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ゲッターロボ - Wikipedia

ゲッターロボ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ゲッターロボ』は、永井豪石川賢原作のマンガ、及び、アニメーションである。1974年(昭和49年)4月4日から1975年(昭和50年)5月8日までフジテレビ系で毎週木曜日19:00 - 19:30に全51話が放送された、東映動画(現・東映アニメーション)製作のロボットアニメ

目次

[編集] 概要

巨大ロボット作品中、「合体・変形ロボット」作品の元祖と位置づけられるもの。3人の操縦者によって、「ゲットマシン」と呼ばれる3機の飛行機様の乗り物が合体し、「空中用」、「地上・地中用」、「海中用」の3種のロボットに変化するコンセプトは、その後の続編等にも引き継がれている。

マジンガーZ』という「ロボット」ヒーロー、『仮面ライダー』という「変身」ヒーローを大成功させた東映のプロデューサーが、「ロボット」+「変身」という新たなコンセプトのヒーローを生み出そうと永井豪率いるダイナミックプロに企画を依頼したのが誕生の発端とされる。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


[編集] ストーリー

[編集] アニメ版

早乙女研究所で開発されていた宇宙開発用のロボット、ゲッターロボ。しかし、太古の昔、人類よりはるか以前に地上を支配していたハチュウ人類が長き眠りより目覚めて地上奪回を目指して侵攻を始めた。ゲッターロボのエネルギー源として研究されてきた、人類にとっては未知の宇宙線、ゲッター線は実はハチュウ人類を地底へと追いやった元凶だったのである。ゲッター線開発を阻止すべく恐竜帝国帝王ゴールは早乙女研究所を襲った。テストパイロットと共に実験機を失いピンチに陥る早乙女研究所だったが、浅間学園に通う正義感溢れる3人の高校生、流竜馬神隼人巴武蔵の協力によって戦闘用に改装されたゲッターロボが恐竜帝国の魔の手に立ち向かうのであった。

[編集] 漫画版

太古の昔、地上に降り注いだゲッター線。その未知なるエネルギーは現在早乙女研究所において新エネルギー源として研究されていた。しかしゲッター線はそれを苦手とする恐竜帝国に狙われていた。ゲッター線を守るには恐竜帝国と戦うしかない。早乙女博士はハチュウ人類の弱点であるゲッター線をエネルギーとするスーパーロボットを開発した。が、あまりの高出力に機体を操縦できる者がいない。早乙女博士は空手の全国大会に殴り込んだ空手家の流竜馬、革命を目指して学校の一部を支配していた学生運動家、神隼人をスカウトし、来たるべき恐竜帝国の侵略に備えた。幾度かの戦いのすえ志願してゲッターロボに乗り込んだ柔道家の巴武蔵を3人目に迎え、果てしない防衛戦を繰り返すのだった。

※学年誌版ではアニメ版のコミカライズもある。
※企画自体はアニメ版のほうが先なので「原作」はアニメ版のほうになる。

[編集] メディア展開

1970年代初頭は漫画原作をコアに、映像制作会社・玩具会社・出版社などが連携して商品展開をするモデル(メディアミックス)の定着期であり、この作品もその一角において強い存在感を示している。

ゲッターロボ』は1974年4月4日から、作品としてのメイン展開において、

の二本立てとしてスタートした。アニメと漫画はほぼ平行してスタートしているが、ダイナミックプロによる企画であるため、アニメのクレジットでも漫画を原作として位置づけている。

ちなみに前番組は永井豪の『ドロロンえん魔くん』であるが、『マジンガーZ』の大成功から「この時間枠もロボットアニメで仕掛ける」というフジテレビの意向が強く出た結果となった。

初期設定では「チェンジロボット ゲッター3」と仮タイトルがつけられ、3人の中学生、流竜之介犬神隼人巴武蔵が主人公で、サイボーグとなって戦うという『鋼鉄ジーグ』に近いものであった。ゲッターへの変形もサイボーグ化された3人が人間ピラミッドを組み、頂点となるのが誰かで3種類のロボットに変身するというもので変形ロボのイメージは少なく、変身合体という構想であった。流竜之介(リュー)が頂点となると腹部にアストロビームを装備したゲッター3に、犬神隼人(ハヤト)が頂点となるとマントをブーメランに変形させて戦うスピードファイター、ゲッター2に、巴武蔵(ムサシ)が頂点となると胸からアストロング砲を撃つパワータイプのゲッター1に変身する(機体番号の振り方が企画初期では3-2-1となっており、放送された1-2-3とは逆になっている)。3人が操る地底戦車タイプのマシンにはゲットマシンと名前が付けられている。このコンセプトはそのまま引き継がれゲッターロボの元となった。なおこの初期設定のゲッターは3機ともマントを装備した人間型で目に瞳が(2を除いて)描かれている。

その後設定は、サイボーグからレーシングマシンへと合体の主体が変わり、最終的には、合体したときタイヤが付いているのでは絵的にみっともないということで、戦闘機が空中で合体するというアイデアに決まった。

原作者の一人である石川賢の筆による漫画と、TVアニメーションなどでは、同じ主人公の設定・経歴や他の登場人物なども一部異なっている。以降の続編に相当する漫画、及び、TVアニメ作品も多い。また、本作品に限ったことではないが、TVアニメ作品では、漫画作品に比べて対象年齢が下げられている。その為、キャラクターの設定や言動も漫画とアニメではかなり異なり、全体的に見渡せば漫画の方が過激である。

