スタークラフト

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スタークラフト (StarCraft, SC) は米ブリザード・エンターテインメント1998年に発売したリアルタイムストラテジーコンピューターゲームインターネット(ディアブロと同じBattle.netのシステムが採用されている)あるいはLAN上の他のプレイヤーと対戦することができる。2007年5月19日には、続編といえるスタークラフト2の制作発表が公式になされた。

目次

[編集] 概説

初めにWindows版が発売され、後にMacintosh版とNINTENDO64版(日本未発売)が発売された。

宇宙での3つの種族間の戦争がテーマとなっており、それぞれの思惑が複雑に絡み合う壮大なストーリーである。 人間(Terran)、エイリアン(Zerg)、宇宙人(Protoss)の3種族があり、それぞれがまったく違った戦闘方法をで戦い、勢力争いを行う。

姉妹作であるウォークラフトシリーズと共にこのゲームは世界中で大ヒットし未だにトップクラスの売上を誇っている。

特に大韓民国での人気は爆発的でテレビ上でプロプレイヤーのリーグがゴールデンタイムで放映されているほど。非常に古いゲームながら、多くのゲーマーから世界中で最も優れたリアルタイムストラテジーゲームとの評価を受け、今なお高い人気を誇る。

[編集] 英語版の日本での販売

日本では英語版がライトユーザーに馴染まなかった事や、当時インターネットがメジャーになりかけの時代だったため、ネットゲームと言うジャンルでは注目されることなく埋没してしまう結果となった。一番大きな原因として指摘されているのは、日本での輸入代理店ソースネクストが販売に力を入れなかったためと言われている。ほとんど宣伝らしい活動をせず日本語公式Webサイトすら作られなかった。さらにはソースネクストが添付した日本語マニュアルは質の悪い機械翻訳された文章で日本語として意味不明な文章が記載されていた。しかもページの途中で文章が途切れているなど、校正上のミスも存在した。この日本語マニュアルが英語の読めないプレイヤーの手助けになる物で無かったことが、日本における普及の間口をさらに狭くしてしまった一因とされている。

誤訳の延長ですべての登場人物名やユニット名など固有名詞の日本語訳が、英語音声の発音とかけ離れている。

  • templar → 誤 テンプラル 正 テンプラー
  • Aiur → 誤 アイユール 正 アイアー
  • Tassadar → 誤 タソダー 正 タッサダー

[編集] 日本語版

英語版が日本国内で発売された後に、日本語版がソースネクストから発売された。しかし、低品質の日本語ローカライズ、英語版のアップグレードパッチを当てられない仕様でバージョン1.0のままで更新されない、英語版とのネットワーク対戦ができないなど多くの致命的欠陥を抱えていた。また、ソースネクストのサポートの問題などから売り上げがまったく振るわず、日本での知名度は低い。登場人物の音声が日本語吹き替えされているが、素人の声優と疑われるほど下手な吹き替えであるとオリジナルの英語版をプレイしたユーザーからファンサイトなどで酷評を受けた。

このゲームの日本国内での販売の不手際からか、これ以後に発売されたブリザード・エンターテインメント社のディアブロIIの日本販売権はカプコンに移った。カプコンに移った後にソースネクスト発売版と同一内容の日本語版がカプコンから発売されていた。(ウォークラフトIIIを最後にカプコンも契約期間終了)

英語版と区別するため、(特に日本語版の)ユーザーからは「スタークラフトJ」「SCJ」(対義語は「SCE」)等と呼ばれることが多い。一般的に日本でスタークラフトとは、日本語版ではなく英語版のスタークラフトに拡張パック(Brood War)を入れたバージョンのゲームをさす。

[編集] Brood War(拡張パック)

StarCraft Brood War(スタークラフト ブルードウォー)はスタークラフトの拡張パックとして発売された。各種族に新ユニットが2種ずつ加わり(プロトスのみ3種)一部の既存ユニットにも新たな能力も加わったことによって、戦いをより一層複雑なものになっている。シナリオストーリーも新たに3エピソード加わり既存と合わせて6エピソードのストーリーとなった。なお、Brood Warの日本語版は存在しない。

