキサス・インスツルメンツ製4石トランジスタを使った世界初のトランジスタラジオを発表(10月18日)、クリスマス商戦にむけ発売($49.95これは2003年換算で$334)。世界初を目指した東通工は落胆したが、その後1955年に複合型トランジスタ5石を使ったTR-52を市販しようと試作した。しかしこの「国際連合ビル」を連想させるTR-52のキャビネット格子(プラスチック)が夏季の気温上昇により、出荷寸前になって反り返るトラブルが発生したため発売中止となってしまった。その後8月に改めてTR-55を開発し、その年の8月に市販開始。これが日本初のトランジスタ携帯ラジオとなった。
以後、各メーカーがこぞってトランジスタ携帯ラジオを開発。ポケットにすっぽり入る名刺サイズラジオや、ラジオカセットレコーダーなどに多用・応用されるようになった。
背が小さいがグラマラスな女性のことを示す「トランジスターグラマー」はこのトランジスタラジオからとられたともされている。
日本では1970年代にBCLブームが起き、短波を受信できる高性能な機種が多く発売され、トランジスタラジオの全盛期を迎えた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Great pictures and info on vintage transistor radios. Also crystal radios and related radio items. Monthly featured transistor Radio of the Month.
- ソニー社史4[1]
- ソニー社史5[2]