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『ギャンブルフィッシュ』は、青山広美原作・山根和俊漫画によるギャンブル漫画。週刊少年チャンピオンで連載中。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
名門校・獅子堂学園に白鷺杜夢が転校してきた。彼はギャンブラーであり、この名門校で100億円を手に入れるという。彼の挑戦を受け、誇りと金を賭けた勝負が展開する。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 白鷺 杜夢(しらさぎ とむ)
- 主人公。メガネをかけているハーフっぽい少年。中学2年生。10月生まれ。
- 神戸から獅子堂学園へ転入してきた、謎の多いギャンブラー。心理的テクニックに秀でており、一見爽やかそうな表情で物事をはぐらかすことが得意。勝負のためには、自らの指を賭けることさえ厭わない強固な意志の持ち主。ただし、自分以外の者の命を懸ける事はしないポリシーを持つ。
- 戦国時代に武将の交渉役などを任されていた白鷺家の末裔。白鷺家は勢力が弱まりつつあった江戸時代に敵対勢力によって謀反の疑いをかけられ、主要人物は切腹となり、残った家族は身分を隠して細々と生活していた。その復興と自らのプライドでギャンブルに挑むも力及ばず阿鼻谷に破れて幽閉された父・夢一郎の救出を目指している。
- 水原 和輝(みずはら かずき)
- 2-Aクラス委員長、杜夢の同級生かつルームメイト。メガネをかけている小柄(第1話では杜夢とはそれほど差が無かったのだが)な少年。真面目で優しく、最初から杜夢に協力的だが、団体戦のメンバーに加わろうとはしない保身的な性格。しかし、宵鮫ヨシヲとの対決では恥を忍んだ土下座、開き直って勝負に出る集中力と気合い、杜夢のヒントに気付く頭の回転など、保身的故に逆境では勝つ為に全てを費やす勝負の鬼となる。
- 「将来は官僚となった後、天下りして豪邸でメイドを雇って優雅に暮らす事」を夢見ている。
- マッシュルームカットだからなのか、杜夢以外のあらゆる登場人物から「キノコ」と呼ばれる。
- 第40話目にして、初めて本名が明らかになった。その際、周囲の生徒たちは誰一人として水原のフルネームを知らなかったようである(流石にルームメイトである杜夢は知っていたはずだが、作中の描写的には微妙な所である)。
- 獅子堂 美華 (ししどう みか)
- 学長の孫娘であり、才色兼備でスポーツ万能と全てに恵まれた"獅子堂学園のヒロイン"。中学3年生だが、中学生離れした外見・雰囲気をもち親衛隊が存在する程の人気を誇る。また高飛車ではあるが、後述の親友里緒が絡まれていた時には助けに入ったりと友達思いの一面を持つ。
- 自分をバカにし、賭けのトリックに利用した杜夢に対し激しい敵対心を持っていたが徐々に杜夢に惹かれていく。全国優勝に輝いたテニス部の部長。彼女だけピンク色の制服を着用している。
- ビクトリーフラッグ編では、杜夢にアプローチを行ったエミリーに対し勝負を挑んだり、ビクトリー・フラッグ戦では杜夢の話術にハマり杜夢のチームに加入した。
- 樹村 菜摘(きむら なつみ)
- 杜夢に憧れる女生徒。月夜野由佳のルームメイト。ツインテールヘアが特徴。獅子堂学園のマスコットアイドル。
- イケメン好きだが我が強く、阿鼻谷ゼミの闘いで外された時は杜夢を責める事もあったが、由佳や杜夢らの為に勝ち目のない闘いに身を投じるなど強い一面も持つ。しかし、元々素人であるが故にまともに勝ったり活躍した事はあまりない。