[編集] ゲーム内容

[編集] ゲームプレイ

ゲームは大きく、シナリオモードとカスタムプレイに分かれ、シナリオモードではストーリーを持つゲームが、カスタムモードでは主に敵の撃破を目的としたゲームとプレイヤー等が用意したオリジナルシナリオゲームが行われる。 シナリオモードは、基本セット・拡張パックでそれぞれ3つの種族・エピソードに分かれたシナリオが展開される。基本セットでのシナリオは、序盤ではチュートリアルに近い内容が汲まれているが、エピソード後半になると次第に難易度が上がってゆき、最後の方ではカスタムプレイと同様の操作量が要求されることがおおい。またエピソード番号が大きくなることによってもシナリオの難易度が上がってゆくため、これらのシナリオはそれぞれのエピソードの番号順にやるようにゲーム内で推奨されている。

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[編集] 種族

テラン(Terran)
科学者によって宇宙へ送られた地球人の末裔。凄惨な内紛を繰り返した末、首都をタルソニス(Tarsonis)におくテラン連邦(Confederacy)の下でつかの間の平和を保っているが、数多くの反対勢力がいまだに平和を脅かしている。
いわゆるスタンダードな種族。最初にテランを選ぶ人が多いが意外とテクニックを要求されるため奥が深い。探知能力の弱さと脆弱な肉体を火力でカバーし、防御が堅いのが強み。テランの兵器には最高の攻撃力を持つものが多いが、扱いが難しい。主な特徴は、
  • 3種族で唯一どこの平地にも建物を建造できる。また、一部の主要建築物は宙に浮かせて移動できる。
  • クロークユニットはエネルギーを消費して行う。エネルギーが切れるとクローク状態を維持できなくなる。
  • 一部の建物にはそれぞれアドオン(Add-On)と呼ばれる付属建築物を取り付けることができる。これはその建物が自分で建設する。敵が放棄したアドオンを自分の建物に接続して再利用することができる。
  • コムサットステーション(ComSat Station)と言う施設で、エネルギーを消費してマップの任意のエリアをクロークユニット含めて一定時間探知することができる。
  • 付近のユニットを一掃し、建物にも大ダメージを与える核爆弾(Nuclear Bomb; Nuke)を投下することができる。全ての種族中最強の兵器だが、扱いは難しい。
  • 建造物及び機械系ユニットに対してはワーカーであるSCVで修理することで耐久力を回復することが出来る。ただし、修理には資源を消費する。
  • 防御施設のバンカー(Bunker)は単体では攻撃せず、中に歩兵を入れる必要がある。
  • 主力戦車のシージタンク(Siege Tank)は変形して強力な対地固定砲として使用できる。
  • プロリーグ発祥当初、もっとも弱い種族だったが、SlayerS_`BoxeR`の活躍により、基本的なテラン戦術が確立され、今ではテラン戦術の定石となり現在ではテラン最強(チート)と言われるようになった。
  • SlayerS_`BoxeR` - テラン最強時代を切り開き、ミクロ操作の先駆者であり、勝率60%超のテラン使いの彼を『皇帝』と呼ぶ 
ザーグ(Zerg)
ゼル・ナーガによって創られたもう一つの有機体種族。故郷はチャー(Char)。ゼル・ナーガから「本質の高潔さ」を与えられた種族を自称する。全てのザーグはセレブレート(Cerebrate)を通じてオーバーマインド(Overmind)という存在に統率されている。
チャーの苛酷な環境に耐え抜くために発達した強靭な肉体が武器。人海戦術を得意とし、圧倒的な数と優れた機動力でマップを席巻することができる。ただし、単体での決定的な戦闘能力は無い。主な特徴は、
  • 全ての建物がドローン(Drone)の変異した有機生命体である。ダメージを与えられても時間の経過により自然治癒する。
  • ユニットはハッチェリー(Hatchery)が生み出す幼虫からしか孵化させられない。生産速度の向上にはハッチェリーを多く造るか、アップグレードさせなければならない。
