スタークラフト2

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スタークラフト2(-ツー、英語StarCraft II)はブリザード・エンターテインメント(以下・ブリザード)がスタークラフトの後続作品として開発中であるコンピュータゲーム。このゲームは2007年5月19日大韓民国(韓国)の首都ソウル特別市で開催された〈2007・ブリザード・ワールドワイド・インヴィテーショナル〉(World Wide InvitationalWWI)で公開された。早ければ2008年頃に正式発売するという予想もあるが、ブリザードによればまだいかなる日程も確定していないという。

目次

[編集] 特徴

[編集] 技術的な側面

  • Havok物理エンジンを搭載。ゲームで初めてIKシステムを採用。
  • HDRをサポート。

[編集] 種族

ブリザードは前作に無い新しい種族を追加することも検討したが、バランスの維持のために既存のテラン(Terran)、プロトス(Protoss)、ザーグ(Zerg)のみで本ゲームを構成することにした。

[編集] 新ユニット

以下は現在までブリザードが公開した新ユニットに関する要約である。ユニットの日本語名がまだ公開されていないので、韓国(朝鮮)語版を日本語に翻訳したものと、英語版の音をカタカナに転写したものを共に掲載する。

[編集] テラン

 SCVが(任意で)自動的に修理を行うようになる。

  • 強襲兵(Reaper リーパー):二丁拳銃を装備した歩兵。ブースターを利用し絶壁を自由に上り下りできる。建物破壊用の時限爆弾を設置できる。
  • バイキング(Viking):空対空ミサイルを搭載した制空戦闘機。アップグレードによって、地上と空中を攻撃できる機関砲を二門装備した二足歩行メカに変形できるようになる。
  • トール(Thor):SCVによって建造される大型二足歩行メカ。高いHPを持ち、射程の長い対地範囲攻撃を行える。その代わり空からの攻撃には弱い。また、とてつもない重量ゆえに空輸が不可能であり、移動速度や旋回速度が遅いため一撃離脱戦法に対しては不利になる。
  • バンシー(Banshee):対地ロケット弾を搭載したヘリコプター。隠密(Cloak)能力を持てる。

[編集] 新技術
  • プラズマ・分射(Plasma Array): 戦闘巡洋艦(Battlecruiser)が無数のプラズマ弾頭を地上に撃ち込む。大和・砲(Yamato Cannon)と併用することはできない。

[編集] 新建造物

 補給倉(Supply Depot サプライ・デポット)が(任意で)地下に潜り、地上ユニットが通過できるようになる。

  • 感知塔(Sensor Tower センサー・タワー):『2』でミサイル・砲塔(Missile Turret)が失った探知(Detection)能力を補助する施設。さらに、視界のさらに外側にいる敵ユニットの位置と数を知ることができる。

 部屬建物(Add-On アドオン)は二種類に統一され、連結対象もユニット生産施設に限定されるようになった。ただし、それぞれに互換性がある。

  • 原子爐(Nuclear Reactor ニュークリア・リアクター):一度に2つのユニットを生産できるようになる。
  • 技術硏究所(Tech Lab テック・ラボ):専用技術の研究やより高度なユニットの生産が可能になる。

[編集] プロトス

  • 巨神(Colossus コロッサス):4本の大きな脚を持つロボット兵器。地上ユニットを焼き払う強力なレーザー砲を搭載している。長い脚で絶壁を自由に上り下りすることができる。ただし、その背の高さゆえに対空攻撃にも当たってしまう。
  • 母船(Mothership マザーシップ):建造するために相当量の資源を消耗する(1隻しか作れない)強力な空中ユニット。時限爆弾(Timebomb)、惑星破裂機(Planet Cracker)と隠蔽墻(Cloaking Field)といった特殊能力を持つ。
  • 不死身(Immortal イモータル):ドラグーン(Dragoon)の代替ユニット(地上攻撃専門)。敵ユニットの強い攻撃に対して、此れを大部分吸収するバリアを展開する能力を持っているが、弱い攻撃には作動しない。
  • 不死鳥(Phoenix フェニックス):新型空中ユニット。搭載した武器を一度に発射させる強力な範囲型の攻撃が可能である。ただ、発動後しばらくの間は身動きがとれなくなる。
  • 次元砲擊機(Warp Ray ワープ・レイ):新型空中ユニット。武器であるビームは継続的に照射することで威力が増すため、重装甲ユニットおよび建物に大きな打撃を負わせることができる。しかし、小型ユニットの集団に対しては相性が悪い。
  • 位相分光器(Phase Prism フェーズ・プリズム):プロトスの空輸ユニット。展開することによりケイダリン・水晶(Khaydarin Crystal)設置時に発生するサイオニック・マトリクス(Psionic Matrix)を人為的に生成することができる。これにより、任意の地点で地上ユニットを召喚したり、水晶塔(Pylon パイロン)を破壊されて沈黙した建物を再稼動させたりできる。
  • 追跡者(Stalker ストーカー):暗黑騎士團({{lang|en|Dark Templar|ダーク・テンプラー)製造のドラグーン。視野が確保される一定の範囲内で瞬間移動できる。