- 阿鼻谷(あびだに)
- 獅子堂学園の寮監だが、危険な性格のサディスト。人間離れした面相をしているスキンヘッドの男。
- 杜夢を追い出すため、刺客として月夜野由佳を差し向けた。
- また、「阿鼻谷ゼミ」と呼ばれる生徒の集団を統率しており、アメリカの軍需産業の財閥とも血盟を結んでいる。
- 杜夢を夢一郎と対面させるが、救出を条件に命がけのギャンブルを課し、五木島の命を巻き添えにすることを躊躇いギャンブルを降りた杜夢は直接対面を果たすことは出来なかった。
- 名前の由来は阿鼻叫喚と思われる。
- 白鷺 夢一郎(しらさぎ ゆめいちろう)
- 主人公・杜夢の父。OB懇親会で阿鼻谷に勝負を挑むが敗退。ダイス三番勝負の事前取り決めの通り檻に入れられたまま杜夢と再会するが、阿鼻谷によって再び幽閉の身に戻される。
[編集] 序章
- 青戸(あおと)
- 獅子堂学園の風紀委員長。中学3年生。完璧主義者。
- 杜夢と「真実と嘘」のゲームで対決、完璧を期した作戦で臨んだが、それを逆手にとられて敗北する。そのために寮の反省室に送られ、更に阿鼻谷ゼミで監禁される。
- 貝塚(かいづか)
- 獅子堂学園の寮長。卓球の全国大会優勝の経験を持ち、その動体視力は百万人に一人とも言われるほど。青戸の親友。
- 杜夢と「トゥーアップ」のゲームで対決、動体視力でコインの裏表を当てていくも、杜夢の心理戦に屈して敗北する。そのために青戸ともども寮の反省室に送られ、更に阿鼻谷ゼミで監禁される。
[編集] ブラックジャック編
- 月夜野 由佳(つきよの ゆか)
- 天才的な技術を持つマジシャン。マジックを心から愛しており、マジックを侮辱する者を何よりも憎む。
- ブラックジャックで杜夢と対決するが、勝負に敗れた後、杜夢に惚れてしまい、以降は彼に協力する側となる。
- 阿鼻谷ゼミとの戦いではチーム白鷺の一員として杜夢と共に戦うこととなるものの、蛭子奈々に牛用下剤を入れたコーヒーを飲まされ、強制的にリタイヤさせられてしまう。第3戦目の花咲真世戦で何とか復帰を果たし、真世のイカサマを暴こうと奮闘するが、魔女ダイスのトリックを見破ることは出来なかった。
- 髪型はショートカット。ハート柄の衣服・小物を好む傾向がある。料理が得意。
[編集] ビリヤード編
- 朝比奈 里緒(あさひな りお)
- 獅子堂美華の親友。撞球部主将で、日本女子オープン連覇・世界Jrチャンピオンの実力者。スポーツ特待生のエリート。ビリヤードで杜夢と対決する。
- ウェーブのかかったポニーテールで、ナインボール型の髪留めを着用。父親より託されたエイトボールをお守りに持つ。
- 白鷺夢一郎により、実家(老舗旅館)と父親を失っているため、彼の行方を追っている。
- 五木島 薫(ごきじま かおる)
- 「ゴキブリの五木島」と呼ばれるハスラー(賭けを行うビリヤードプレイヤー)。「ゴキブリスペシャル」というテクニックの他、特製キューやシールなどの仕込みも使用する。
- 杜夢との勝負に負け、協力者となる(ただし、法外な報酬が目当て)。金銭に執着しているため、敗色濃厚となった時杜夢を見限り、逃走したが杜夢が優勢になり戻るも、杜夢達にはめられて無一文になる。
- 後に阿鼻谷と麻雀勝負をするが敗北してしまい、杜夢と夢一郎の対面の際に人質として連れて行かれる。ビクトリー・フラッグでは賞金目当てで杜夢のチームに参加している。
- 孫太郎と名付けたカミツキガメをペットにしており、阿鼻谷の人質にされた際、「孫がいる」(間違ってはいないが)と杜夢への説得に使った事がある。
- 樹村 達彦(きむら たつひこ)