時系列的に述べるなら、かつての劇場版アニメは、永井豪原作の「グレートマジンガーなどと共演」という形式で、特別編的な要素で成り立ち、近年の各OVA作品はパラレルワールド的な意味合いが強い。

初代作品『ゲッターロボ』は先立つダイナミック企画作品『デビルマン』の対異生物戦争、『マジンガーZ』の対異文明戦争の両方をミックスした「恐竜帝国」との戦いというモチーフ。

続編『ゲッターロボG』は「百鬼帝国」という神話伝説の「鬼」をモチーフとした。当時の設定では、そこに科学的設定を加え、一種の脳改造のシンボルとして角が生えていることとなった。そのために異生物設定は影を潜め、ハードな全体主義社会との戦争という色合いが強い(原作・アニメとも)。

ただし漫画版『ゲッターロボG』終盤部においては、新たな敵である「アトランティス帝国」が登場し、前述の「百鬼帝国」と三つ巴の争いの設定となる。これは対「異文明」の設定の典型である。(TVアニメには、全く登場しない設定)

この時に登場した、アトランティス製の巨大ロボット「ウザーラ」は、後のOVAに登場する、「真ゲッタードラゴン(最終形態)」のデザインの基礎になっている。

ゲッターロボ號』は企画の初期段階では『マジンガー』となる可能性もあったせいか、プロフェッサー・ランドウが率いるメタルビースト(訳せばそのまま「機械獣」)軍団が敵である。そのためもあって、作品ではゲッターロボが本来持つ「ゲッター線」というモチーフがまったく登場しない。実際に後年原作者によって言及されたところでは、ゲッター線ではないエネルギーで動いている設定であった。

しかしアニメ終了後も続いた原作漫画ではそこを逆手に取る。メタルビースト軍団は初代の恐竜帝国にのっとられるところとなり、それに対抗するためゲッター線で動く「本当のゲッターロボ」真ゲッターロボが登場、これが後に繋がる「サーガ」の幕開けとなる。

[編集] マンガ作品

年代は連載開始の年であり、ストーリー上の時系列順に並んでいる。

以上4作品は1999年から2000年にかけて発行された「ゲッターロボサーガ」シリーズで読むことが可能。

初代『ゲッターロボ』、『ゲッターロボG』(途中まで)については、当初、1974年から1975年にかけて小学館から刊行された学年誌、「小学1年生」や「小学4年生」等にも、石川賢作画のマンガが連載されていたが、「ゲッターロボサーガ」には編入されず、別の形態で単行本化されている。

『アーク』は時系列上『號』より更に後の物語であり、「双葉社文庫名作シリーズ」において、先述の四作と併せ正式にゲッターロボサーガに加わった。これによって、文庫版で再編されたサーガは全9巻が存在している。『アーク』や『真ゲッターロボ』には、未来の宇宙でゲッターエンペラーという謎の存在も登場する。

石川が鬼籍に入った後に描かれた作品。作画は津島直人、出版はこれまでと異なり幻冬舎から行われている。

アンソロジーコミックも多数存在する。石川が鬼籍に入ってから出版された『ゲッターロボアンソロジー~進化の意思~』(発行:幻冬舎 ISBN 978-4-344-81272-7)では永井豪清水栄一×下口智裕津島直人今石洋之などが参加・寄稿した。

[編集] TVアニメ作品

年代は放映開始の年であり、放映された時系列順に並んでいる。

  • ゲッターロボ(1974年)(ボディーカラーが白一色の「プロトタイプ」が登場。後年のアメリカ合衆国などでの放映時のタイトルは、『Space Robot(スペースロボット)』。)
  • ゲッターロボG(1975年)(当初制作会社では『ゲッターロボ』から通しNo.が引かれた同一作品のマイナーチェンジであったが、後年著作権が明確になるにつれて、別作品に分離。英語タイトルは『Jet Robot(ジェット ロボット)』。
  • ゲッターロボ號1991年)(一説では本来『マジンガー』シリーズの企画であったが、著作権運用上『ゲッター』となったという説もある。また、漫画版と違い、先の『ゲッターロボ』『G』とはストーリー上の接点は一切ないが、中盤に神隼人を登場させる事で世界観を繋げる案があったというスタッフの証言がある。)

[編集] 劇場アニメ作品

東映まんがまつりで公開された。

[編集] OVA作品

年代は発売された年。設定、時間などは作品毎に独立している。

  • 真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日1998年
    ゲッターロボ、ブラックゲッター、ゲッターロボG、真ゲッターロボ、真ゲッタードラゴン、ゲッターエンペラーらしき巨大ゲッターロボが登場する。
  • 真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ2000年
    ゲッターロボ、ネオゲッターロボ、真ゲッターロボ、神ゲッターロボ(設定画ではヨロイゲッターとなっている)が登場する。
  • 新ゲッターロボ(しんゲッターロボ)(2004年
    ゲッターロボ、プロトタイプゲッターが登場する。この作品のゲッターロボは全く新しいデザインで、旧デザインのゲッターロボが「プロトタイプゲッター」の名前で登場する。