[編集] 新技術
  • 突進(Charge チャージ):狂戦士(Zealot ゼロット)の技術。敵軍に(一定距離から自動的に)突撃するようになり、素早く間合いを詰めて白兵戦が仕掛けられるようになる。
  • 隠蔽墻(Cloaking Field):隣接した味方ユニットらは隠蔽させる。ただし、母船が動かない時だけ可能だ。
  • 時限爆弾(Time Bomb タイムボム):母船の技術。すべての敵のスピードを減少させて、敵のミサイル攻撃などを阻止する(効果終了時に発射された弾がその場に落下する)。
  • 惑星破裂機(Planet Cracker プラネット・クラッカー):母船の下面で発砲する強力なレーザー攻撃。ただ、使用時母船の保護膜が解除されるので相当なダメージを受けることもある。
  • 召喚:ケイダリン・水晶の範囲内のどこでも次元関門があればユニットを送信させることができる。
  • Blink):追跡者の技術。短い距離を瞬間移動するようになる。連続使用はできないがエネルギー消費などはない。


[編集] 新建造物
  • 位相砲(Phase Cannon フェイズ・キャノン):『1』の 量子砲(Photon Cannon フォトン・キャノン)の発展版。水晶塔(Pylon パイロン)の範囲内でならば(一時的に形態を変えて)設置場所を変更できる。

[編集] ザーグ

 ウルトラリスク(Ultralisk)が地中に潜伏(Burrow)できるようになった。

  • ナイダス・ワーム(Nydus Worm):ナイダス・カナル(Nydus Canal)と類似した地下輸送ユニット。クリープ(Creep)が無い場所にも出現できるようです。
  • ベーンリング(Baneling):目標に命中すると酸を撒き散らす自爆ユニット。ザーグリング(Zergling)が緑色に変異したもの。
  • Corruptor):とても特殊な対空専用飛行ユニット。通常攻撃は目標を破壊するのではなく、種を飛ばして寄生して無力化するとともに、支援用固定砲台に変えてしまう。
  • Infestor):地中を移動できる特殊な支援ユニット。敵の建造物に液体のようなものを吐きかけて乗っ取り、寄生したユニットを生み出させることが出来る。これに加えて、ダークスウォーム(DarkSwarm)技能も持っている。
  • クイーン(Queen):前作では飛行ユニットだったが、今作では1体しか作れない地上ユニットとなっている。建造物に補助機能を追加したり、特殊な建造物を作ることができる。進化させればさらに特殊能力を得る。

[編集] 除外されたユニット

『1』や『Brood War』で登場したものの『2』で除外されたユニット。代替ユニットが登場する。

[編集] プロトス

竜騎兵(Dragoon),偵察機(Scout),襲撃機(Corsair), 往復船(Shuttle), アビト(Arbiter), 暗黒執政官(Dark Archon), 執政官(Archon)

[編集] テラン

ゴリアテ(Goliath), 死靈(Wraith), ヴァルキリー(Valkyrie), ヴァルチャ(Vulture)

[編集] 取り消しになったユニットおよび建物

製作過程で色々なユニットが取り消しになった。これらは皆スタークラフト『1』ユニットらと共にマップエディターに登場する予定だ。

[編集] プロトス

魂猟師(Soul Hunter ソウル ハンター), テンペスト(Tempest), スターレルリク(Star Relic), ステシス オブ(Stasis Orb)

[編集] テラン

宇宙基地 (Star Base), コブラ(Cobra)

[編集] トリビア

前作・スタークラフトは韓国で至大な人気を呼んだから、ブリザードは韓国のファンたちのためな多様な支援をしている。スタークラフト2を公開する場所を韓国のソウルに選んだこともこれに該当する。

現在スタークラフト2の公式ウェブサイトは英語(アメリカ合衆国版とヨーロッパ版)、ドイツ語スペイン語フランス語、韓国語の6版がある。そこに予告などの各種動画が掲載されているが、予告動画(cinematic trailer)は英語と韓国語版が制作された。韓国語版は英語版と違い画面中のモニターがハングルで出力されて、韓国の声優によって録音された。特にマリーン(Marine)が話す時に唇の形まで韓国語そのままで発音する表現になっている。この韓国語版予告動画は2007・ブリザード・WWIで初めて試写された。

英語と韓国語以外の言語(ドイツ語、スペイン語、フランス語)の予告動画は英語版に該当の言語の字幕が付け加えられた形態で公開されている。次は各言語別のマリーンのせりふである。

  • 韓国語版:드디어, 올 것이 왔군.
  • 英語版:Hell, it's about time.
  • ドイツ語版(字幕):Verdammt, wurde aber auch Zeit.
  • スペイン語版(字幕):Diablos, ya era hora.
  • フランス語版(字幕):Bon sang, c'est pas trop tôt

[編集] 外部リンク