- 菜摘の伯父で、世界大会での優勝経験を持つプロのビリヤードプレイヤー。金銭が関わっていると聞き杜夢への協力を断る。プライドが高く真面目な人柄。
- しかし、菜摘の頼みならば賭け試合に目をつぶる一面もある。
[編集] 学園祭編
- 蛭子 奈々(ひるこ なな)
- キャッチコピー“淫楽の毒婦”(※中1)。阿鼻谷ゼミ所属。獅子堂学園に入学した理由が「売春に箔がつくから」と言う筋金入りの娼婦。その営業でヤクザや政治家に手を出してしまった為、阿鼻谷ゼミに送られた。
- "ロリータ=コンピューター"と言われるだけあり、神域の計算能力と変装を得意とする。また、フェロモン体質でそれを応用した身体技も持っているが、ビクトリー・フラッグでは惜しくも勝てず拘束された。
- 杜夢たちに敗北した為に退学となってゼミを追い出されたが、自由になれたので本人はせいせいしている。真世とはゼミ唯一の友人らしく、彼女の頼みでエミリーとの対戦時には杜夢に協力する。
- また奈々の特殊能力としてフェロモンを放出する事が出来る為。男を操ったり動きをにぶらす事も可能。
- 宵鮫 ヨシヲ(よいざめ よしを)
- 阿鼻谷ゼミ所属。
- 地獄の優等生(ヘルズエリート)と呼ばれており、アメリカのストリートギャング界でも一目を置かれるほどだった。そのため、学園祭で初めて姿を現した時には悪魔の申し子的な外観と相まって一般の生徒達からブーイングを受けた。阿鼻谷から悪の帝王学を学ぶ為に獅子堂学園に入学し、自らゼミに入った経歴を持つ。
- 阿鼻谷を非常に尊敬しているので、阿鼻谷を批判した水原を嫌っている。しかし、杜夢達に敗北した為にゼミを追い出され、エミリーとの対戦では杜夢に協力する事になる(ただし、この勝負が終わった後に再び阿鼻谷に自分を認めてもらおうと考えている)。
- 基本的に他人をどうとも思わない性格だが、ビクトリー・フラッグ編におき女性に優しい一面がある事を奈々からいわれる。
- 花咲 真世(はなさき まよ)
- 阿鼻谷ゼミ所属。17歳。銀色の髪と色素の薄い蒼白い肌を持つ妖艶な美少女。
- 獅子堂学園の園芸部に所属していたが、彼女の育てていた植物が猛毒をもつ種ばかりであった為、危険人物とみなされ阿鼻谷ゼミでも拘束されていた。
- 幼少時、両親が離婚し父親に引き取られたがその父から虐待を受ける。このため母親の元に向かうが、母親は再婚相手との仲がこじれるのを恐れ真世を拒絶。真世が小学6年生になった時に父親は心臓麻痺で死亡したが、母親に拒絶された事は未だ真世のトラウマとなっている。
- 毒草の持つ成分や効能に興味を持ち自らの身体を実験台にして研究を重ねた結果、自己催眠と調合した毒草を服用することにより、体温を体のどの部位でも短時間であれば50度近くまで上昇させることができる能力を身につけている。ただしその実験の反動で身体はボロボロで死を決意していたが、杜夢との勝負後に入院した。
[編集] ビクトリー・フラッグ編
- エミリー・ドーン
- アメリカ人で米国の軍事特許を握り政財界への影響も強いドーン財閥のお嬢様。
- 阿鼻谷の姪で杜夢に惚れていたが、阿鼻谷の策略で杜夢との誤解から対決を挑む。一見、明るく軽い性格に見えるが、杜夢の器量を図る為に銃を向けたり、明らかに不利な状況にも拘らず美華のテニス対決を受けて立つなど、かなりの自信を持ち合わせているが精神的に極端なまでに起伏が激しい。
[編集] 備考
- ここ数年で開始となったチャンピオンの連載作品としては珍しく、表紙や巻頭カラーの比率が高い。
- 単行本では作中でのゲーム内容などに関する説明や補足が、原作者による後書きで掲載されている。しかし、たまに作中で行われたトリックなどに不明瞭な点も存在する。