註:主にゲーム内のキャラクターとして登場する、「ゲッターロボ斬」、「真ゲッタードラゴン」(OVA作品中の「真ゲッターロボG」の変形した「真ドラゴン」とは異なる。)、「ブラックゲッター」(ゲームとOVAのものも異なる機体。)等も存在する。

[編集] 小説作品

2001年電撃文庫から発売された。著者はたかしげ宙。漫画版を基にしているが、時代設定が21世紀初頭になったため、ハヤトのプロフィールが大幅に変更されている。脇役でベンケイが登場するなど『ゲッターロボG』までの展開を踏まえたと思われる描写もあるが、第1巻が発売されたのみで未完のままになっている。カバーイラストと挿絵は石川賢による書き下ろし、ゲストイラストを村枝賢一が寄稿している。

[編集] 英語版タイトル

TVアニメの設定中では、初代「ゲッターロボ」は「戦闘用ロボット」ではなく、「宇宙開発用として研究、製造されたロボット」であることから、当初の海外放映時タイトルは『Space Robot(スペースロボット)』となっている。近年は『Getter Robot』という名称を用いられることが多い。

[編集] 最終回

ゲッターロボは現在でいうところのメディアミックス作品に該当するものであり、少年誌の他に小学館発行の子ども向け学年誌にも掲載されていたため、複数の最終回が存在する。

[編集] 漫画

少年誌版
浅間高原に発生した謎の竜巻きを調査に向かったゲッターチーム。しかし、それは恐竜帝国の陰謀だった。竜巻き発生装置とメカザウルス「モバ」に守られた恐竜帝国前線基地は80%以上完成しており早乙女研究所の危機は明白だった。ゲッターチームは前線基地の破壊を行なおうとするが、基地の作られた町の生き残りの少年達が自分達の手で仇を取ると言ってダイナマイト片手に特攻を始める。なんとか最後の1人を救ったゲッターだったが、基地破壊の爆発のあおりで竜馬の目が見えなくなってしまった。竜馬は隼人と武蔵を逃がすため自ら分離し基地の爆発に巻き込まれた。爆発後捜索隊が駆け付けると周囲の岩が溶けている中でイーグル号はなんとか回収できたが、竜馬は死体すら見つからなかった。武蔵は死体が熱で蒸発したと思い悲しみにくれる。
死んだ竜馬をあきらめて新しいゲッターの操縦者を探そうと語る早乙女博士と竜馬の死を信じきれない神隼人の前に包帯で顔を覆った謎の男が現れる。博士を力づくで拉致しようとした包帯の男は空手を使った。「リョウ」と呼びかけた博士の声に動揺した男はそのまま逃げ去る。残された薬袋からY市の総合病院を突き止めた隼人と武蔵は病院へ向かうが、そこは百鬼帝国の秘密人体改造場となっていた。あらわれたメカザウルスに改造された人間=鬼を生身で倒す。ブライ大帝は帝王ゴールに対し地上侵攻を止めるように恫喝し、それに焦ったゴールは地上侵攻を早める。竜馬は百鬼帝国に救出されていた。ゆくゆくは地上侵略の尖兵となる鬼の素体として。病院で発見された竜馬は傷のせいで記憶を失っていた。そのためゲッターロボでの出撃は不可能だった。迫り来る恐竜大隊。博士を追った武蔵が研究所の地下で見たものは建造途中の新ゲッターロボだった。新ゲッターさえ完成すればこの危機を乗り越えられ地上を救える、しかし、恐竜帝国の猛攻の前にもはや時間的に間に合わないと語る早乙女博士に武蔵はある提案をする。
恐竜帝国の空襲になんとか反撃をする研究所。しかしゲッターロボが飛び立てない今となっては全滅は時間の問題と思われた。その空襲の下に立ち記憶を取り戻そうとする竜馬。そしてその竜馬をかばって倒れるミチル。その時研究所から3機のゲットマシンが発進した。驚く隼人。しかもゲットマシンはゲッター1へと合体、群がるメカザウルスをたたき落とす。だが隼人には分かっていた。3機のうち2機までもが自動操縦でまともに戦える筈がない。案の定、敵の猛攻を受けぼろぼろになって行くゲッターロボ。その様子をモニターしていたゴールは狂喜し全メカザウルスを憎きゲッターに向けろと指示を出す。バット将軍はゲッターロボの動きのあまりの悪さに不安を感じ、メカザウルスの撤退を進言するがゴールは聞き入れない。バット将軍の不安は的中した。ゲッター1を取り囲んだメカザウルスたちがメカの部分を残して溶け始めている。これはハチュウ人類がもっとも恐れるゲッター線の作用によるものであった。武蔵はあまりに強いゲッター線の作用によりハチュウ人類ではない自らの身までもが溶けてゆくことも顧みず、わざとゲッター炉心を暴走させていた。ゲッター1は腹部に開いていた傷の中に自ら腕を突っ込みゲッターエネルギータンクを取り出すと、その大量のゲッター線をメカザウルスに浴びせながら自爆する。武蔵の死を目の当たりにした竜馬はようやく記憶を取り戻すのだった。武蔵の死を嘆く隼人に早乙女博士は告げる。武蔵は未来を彼らに託すために命を賭けたのだと。
残存戦力で早乙女研究所を倒そうとするゴールは、ゲッターの無い今恐れるものは何もないと、自ら最前線に向かう。しかし、その空中要塞型メカザウルスに爆散したはずのゲッターロボが襲いかかり、ゴールを驚愕させる。それは完成したばかりの新ゲッターロボが、旧ゲッターロボの姿を霧に映して行なった反撃だった。追いつめられるゴール。辛くも脱出したゴールは海に配置してあったメカザウルス部隊のもとへ急ぐ。しかしその部隊は百鬼獣によって壊滅させられていた。その百鬼獣の攻撃をかわしてゴールを追跡するゲッタードラゴン。しかしゴールは恐竜帝国に帰り着けなかった。恐竜帝国は戦力のほとんどを失うと同時に冬眠期にも入っていた。ゴールの焦りはここにもあったのだ。バット将軍は恐竜帝国の全滅を防ぐために、やむなくゴールを見捨ててマシーンランドをマグマ層の奥に沈めた。死を覚悟し、ゲッターロボと刺し違えんとしたゴールであったが、その死はゲッターではなく百鬼獣の手によってであった。百鬼帝国を新たな敵と認識したゲッターチームは新たな戦いを始めるのだった。
学年誌版1
恐竜帝国との決戦で傷を負ったゲッター1。特にベアー号の損傷は激しく武蔵も重傷を受けた。死を覚悟した武蔵はベアー号を分離させメカザウルスの群れへと捨て身の攻撃を行い、散華する。その後完成した新ゲッターロボで、ゴールを倒す。
学年誌版2
ゲッターロボの数十倍の巨体のメカザウルス「モズ」の侵攻にゲッター1は左足をやられてしまう。唯一可能な合体はゲッター3のみ。戦いで傷付いていた武蔵は覚悟を決めてメカザウルスの口にゲッター3で突撃、怪力を活かして「モズ」の口を開けるとその中にゲッターミサイルを叩き込んだ。モズとともに四散するゲッターロボ。しかし新ゲッターロボが彼の遺志を継ぐのだった。