  • 建物はハッチェリーとエクストラクター(Extractor)を除いてクリープ(Creep)と呼ばれるカーペットの上しか建てられない。クリープはハッチェリーかクリープコロニー(Creep Colony)を建てると自動的に広がっていく。
  • 人口をサポートする施設は空中ユニットであるオーバーロード(Overlord)が兼ねる。
  • ナイダスカナル(Nydus Canal)という地下道でユニットを離れた場所まで転送できる。
  • クロークは行わず、代わりに地面に潜る(Burrow)ことで姿を隠す。この状態でしか攻撃できないユニットも存在する。
  • 圧倒的繁殖力(同時生産)で物量押しが主な戦術なり、後半になればなるほど兵力が膨れるので、対Zergではほとんどが序盤で攻める戦術を使う。
  • 派手な特殊ユニットが少なく、後半に出てくるため、序盤はテランや、プロトスの特殊攻撃に翻弄されるが、それを凌駕するほどの攻撃力と物量を保有できる。
  • ミュータリスク(Mutalisk)から変異する全種族中最大射程の空対地のガーディアン(Guadian)や高威力の対空自爆ユニットのスカージ(Scourge)(航空ユニット)など後半になると特殊なユニットが増えていく。
  • 生産所(ハッチェリー)から全てのユニットが生産され、生産に必需な研究建物を立てるだけで全ての生産所から該当ユニットが生産可能のため、進化の方向転換、変容が容易である。故に変幻自在の戦術が可能でZvZ戦以外は大概相手に合わせた戦術を取ることが定石となっている。
  • 見事なまでの敵への対処法を導き出し、臨機応変に迎え撃ち、圧倒的な兵力で相手倒す達人のザーク使い sAviOr[gm]を「マエストロ」と呼ぶ。
プロトス(Protoss)
太古の昔にゼル・ナーガ(Xel'Naga)と呼ばれる超文明種族によって創造された長命な種族。ゼル・ナーガが初めて作った種族であるためプロトスと名づけた。故郷はアイアー星(Aiur)。全てのプロトスは信仰を通じて互いに精神的な連関を保っているという。"En Taro Adun(Tassadar)!"という挨拶が特徴的。
高度なテクノロジーと、精神波(psionic)による多彩な特殊能力を誇り、単体戦闘能力は3種族中随一。ただし、シールドが破られると予想以上に脆い。ロボット技術が発達しており、少数精鋭で最大ユニット数は少なめ。主な特徴は、
  • 建物は「建造」する必要がなく、全てアイアーからの転送という形を取るため、建築は最初にプローブ(Probe)に命じて転送を開始させれば後は自動的に進行する。
  • パイロン(Pylon)と呼ばれる建物のエネルギーが届く範囲にしか普通の建物は転送できない。パイロンが破壊された場合は建物の機能が停止する。ただしアシミレーター(Assimilator)、パイロン自身と基地であるネクサス(Nexus)を除く。
  • ユニットと建物はHPの他にシールドを持つ。本体へのダメージは回復できないが、シールドは自然回復するほか、シールドバッテリー(Shield Battery)で補充できる。
  • 自身の周りに力場を張ることで常時クローク(迷彩)状態で行動できるユニットを持つ。
  • 自身に攻撃力がなく、内部で生産した小ユニットに攻撃をさせる変わったユニットを持つ。
  • 一部のユニットは2体の融合により新しいユニットを作り出すことができる。
  • 特殊能力によって、唯一敵のユニットを転向することができる。
  • プロリーグで成績はそれほど良くないが、大会優勝が多いと言う不思議なジンクスがある。
  • ドラグーンと言う人工知能に問題のあるユニットを抱えている(道に迷う、引っかかる等{スタークラフト2ではなくなっていた。})
  • プロトスがもっとも臨機応用が難しく、進化の方向を一度決めると、なかなか首が回し辛い(資源の問題もあり)
  • 特殊能力ユニットが多い分、奇抜な戦術や、ミクロ操作による大戦果などでプロトス使いがうまい人を「マジシャン」呼ぶ場合がある、

