キングジョー
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キングジョーは、特撮テレビ番組『ウルトラセブン』に登場した架空の巨大ロボット。その後のウルトラシリーズにも度々登場している。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 『ウルトラセブン』に登場するキングジョー
『ウルトラセブン』第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」、第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」に登場。
- 別名:宇宙ロボット
- 身長:55メートル
- 体重:4万8000トン
ペダン星人が作ったスーパーロボット。10万トン級以上の船を簡単に持ち上げる強靭な腕力を誇り、額から破壊光線を出す。ウルトラセブンのあらゆる攻撃にもびくともしない頑強な金属を使用し、さらにバリアー能力もある。体は4つに分離することができ、各パーツが飛行・潜水可能で空中や海底を移動する。動きが鈍く、体を倒されると自力で起き上がることが出来ない。
「グワァシ…… グワァシ……」と聞こえる作動音を立て、その周囲には「ワン・トゥ・スリー・フォー」という数を数えるような電子音を響き渡らせる。
ペダン星人の指令により、国際会議に向っていた科学者を乗せていた原子力潜水艦アーサー号を分離状態で破壊し、その後六甲山の防衛センターに出現した。防衛センターの砲撃にも全くダメージを負わず、駆けつけたウルトラセブンと交戦、アイスラッガーやエメリウム光線を浴びるがほとんどダメージはなく、一時はセブンを失神状態に追い込むが、体を倒されたため、再び分離して逃げ去った。ペダン星人が人質の科学者ドロシー・アンダーソンを(記憶操作処理の後で)解放した直後、神戸港に出現して船舶や港の建物を破壊し、セブンと再び交戦した。セブンやウルトラ警備隊を相手に暴れ回るが、その間に記憶が奇跡的に戻ったドロシーの協力によって開発された「ライトンR30爆弾」を受け大破して神戸港の海底に沈んだ。ウルトラ史上最強のロボット怪獣といわれている。
- スーツアクター:中村晴吉
- 初期の構想では、無数の部品が飛来して訳の分からないうちに合体して巨大ロボットになるという物だったが、当時の特撮技術では表現が困難だったためにこうした形態となった。名前の由来については脚本の金城(きんじょう)哲夫の名を採ったというものと、金城の父のあだ名から採ったというものの二つの説がある。いずれにしろ、「金城」の姓から採られた名前であることはほぼ間違いない。パチンコ機種の「CRぱちんこウルトラセブン」においても人気キャラクターであるが、その方面でもインターネット掲示板等での愛称はやはり「金城」である。『ウルトラファイト』での表記は「キングジョオ」であった。
- この話が放送された時点では「キングジョー」の名称は存在せず、本編では「ペダン星人のロボット」と呼ばれていた。ソフトビニール人形発売に際し、名前が無いのはまずいということで、「キングジョー」と命名された。
- アニメでは1974年から放送開始されたゲッターロボから始まる一連の「合体ロボ」のさきがけとも言える。
- キングジョーに襲われる六甲防衛センターの全景は国立京都国際会館が、近景ロケは芦屋市役所が使われている。
[編集] 『アンドロメロス』に登場するキングジョー
特撮テレビ番組『アンドロメロス』に登場。
キングジョーを模した「怪獣戦艦キングジョーグ」が登場した。
グラビアや漫画版ではナックル星人に操られた強化改造キングジョーも登場、アンドロ戦士達と対決した。
[編集] 『ウルトラセブン1999最終章6部作』に登場したキングジョー
ビデオ作品『ウルトラセブン1999最終章6部作』第5話「模造された男」に登場。キングジョーIIと称される。
- 別名:宇宙ロボット
- 身長:50メートル
- 体重:4万9千トン
かつてペダン星人に操られ、30年以上前に倒されたキングジョーを新甲南重工が神戸港の海底から引き上げ、ペダン星のテクノロジーを解析して復元・改修したもの。対侵略者用に量産する計画があった。平和目的のスーパーロボットとして利用するために復活したがラハカムストーンの影響で暴走し、結局再びウルトラセブンと戦った。以前と同様に、ウルトラセブンのあらゆる必殺技をはじき返し、セブンをピンチに追い込んだが、かつてガッツ星人を破ったウルトラノック戦法の応用で、アイスラッガーで30年前にライトンR30爆弾で傷を負った箇所を何度も集中的に攻撃されて破壊された(アイスラッガーはその衝撃のために先端が少し欠けてしまった)。以前と同様、4つのパーツに分離することも可能で、改造により分離・合体のスピードが以前とは比べ物にならないくらい早く、セブンを幻惑、それでセブンの放ったワイドショットを回避するという荒技も披露してみせた。なお、武器も目の部分から放つ破壊光線で、威力はかつてと同程度である。作動音は以前と少し違い「バトル、バトル」と聞こえる。
[編集] 『ウルトラマンマックス』に登場するキングジョー
特撮テレビ番組『ウルトラマンマックス』第14話「恋するキングジョー」に登場。
- 別名:侵略ロボット
- 身長:2~56メートル
- 体重:75キログラム~5万トン
今回はゼットン星人に操られた。4つに分離するのは変わらないが、頭部、胸部、右足、左足に分離する。原子レベルまでの分解・再構築が可能な金属「ゼットンニウム」で造られているため、縮小も可能。ゼットンの地球侵入を支援するため DASH の監視衛星を分離状態で破壊し地球に侵入、町工場で開発されたラジコン操縦ロボットを装っていたが、名前・構造から DASHに目をつけられたため、巨大化した。そして分離状態のままの4機編隊で超高速飛行、コバたちのダッシュバード2・ダッシュマザーと空戦を展開してこれを一蹴。さらにウルトラマンマックスとの戦闘中にも分離合体を巧みに使ってかく乱、ゼットン星人に操られた女性・夏海が操縦していたこともあり、マックスを苦戦させた。しかし正気を取り戻した夏海が脱出すると、搭乗型の悲しさか動きが鈍くなり形勢は逆転、マクシウムカノンで破壊された。