[編集] アニメ

テレビアニメ
恐竜帝国の侵攻が激しさを増した物語最終盤、ゲッターロボは巨大なメカザウルス「無敵戦艦ダイ」を中核としたメカザウルス軍団の猛攻に苦しむ。ダイの攻略については、濃密な対空射撃の唯一の隙間であるダイの艦載機離着艦用の進入路を逆用して、ゲットマシンによる三段式ゲッターロケット弾をダイの体内に撃ち込む、という作戦が考案、実行された。しかし、これは武蔵の不手際で失敗し、ゲットマシンは悉く撃墜された上に竜馬と隼人が重傷を負ってしまう。そして、原作とは異なり、恐竜帝国に地上拠点の構築を許してしまう事になる。
ゲットマシン撃墜の責任を感じた武蔵は、高性能ミサイルを積み込んだコマンドマシンで再度攻撃を仕掛けようとした早乙女博士やミチルを押し留め、自身がこれに乗り込んで恐竜帝国に単騎攻撃を仕掛ける。無線通信の会話で武蔵は攻撃を成功させて無事に帰還する事を誓うが、しかし、メカザウルス「ザロ」の迎撃を受けたコマンドマシンは炎上、操縦不能に陥ってしまい、さらには、ミサイルも切り離す事ができぬままダイの離着艦進入路へ突入し、そのままダイ内部の基幹部にまで飛び込んでしまう。
これによりダイは制御部を破壊されて暴走、その巨体で地上に拠点を築いたばかりの恐竜帝国を悉く破壊し尽くし、帝王ゴールも大魔神ユラーも滅びるのであった。
武蔵の死を悲しむゲッターチーム。その一方、いずこかで人類征服の野望を抱く百鬼帝国が胎動を始めていた。
映画『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突
公開は『ゲッターロボ』テレビシリーズの最終回放映から2ケ月あまりが経過した7月。
謎の宇宙船に早乙女研究所が襲われて出撃、武蔵は分離状態のベアー号で戦闘中、空魔獣「グランゲン」が放った光線の直撃を受けてしまい、グランゲンを回避できずに空中衝突、グランゲンもろとも爆死する。
早乙女研究所及び残りのゲットマシンも大破、早乙女博士は極秘に開発していた新型ゲッターロボと予備要員の車弁慶の投入を決意する。
なお、本作では物語序盤にこのイベントは発生する。
OVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ
ゲッターロボ原作最終盤の武蔵の死という物語上重要なイベントが、本作では物語冒頭のエピソードとして起きており、「最終回」の範疇には含まれないが、この武蔵の最期はOVAのストーリー展開に大きく影響するため、併記する。
ニューヨークに出現し都市を壊滅寸前に追い込んだ帝王ゴール率いる恐竜帝国、そして無数のメカザウルス。早乙女研究所において建造中の新型ゲッターロボ「真ゲッターロボ」は完成直前であり、従来のゲッターロボが立ち向かう。しかし、竜馬は重傷を負って記憶を失っており、出撃不能の状態であった。ゲッターチームに出撃命令は下りず、これに業を煮やした武蔵が単独操縦でニューヨークへ出撃したものであった。早乙女博士と隼人は真ゲッターロボの完成を待って出撃することを決め、竜馬を真イーグルに乗せた上で真ゲッターロボの起動を試みたが、なぜか起動しない。
一方、ニューヨークへ単身出撃し孤軍奮闘するものの、圧倒的な敵戦力の前に傷ついていくゲッターロボ。メカザウルスに取り囲まれ、覚悟を決めた武蔵はゲッター炉心を暴走させ、ニューヨークの街、そして自らの命を引き替えに恐竜帝国に大打撃を与え、帝王ゴールにも深傷を負わせて撤退させることに成功する。しかし、竜馬の記憶は戻ったものの、真ゲッターロボは遂に起動しなかった。
この事件をきっかけとして国際社会の圧力によりゲッター線の研究開発は凍結され、真ゲッターロボも封印されることになった。そして、武蔵の死にショックを受けた流竜馬は早乙女研究所を去り一人修行の旅に出る。一方、神隼人も研究所を離れネイサーに入り、プラズマ駆動で動く、すなわち、ゲッター線を使用せずにゲッターロボと同様の運用が可能なネオゲッターロボの開発に注力する事になる。

