ダイハツ・タント
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タント (Tanto) は、ダイハツ工業が販売しているトールワゴンタイプの軽自動車で、生産はダイハツ滋賀工場(第2地区)で行われる。
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[編集] 概要
前輪駆動レイアウトながら、2,000mmの広い室内長と発売開始時で軽自動車のなかで最長となる2,440mmのロングホイールベースが特長であった(発表・発売当時。現在は三菱・iが2550mmで最長)。
2005年6月には、デザインを差別化させてディスチャージヘッドライトなど装備を更に充実させた「カスタム」を追加。同社で発売されている「ムーヴカスタム」のような、押し出しの強いスポーティな外観デザインが特徴。
2007年12月17日には、第40回東京モーターショーにて参考出展された2代目にフルモデルチェンジした。
[編集] メカニズム
初代は、43kW(58馬力)を発生する3気筒の自然吸気DVVT付エンジンのほか、47kW(64馬力)を発生する3気筒のターボエンジンが用意された。エンジンはすべて660ccのDOHC(ツインカム)となる。トランスミッションは全車ガングリップ式のインパネシフトAT[1]である。ムーヴ同様、全車センターメーターを採用。
2代目は、先代同様に43kW(58馬力)を発生する3気筒の自然吸気DVVT付エンジンと、47kW(64馬力)を発生する3気筒のターボエンジンがあるが、NAエンジンはエッセ以降採用されている最新のKF-VE型に進化している。トランスミッションは先代同様ガングリップ式のインパネシフトが基本で、2WDの上級グレードとカスタムXリミテッド、RSはCVTとなる。同時に、4WDのNAのATは従来の3速から4速に変更されている。尚、全車先代に引き続きセンターメーターを採用。
[編集] 歴史
[編集] 初代(L350S,L360S、2003年-2007年)
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- 2003年11月27日 初代モデル発売。グレードはNAエンジンのL,X,Xリミテッド,ターボエンジンのR,RSでそれぞれに2WDと4WDが用意された。
- 2004年6月1日 特別仕様「スマイルセレクション」を発売。XとXリミテッドをベースに専用カラーのシート(撥水加工)、インパネ、ドアアームレストを採用したうえでメッキオーナメント付ステアリングホイール、エアクリーンフィルター、バニティミラー付きサンバイザーなども特別に装備している。
- 2005年1月 特別仕様「スマイルセレクションⅡ」を発売。自然吸気エンジン搭載のFF車は新たに国土交通省認定の「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」、4WD車は「平成17年排出ガス規制」を取得した上で、XとXリミテッドをベースに専用カラーのシート(撥水加工)、インパネ、ドアアームレストを採用。
- 2005年6月30日 マイナーチェンジ。Rグレード廃止とボディーカラーの一部見直しを実施。運転席側パワーウインドースイッチをインパネ側からドアアームレスト側に移動し使い勝手を向上。同時に派生車種として、前後意匠とインテリアをスポーティにした「タントカスタム」を追加。
- 2005年秋の東京モーターショーで、ムーヴFCV-K-2に続く燃料電池自動車「タントFCHV」を発表。
- 2005年12月 ハッピーセレクション発売。Xをベースに専用内装色、プラズマクラスター付オートエアコン、キーフリーシステム(イモビライザー付)などの快適な機能装備を追加。
- 2006年9月 LをベースにABS、エアロパーツ、ターンランプつきドアミラー、アルミホイール、キーフリーシステムなどを装備した「タントVS」を追加。また、同年11月には専用デザインのアルミホイール、キーフリーシステム、専用シート表皮などを採用した「タントカスタムVS」も登場した。
[編集] 2代目(L375S,L385S、2007年-)
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2007年秋の東京モーターショーでの参考出品を経て、2007年12月17日に2代目が発表・発売された。
従来型同様90度近く開く各ドアに加え、助手席側に軽自動車初となるセンターピラーレスとスライドドア[2]を組み合わせた「ミラクルオープンドア」が採用された点である[3]。加えて、4代目ムーヴのプラットフォームを流用し、ホイールベースのさらなる延長(2440mm→2490mm)やフラットフロア化(2WD)を行った事で初代以上の広い室内空間と利便性が生まれた。
エンジンはムーヴ同様最新のKF-VE型[4]を、また上級機種にはCVT[5]を採用し低燃費を実現している。ターボエンジンは初代では標準車・カスタム共に設定されていたが、2代目ではカスタムRSのみの設定となる。同時に、4WDのATも従来型の3速から4速と多段化し、静粛性と燃費の向上を図っている。基本的に外観デザインはキープコンセプトであるものの、ノーマルは従来型のファニーな雰囲気をさらに昇華させたようなルックスでより女性向けな印象を強めた。一方、カスタムはムーヴカスタムが洗練されたデザインとなっている為、本来のカスタムのコンセプトである攻撃的なデザインを踏襲している。 また、カスタム専用のボディーカラーとして虹色発色塗料を使用した「ミスティックブルーマイカアロワナ(B68)」、ムーヴカスタムにも設定される「アストラルブラッククリスタルマイカ(X10)」、そして先代後期で人気があり継続採用された「ミスティックレッドクリスタルメタリック(R49)」が用意されている。
インテリアでは軽自動車初のフローリングフロア[6]を採用し、高級感と(清掃面など)使い勝手の両立をも実現した[7]。 尚、発売開始後約1カ月(2008年1月21日まで)で、月販目標の3倍となる約2万4000台の販売を達成、かなり好調な滑り出しとなった。
[編集] 車名の由来
- 「タント」とは、イタリア語で「とても広い、たくさんの」という意味。
[編集] CM
[編集] CMキャラクター
初代
2代目
- ユースケ・サンタマリア(標準仕様[8])
- 小池栄子(標準仕様)
- 伊藤英明(カスタム)
- 長澤まさみ(カスタム)
[編集] CMソング
初代
- 『SWEET MEMORIES(オリジナル:松田聖子)』工藤静香 ※未商品化
- 『Lotus~生まれし花~』工藤静香
- 『I LOVE YOU』尾崎豊(カスタム) [9]
2代目
[編集] 脚註
- ^ 4WDのNAのみ3速AT。それ以外はすべて4速AT。
- ^ トヨタ・アイシスやトヨタ・ラウムと同じ。
- ^ Xリミテッド、Xリミテッドスペシャル、カスタムXリミテッド、カスタムRSは電動式。ちなみに運転席側は通常のヒンジドアとなる。
- ^ タントカスタムの「RS」に限りKF-DET型。
- ^ Xリミテッド、Xリミテッドスペシャル、カスタムXリミテッド、カスタムRS。それ以外はすべて4速AT。
- ^ これはホンダ・ステップワゴンと同様。
- ^ Xリミテッドスペシャルのみに標準。但し、2WD全車にディーラーオプションで設定あり(全3種類)
- ^ 過去にトヨタ・カローラワゴンのCMに出演。
- ^ 当初は河口恭吾、後に中島美嘉が歌っている。
- ^ ブライアン・ハイランドのカバー。過去にいすゞ・ジェミニのCMでも使用された。