ゲノム (漫画)
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『ゲノム』は古賀亮一作の漫画作品。成人漫画雑誌「月刊カラフルBee」1997年1月号から2002年10月号に掲載された後、成人漫画雑誌「コミックメガストア」に場を変えて、連載中。掲載誌はいずれも成人漫画雑誌であるが、本作自体は性的要素のないギャグ漫画作品(お色気等はあるものの、あくまで少年・青年誌に準ずるレベル)である。
単行本は月刊カラフルBee連載版がビブロスより発売され全4巻(出版社倒産につき絶版)。コミックメガストア連載分は、コアマガジンより『新ゲノム』というタイトルで単行本が発売されている。(1巻~2巻)
ストーリーは、生物研究所の助手をつとめるエルフのエルエルが、毎回、昆虫にちなんだスーツ(中にはイカやウミウシといった昆虫以外のスーツや、疳の虫など架空のムシ、果ては「飛んで火にいる夏の虫」のスーツもある)を着ながら、昆虫の生態を説明するというものだが、毎回、エルエルが助手仲間のパクマンにセクハラまがいのことをされたり、同性愛者に迫られたりするといった災難に見舞われるのがお約束となっている。
古賀亮一の同作品ニニンがシノブ伝のドラマCD第1巻に主なメンバーがゲスト出演している。
- 同様に『新ゲノム』1巻には「忠犬ディディー」のディディーがゲスト出演している。
ドラマCDがチェンバースレコーズより発売された。
目次 |
[編集] 主な登場人物
声の出演は明記しない限りドラマCDのものによる。
- エルエル
- 声:シノブ・石毛佐和 ゲノム・福圓美里
- エルフの女子大生。卒業研究で人間世界の生物の生態について研究するため、生物研究所で助手をつとめているが、研究所ではろくな研究がおこなわれておらず、ていのよい家政婦として使われているのが現状である。子供の頃からのいじめられっ子で、今もその性格を微妙に引き継いでおり、毎回、昆虫にちなんだスーツを着させられたり、パクマンやバッタからセクハラを受けたりするなど災難にあうことが多い。また、なぜか妙に、同性にもて、ダクエルやなっちゃんからは度々迫られている。同性愛者のコバヤシにも目をつけられているが、本人は性的な関心はあまりないようだ。好きな動物はウサギで、布団の柄はウサギとニンジン、ベッドにはウサギのぬいぐるみが置かれている。正義の味方ウサギンジャーのファンで、フィギュアも飾っている。天性の勝負師としての素質を隠し持っている。1月1日生まれ。
- パクマン
- 声:シノブ・中田譲治 ゲノム・岩田光央
- 生物研究所の助手をつとめるカエル型ロボット(説明書があったり部品がスーパーで売っていたり家の近所がロボット研究所だったりするあたり、所長が作ったと言う訳ではないらしい)。しかし、助手としてはまるで役立たず、常人には理解できない言動を繰り広げたり、エルエルをはじめ女性陣にセクハラまがい(というかそのもの)の行為をする。「尻かと思った」と言って胸を触るなど、かなり悪質である。一応、自分が痴漢ロボだと言う自覚はあるらしい。反面、他人のエロには非常に厳しく、露骨に不快感を表し、攻撃を加える事さえある。通常レギュラー陣にはパクマンしか男がおらず、作者の趣味からかレズ傾向に走りやすい。その場合、パクマンは混ざろうとする。自分以外の男等の異物(主にバッタが多い)は許さず、場に1本のチンコが増える事さえ拒絶する。自分も女になろうと通常メスしかいないミジンコになり女になるかと思われたが、数秒で拒絶反応が起こり失敗に終わった。時々、義侠心を発揮して、自分以外の男からエルエルを助けることもある。なっちゃんの事は最初は気に入らなかったようだが、後には「地中海やるからチューしろ」とのたまう等、まんざらでもないらしい。しかしやはりチンコは嫌い。愛称は社長。蔑称はガラクタ。毎日日記をつけているが、フィクションが多分に含まれており、正確な過去を知る参考にはならない。記録によると1982年まで遡る事が可能であった。