つまり、初期アニメ版の武蔵だけは他の作品と大きく異なり、敵を倒して無事に帰還する意志を示しながらも死亡しており、戦死の内であっても限りなく事故死に近い死に方でその最期を描かれている。この初期アニメ版にのみこの様な差異が存在する理由については、当時盛んであった東映の労働組合の運動の影響を回避するため、あるいは、当時のフジテレビが事実上の『特攻行為』をタブー視したなど、諸説があるが定かではない。

[編集] キャスト

[編集] ゲッターチーム

[編集] 早乙女研究所、他

[編集] 恐竜帝国

  • 帝王ゴール:神弘無
  • バット将軍:緒方賢一
  • ガレリイ長官:山田俊司
  • 大魔人ユラー:矢田耕司

[編集] 主な登場メカ

プロトタイプゲッターロボ
ゲッター練習機とも言う。アニメ第1話登場のマシンで白基調のモノトーンカラーの機体。早乙女達人と研究所員が乗り込んだ。変形テストには成功したものの恐竜帝国の襲撃で破壊されてしまう。宇宙開発用で武装されていないとされる(スーパーロボット大戦シリーズにも登場し、こちらの設定では、威力は弱いものの、一応はゲッターロボとほぼ同じ武装が施されている)。ゲットマシン時の名前は不明。
ゲッターロボ
初代ゲッターロボ。元々は宇宙開発用に作ったロボットだったがハチュウ人類の侵略により急遽戦闘用に作り直した。イーグル号ジャガー号ベアー号の3機のゲットマシンが合体する巨大ロボット。3機の組合せでゲッター1、ゲッター2、ゲッター3の3タイプがある。組み合わせは以下の通り。本来のパイロットがプロトゲッターで戦死してしまった事から、反射神経に優れている、という理由でリョウマとハヤトの2人がスカウトされた(ムサシは志願)。各ゲットマシンのコクピットの開口部が合体後に上方を向くため、ゲットマシン時は直接視認、ロボ形態では間接視認で操縦されていたが、その弱点を恐竜帝国に看破されロボ形態時のカメラのある頭部への攻撃を受け危機に陥ったことがある。そのため合体後に頭部となるゲットマシンのコクピットのみ頭部へ移動するという改修が加えられた(アニメ版・学年誌漫画版)。しかしこれはゲッターロボの魅力であるスピーディーな分離・合体の描写を損なう設定でもあったためか、後のOVAなどでは無かったことになっている。ゲッターロボGではコクピットは常に頭部になるようにデザイン段階で配慮されている。なお、同一のマシンの組み合わせである以上、ゲッター1、2、3の機体重量は等しくなるはずだが、何故か作中では3形態ごとに重量が異なっている。この点においては重力操作による変動ではないかと言われているが、定かではない。
分離の際のかけ声は「オープン・ゲット」。変形する際だけでなく、ゲッターロボの状態で回避動作を行っていては間に合わない際の緊急回避、敵に絡め取られて動けない状態になってしまった時の脱出などでもオープン・ゲットして状況を立て直すことが多い。なお、合体も一瞬だが分離も一瞬である。かけ声とともにすぐに分離して敵から離脱することができる。
ちなみに、ほとんどすべてのゲッターロボはパイロットが3人に満たなくても操縦可能。その場合、パイロット不在のゲットマシンは自動操縦となる(極端な話、1人でゲッターロボで出撃することも可能)。しかし、その状態ではゲッターロボ本来の性能が発揮できない弱点がある。
なお、アニメ版では当初は宇宙開発用にのみ使いたかったと早乙女博士は言いつつも、会話の流れからすれば、恐竜帝国の出現を予期していたわけではないが、兵器搭載型のゲッターロボは改造機ではなくプロトタイプとは別に用意されていたものである。
イーグル号
ゲッターロボを構成するゲットマシンの1機。運動性の高さが特徴。パイロットは流竜馬。
ジャガー号
ゲッターロボを構成するゲットマシンの1機。空力性に優れた機体。パイロットは神隼人。
ベアー号
ゲッターロボを構成するゲットマシンの1機。安定性に優れた機体。パイロットは巴武蔵。
ゲッター1
