光年
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光年 | |
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記号 | ly |
系 | 非SI単位 |
量 | 長さ |
定義 | 光が自由空間を1年間に通過する長さ |
SI | 約9.46×1012 km |
光年(こうねん、light-year)は、主として天文学で用いられる距離(長さ)の単位である。「年」とついているが時間の単位ではない。1981年まではSI併用単位であった。
1光年は光(電磁波)が1年間に進む距離と定義され、その長さは約9.46×1012キロメートル(9.46ペタメートル)に相当する。より正確には、光子が自由空間かつ重力場および磁場の影響を受けない空間を1ユリウス年(365.2500日 = 31 557 600秒)の間に通過する長さである。真空中の光速度が 299 792 458 m/s であるので、1光年は 9 460 730 472 580 800 m となる。
光年は、銀河や恒星などの天体までの距離を表するのによく用いられる。キロメートル単位で表すと文字通り「天文学的数字」になるからである。
現在天文学では、恒星までの距離を示すときにはパーセクが用いられる。パーセクは、1天文単位動いたときの視差が1秒となる距離のことで、1パーセクは約3.26光年となる。パーセクは観測データから簡単に求めることができ、相互参照できることからよく用いられている。しかし、科学者以外の一般大衆の間では、直感的に理解しやすい「光年」の方が広く使われている。
1光年は約63 241天文単位に等しい。光年で示されることの多い距離のものについては記事「1 E15 m」を参照のこと。
光年に関連して、光が1時間、1分間、1秒間に進む距離として光時、光分、光秒という単位も定義できる。1光時は 1 079 252 848 800 m、1光分は 17 987 547 480 m、1光秒は 299 792 458 m となる。
なお、地球からの距離が1光年の星を見る場合、見ている光はその星から1年前に発せられたものであるため、1年前のその星を見ていることになる。もし、たった今、その星が何らかの原因で消滅したとしても、地球からはその星の1年前の光しか見ることができないため、今後1年間は星がまだそこに存在しているように見えるのである。
[編集] 事例
- 光が太陽から地球まで進むには、8.3分かかる。つまり、太陽から地球までの距離(1天文単位)は8.3光分である。
- 現在地球から最も遠くにある宇宙探査機であるボイジャー1号は、2007年11月現在、地球から14.5光時の距離にある。
- 太陽系から最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリは、太陽から4.22光年の距離にある。
- 海や平均気温など、生命が存在しうる環境がある可能性を持つグリーゼ581cは、地球から20光年の距離にある。
- 銀河系の直径は約10万光年である。
[編集] 関連項目
メートル (SI単位) |
天文単位 | 光年 | パーセク | |
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1 m | = 1 | ~= 6.68459×10-12 | ~= 1.05700×10-16 | ~= 3.24078×10-17 |
1 AU | ~= 1.49598×1011 | = 1 | ~= 1.58125×10-5 | ~= 4.84814×10-6 |
1 ly | ~= 9.46073×1015 | ~= 6.32411×104 | = 1 | ~= 3.06601×10-1 |
1 pc | ~= 3.08568×1016 | ~= 2.06265×105 | ~= 3.26156×100 | = 1 |