[編集] 対戦のプレイスタイル

マクロ操作系
大部隊を効率的に運営、移動、戦闘させる操作で、全面戦を好む欧米系の人間に秀でる人が多い。全て戦闘員を同時に動かすに修練が必要。
ミクロ操作系
小部隊やユニット単体、非戦闘ユニット(採取ユニット)の緊急避難等の操作等、細かい操作で被害を最小限に効果を最大限にする操作。かなりの修練が必要で、アジア系の人たちに秀でる人が多い。
マイクロ操作系
とにかく動き回る操作。大部隊、小部隊、特殊ユニットすべてを動かし、把握し、駆使する操作。ザーグのみに問われる操作
資源のアドバンテージ
開始直後
Z>T>P
序盤
P>Z>T
中盤
Z>T>P
後半
T=P=Z
兵力のアドバンテージ
開始直後
Z>T>P
序盤
Z>P=T
中盤
T=P>Z
後半
T>P>Z
進化速度のアドバンテージ
開始直後
Z=T=P
序盤
Z=T>P
中盤
P>Z>T
後半
P>Z>T
戦闘のアドバンテージ
開始直後
T>P>Z
序盤
Z=T>P
中盤
Z>T>P
後半
T>Z=P
相手の攻撃に対する柔軟性のアドバンテージ
開始直後
T=P=Z
序盤
T>Z>P
中盤
Z>P=T
後半
Z>P>T
Terran
他のRTSゲームと同じ進化手順である施設建設すると順に進化が進む
初期の人口制限が多種族が9に比べTerranは10である。
強力なメカニックの火力で兵力を蓄えることが出来る。
進化の速度が時間が経つに連れて遅くなる。
それゆえに後半になると変化が無くなる。
Zerg
縦に伸びてて、その付属して来る建設可能施設によって幅が広がる。木の根のような感じ。進化のために最小限の施設だけ用いる。
同時生産が可能なため、初期の資源が集めやすく、拠点建設費が多種族が400に比べ300と建設が容易。
全ての生産が拠点で行われるため、内政と軍事が衝突し、同時生産のアドバンテージが薄れる。
建設のたびに採取ユニットを消費するので、資源採取のアドバンテージも薄れる。
Protoss
最初の進化だけTerranと同じで,その後は兵器、地上、空軍と3通りの進化を選べる。併用も可能
後半になると強力なユニットが生産可能になる上に、その後半への進化が選べるので戦術の幅が多い。
建設に採取ユニットの労力が要らず、偵察にさける採取ユニットが早い時期に出せる。
進化の方向が多い分、見られたときの戦略の露呈が酷い。
数と火力が活躍する後半では直接戦闘では不利になる。

[編集] SlayerS_`BoxeR`信者の存在

SlayerS_`BoxeRは、韓国のスタークラフトプロリーグで有名なプレイヤーである。

[編集] テランの「皇帝」

かつて、高価な防御施設、莫大な研究費、コストに比べて貧弱な攻撃力のユニットという欠点を抱えたテランは、最弱の種族とされていた。ザーグは幼虫の再生速度が速く、初期攻撃ユニット施設が極めて安価であり、プロトスの機械ユニットは高度な人工知能を備えている。ネット対戦で90%のユーザーがザーグを使用し、プロリーグでテランの連敗が日常となっていた時代。テランのユーザーにとって希望の光となったのがSlayerS_`BoxeR`である。

彼は、華麗な操作と奇抜な戦術、ドロップシップ(輸送機)を使った奇襲、テラン固有の兵器である核の活用によって、最も安価なユニットのマーリンで、しかも少数で勝利し、対ザーグ戦勝率100%という記録を打ち立てた。滅びかけたテランの希望をこめて、ファンは彼を"皇帝"の二つ名で呼んだ。テランの戦術の基本すべての生み親は、彼である。

[編集] 後進の発掘とその後

彼は後輩育成にも力を入れた。ネット対戦で、大規模な力技を駆使し、自分に勝利したiloveoovを偶然見いだし、将来に挫折していたiloveoovをプロゲーマに育てるために、わざわざiloveoovの実家を尋ね土下座で頼み込んだすえ、彼をプロゲーマチームに入団させ、みっちり極めさせた。

そして、自分の時代が幕を下ろす時期が来たことを悟ると"世界を驚かせるテランが現れるだろう"と言い残し、徴兵によって軍に入隊。彼が育てたiloveoovは、高価なタンクを秘密裏に大量生産するという物量戦法で、今まで少数奇襲戦法しかなかったテランに新たな道を開いた。

彼は現在、空軍チームに在籍し、試合にも出場するものの、練習時間不足と相手方の綿密な分析もあって、それほど勝率は高くない。それでも、現在の"テラン最強時代"を築いた業績、彼が作り出した戦術、コントロール、パフォーマンス、カリスマ性のあふれるプレーは今も健在であり、いまだ崇敬の対象となっている。

[編集] 本座(ボンザ)の系譜

韓国では一番優れたプロゲーマーの事を本座(ボンザ)と呼んでいる。

  • 初代の本座 SlayerS_`BoxeR` 임요환(イム ヨハン) - terran
  • 2代の本座 [ReD]NaDa 이윤열(イ ユンヨル) - terran
  • 3代の本座 iloveoov 최연성(チェ ヨンソン) - terran
  • 4代の本座 sAviOr[gm] 마재윤(マ ジェユン) - zerg

略して イム - イ - チェ - マ と呼ぶこともある。


[編集] 外部リンク