トヨタ・カローラFX
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カローラFX(-エフエックス)は、トヨタ自動車が生産していた3ドア・5ドアハッチバックの前輪駆動方式を採用した乗用車である。
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[編集] 概要
初代、2代目のモデルには3ドアと5ドアハッチバックが設定されており、基本的には実用性重視の車ではあるが、2代目の登場と同時期に前輪駆動化されデビューしたAE92系カローラレビンと同様に、スポーツエンジンである4A-GE型エンジンを搭載したものは、1980年代末期のツーリングカーレースにもレビンやスプリンタートレノと共に参戦し、主にシビックと激闘を繰り広げた。
[編集] 歴史
[編集] 初代(AE82型 1984年-1987年)
- 1984年10月 「2BOX上級生」のコピーでカローラの追加車種としてデビュー。本来はカローラのヨーロッパ向けメインモデルであり、当時の同クラス車であるファミリアやシビックなどの国内対抗モデルとして発売された。
[編集] 2代目(AE91/AE92型 1987年-1991年)
- 1987年5月 6代目カローラの発表と共にフルモデルチェンジ。
- 1989年5月 マイナーチェンジ。
- 2007年まで南アフリカでTAZZ、CARRIの名前で生産されていた(南アフリカ国内でオーリス発売と同時にモデル廃止)
[編集] 3代目(AE101型 1992年-1995年)
- 1992年5月 7代目カローラのフルモデルチェンジに遅れる事約1年でカローラFXもフルモデルチェンジを行い、今までの実用性を考慮した作りから、全車1600ccのスポーティーな3ドアハッチバックモデルへと変貌した。なお、輸出向けには5ドアモデルも用意された(ただし、ベースとなったのはE100系スプリンターセダンである)。特に「GTスーパーストラット」というグレードには、AE101系カローラレビン・スプリンタートレノと同様の5バルブ化された4A-GE型エンジンにスーパーストラットサスペンション、スポーツABSと言った豪華装備満載であったが販売価格がかなり高価であったうえ、国内での3ドアハッチバックの定番といえば「シビック」(他には「パルサー」)という様に、シビック以外の3ドアハッチバックは国内ではあまり人気が無く、更に先に発売されていたレビンやトレノの陰に隠れてしまったこととカローラシリーズには「セダン」「クーペのレビン」「ハードトップのセレス」「ワゴン&バン」「弟分のカローラII」など車種が混乱してしまった状態で、発売時から非常に地味な存在になっていた。
- 1995年5月 カローラが110系にモデルチェンジされたのを機に国内販売を終了した。なお、110系にもハッチバックモデルは存在したが、輸出専用であった。世界ラリー選手権で活躍したのはこのモデルである(ラリー仕様を含む前期型のフロントフェイスはE110系後期型スプリンターカリブ・Rossoとほぼ同じデザインである)。
- 2001年 事実上の後継車が日本でもカローラランクスが発売された。
[編集] 4代目(輸出専用・AE110型 1995年-2001年)
- 1995年 フルモデルチェンジ。
- 1999年 マイナーチェンジ。特にフロント周りのデザインが大きく刷新され、ガソリンエンジンがこれまでのA型から新開発のZZ型エンジン(1400cc・4ZZ-FE、1600cc・3ZZ-FE、1800cc・1ZZ-FE)に換装された。
[編集] 車名の由来
FXとは、「Future(未来)」と「X(未知数の意味)」を組み合わせた造語である。