シャーベット
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シャーベット(イギリス英語とアメリカ英語:sherbet)は、氷菓(ひょうか)(アメリカ合衆国)あるいははじけるキャンディー(イギリス、ニュージーランド、オーストラリア)のことである。オーストラリア英語とニュージーランド英語ではシャーバート(sherbert)と呼ばれることがあり、しばしば米国でもシャーバートと誤認されている。シャーベットは、古くは発泡性または氷で冷やしたフルーツがベースの飲み物であったが、英国、米国、オセアニアで異なるものを意味するように変化していくに連れ、その意味(及びスペルと発音)は、三つの英語圏の国の間で分離していった。
イギリスでは、米国のシャーベットに近い氷菓をフランス語からの借用語を用いsorbet(ソルベ)と呼ぶが、発音はむしろ英語風になるため「ソーベイ」に近い。
シャーベット及びソルベはどちらも、果物などから作ったシロップを水で薄め、氷で冷やした飲み物を意味するトルコ語の「シェルバット」(şerbat)またはアラビア語とウルドゥー語の「シャルバット」(شربت)に由来している。「シャルバット」の語源はアラビア語で「飲む」を意味する「シャリバ」(شرب、より正確には「彼は飲んだ」)である。
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[編集] 米国
シャーベットは甘くしたフルーツジュースまたはフルーツのピューレを凍らせて作る氷菓である。普通はシャーベットはソルベよりも材料が多く、普通、牛乳、卵白およびゼラチンのようなものを含んでいる。米国で言うシャーベットは乳脂肪分が1ないし2パーセント含んでいなければならない。また、アイスクリームよりも甘味料がわずかに多く含まれていなければならない。もしそうでなければ、乳脂肪分が多いか甘味料が少なければアイスクリーム、乳脂肪分と甘味料が少なければアイスミルク、もしくは牛乳がまったく含まれていないならばソルベとして販売されなければならない。米国のシャーベットは少なくとも1ガロン当たり6ポンド(720 g/L)の密度があり、フルーツなどの味がついている。
この氷菓は中国人によって開発され、それからアラブ商人に伝えられヨーロッパに広まったのだと考えられている。
普通はシャーベットもソルベも、レシピとしては入れ替えることができるが、シャーベットには牛乳が入っているため、凍るのも溶けるのも遅い。ソルベはフランスで完成された氷菓であり、米国で有名になったのは割と最近のことである。ソルベの持つイメージにはシャーベットに無い高級感があるため、高級レストランのメニューにソルベはあってもシャーベットはまず無い。
ソルベを作る過程で、ソルベが完全に凍る前に溶き卵と低脂肪乳を加えるとシャーベットができる。
シャーベットはしばしば、低脂肪性の代替物としてアイスクリームと並べて売られている。
[編集] 英国、オーストラリア及びカナダ
英国でのシャーベットは、はじけるパウダーの一種である。日本で駄菓子として売られている「粉ジュース」に近い。
重曹、酒石酸、砂糖などからできていて、通常はクリームソーダ味かフルーツ味がついており、ジュースや唾液の水分と反応して酸・塩基反応を起こす。市販品の炭酸飲料を買うよりも家で作ることが多かった頃は、粉末レモネードからレモネードを作るのと同じ方法でさまざまな飲み物に混ぜて炭酸飲料を作るのにシャーベットが使われた。
シャーベットをボール紙の筒に入れ、リコリス菓子でできたストローを添えたものはリコリスフォンテインという名前で売られている。シャーベットの粉をリコリス菓子のストローで吸うことを想定しているのだが実際にはうまく行かないため、シャーベットを口に流し込んでおいて、リコリス菓子は別に食べることが多い。
袋に密封された棒付きキャンディーにシャーベットの小袋がついてくるシャーベットディップもよく知られている。棒付きキャンディーを舐めたらそれをシャーベットの中へ漬け、シャーベットを舐め取るようになっている。棒付きキャンディーにシャーベットを乗せて口へ運んでもよい。小袋が3つか4つの部分に分かれていて、小袋のひとつにキャンディーでできた食べられる棒、残りの小袋にイチゴ味、オレンジ味、コーラ味など違う味のシャーベットが入っているシャーベットディップもあり、味の違うシャーベットが一度に楽しめる。
シャーベットを食べるときにくしゃみをすると、シャーベットが鼻に入って痛い思いをしたり、シャーベットの粉末が部屋中に撒き散らされるため、注意が必要である。
シャーベットは他の駄菓子と組み合わせられることもある。例をあげれば、飴の中の詰め物として使われたり(シャーベットレモンなど)、食べられる紙の容器に包まれたもの(フライングソーサーなど)がある。
英国、オーストラリア、カナダで通常手に入る氷菓は、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、およびソルベである。米国でシャーベットと呼ばれるものは、ソルベの一種と考えられている。
[編集] スラング
[編集] ビールまたはアルコール飲料
英国及びオーストラリアの一部ではシャーベットはアルコール飲料、特にビールを指すスラングとして使われてきた。シャーベットはフルーツジュースで作った冷やす東洋の飲み物の名前で、これのヨーロッパ版のものの名前でもある。ヨーロッパのものは、しばしばシャーベット粉末を混ぜて発泡性にした。
ビールを指すスラングとしての使用は、1890年代初期のスラング辞典に記されているが、今日でもスラングの一覧に載っている(特にオーストラリアのスラングの一覧として)
[編集] 麻薬
ショービズシャーベットと言えば、英国のスラングではコカインを指す。
[編集] タクシー
1990年代のロンドンでは、シャーベットまたはシャーベットダブ(sherbet dab)が、タクシー(cab)を指す押韻スラング(Cockney Rhyming Slang)として使われ始めた。(押韻スラングについては、「コックニー」の頁を参照。)