クリス・レイサム (野球)
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クリス・レイサム(Christopher Joseph "Chris" Latham , 1973年5月26日 - ) は、アメリカ合衆国アイダホ州出身の野球選手。メジャーリーグ、セントラル・リーグなどでプレー経験がある。ポジションは外野手。身長183cm、体重93kg。右投両打。読売ジャイアンツでの背番号は31
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[編集] 経歴
[編集] アメリカ
ネバダ州ヘンダーソンのベーシック高校で野球選手として活躍し、1991年に11巡目全体300番目でロサンゼルス・ドジャースからドラフト指名。マイナーリーグノースウェストリーグのヤキーマ・ベアーズで才能を開花させ、打率.340の球団記録をマーク。同リーグのオールスターにも選ばれ、クラブの有望株として注目を浴びる存在となった。
メジャーリーグ選手会が1994年末にストライキを行った際に、オーナー側から代替選手として選ばれ、オープン戦に参戦。形式的にはスト破りとなり、現在でも選手会加盟を認められていない選手のうちの一人である。
1995年10月30日には、ドジャースがケビン・タパニとマーク・グスリーの両投手を獲得した際の「後日指名選手」に指名され、ロン・クーマー、グレッグ・ハンセル、ホセ・パーラと共にミネソタ・ツインズに移籍。レイサムのメジャーデビュー戦は1997年4月12日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦であり、トッド・ウォーカーの代走として出場。その後3シーズンをツインズで過ごすが、メジャーに定着できず、1999年12月7日にコロラド・ロッキーズへトレードに出される。
レイサムは2000年シーズンのほとんどをAAA級で過ごし、マイナーリーグフリーエージェントとしてトロント・ブルージェイズと契約。2001年は彼のメジャー生活において最良のシーズンとなり、73打席で打率.274を記録したものの、2002年には1シーズンをAAA級で過ごし、2003年ニューヨーク・ヤンキースに移籍した。
松井秀喜が移籍したことで、当時外野手層に不安のあった読売ジャイアンツが、松井の移籍先であり業務提携を結んだヤンキースに対し外野手の獲得を要望すると、ヤンキースはレイサムを自由契約とする。2003年4月29日に巨人と1年契約を結び5月11日に来日。
[編集] 日本
5月13日に1軍初出場、5月15日に先発初出場、初安打。6月17日来日初ホームラン初打点。8月10日1試合2ホームラン。8月14日、8月20日にはそれぞれ決勝ホームランを記録。9月3日サヨナラ逆転2ラン。最終的にこの年29安打、17打点、7本塁打、打率.221。
2003年オフには解雇もあると見られていたが新監督となった堀内恒夫の方針もあり残留。しかし2004年は1軍昇格は一度も無く、そのまま退団となった。
[編集] アウトカウント勘違い事件
レイサムの外野守備技術自体はむしろ信頼できる部類に入り、また、上記のように打力の方でも意外に貢献したのだが、5月21日福岡ドームで行われたヤクルトスワローズ戦で『アウトカウント勘違い事件』を起こしてしまった。
2003年5月21日、福岡ドームで行われたヤクルト戦。1-0で巨人がリードしていた6回表1死走者一・二塁でヤクルトの攻撃中、レイサムは鈴木健のレフトフライを取った後にアウトカウントを間違えて3アウトだと勘違いしボールをスタンドに投げ入れた。このプレーにより二塁走者には2個の安全進塁権が与えられ(野球規則7.05g(1))、ヤクルトは同点に追いつき先発投手の高橋尚は完封を逃した。日本のプロ野球では谷佳知が同様にアウトカウントを間違えてスタンドに投げ入れたことがあったが今回のように走者がいる場面で間違いをおかし、それにより得点が入ったのは初めてだった。[要出典]
試合は直後に高橋由伸のホームランにより勝ち越し2-1で巨人が勝利したが、この前代未聞のプレーだけが記憶に残されたことでこの年の巨人の失速に拍車をかけてしまうプレーとなってしまった。
なお、高橋尚成がそれまで得意としていた同球場をこの事件以降苦手とするようになったと言われるが、実際のそれ以降の成績は2005年4月26日のヤクルト戦で先発として7回5失点で勝敗関係なし、2006年8月30日の広島東洋カープ戦で抑えとして登板して1回無失点でセーブと先発・リリーフ各1回しか登板していない。さらに付け加えるなら巨人が福岡ドームで試合を行うのは年間数試合だけで、主に先発投手を務める高橋の出番はそのうち1試合程度である。
[編集] その他・その後
- 2004年のキャンプ・オープン戦の間だけではあったがタフィ・ローズが可愛がっていた。
- 2004年オープン戦、野球解説者に転じた原辰徳前監督(当時)が、「まあ・・・この選手も最初は『メジャーを変える選手』なんて呼ばれていたんですよ」などと解説席から凡退したレイサムにエールを送ってはいたが、その間苦笑いも止められなかった。
- 2005年は独立リーグに所属し、ワールドカップのアメリカ代表に選ばれた。
[編集] 年度別成績
- 日本
年度 | チーム | 背番号 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 |
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2003 | 巨人 | 31 | 60 | 131 | 21 | 29 | 6 | 1 | 7 | 17 | 4 | .221 |