- 分離形態のデザインは板野一郎。
[編集] 『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦』に登場するキングジョー
てれびくんとテレビマガジンでの雑誌展開作品『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦』に登場。
- てれびくん版
- 宇宙を調査していたウルトラセブンとウルトラマンヒカリの前に大群で現れて襲い掛かる。二人を苦戦させるが、最後はワイドショットとナイトシュートの同時発射攻撃で全滅した。内山まもるの漫画『戦え!ウルトラ兄弟』の単行本書き下ろしには、キングジョーブラックも登場。ウルトラマンヒカリとウルトラセブンのステップショット戦法を受けて一撃で粉砕された。
- テレビマガジン版
- まずヤプールによって手足にレーザー砲を付けられたスーパーキングジョーとなって出現。ウルトラマンとセブンを攻撃するが、二人の救援に駆けつけたウルトラマンメビウスの光線でレーザー砲を破壊されて一旦退却する。その後、強化改造されたキングジョーブラック(容姿は『大怪獣バトル』のキングジョーブラックと同じだが、巨大なレーザー砲を抱えている)となって再び現れるが、最後はバーニングブレイブとなったのメビウスのメビュームバーストを受けて大爆発した。また、氷の惑星ではエンディール星人によって7体のキングジョーブラックが送り込まれ、ゾフィー、ジャック、A、タロウを苦戦させていたが、そこにウルトラマン、セブン、メビウスが合流し、7人揃ったウルトラ兄弟達の必殺技で全滅させられた。
- 記事中ではスーパーキングジョー、キングジョーブラック共にCGで表現されていた。
- ウルフェス2007ライブステージ版
- キングジョーブラックが登場。エンペラ星人復活の為にウルトラ兄弟を倒そうとするジオルゴンとエンディール星人に操られる。セブンとタロウの合体光線にも耐えるなど、かなりの強さ、防御力を誇る。最後はエネルギーが完全に充電されていない隙を突かれてアイスラッガーで敗北し、二大幹部の命令による自爆でアークボガールを復活させた。
[編集] 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』に登場するキングジョーブラック
特撮テレビ番組『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第9話「ベンドラゴン浮上せず!」、第10話「予期せぬ再会」、第12話「レイブラッド」、第13話「惑星脱出」に登場。
- 別名:宇宙ロボット
- 身長:55メートル
- 体重:5万トン
かつてペダン星人が地球に送り込んだキングジョーの強化タイプ。黒く塗られたステルス仕様のボディとなっており、右腕には「ペダニウムランチャー」という銃が装着されている。主に弾丸を乱射する攻撃を必殺技とし、周囲にいる生物を殲滅するまで攻撃をやめない。第9話から分離形態で登場しており、第10話でついに合体した姿で登場。レイの主力怪獣3体(ゴモラ、リトラ(S)、エレキング)をまとめて圧倒するなど、驚異的な強さを見せつけた。
その後惑星ボリスに接近するZAP SPACYの救援艦隊を殲滅し、レイとケイトの戦いに乱入してゼットンと交戦、互角の勝負を繰り広げていたところにEXゴモラの乱入を受け、尻尾による串刺し攻撃を受けて敗れる。それでも機能停止には陥っておらず、惑星ボリスから脱出しようとするペンドラゴンを襲撃したが、復活したウルトラマンの八つ裂き光輪で腕を切断されてウルトラマンと共に人工太陽の大爆発の中に消えた。
- 着ぐるみは、『ウルトラマンマックス』で使用されたキングジョーの着ぐるみを改造した物と思われる。
[編集] その他
- 映画『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』に登場(『セブン』15話の映像の流用)。セブンの必殺技・ウルトラバックブリーカーで倒される。
- SFC用ゲーム『ウルトラセブン』で STAGE4 の敵として登場。全身にバリアーを張り巡らし、セブンの攻撃を悉く防ぐ。
- PS用ゲーム『スーパーヒーロー作戦』に登場。敵組織・ETFによって操られる。ペガッサシティーを攻撃してその機能を破壊し、地球との衝突コースに乗せる。主人公は地球に出現したキングジョーと戦うが、強靭な装甲の前に攻撃が通用せず、苦戦する。また、プレイヤー戦闘に入る前のイベント戦闘で、新機動戦記ガンダムWのガンダムデスサイズと戦っている。
- 『ウルトラマンタロウ』放送中に発売された学年誌の中で、27 - 30話に登場した復活怪獣達は「怪獣軍団」が過去の怪獣の中から強力なものを選んで送り込んだという設定が紹介されている。始めはキングジョーも候補に挙がったのだが、ペダン星人に問い合わせたところ、一体製作するのに3年掛かると言われたので取止めになったそうである。尚、再生エレキングの敗北を見た怪獣軍団の幹部達は「キングジョーを選べば良かった」とコメントしている。
- バンダイのデータカードダスのゲーム『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』には、キングジョーを改造・強化したキングジョーブラックが登場する。『メビウス外伝』や『ウルフェス2007ライブステージ第一部』にも出演していた。後に『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』にも登場。
[編集] 関連項目
- ウルトラ怪獣一覧
- ウルトラセブンの登場怪獣
- ウルトラマンマックスの登場怪獣
- クローズ・WORST(両作品に登場する登場人物のあだ名が「キングジョー」(本名:金山 丈))