- 人間と同じ食事を摂る事によりエネルギーを賄っているが、それとは別に年に一度燃料を補給する必要がある。酒やメタノールを飲んだり石鹸や粘土(これは消化せずに体外に直接排出した)を食べたりするなど、人間には食べられないものも食べる事が出来る。おそらく、分解できない・分解すると問題があるものは分解はせずにそのまま排出しているものと思われる(廃オイルの尿など、いらなくなった物を自動で代謝する機能はあるらしい)。但し石鹸水(もしくは洗剤)を飲んで重症になった事がある為(過剰な演技の可能性はある)、何でも食べられる訳ではないらしい。寒い日にこたつから出たくなくて、チンコだけ遠隔操作でトイレへ行かせた事もあった(但し、これは失敗に終わっている)。ちなみにチンコが無くても小便はする。水中には対応済みで、風呂に入ったりプールで泳いだりするが、海水には対応しておらず、海に入ると錆び付き、少々バグる。足がくさい。布団の柄はクロスボーン。1970年代に流行したカエル型の貯金箱が造型のモデルとなっている。何故か子供達に人気があり、かなりの支持を受けている。
- 頭と胴体は独立して駆動する事が出来(頭と胴体は磁力でくっついている為、簡単に取り外しが可能。だが食事が出来ると言う事から考えると穴の類が全く無いのは矛盾する)、頭頂部にはCD・DVDの再生機能と映像出力機能がある。しおりを口に挟むと機能が停止すると言うウソくさい機構も備える。尻には2連装エアガン、両目に光線投射機等の装備を備え、状況に応じて様々なオプションパーツ(ノミの足・シャクトリムシボディ・アトミックバーナー等)を換装する事が可能。前以った準備が可能ならば、拡張性・対応度はかなり高い。たまに武装として「ブサイクスレイヤー(ただのふとんたたき)」を使う事がある。ブサイクに対して大きな効果があると言う事だが、ハンサムだろうが痛いものは痛い。新2巻では三八式騎銃と思われる銃を構えて飛び出していった事がある(忠犬ディディーにおいてもAK-47のエアガンが登場した為、これもエアガンであると思われる)。関節やボディはいくらでも延長する事が出来、腕を伸ばしたりボディを増やしてムカデに変身してみたりする。関節等体の各所には副電子頭脳が組み込まれており、一定数以上集まると独自の意思を持って行動を始める。関節の電源が入った状態でいくつか連なるとヤスデとして活動を開始し、パクマンと同程度の容積が集まると関節ロボとしてパクマンと同程度の言動を放ち行動を開始する。
- ケロロ軍曹に似ている為時折存在が疑問視されるが、ゲノム連載開始はケロロ軍曹よりも先であり、何よりケロロ軍曹の設定には作者が関わっている(ケロロ単行本1巻には執筆スタッフとして当時吉崎観音のアシスタントだった古賀亮一の名がクレジットされており、ゲノム単行本1巻には吉崎観音の寄稿イラストが掲載されている)為、問題は無い。が、アニメ化の際にはこれが障害となるのではないかとの危惧の声も挙がっている。
- コバヤシ
- 声:シノブ・ゲノム共に三石琴乃
- 生物研究所の所長。漢字で書くと小林。女性。同性愛者。時々、漫画家の友達のところにアシスタントとして手伝いに行っている。研究所がどのように運営されているのかは不明。研究に夢中になり徹夜する事がしょっちゅうある。プロポーションはたいしたものであり、パクマンは演算の結果バスト94のGカップと判断を下した。いつもは眼鏡をかけているが、眼鏡を外すとかわいらしい顔をしている。11月11日生まれ。他のレギュラー女性陣と比べて歳が少々いっている(地下倉庫には1988年当時の研究資料が存在する、但し所長の研究成果かは不明)為、ババァ呼ばわりされる事が多々ある。短機関銃、暗殺拳、メガネ手裏剣、レンガパンチ・キック、サイコガン(出て来るのは大豆)などお仕置きの手段には事欠かない。
- なっちゃん
- 声:松来未祐