イーグル号:頭部、ジャガー号:腕部と腹部、ベアー号:脚部で合体後完成するゲッターロボ基本形。六角形の組み合わせが顔になるという斬新なデザインを持つ(原作アニメ版と漫画版では亀甲模様の数が違う。デザインモチーフは「亀の甲羅」である[1])。最強の武器であるゲッタービームを放てるのはこの形態のみとされている。他にもゲッタートマホークやゲッターレザーなど武装も豊富である。ミサイルマシンガンやゲッターマシンガンなどの射撃武器を携行する作品もある。ゲッターウィングというマント状の翼を背部から出し、飛行出来る(本来の活躍の場である宇宙空間をあの翼で飛べるか、という疑問は無くも無いが)。漫画版とOVA版のゲッターウィングは布の様にたなびく。全高38.0m、重量220t。
ゲッター2
ジャガー号:頭部と腕部、ベアー号:腹部、イーグル号:脚部で合体後完成するゲッターロボ。左手がドリルアーム、右手がショベル状ゲッターアームという、宇宙開発用であることが偲ばれる形態。地上・地中戦向けで加速性能に優れており、ゲッタービジョンという高速移動による分身の術が使える(移動速度は最大マッハ3)。ドリルで地中に潜って掘り進むことができる(機体サイズと比較してドリルの口径があまりにも小さいため、実際にはこのような行動は不可能であるはずだが)上にドリルストームという竜巻をおこすことができる。ドリルはロケットパンチのように発射して遠距離攻撃武器としても使用可能である(TV版ではドリルパンチ、OVAではドリルミサイルと名称が異なる。漫画版では「ドリルロック」と呼ぶ)。原作のマンガ作品では、地中で目から、ゲッタービームを発射している描写がある(ゲッター1の時には腹部となるジャガー号から発射するので、頭部ではあるが、発射機能はジャガー号という設定は踏まえている)。全高38.0m、重量200t。
ゲッター3
ベアー号:頭部と腕部、イーグル号:腹部、ジャガー号:下半身で合体後完成するゲッターロボ。主に不整地や水中など歩行の難しい場所用に開発されたらしいキャタピラを持つ形態。腕は多関節のジャバラ状で後のアニメ化作品では伸縮自在という演出がされていた。マニピュレーターの出力の高さを活かした格闘戦が得意。この形態のメインパイロットである巴武蔵の柔道技「大雪山おろし」を再現できる。ゲッターミサイルを放つことができる唯一の形態。また、空を飛べない唯一の形態でもある。OVAでは、ジャガー号機首部分に機関砲が追加装備されている。外伝作品の『月面十年戦争』ではリョウ、ハヤト、ムサシが一機づつ操縦する3機のゲッターロボがゲッター3を中心に合体し、ゲッター3のジャガー号機首からゲッタービームを放つ、という描写がある。全高20.0m、重量250t。
コマンドマシン
ゲットマシンと同じデザインラインを持つ早乙女ミチルの愛機。偵察・援護用の機体である。漫画連載時の掲載誌にはコマンドマシンとゲットマシンが合体できるかどうかの質問が寄せられていた。明確に否定も肯定もされなかったが、今まで合体したという演出・描写は一度も無い。
ゲッターQ
ゲッタークイーンと読む。分離変形しないゲッターロボのパートナーロボ。早乙女博士が設計したが設計図を恐竜帝国に奪われゲッターの敵となった。パイロットは恐竜女王ゴーラ早乙女ミユキ)。恐竜帝国製であることから、本機体は本来の設計図にあったであろう、ゲッター線動力炉で動くものではないものと思われる(が、スーパーロボット大戦では、威力は弱いがゲッター1とほぼ変わらない武装が装備されていて、ゲッタービームも使用可能)。
テキサスマック
アメリカ製のスーパーロボット。キング博士の開発した戦闘用ロボットであり、もともと宇宙開発用だったゲッターロボより戦闘力では上である。名前の通りテキサスのカウボーイのようなスタイルであり、頭部のハットマシンは分離して盾になったり透明コートを発生させ溶解液を防いだりする。手持ちの銃が変形し遠距離近距離攻撃を自在に使い分ける。パイロットはジャック・キング(本体)とメリー・キング(ハットマシン)。二人ともスーパーロボット大戦シリーズでは怪しげな抑揚の日本語を話すがアニメではきちんと話している(ちなみに、この「怪しい抑揚の日本語を話す」というキャラクターはジャックのキャラとして定着し、『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』に逆輸入されている)。主役に与する巨大ロボットとして、初めて「銃」を装備したロボットである。

[編集] 放送リスト

話数 サブタイトル 登場敵メカ
1 無敵! ゲッターロボ発進
  • メカザウルス・サキ
2 決戦! 三大メカザウルス
  • メカザウルス・ザイ
  • メカザウルス・バド
  • メカザウルス・ズー
3 恐竜帝国レインボー作戦
  • メカザウルス・バジ
4 燃ゆる血潮の南十字星
  • メカザウルス・ゴル
5 闇をつらぬけゲッターチーム
  • メカザウルス・ギガ
6 恐竜! 東京ジャック作戦
  • メカザウルス・リボ
  • メカザウルス・恐竜艇
7 悪を許すな突撃ラッパ
  • メカザウルス・べラ
8 危機一髪ゲッター2
  • メカザウルス・ギロ
9 栄光のキャプテンラドラ
  • メカザウルス・シグザウルス
10 急降下! ゲッター3は行く
  • メカザウルス・バス
11 激突! ドリル対ドリル
  • メカザウルス・ギリ
12 吠える! 不死身のウル
  • メカザウルス・ウル
13 一本勝負! 大雪山おろし
  • メカザウルス・メサ
14 紅の空に命を賭けろ!!
  • メカザウルス・ギイ
15 悠子に捧げるバラード
  • メカザウルス・シバ
16 恐竜帝国の謎を追え
  • メカザウルス・ゲル
17 狙われた設計図
  • メカザウルス・ジガ
18 恐竜帝国のすごい奴
  • メカザウルス・ゼン
19 リョウ最後の出撃!
  • メカザウルス・ドド
20 大空襲! 突然の恐怖
  • メカザウルス・ヨグ
21 アメリカから来たロボット
  • メカザウルス・ゴラ
22 悲劇のゲッターQ
  • メカザウルス・ギン
  • ゲッターQ
23 浅間山の大発明狂
  • メカザウルス・ギラ
24 大要塞に向かって撃て
  • メカザウルス・ギギ
25 合体! 風速100メートル
  • メカザウルス・バム
26 帝王ゴール大噴火作戦
  • メカザウルス・メガ
  • メカザウルス・バリ
27 大魔人ユラーの怒り
  • メカザウルス・バボ
28 襲撃! 地竜族三人衆
  • メカザウルス・ゴド
29 洪水地獄の死闘
  • メカザウルス・バル
30 不死鳥の甦る時
  • メカザウルス・ダグ
31 危機! ハヤトよ立ち上がれ
  • メカザウルス・ヤバ
32 恐怖! 赤い霧の罠
  • メカザウルス・ブル
33 果てしなき大空に誓う!
  • メカザウルス・ガル
34 女竜戦士ユンケの涙
  • メカザウルス・ウビ
  • メカザウルス・アロー
35 ムサシ! 男はつらい
  • メカザウルス・ザリ
36 要塞撃滅! トロイ作戦
  • メカザウルス・ダダ
  • メカザウルス・モギ
37 悪の指令! 博士を狙え
  • メカザウルス・マグ
38 魔の海からの脱出!!
  • メカザウルス・ナダ
39 悲しみは流れ星の彼方に
  • メカザウルス・ドゲ
40 日本列島凍結作戦!
  • メカザウルス・べド
41 姿なき恐竜空爆隊
  • メカザウルス・グダ
42 北極に進路をとれ!
  • メカザウルス・ゾリ
43 奪われたゲッターロボ
  • メカザウルス・ガモ
44 ムサシ! 怒りの海底
  • メカザウルス・ガダ
45 脱出! 宇宙の墓場
  • メカザウルス・モア
46 恐るべき氷竜族の侵略
  • メカザウルス・グマ
47 帝王ゴール地上に現わる!
  • メカザウルス・バグ
  • メカザウルス・ゾン
48 マグマの恐竜帝国へ突入!
  • メカザウルス・ゾル
  • メカザウルス・ヤモ
49 大爆発! くたばれ恐竜帝国
  • メカザウルス・ヌイ
50 帝王ゴール決死の猛反撃
  • メカザウルス・ガイ
  • メカザウルス・ゴダ
51 恐竜帝国のほろびる日
  • メカザウルス・ザロ
  • メカザウルス・モバ
  • 無敵戦艦・ダイ

[編集] 特記

  • 「永井豪らが運転した自動車の三重衝突事故が発想のきっかけとなった」と石川賢はエッセーマンガ(『ゲッターサーガ』所載)で冗談めかして述べているが、同時に「ウソです」とも書いているため、真偽は定かではない。なお、この時期に永井が自動車の運転を始めたことは、『マジンガーZ』の乗り込み型巨大ロボットという発想にも関わっているという。
  • 原作者二名でゲッターロボのデザインを考案中、永井豪の提案で、「多少形態の変化に無理があってもかまわない」という発想の元で作られた。主にゲッター1は石川賢、ゲッター2、3は永井豪色が強い[1]
  • 「ロボットのおもちゃをより多く売るために3体作られた」という、企業側による企画上の思惑があったともいわれている[1]。しかしながら、2番目の理由で、初代ゲッターロボ、ゲッターロボG共に変形プロセスが玩具では上手く再現できるものはなかった(現在でも再現しようという試みは存在し、その試みを具体化した玩具もマニア向けだが発売されている[1])。
  • 後年、完全変形合体(一部差し替え)を目的に制作された玩具をもとにデザイン・制作されたのがゲッターロボ號。
  • 作画(マンガ)は石川賢が担当してきたため、永井豪はゲッターロボを描くのが苦手である[要出典]
  • ゲッター1/2/3は、同じ3機が合体するのであるから、形態は違っても理論上は全て同じ重量でなければならない。ところが設定上、ゲッター1/2/3で重量が違うことになっており、学年誌連載版漫画でも「一番重いゲッター3」という表現が出てくる。こういう間違いが生じたのは、初期設定で変身のような変形をする設定であったため、という説がある。ちなみに各ゲットマシンはイーグル号80t、ジャガー号80t、ベアー号90tとなっている。『ゲッターロボG』では全機同じ重量となっている。
  • ゲッターはもともとサッカーがモチーフであり、ゲッターの名前はポイントゲッターから、倒すべき敵はゴール、主人公の一人竜馬は浅間高校のサッカー部キャプテン、となったという[1]
  • 主人公3名のキャラクターは、「典型的な熱血ヒーローのリーダー(赤)」、「リーダーと双璧をなし、ライバル関係になるクールでニヒルで影のある、端正な顔立ちのナンバーツー(青)」、「格好いいところはいつも前の二人に取られてしまう、肥満体のギャグ担当(黄色)」という編成であり、この3人に、レギュラー陣であるミチル(女性)と元気(少年で女性の弟または弟分)を加えると、時間的には本作と相前後するため、どれがヒントになったのか必ずしも明らかでなく、偶然の一致の可能性もあるものの、『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年放映開始)、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年放映開始)およびそれに続く所謂戦隊シリーズ、『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976年放映開始)といったアニメーション・特撮作品におけるチーム編成と同一の形となっており、現在まで連綿と続く「チーム」像の基本形を踏襲していると言える。