- 正体はナメクジの子孫(初期にはナメクジそのものであったが、環境設定の変更に伴い共に変更された)。女の子の姿をしているが、雌雄同体。チンコは普段は下着の上からでは全く分からないほど収縮しており、勃起時はそれはたくましく膨張する。暑さ寒さと乾燥と塩分(海水等の高浸透圧の液体を含む)に非常に弱く、水がないと生きていられない。エルエルのことが好きで、度々迫る。アパートに一人暮らしをしており、日ごろは、親戚のウミウシが経営する喫茶店のウェイトレスをしている。6月生まれ。
- ダクエル
- 声:渡辺明乃
- エルエルの幼なじみ。エルエルのことをいじめていると称して、実はエルエルをいじめている人をいじめている。エルエルに会いに生物研究所にやって来る。その後は、エルエルに会うためと、シャコ先生の空手道場に通う(かなりの実力を擁しており、場合によっては師であるシャコ先生も倒す程)ため、エルフの世界と人間界を頻繁に往復している。女の子だが、エルエルのことが好き。パクマンの事は、エルエルに対する数々のセクハラ行為により、敵として認識しているようだが、ごく稀に(エルエルに対して珍しく彼が義侠心を出した時など)その実力を認める事がある。また、パクマンのセクハラ攻撃で恥ずかしさのあまり泣きそうになった事もある。プールに入る事を非常に怖がっていたが、後に克服した。
- バッタ16世
- 声:伊藤健太郎
- バッタ王国の王子。エルエルに求愛していたが、イナゴと結婚させられる。エルエルをさらいに来るたびに、パクマンにやっつけられる。息子のオンブバッタとエルエルを結婚させようともしたが、息子はコバヤシに惚れてしまった。
- エルエルの母
- エルエルの母親。種族の違いなのか、若く見える。時々エルフ界からエルエルの様子を見にやってくるが、パクマンの勢いにも動じないほど飄々としている。職業は教師。最近、弟が出来た。
- パクマンの親父
- パクマンらの夢(主にパクマンの電脳内)の世界の住人で、実在はしない。テレビでおっぱいが出そうなとき事前にメールで知らせる情報サービス会社を経営している(自称)。パクマンの理想とする大人であるが、言ってる内容ややってる事はパクマンとそう大差ない。時々映像を通じてパクマンにアドバイスをする。
- コオロギ
- 自称ミュージシャンのコオロギ。実際は会社員で、メジャーデビューを目指している。さとみという美人の妹がいる(こおろぎさとみに掛かっている)。
- ララエル
- エルエルの母の弟、つまりエルエルの叔父にあたるが、最近産まれたばかりであるため当然エルエルよりも年下である。なぜかパクマンになついており、初めてしゃべった言葉は「パクマン!」だった。
[編集] 舞台設定
作者の住居が東京都小金井市であり、作品にも東京都推奨ごみ袋が出てきた事から舞台は東京都であると思われる。所長の住居が片田舎の一軒家と言う設定なので、23区内ではない可能性が高い。しかし、作品世界は昆虫から進化した人間が棲む世界と言う現実とは異なる設定のパラレルワールドである。
アニメ・ニニンがシノブ伝第7回後半においてはパクマンが「地球から14万8000光年、大マゼラン星雲・バーナード星系・第2太陽系第4惑星」において忍のホームランボールを拾っている事から、舞台は地球ではないのではないのかと言う説もあるが、ドラマCDの主題歌の名称が『ゆけゆけ!チキューたんきゅーたい!』である為、やはり舞台は地球であろうという説が圧倒的である。が、作者は別にそこまで考えていないと言うのが実情のようだ。
[編集] 刊行物
- ゲノム
- カラフルコミックスキッズ ビブロス
- 1998年10月25日 ISBN 4-88271-857-X
- 2000年4月25日 ISBN 4-8352-1040-9
- 2001年4月25日 ISBN 4-8352-1207-X
- 2003年7月5日 ISBN 4-8352-1460-9
- 新ゲノム
- メガストアコミックス コアマガジン社
- 2005年8月2日 ISBN 4-87734-870-0
- 2007年5月3日 ISBN 978-4-86252-160-6
- ドラマCD ゲノム
- チェンバースレコーズ SDCR-0004 2006年6月23日 JAN 4560263570116