[編集] ゲッター線とは

ゲッターロボの動力は大多数の機体が「ゲッター線」と呼ばれる架空の放射線である。宇宙から無限に降り注ぎ、恐竜を絶滅させた(恐竜はゲッター線に弱いことになっている)とされるほか、哺乳類の進化を促したとされている。さらにはOVA『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』に登場した宇宙生物インベーダーのエネルギー源でもあるが、インベーダーはゲッター線を過剰に吸収すると体が耐えきれずに崩壊するため、ゲッターロボによる攻撃の効果は認められる。

ゲッターロボの駆動には「ゲッター炉心」と呼ばれる反応システムを用いる。この炉心は原子炉同様、臨界を越えるとメルトダウンを起こし、高熱を発して溶け出す。また、どんな影響があるのかは不明であるが、「ゲッター線汚染」という、一種の放射能汚染を引き起こす場合もあった。ゲッターエネルギーは宇宙からゲッター線が無くならない限り無尽蔵であり、宇宙開発には最適のエネルギー源であったが、前述の理由により対恐竜帝国用の切り札的な兵器として戦闘用に転用される。対恐竜帝国に絶大な効果を発揮した「ゲッタービーム」は、ゲッター線の戦闘への転用の典型例である。

人工的な核融合を引き起こすことも可能であり、OVAでは15個の衛星を吸い込み、質量を増やした木星に暴走させたゲッター炉心を撃ち込み、核融合を起こす「ゲッター線の太陽」が生み出された。

ゲッターロボが変形することができるのもゲッター線による効果であり、ゲッター線によって金属が延び縮みしたり、金属チップが増殖するという現象を引き起こす。それにより(形状構造的に考えれば無理のある)変形合体も可能となっている。ちなみに、各種設定資料等によるとゲッターロボの装甲は『ゲッター合金』と呼ばれる一種の形状記憶合金で出来ている。漫画版では「特殊金属」とも呼ばれたこの合金が用いられているのは外装だけのようで、OVA版では不自然に曲がったり延びたりしない骨格があり、合体パターンによって外装が入れ替わる(金属チップが整列する)という演出が取られている。

ゲッター線には未解明の部分も残されている。ゲッター搭乗者が見る「夢」や機械ですらも進化させることができる能力(スーパーロボット大戦F完結編ではマジンガーZにゲッター線を浴びせマジンカイザーに進化させた)については、作中でも謎のままである。ゲッター線研究の第一人者であった早乙女博士ですら、ゲッター線の全貌を解き明かすまでには至っていない。

漫画版『ゲッターロボ號』においては、主人公の一文字號がゲッターの意思と接触した際の会話で、物質、時空間、自然物、進化、生命全てを司る存在であることを垣間見せており、同時にゲッター線が生命を宇宙に広げていく機構としての側面を果たしている事も明らかにした(作中では生命を生み出す根源の力ゲッター線を種子に喩え、「種子の散布=宇宙に置ける生命の拡大」として説明した)。なお、死んだ生命(魂)も再びゲッターの元に帰っており、帝王ゴールや大帝ブライは死後に早乙女博士や竜馬の前に、ゲッターの使者として姿を現した。

拡大機構の具体的な例として、真ゲッターロボが北極圏で繰り広げた最後の戦いの際、核ミサイルを手始めに、恐竜帝国の兵器「デビラ・ムウ」と乗っていたハチュウ人類全てを吸収し、直後に超光速火星へと跳躍、一瞬でのテラフォーミングを敢行していた。数刻の後には火星で微生物の誕生が確認できる状態となった。なお、この戦いで生存していた橘翔らは吸収せずに地球に残していくという取捨選択を行っている。

シリーズ最新作である漫画『ゲッターロボアーク』では、2500年以上先の未来で宇宙へと進出した地球人類は、既に忘れ去られた星系であった太陽系から現れたゲッターエンペラーとの接触を果たしており、エンペラーの庇護下に置かれていた。人類は「ゲッターが人類のみの味方であり、選ばれた種である」という強固な選民思想を打ち立て、ゲッターエンペラーと共に宇宙制覇に乗り出ている。

[編集] 脚注

  1. ^ a b c d 岩佐陽一編『ゲッターロボ大全』双葉社、1998/10発行、ISBN 4575288853

[編集] 関連項目


フジテレビ 木曜19:00枠
前番組 番組名 次番組
ゲッターロボ


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